ココログ ログインココログ登録お知らせ

2005.07.26

[ゴーログ] 「パラサイト・ワイフ」ってなんだろう?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。またまた「くまさんの自立」さんが怒り心頭に達しています。どうも、政府税制調査会『第37回基礎問題小委員会』(17年5月27日)におけるある委員の発言が切っ掛けになっているようです。「こんな発言をする人達が、政府税制調査会のメンバーならば、増税する事を考えても全くおかしくない。国民を馬鹿にしている。自分たちのことは、差し置いて、国民を単なる税収マシンとしか考えていない。敢えてコメントはしませんが、この発言をした人に万が一にも奥さんと呼べる主婦がいるのならば、真っ先に読ませてあげたい」と憤っています。「くまさんの自立」さんを怒らせた発言の部分をご紹介しておきましょう。

『今、専業主婦であれば子供を産むとは限らなくて、逆に専業主婦で何もしないのが多いんです。子供も産まないで。つまり、人生に前向きかどうかというと、働く女の人は前向きで、子供を産みたいわけ。働かないで家でごろごろしている主婦が、子供を今産まないんです。・・・パラサイト・シングルっているけれども、今、パラサイト・ワイフというのができてきた。つまり、変な生命力のない人たちがたくさん生じていて、お金を持ってぶらぶらしているんですよ。消費にはいいかもしれないけれども。そういうところで、何か政策誘導的なものを作らないと、そういう人は淘汰してもらうなり何なりしてもらわないといけないような、そういう方向性を、あるいは前向きな人にはきちんとした支援をするということを考えないと、ちょっと困るのではないかなという方向に来ているんですよ。・・・』

『基本的に結婚しないのが多いからなんです。それはどうにもならないから諦めていますが。・・・働いている女性のほうがちゃんとご飯を作るというデータもあるんです。専業主婦で時間がいっぱいある人こそ、コンビニで買ってきた発泡スチロールで食べさせちゃうというのが多いんです。ただ、託児所をいっぱい作ったから子供を産むかというと、それもまた違うんですよ。駅に保育所があって……、子供は荷物じゃないんだから。』 

『何が問題かというと、婚姻か、婚姻していないかということで、逆に配偶者という立場を作ってしまう、あるいは専業主婦というような概念を持ち込んでいるということが、現実と非常に離れたというか、現実の状況と離れたことを人為的に持ち込んでいる。つまり、考えるべきは、婚姻しているとか、していないとか、結婚しているとか、していないとかということによって、女性のステータス、あるいは課税上のステータスを変えるということが問題であって、働いているか、働いていないか、いくら働いているか、働いていないかだけでカウントするという考え方を、間違っているかもしれませんけど、それが一つ。もう一つは働けないかどうか。つまり、家族の世話、いわゆる子供の世話ですね。夫の世話というのはどうせどっちでもいいと思っていまして、これはちょっと失言ですけど、夫の一人のために専業主婦が一人ついて、洗濯したり掃除したりするというのは、労働力のロスだと思うのです。外に出たほうがいいから。やはり一番重要なことは、育てるということに対する労力をどういうふうにどこまでやるか。その時に扶養控除というのは、女性側か男性側かどっちが使ってもいいと思うのですが、今だと世帯主が扶養控除を使うというようなイメージがあって、どっちが使ってもいいというふうにするのか、半分半分使うのか、扶養控除のとらえ方でもう少し何か明確なことが言えないかなと、そこがちょっと気になっているところです。』 

 これらの発言を受けて、「くまさんの自立」さんは、「 ぼくは主婦がいて、家庭全般などをキチッと整理してくれているから、仕事がうまくいくのだと思っています。主婦って、ご主人のよき秘書でもあるのですよね。専業主婦の仕事をこの委員に是非やらせたいですね。生活感のない税制委員は失格です」と怒髪天を突く勢いでして、「奥さんは是非とも主婦を放棄して、その委員に自分で掃除洗濯・家事全般をすべて仕事をしながらやってみろと言いたいですね。・・・サラリーマンの増税、専業主婦を馬鹿にした発言。こんな人達に税制を考える資格はない。もっと、国民は怒らないといけません。どうでもいいと思っていると、どんどん悪い方向に行ってしまいます」とブチきれています。
 お気持ちは分かります。ただ、その委員の考え方がその小委員会を代表する考え方でないことも事実だと思うので、「税」の問題については、冷静に考えてみたいものです。日本は民主主義を標榜しており、いかなる意見であろうとも、それを表明する自由は与えられていますから、その委員にも意見を開陳する自由はあるでしょうから。
 もっとも、私は「国家は、市民の家庭のあり方や価値観に関して介入すべきではない」という固い信念を持っておりますから、「くまさんの自立」さんと同じく、この委員の発言には強い違和感を持っています。そういう意味では、「くまさんの自立」さんと同じ立ち位置にいるのかもしれません。
 とはいえ、さらに冷徹にみれば、財政赤字を直視する限りにおいて、増税は不可避であり、ありとあらゆる手段を考えざるを得ないという政府の立場も分からないではありませんし、私自身は「厳しい財政規律を伴ったものであれば、増税はやむを得ない」という立場でもあります。
 いずれにせよ、税制は国家の骨格を示すものでありますし、日本の行く末を決めるものでもありますから、一時的で感情的な激論ではなく、建設的で解決策を探る議論を期待したいものです。

2005 07 26 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2005.06.23

[ゴーログ] 少子高齢化を前提条件とした国づくりを!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「ひろのきまぐれ日記」さんが「なぜ少子化が問題なの?」という根源的な問い掛けをしています。「高齢化問題とともに、少子化問題なるものが言われますが、そんなに問題視するべきものなのだろうか?と疑問に思っています」というのです。

高齢化できるということは、それだけ衣食住が整っていて、医療も進んでおり、またその医療を受けることが出来る、ということを意味しています。そんな国では、この知識社会の中、当然教育水準も上がっているでしょうから、教育にかかるコストも他の国に比べれば高くなるのは必定です。となるならば、そのコストから出生率が低下することは容易に想像できます。 

以前NHKのテレビで中国の奥地で、子供たちが目を輝かせて、文字を習っていたのをみましたが、そんなのをみると、素朴さに心を奪われると同時に教育水準の低さ、言い換えれば、教育コストの低さも感じました。家の様子も映されていましたが、電化製品一つないような家でありました。

翻って、日本の家の風景を眺めていれば、テレビはあり、パソコンはあり、クーラーはあり、洗濯乾燥機はあり、食器洗い機もあるという様子です。両者のエネルギー消費・環境負荷の違いは明らかです。高負荷の社会の人口が減っていくのは、大きな目で見れば、望ましいことだと思います。・・ 

 そうなんですね。経済発展は良いことだ、GDPが増大することが絶対善だ、というカルチャーに染まり切ってしまうと、こういう発想になれないのですが、「無理してでも、経済規模の拡大を目指していくべきなのか」という根源的な議論を忘れてはならないと思うのです。「高度に発展した先進国では、少子高齢化を前提条件として、国づくりを考えていく必要があると思います」という基本的な考え方に、私は賛同します。

2005 06 23 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2005.06.14

[ゴーログ]理屈でモノを考えると少子化が進む?!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。少子化問題については様々なご意見をいただきました。「為替王」さんからは、「パラサイトには50%、家を出て一人暮らしを始めたら40%、結婚したら30%、子供が1人できたら20%、子供が2人できたら10%、3人できたら5%、4人以上なら0%」という所得税法改正案が提示されています。

 そういう中、「FIFTH EDITION」さんからは、「日本の出生率の低下が、女性が『子供を産まなくなった』からでなく、男女共に『結婚しなくなった、あるいは結婚に対して肯定的でなくなった』せいだとは。特に30代の女性が、結婚に対して肯定的じゃなくなってきてるんだな」という指摘をいただき、「夫婦別姓を待つ身の溜息」さんからも、「私は夫婦別姓の法制化が少子化の特効薬になるとまでは思っていませんが、少子化の進行を防ぐ効果はあると期待しています。なぜなら結婚改姓が結婚のハードルであるならば、出産の上流がせき止められているようなものだからです。結婚に踏み切るハードルが低くなれば、出産や育児という次のステップへと進みやすくなると考えています」というご示唆をいただきました。
 要するに、結婚するようにならないとダメということなんでしょうかねぇ。「なんで屋-驀進劇-」さんからは、「なんの為に結婚・・・。理由が欲しい。という彼女達の実感は、本来あるべき女性として重要な機能を観念で蓋をしている状態だと思います」というトラックバックまでいただきました。


 でも、その一方で、「ニッポンを生きる!」さんのように、「出産・育児は非常にパーソナルなことなんだ、社会が子育てに向く状況かどうか、なんてこととリンクさせて自分の生殖を決定するのは損であるぞ」というコメントをいただいていますし、「さいとうくんのニュース速報!?」さんのように、「子供を産むという行為は自由意志のため思い通りになりません」という現実を諭す声もあります。
 個々人の価値観が絡むだけに、なかなか難しい問題なのですが、「小福のへりくつ」さんから出生率に関する女性ならではのご意見をいただいていますので、ご紹介することにしたいと思います。いずれにしても私は、政策論としては、少子化を憂える前に、公的年金のような諸制度を現実に適応させながら、国民にとって快適な生活環境を整えることが先なのではないか、と思っております。

 

出生率がまた減った、と。これでまた「何故出生率が下がるのか」とか「上げるにはどうすればいいのか」とかくだらない対策論が巷に溢れることになるだろう。で、お役人さん達は保育園や幼稚園の数を増やすとかして無駄な税金を使ってくれてしまうんである。まあ、道路を増やされるよりはマシなのでいいけれど。それで少しは働くママがラクになるならめでたいことだ。


 だけど、結論からいうと、どんな対策も「無駄!!」である。出生率は対策論なんかでは上がらない。出生率の低下や晩婚化は、私も含め、女性の構造的な問題が含まれているからなんである。


 女は本来、理屈で結婚したり子供を産むわけじゃない。理屈を超えた存在を感じるから結婚もするし子供も産むんである。だって、結婚はアカの他人の家の墓に入ることを決意することだし、出産は「命」ひとつ生み出しちゃうことなんだから、理屈でどうこうって世界じゃないだろう。


 多少、景気があがったところで、多少、保育園が増えたところで、出生率は上がらない。


 なぜ、女性が結婚しなくなったかつーと、「理屈でものを考える」クセがついてしまってるからだ。こういうクセがつくと、結婚も出産もなかなか踏み出せなくなる。なぜなら、理屈で考えたらあきらかに大変なことだからだ。


 それでは、「結婚をもっと自由に」という動きがあれば解決するのだろうか? 例えば、籍は入れずに子供だけ産むとか、そんな結婚の形態がメジャーになれば、女性は自由に子供を産むだろうか?そんなカンタンなこっちゃないと思うね。「自由」を掲げてる時点で、理屈だもんね。理屈でモノを考えてたら、子供なんて育てらんないよ。・・・ 


 「子供を産むのは個人の自由意志だ」と主張する女性は多い。実際、子供のいない私も、親戚の方から「親が元気なうちに産んでおくのが親孝行だよ」などと言われたりすると、思わずそういい返したくなる。だけど、言わない。言い返した時点で、なんとなく敗北感に襲われるような気がする。理屈じゃないものの前に、理屈で反論することほど無意味なことはないからだ。


「理屈じゃないもの」っていうものが何なのかは、未熟な私には定義できないけど、確かに存在する。今の時代、理屈っぽくなってしまった女性達の力だけでは、それを定義しきれないんだと思う。っていうか、定義した時点で理屈になってしまうんだけどね(笑) 

2005 06 14 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

[ゴーログ]年金改革のための次の一手を模索する!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「公的年金タスクフォース」さんからは、「終身雇用の崩壊に始まる就業スタイルの変化や企業年金の破たん等によって老後への不安は増す一方であり、そうした状況下で国が老後を保証する仕組み、すなわち『福祉』に基づくより良い公的年金制度が欠かせないというのは衆目の一致するところでしょう」というご指摘を改めていただきました。

 そういう中で、「ミズタマのチチ」さんがasahi.comの記事「厚生年金保険料 経産省が料率15%の試算」を引用しながら、「まことに、まことに感慨深いですな」と述べていらっしゃいましたが、じつは、この記事の背景には、公的年金タスクフォースの方々に関与していただいた諸活動があったのです。あの活動がなければ、ここまでこれなかったことは事実です。まずは、その記事を紹介しておきましょう。

厚生年金の保険料率を段階的に引き上げる上限について、現行制度の「年収の18.3%」ではなく15%にとどめた場合でも、公的年金の役割としては十分な水準とする試算内容を、経済産業省が民間シンクタンクとともに8日まとめた。年金の給付開始年齢を現行より2歳遅らせることで、給付水準は現役世代の手取り年収の40%を超えるという。厚生労働省以外では初の本格的な試算で、年金改革論議にも影響しそうだ。

 まだ、諸方面の調整が終わっておりませんので、次の手をディスクローズできないのですが、「散り散りだったかけらのうち、彼方にあったものは固まって実をなし、燃えて燃えて輝く太陽となり、此方にあったものは冷たく濡れた木星になりました。この一年のことは、決して忘れないでしょう」(by「ミズタマのチチ」さん)という風に、過去を懐かしく振り返る局面でもありません。政策論というものは、 現実の制度を動かして見せてこそ、ナンボなのですから・・・。
 個人的には、いずれ近いうちに、シミュレーションモデルの取り扱いを明らかにするとともに、次の手をディスクローズしたいと考えておりますが、しばしお時間をいただいてお待ちいただければ幸いです。なんとか、膠着した現状を打開する一手になれば、と念じております。そのときはまた、「公的年金タスクフォース」が活躍できるフィールドが整うような気もしています。
 いずれにしても、日本政府は、「スター・ウォーズ エピソードIIIを早く観たい社長のブログ」さんによる下記のような本質的な意見に対して、はっきりと答えることのできる年金制度を用意する必要があるのではないでしょうか。

正直、公的年金などという制度がなぜ必要なのか良くわからない。また、もし必要であるとしても、世代間扶養である必要性が良くわからない。そもそもなぜ世代間扶養なのかって、その制度を決めたときの平均寿命と人口増加率をもとに、その制度を決める立場の人たちが、自分達に都合の良い制度を作ったからなんじゃないの?人口増加率が鈍り、高齢化が進んでしまった時点で、すでに制度は崩壊しているんじゃないだろうか。もう、いっそのこと世代間扶養なんてやめちゃえば良いのに。

2005 06 14 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2005.06.07

[木村剛のコラム] 少子化ではなく、年金制度を変えよ!

 昨年の人口動態統計が公表された。出生数は111・1万人。前年の112・4万人より1・3万人減少している。出生数から死亡数を引いた自然増加数は8・2万人となり、初めて10万人を割り込んだ。
 出生数は、第1次ベビーブームの昭和24年に269・7万人を記録。そのときに生まれた女性が出産したことにより生じた第2次ベビーブーム(昭和46~49年)にも1年間に200万人を超えていた。その後は緩やかに減り続け、昨年は戦後最低の出生数に落ち込んでいる。

 この背景には婚姻件数の減少がある。昨年の婚姻件数は72万組で、前年の74万組より2万組減。人口千人あたりの婚姻率も3年連続で低下している。
 こうした婚姻件数の減少は、晩婚化の着実な進展を示しており、平均初婚年齢をみると、夫が29・6歳で、妻が27・8歳。ちなみに、10年前は28・5歳と26・2歳だった。
 中でも20~24歳の女性千人あたりの初婚率は、10年前には49.5だったが、昨年は34.2にまで落ちてきており、25~29歳の場合は、10年前に70・0だったものが59.4になっている。
 そういう事情もあって、昭和40年に25・7歳だった第一子出生時の母親の平均年齢は、昭和60年に26・7歳になり、昨年には28・9歳にまで上昇。冷静にみれば、少子化が進むことも致し方がない。
 この間、公的年金の絡みで何かと話題になる合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の平均数)は、1・29と昨年と同水準と表示されているが、小数点第4位までみると1・2888で、昨年の1・2905を下回り、過去最低を更新しているという。
 こうなると、世の中の趨勢は、「産めよ増やせよ」という大合唱になりがちだ。保育所を増やしたり、税制を優遇して出生率を上げるべきという声も聞こえてくる。
 しかし、「産めよ増やせよ」という短絡的な発想には問題が多い。子供を産むかどうかは各個人と各家庭の自由意志である。現実問題として、政府ができることと言えば、産むことを決断したときに、その決断をサポートする環境を整備するくらいに過ぎないではないか。
 したがって、「公的年金制度が破綻しそうだから、少子高齢化に歯止めをかけなければならない。だから産ませよう」という発想は百害あって一利なし。公的年金を維持していくために、少子化対策をとるべしというのは本末転倒だ。
 国民のための公的年金を護るためという大義名分の下で、各家庭の自由意志に圧力をかけるような方向に議論を進めてはならない。公的年金を維持したいのであれば、現在の少子高齢化のトレンドを前提にしても成り立つように大胆に制度変更するしかない。それができないのであれば、「一度ご破算にするしかない」と腹を括るのが筋だ。
 それなのに、現実から顔を背けて、「出生率さえ上向けば何とかなる」という発想は、「地価さえ上がれば何とかなる」と祈り続けて処理を遅らせてしまった不良債権問題とうり二つ。我々は、二度と同じ過ちを犯してはならない。


(追伸)「週刊!木村剛」は、総合ビジネス月刊誌「フィナンシャルジャパン」(年間購読はココ)および「フジサンケイビジネスアイ」(購読希望はココ)とメディア・コラボレーションしています。

2005 06 07 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2005.03.25

[ゴーログ]また、年金討論会でも企画しましょうか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「年金改革に関する議論をTV中継してほしい」という私の提言に関しては、「居眠りができませんし、携帯電話で裏工作できないので、実現する可能性は限りなく低いのではないでしょうか?」(by「雑記帳」さん)という反論が寄せられていますが、手法はどうあれ、早く与野党を含んだ議論を始めてもらいたいものです。

 「時事を考える」さんは、「今の若者が将来貰える額を考慮し、“今貰っている人からも支給額を削減すること”」が必要だと指摘し、「世代間の諍(いさか)いを避けるためです」と主張していらっしゃいますが、そのためにもわかりやすい議論が必要になっています。
 そのために私の方では、ブログでもご紹介した公的年金モデルを構築したいと思って努力を続けているわけでして・・・。まぁなんとか、遅々としたスピードではありますが、少しずつ進んでおります。このように改革とは、地道で地味で孤独なものなのであります・・・ハイ。
 それにしても、この公的年金というヤツは、複雑な制度になってしまいましたなぁ。いまもプログラマーが泣いています。「明日は明日のホラを吹く -Tomorrow, I'll give you another big talk-」さんが以下のように主張していますが、全く同感です。

国民皆年金をいうのであれば、受け取る年金の総額や、受け取りはじめる年齢(支給開始年齢)等にもこの数字くらいの

  明快さ
  間違いのなさ
  ごまかしのなさ
  当たり前さ
  そりゃみんな知ってるさ

がなくてはならない。

「日本の小学校は6年間ある」、この6という数字と同じくらい、年金の受給額や支給開始年齢が国民に知れ渡って、小学校くらい全国民が迷いなく当たり前に利用して、 それが本来的な姿だと思う。またこれが本来的な姿だということが多くの国民の間で共有されるようになってほしいと思う。 

自分はたまたま機会があって、ここ2年の社会保険労務士試験の問題を解いたのだが、あの試験にはたちの悪い社会の試験のような後味の悪い難解さがあり、しかも近年どんどんその傾向がヒドくなっているように思う。出題ミスも多いがかといって問題作成者を責める気には全くならず、俺は制度の全体と問うべき内容を思いむしろ同情している。国家試験が難しいことや合格率が低いことは、必ずしも試験の合格者の優秀さや社会的地位の高さを保証するのみならず、そのまま同時に制度の欠陥=わかりにくさの証明にもなりうるということも忘れてはなるまい。

 いずれにしても、公的年金の改革は喫緊の課題です。もう一度、世論を喚起して、私たちの将来のために、心ある議員の方々が動き出せるような環境を作ることが必要なのかもしれません。「木村さんのモデレートする討論会は面白かったんです」(by「ミズタマのチチ」さん)という声が多いようであれば、また企画してみましょうか・・・。


2005 03 25 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2005.03.18

[ゴーログ]岡田民主党は年金改革を為し遂げられるか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。3月8日のコラム「年金協議にTV中継を!」で、久々に年金ネタをUPしたら、たくさんのトラックバックをいただきありがとうございました。「和ちゃんブログ」さんは、「年金改革はまったなしです。時間的に余裕はありません。今から20年以上前にもはや問題であると学者ですら言ってたのですから。年金が破綻するとか危機的状況に陥る可能性が高いって問題意識は識者では通説でした。もう、まったなしです」と指摘していますが、まったくそのとおりです。

 それが、形はどうあれ年金改革の議論がはじまるというのですから、私は関係者の方々の努力を多としたいのです。批判は一時の清涼剤になったとしても、物事を前進させる力に繋がらない場合が往々にしてあるものです。「くりおねあくえりあむ」さんが「昨年5月に強行採決されて以来、やっと次に進めるための一歩を踏み出そうとしているということですよね。そういう意味で大きな前進だと思います」と指摘しているように、まずは目の前の一歩を踏み出すことが肝心です。
 じつは、「民主党参議院議員 ふじすえ健三」さんからも、3月10日に「昨朝、8時から民主党国会議員が集まり、総会がありました。そこで年金制度の改革に向けた3党協議を動かすことが岡田代表から説明されました。結局、本日午前中に、民主党・自民党・公明党の三党の幹事長会談が行われましたが、この会談では協議開始の合意には至らず、自民・公明両党の民主党への文書による回答を待ち、今週中にも再度会談が行われることとなったようです。会議後、数名の方と話をしましたが、「年金抜本改革」を引き続き単独でも訴えるべきである、と仰っている方が多いのには驚きました」というトラックバックをいただいておりました。素直に期待したいと思います。
 公的年金タスクフォースの「ミズタマのチチ」さんは、以下のように言っていますが、多くの国民も同じような思いを抱いているのではないでしょうか。

党や立場はいろいろあって、面子も利害もいろいろある。喧嘩したい人たちも居るけど、社会が安定しなかったら元も子もない、ともにテーブルについて協議しようというわけです。
あと、公開討論会で聞かせていただく各議員の「なんとかしなきゃ!」って思いは、党による違いはないということがあります。
見ている有権者としては、政党の枠に囚われてないで、一緒に話を進めてもらったほうが、よっぽどメリットが大きいと感じることが多かったのです。
プロレスじみた敵対の構図なんかいらないから、さっさと仲良く話し合ってくれと、しきりに思っていました。

 ちなみに、「ふじすえ健三」さんからは、「私としては『年金改革は、高齢者の方々に安心していただくためにできるだけ早くやるべき案件であり、政治的議論にすべきではない』と考えており、執行部のこの判断には賛成です。・・・政権を取るために、これから色々と壁が出てくると思いますが、やはり皆様に『民主党も政権を担うだけの力がある』と理解していただくことが大切です。政府案に反対するだけでなく、よりいい政策を創ってみせるところが民主党に問われていると思います」という正論が発信されています。
 それであればこそ、「民主党は政争の具にしない決意があるか」(by「ビリヤード&サッカー&ニュースコラム」さん)という点が本当に問われてくるでしょう。そうでなければ、「『政権準備党』と呼ばれたい政党は、永遠に準備していて欲しい(笑)」(しんちゃんのおうち)などと揶揄されてしまうかもしれません。
 実際、国会の討論などをみていると、どうかな、という感じもしますね。私は、岡田代表や仙石政調会長のスタンスは高く評価していますけれども、民主党の中には、事実無根の週刊誌ネタを元に、筋の悪いマスコミゴロみたいなやり方で時間を無駄遣いさせている輩が徘徊していますからねぇ。民主党には期待しているだけに残念です。
 ただ、年金改革の件については、民主党を大々的に応援しております。
 岡田克也代表、低俗なお仲間に足をすくわれることなく、頑張ってくださいますよう。


2005 03 18 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2005.03.08

[木村剛のコラム] 年金協議にTV中継を!

 光陰矢のごとし。1年前に小泉首相が「年金一元化が望ましい」と発言したことを契機に、公的年金に対する国民の意識が急に高まったことを昨日のことのように思いだす。
 昨年5月、自民・公明・民主の3党が社会保障の見直しで合意。7月には「社会保障の在り方に関する懇談会」が発足する。さらに10月には、民主党岡田代表が消費税の活用などに対する政府の前向きな答弁が与野党協議の条件となると公言。今年1月に小泉首相が年金財源問題について、「消費税の活用も検討対象」と答弁をするなど、ギクシャクする中にも雪融けの兆しが芽生え始めた。

 実際、2月23日の党首討論では、「事業主負担をどうするか、自営業者の所得把握をどうするかという問題はあるが、基本的には国民年金を含めた年金一元化が望ましいという方向を明らかにすべきだ」という岡田代表の主張に対して、小泉首相は、「まず、厚生年金と共済年金を一元化し、事業主負担の問題と自営業者所得把握の問題が解決されれば、国民年金を含めた一元化が望ましいと思う」と応じている。
 この経緯を素直に眺めるなら、互いに腹を探りながらも歩み寄りを見せてきたわけだが、対立好きのマスコミは、「岡田氏の姿勢は、『協調』と『対決』が混在する歯切れの悪さが目立つ」(日経)、「岡田民主“敗色”切り札年金も不発」(産経)など、どちらかと言うと冷ややか。
 与党は、年金、介護、医療を含めた社会保障制度を一体で見直す方針を掲げているが、岡田代表は「一体見直しは先送りの口実になりやすい。まず年金改革の骨格を示すことを優先すべきだ」と強調して平行線を辿っていたから、そう言われても仕方のない面はある。
 しかし、局面は動く。3月1日の衆院予算委員会において、小泉首相が「年金一元化から議論していい。何の異論も言うつもりはない」と述べ、与野党会議に関して、民主党が要求する年金制度改革の先行協議を受け入れる意向を示したからだ。報道によれば、民主党岡田代表は、協議開始に踏み出すという。
 マスコミは色々と揶揄するだろうが、私は岡田代表の対応を素直に評価したい。3党合意の信義則を足蹴にした参院厚労委での強行採決については言いたいことが山ほどあるだろうし、民主党内にも強い反発があったはずだ。
 それらを黙って呑み込んで、年金改革の与野党協議に臨むというのは、背後に政治的な計算があるとは言え、なかなかに立派な決断である。
 あらゆる改革は、大きかろうが小さかろうが、まずはキックオフすることが重要だ。議論のための議論ではなく、実現のための討議の場が必要なのである。
 理想を追い求めて無為に漂い続ける余裕はもうない。年金一元化は、今年も喫緊の課題であり続けている。喫緊の課題が毎年変わらないというのでは日本の行く末が案じられる。
 この機会を逃してはなるまい。そのためには、与野党協議の場でマスコミに傍聴させるべきだ。国民全員に関係する年金問題については、テレビで全過程を生中継してもらいたい。そういう番組こそが、いま、「公共の電波」を担うマスコミに求められているのではあるまいか。

(追伸)「週刊!木村剛」は、総合ビジネス月刊誌「フィナンシャルジャパン」(年間購読はココ)および「フジサンケイビジネスアイ」(購読希望はココ)とメディア・コラボレーションしています。本日の記事は、「フジサンケイビジネスアイ」に3月7日に掲載したものです。

2005 03 08 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.11.04

公的年金タスクフォースに200万円の予算枠を設けます!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。昨日のヤマザキナビスコカップでFC東京が優勝したのには涙しました。1人退場して、10人になったときは、終わったと思ってましたから・・・。
 さて、本日は、午後7時から「公的年金モデル諮問会議」が開催されます。公的年金タスクフォースの方々が議論してきた成果をもとにオープンに議論して、具体的には、足長おじさんのサポートを受けた専門家の方々に、PPBM―Public Pension Basic Model(あるべき公的年金を検討するための基本的なモデル)―のプロトタイプを作っていただく橋渡しをしたいと思います。

■メンバー(順不同、五十音順)
木村 剛  KFi代表 
篠塚 肇  経済同友会マネージャー
白石 浩介 三菱総合研究所主任研究員
高山 憲之 一橋大学教授
西沢 和彦 日本総合研究所主任研究員
村田 純一 企業年金研究所代表取締役社長
藤田 正幸 三菱総合研究所主席研究員
■サブメンバー
公的年金タスクフォースの参加者
McDMaster氏 ほか
■オブザーバー:
公的年金を考える超党派ネットワークの参加者

 公的年金モデル諮問会議においては、これまで公的年金タスクフォースで検討してきたことを開陳していただき、専門家の方々にプロトタイプを作る際の参考にしてもらいたいと思っております。作り上げたPPBMを公的年金に関心のある日本国民全員に利用していただくことについては了解していただいております。また、その際、問題となり得るパテントの問題については、不肖私がリーガルリスク(厚生労働省から訴えられるリスク)を一身に背負うことで合意ができています。
 もっとも、以前にも明記しておりますが、この「公的年金モデル諮問会議」は、スポンサーになってくれる足長おじさんが現れたことに感謝の意を示して、何らかのアウトプットを世に出すために組成するものです。
したがって、残念ながら、そのアウトプットが公的年金タスクフォースの皆さんのお気にいるかどうかは保証の限りではありません。「折角、俺たちがあそこでこうアドバイスしたのに・・・」とか「そうじゃないんだよな」などと不満タラタラの結果に終わる可能性もあります。ただ同時に、公的年金タスクフォースが自力でモデルを創り上げることを否定するものでもありません。
 そこで私は、スポンサーの暖かい支援を得られる見込みがつきましたので、公的年金タスクフォースの方々が自力でモデルを創り上げる場合の予算枠を、ご用意したいと思います。すでに、公的年金タスクフォースに対しては、ブロガーの皆さまからのカンパが寄せられており、その残金は75,598円あります。そこに、1,924,402円を加えまして、総額200万円(!)の予算枠を設けようと思うのです。
 ただし、公的年金タスクフォースがこの予算を費消する場合には、下記の手続きを経ていただく必要があります。また、この予算については、私の個人的な判断で、PPBMプロジェクトや公開討論会を催す経費のために費消する場合があることをあらかじめ付言しておきます。

1.公的年金タスクフォースにおいて「予算申請担当」を指名し、公的年金タスクフォース内で十分に議論した上で、予算申請の内容を固める。

2.予算申請担当は、公的年金タスクフォースのブログに予算申請の内容をアップし、その内容を「週刊!尾花広報部長」にトラックバックするとともに、広くその予算の使い方に関して意見を求める。

3.私が予算申請の内容を吟味し、寄せられた意見などを総合的に勘案した上で、その予算の可否を決定する。

4.公的年金タスクフォースの予算申請担当は、購入品を特定し、購入価格と支払先を最終決定した上で、尾花広報部長に連絡する。

5.私の方で支払を行い、公的年金タスクフォースの予算申請担当が指定する先に購入品を届ける。

6.すでに費消してしまった経費を事後的に補填することは原則として認めないが、常識的に考えて十分に正当性があるケースにおいては、同様の手続きを経て支払うことがある。ただしその場合は、領収書などの添付を求める。

7.予算枠の費消については、「週刊!尾花広報部長」において掲示する。

 この200万円の予算枠は、寄付をしていただいたブロガーさんや足長おじさんをはじめとする多くの善意の方々のサポートがあってはじめて成立しております。公的年金タスクフォースの方々には、そのことを是非ご理解いただいた上で、有益に利用していただきたいと思います。また、利用する以上、何らかのアウトプットを責任をもって仕上げていただきたく、お願い申し上げます。

 なお、河野太郎議員と古川元久議員を招いて好評だった7月26日の「公開討論会」に続き、公的年金問題を「公的年金を考える超党派ネットワーク」の政治家の方々に存分に議論していただくため、「公開大討論会」を11月18日に開催いたします。臨場感あふれるステージで大激論が繰り広げられると思いますので、ご興味のある方は参加希望を尾花広報部長にまで送付していただけると幸いです。

(追伸)「dome21.jp」さんから極めてごもっともなご指摘をいただきましたので、10月30日付の「これが新潟県中越地震の真実だ!」の文章を至急変更させていただきました。具体的には以下の文章を挿入しております。

なお、「天漢日乗」さんのブログは「2ちゃんねる」からの抜粋であり、下記の部分は10月28日以前の部分に関するものですので、その内容については、元記事にアクセスした上で、皆様ご自身でご判断下さいますよう、お願い申し上げます。

「dome21.jp」さん、どうもありがとうございました。今後ともご叱責の程よろしくお願い申し上げます。

2004 11 04 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.10.19

足長おじさん現る!:公的年金モデルは本当にできるのか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。10月8日のゴーログ「足長おじさんは現れるか?:「公的年金モデル諮問会議の立ち上げ」で心優しきスポンサーを探しておりましたところ、手を挙げてくださる奇特な方がいらっしゃいました。この方は、固定ハンドルネームを特名として用いているブロガーと同様、慎ましく名を伏せることをご希望していらっしゃいますので、今後は「足長おじさん」と呼称することにします。 

 足長おじさんは、あるお友だちにお願いし、プログラミングの負担を担ってくれるように段取りをつけてくれました。
そのお友だちは足長おじさんの寄付の範囲内で、できる限りのサポートをしてくれる手筈になっています。とりあえずは、厚生労働省からいただいたデータとプログラムを走らせ、不十分ながら動くことは確認していただけたようです。
 そこで私は、宣言していたとおり、「公的年金モデル諮問会議」を立ち上げることにしたいと思います。そこで、公的年金タスクフォースの方々が議論してきた成果をもとにオープンに議論して、足長おじさんのサポートを受けたお友だちに、PPBM――Public Pension Basic Model(あるべき公的年金を検討するための基本的なモデル)――のプロトタイプを作っていただく橋渡しをしたいと思うのです。
 足長おじさんとは、作り上げたPPBMを公的年金に関心のある日本国民全員に利用していただくことについては了解していただいております。また、その際、問題となり得るパテントの問題については、不肖私がリーガルリスク(厚生労働省から訴えられるリスク)を一身に背負うことで合意ができています。
 10月8日のゴーログでも明記していますが、この「公的年金モデル諮問会議」は、公的年金タスクフォースが自力でモデルを創り上げることを否定するものではありません。足長おじさんが現れたことに感謝の意を示して、何らかのアウトプットを世に出すために組成するものです。うまくいけば、足長おじさんのサポートを受けたお友だちがうまいプロトタイプをダウンロードしてくれるように計らってくれて、公的年金タスクフォース並びに公的年金に関心のある他の方々がコストをあまりかけずに手直しできる基本モデルにしてくれるかもしれません。
 いずれにしても、足長おじさんの善意に深く感謝し、その寄付の範囲内でできる限りのアウトプットを出してみようというのが、「公的年金モデル諮問会議」の趣旨です。公的年金タスクフォースの方々は、サブメンバーとしてどなたでも発言できるように配慮しますし、具体的な要望があれば、足長おじさんには確実に伝えますので、何なりとお申し付けください(足長おじさんが受け入れるかどうかは保証の限りではありませんが・・・)。
 さて、そこで、栄えあるキックオフミーティングを、下記のとおり、セットしようと思います。皆さまの賛同がいただければ幸いです。

日時:11月4日(木) 19:00~
場所:KFi 株式会社内大会議室
出席者:
■メンバー(順不同、五十音順)
木村 剛  KFi代表 
篠塚 肇  経済同友会マネージャー
白石 浩介 三菱総合研究所主任研究員
高山 憲之 一橋大学教授
西沢 和彦 日本総合研究所主任研究員
村田 純一 企業年金研究所代表取締役社長
藤田 正幸 三菱総合研究所主席研究員
■サブメンバー
公的年金タスクフォースの参加者
McDMaster氏 ほか
■オブザーバー:
公的年金を考える超党派ネットワークの参加者


 なお、河野太郎議員と古川元久議員を招いて好評だった7月26日の「公開討論会」に続き、公的年金問題を「公的年金を考える超党派ネットワーク」の政治家の方々に存分に議論していただくため、上記の方々で「公開大討論会」を11月18日に開催することを予定しております。臨場感あふれるステージで大激論が繰り広げられると思いますので、ご興味のある方は後日参加希望を尾花広報部長にまで送付していただけると幸いです。
 さて、新展開をみせるPPBMプロジェクトですが、これを世論に変えて、本当の公的年金改革につなげていくには、皆さまのご支援が不可欠です。是非、是非、皆さまの怒りや嘆きや励ましをトラックバックしてください。足長おじさんに必ずお伝えいたします。
 最後に、本当に、本当に、足長おじさんありがとうございました。

(追伸)今月21日に総合ビジネス誌「フィナンシャルジャパン」を創刊するとともに、28日に新著「おカネの発想法」を上梓することを記念して、今月26日にタカシマヤタイムズスクウェア紀伊国屋書店新宿南店7Fの紀伊国屋サザンシアターにて記念講演を無料にて催します。お時間のある方は是非お立ち寄りください。申し込みはコチラまで。

2004 10 19 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.10.08

足長おじさんは現れるか?:「公的年金モデル諮問会議」の立ち上げ

 皆さん、こんにちは。木村剛です。公的年金タスクフォースにおける議論や厚生労働省年金局とのミーティングも回を重ね、そろそろ目的に向かって力を総結集する段階に入ったように思います。とはいえ、本格的に終盤戦になると、色々とコストや手間隙がかかりますし、お互いに本業を持った上でのボランティアということですので、そんなに無理をお願いするわけにもいきません。

 そこで現在、私は心優しき「足長おじさん」を探しています。PPBMプロジェクト――あるべき公的年金制度を検討するための基本的なモデルを作るプロジェクト――を完成させるコストと手間隙を請け負ってくださる企業もしくは団体を探しているのです。これまでの公的年金タスクフォースにおける議論と作業を活かし、厚生労働省とのミーティング結果をも踏まえた上で、実際のプログラミングやサーバーの負担などを引き受けてくれるスポンサーを探して、うまくコラボレーションすることができれば、また一歩前進することができると思うからです。
 そして、「足長おじさん」を何とか捕まえられそうなムードも出てきました。
 そこで、公的年金タスクフォースの方々にご相談なのですが、「足長おじさん」が出現した場合、高山憲之・一橋大学教授や西沢和彦・日本総研主任研究員、村田純一・企業年金研究所社長やマスコミ関係の方々、そして公的年金を考える超党派ネットワークに賛同していただいた政治家の面々にお声掛けをするとともに、McDMasterさんを中心とするブロガ―のメンバーの参加をお願いして、「公的年金モデル諮問会議」を立ち上げ、そこに「足長おじさん」も入っていただくのはどうかと思っているのです。
 そして、「公的年金モデル諮問会議」における議論をもとにして、足長おじさんを中心に実際のプログラミング作業をしていただきながら、これまでの公的年金タスクフォースで蓄えた蓄積をその作業に反映していくという段取りというのはどうでしょう。当然、その進捗状況については、「公的年金モデル諮問会議」に報告していただき、参加者からの意見も聴取しながら、進めていくのが現実的であるように思います。
 無論、公的年金タスクフォースが、自力でモデルを創り上げることを否定するものではありません。状況によっては、公的年金タスクフォースと足長おじさんがそれぞれよりよいものを求めて並行で作業するというやり方もあるでしょう。
 いずれにしても、私たちが目指すとりあえずのゴールは、あるべき公的年金制度を検討するための基本的なモデルを作るプロジェクトを何とか実現にまで漕ぎ着けることなのですから・・・。
 7月28日のゴーログ「改革を成就するものは何か?:ケーキとネギの関係」で、私は以下のことを公的年金タスクフォースのメンバーにお願いしています。

1)このプロジェクトは主従関係のあるビジネスではないのだから、如何なるかたちであれ、仲間に対して自分の考えを押し付けないこと。どう転んでも、無駄な作業はたくさん発生するのだから、「それは無駄だ」などと指摘して、仲間の善意を挫くようなことをしないこと。
2)善意でサポートしたいと考える人々からの提案や助力については、それが如何に自分たちの進む方向と異なっていようとも、リスペクトして感謝の気持ちを忘れないこと。まかり間違っても「それは違う」などと言って拒絶しないこと。
3)結果的に目標の1kmに達しなくとも、1cm動かして僅かでも目標に近づいたならば、それは立派な前進なのだから、「1kmに達しない」ことを以って失敗とみなさないこと。周りでみている人たちは、「1kmと言いながら、1cmしか進まなかったじゃないか」と批判し、ときには誹謗中傷するだろうが、それは避けられないこととして甘受すること。

 私は、この考え方を全く変えていません。それで、「足長おじさん」が登場した場合にも、この考え方を等しく適用したいと思っています。公的年金をよりよく改革するという大義の前には、「後から入ってきて大きな顔しやがって」とか「これは俺たちのプロジェクトだから邪魔するな」という個人的な感情は禁物です。もしも、「足長おじさん」が助力してくれるのであれば、仲間の一人として、同じ目的に向かって進んでいく、というコラボ関係を構築できれば、と願っています。
 私は、いま、PPBMプロジェクトを実現できるのではないか、という幽かな感触を感じつつあります。公的年金タスクフォースの皆さんの助力を得ながら、もうひとふんばりがんばってみようと思います。McDMasterさんをはじめとするブロガーの皆さんもご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

(追伸)今月21日に総合ビジネス誌「フィナンシャルジャパン」を創刊するとともに、28日に新著「おカネの発想法」を上梓することを記念して、今月26日にタカシマヤタイムズスクウェア紀伊国屋書店新宿南店7Fの紀伊国屋サザンシアターにて記念講演を無料にて催します。お時間のある方は是非お立ち寄りください。申し込みはコチラまで。


2004 10 08 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.09.07

河野太郎・古川元久の永田町ニュース番組始まる!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。7月26日に開催された公的年金に関する公開討論会を覚えていらっしゃるでしょうか。また、その公開討論会に参加してくれた河野太郎自民党議員と古川元久民主党議員に対して、私が「永田町のぶっちゃけ話」を公表するブロードバンド番組を作成することを提案したところ、お二人が賛成してくれた経緯についても、参加していただいた方々はご存知の通りと思います。

 そうです。そうなんです。
 その番組がスタートしちゃったんです。
 題して、「国会動静―太郎とふるげんの場外乱トーク」。
 河野太郎議員は核燃サイクル問題を指摘し、古川元久議員は年金問題に対して関心を持ち続けるよう呼びかけています。初回のせいか、古川議員のノリがちょっと固いんですが、第2回目以降は慣れてくれることと思います。
 今後この番組では、永田町で起こっているさまざまな事件やハプニングについて、お二人にじっくりと真相を語っていただくとともに、ほかにいろいろな議員をご紹介していこうと考えています。是非、「これについて語ってほしい」とか「この議員の意見を聞きたい」という要望をお寄せください。
 私たちの生活にかかわるルールを決定している永田町の素顔をストレートに皆さまにお伝えできるような番組にしていきたいと思っています。ご期待ください。

(追伸)何がなんだかよく分かりませんが、(社)日本広告協会Web広告研究会によれば、この度、この「週刊!木村剛」が「第2回Webクリエーション・アウォード」にノミネートされたそうです。
つきましては、9月9日(木)午後4時から贈賞式で、午後5時から受賞パーティーが大手町サンケイビル4Fホール(パーティーは302~304号室)において、とりおこなわれます。主催者の方からは、「お世話になった方をお招きしては・・・」といわれておりまして、招待客はパーティーも無料のようです。そこで、日頃お世話になっているブロガーの方で、「暇だから、木村の顔でも見てやるか」という方は広報部長の尾花(obanan@kfikk.co.jp)までお問い合わせください。ご招待いたします。

2004 09 07 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.08.26

「新3党合意」と「ジャンバラヤ」は盛り上がるか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。先日、月刊「現代」の計らいで民主党のネクスト厚生労働大臣である海江田万里議員と対談したときに、「公的年金関連のデータが出てきたのだから、3党合意に基づいて国会に委員会を創設し、国民が見ている前で正々堂々とした討議を展開してもらえないものでしょうか」とお願いしましたところ、「3党合意」というのは、なかなかに難しいものなんだそうです。

 というのは、そもそも民主党は、「3党合意」に基づいて、年金法案が衆院通過する際に修正案に同意しているらしいんです。そこで旧来型の与野党対決の構図ではなくて、政策協議に入ろうとしたわけですが、附則につけた年金制度の一元化について、自民党は具体的な案を示そうとしないし、参院での強行採決なんかもあって、暗礁に乗り上げてしまったんですね。ということなので、民主党としては、「法案を参議院で強引に通してしまった後になって、3党合意に基づいて協議しましょうというのは筋が違うじゃないか」ということらしいんです。
 まあ、気持ちは分からなくはないんですが、国民の立場からすると、「筋」とか「経緯」というものにこだわるのも分かるんだけれども、やっぱり「国民の前で正々堂々と議論してもらいたいなあ」というのが「本筋」だと思うので、「3党合意がダメなら、一度リセットして、これから『新3党合意』を提案したらどうですか」と水を向けてみましたら、海江田ネクスト厚生労働大臣は「そうですね。もし、やるのなら新3党合意です」と応えていただけました。
 「週刊!木村剛」としては、海江田ネクスト大臣に大いに期待したいと思います。『新3党合意』に基づく、公的年金制度の議論を国民の目の前でやっていただきたい。そうすれば、その場において、あるべき公的年金の姿を探るために、PPBMプロジェクト――公的年金に関する基本モデルを創るプロジェクト――が威力を発揮してくれるかもしれません・・・。う~ん、楽しみです。
 だから、月刊現代の10月号(9/4発売)を皆さん、買ってくださいね。

 そして、もうひとつ、大いに期待したい動きがでてきました。それは、子育てに関する話題のトラックバック集「ジャンバラヤ」です。こちらの解説は、私が拙い説明をするよりも、「くりおね」さんのトラックバックを紹介するほうが詳しくて正しいと思うので、以下に掲載したいと思います。

今週、子育てに関する話題のトラックバック集「ジャンバラヤ」が開設されました。カテゴリ別にトラックバック用のエントリ記事が用意されていて、関連する記事をブログで書かれた方はそちらにトラックバックしていただく、という仕組みで、分散しがちなブログ記事をここで一つにまとめて見れるようにしよう、というものです。 カテゴリは以下の通りです。
01:乳児・幼児
02:保育園・幼稚園
03:学童
04:小学校
05:中学校
06:高校
07:障碍
08:塾・習い事
09:いまどきの子どもたち
10:親
11:その他
 こういった内容に関連する記事を書かれた際は、ぜひぜひ「ジャンバラヤ」当該カテゴリトップ記事へのトラックバックをお願いいたします。また、ブログをお持ちでない方のために掲示板「ジャンバラヤ~子育てネタBBS」もご用意しています。掲示板に書き込みしていただいた内容はそれぞれのカテゴリ担当が反映させていただきます。……私のようにご自身は子供のいない方も、シングルの方も、ジャンバラヤへのトラックバック( or BBSへの書き込み)大歓迎! いろんな立場から見たいろんな意見を、それこそ「ごった煮」として見ることができるサイトにできれば、と個人的に思う次第です。ブログ界始まって以来の(?)この試み、ぜひ多くの意見が集まるよう、みなさまのご参加をお待ちしています。みんなでおいしいジャンバラヤにしましょう。

 とりあえず私が出来ることは、「電脳東京」さんからご紹介のあった池内ひろ美さんに、この「ジャンバラヤ」に参加してもらえないか、とお願いすることなんだろうと思います。ところが、池内ひろ美さんはまだブログを立ち上げていないようなので、お手数ですが、「電脳東京」さんに、以下のメッセージを池内ひろ美さんに伝えていただきたいと思います。

池内ひろ美 様 

 一面識もなく、このような文章を、しかも人を介してお届けする無礼をお許しください。現時点における少子化に対する政府の施策は、子育ての現場の実情を知ることなしに、一方的な思い込みによって立案され、実行されている感を拭いきれません。公的年金問題に関連して議論される際にも、「女性が子供を産めば良い」などという短絡的で女性に失礼な論調が目立っているようにも思えます。
 じつは私の知人で、子育てに関する諸問題を大々的に議論してみたいということで、サイトを立ち上げた有志たちがおります。残念ながら、私はこの分野にそれほど知見がありません。そこで是非、専門家の池内ひろ美さんにご協力いただけないかと思い立ち、筆をしたためている次第です。ボランティアによる自由な活動ですから、どのようなアウトプットが出てくるか分かりませんし、かえってご負担を掛けてしまうことになっては申し訳なく思います。
 そこで私がお願いしたいのは、まずは一参加者として、このサイトにアクセスしてコメントを書き込んでみていただけないか、ということです。そして、もしも、このサイトに将来性があって、面白そうだったら、しばらくお付き合いしていただければ幸いです。
 サイト名は「ジャンバラヤ」と言います。詳細は、私のサイト「週刊!木村剛」を覗きに来ていただければ、お分かりいただけようかと存じます。急なお願いで、かつ、かなり不躾とは重々承知しておりますが、お仕事の手が多少お空きのときに、5分でも10分でもお付き合いしていただければ幸いです。
 末筆になりますが、見ず知らずからの他人からのお便りを最後まで読んでいただきありがとうございました。さらなるご活躍を心より祈念しております。

                                         平成16年8月26日
                                         木村 剛

 ということで、「電脳東京」さん、池内ひろ美さんへの伝言をよろしくお願い申し上げます。
 はてさて、「新3党合意」と「ジャンバラヤ」のどちらが先に盛り上がるでしょうか。私は二つとも応援したいと思います。

2004 08 26 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.08.17

「公的年金を考える超党派ネットワーク」発足!CD-ROMも!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。公的年金改革に関しましては、私たちの声が永田町に直接届くようなパイプを構築すべく、「公的年金を考える超党派ネットワーク」を有志の国会議員で組成できないか模索してきたところです。現在のところ、自民党及び民主党に属する12名の国会議員からご賛同をいただきましたので、そろそろ正式に名乗りをあげてもよい時期ではないかと思いまして、ブログにUPいたします。

 「国民の立場から公的年金を考えたい」という私たちのスタンスに共鳴していただき、協力を申し出てくださっている志の高い政治家の方々は下記のとおりです(五十音順)。ご賛同いただいた国会議員の方々には、ブログ上で大変恐縮ですが、改めて御礼を申し上げます。

浅尾慶一郎(民主党・参議院・神奈川県)
大塚耕平(民主党・参議院・愛知県)
大村秀章(自民党・衆議院・愛知県)
河野太郎(自民党・衆議院・神奈川県)
世耕弘成(自民党・参議院・和歌山県)
林芳正(自民党・参議院・山口県)
古川元久(民主党・衆議院・愛知県)
細野豪志(民主党・衆議院・静岡県)
松井孝治(民主党・参議院・京都府)
松本剛明(民主党・衆議院・兵庫県)
水野賢一(自民党・衆議院・千葉県)
山本一太(自民党・参議院・群馬県)

 なお、ブロガー有志によって構成されている「公的年金タスクフォース」は、PPBMプロジェクト――あるべき公的年金制度を検討するための基本モデルの策定――を遂行しているところですが、本日、大きな進展があります!
 じつは、本日8月17日午後3時にCD-ROMの形式で、生データとプログラムを受領する予定なのです。「公的年金タスクフォース」のデータ入力作業は、これで、大幅に軽減されることになります。厚生労働省年金局数理課の方々、本当にありがとうございます。
 「公的年金タスクフォース」の方は、8月4日に西沢和彦・日本総研主任研究員をお招きして作戦会議を開催しましたが、今秋に向けて、あるべき公的年金制度を検討するための基本モデルを策定するための手順について大筋の合意が形成されたところです。厚生労働省年金局数理課との第3回ミーティングは8月18日午後3時に開催されますが、CD-ROM受領の御礼を述べるとともに、今後とも建設的な意見交換の場として、定期的に開催させていただきたいと考えております。
 さて、「公的年金を考える超党派ネットワーク」の考え方につきましては、8月10日のゴーログ「育児問題に関して私が出来ること」において掲載しておりますが、念のため、下記に再掲いたします。

1)本組織は、あるべき公的年金を考えるに際し、所属政党やポジションに関係なく自由闊達に議論するための有志の議員によって構成される超党派のネットワークである。
2)本組織は、公的年金に関して議論するために発足したボランタリーなネットワークであり、団体としての意見を集約することを目的としない。したがって、いかなる意味においても各議員の意見や行動を拘束することはない。
3)本組織は、公的年金制度を設計する際に公に利用可能な基本モデルを作成することを目的として活動している市民団体「公的年金タスクフォース」と定期的にミーティングを設ける。 


 そこで皆さんにお願いです。お知り合いの国会議員に対して、この「公的年金を考える超党派ネットワーク」に参加していただくよう、お声掛けしていただけませんでしょうか。最終的には政治は数です。より多くの志ある政治家の方々を巻き込まなければ、公的年金の現状が改善される可能性は高まりません。暫定的に「公的年金を考える超党派ネットワーク」の事務局は尾花広報部長にお願いしていますので、obanan@kfikk.co.jpにまでご連絡いただければ幸いです。
 なお、同じゴーログで提案させていただいた「少子化ワーキンググループ(仮称)」につきましては、「公的年金タスクフォース」のプロジェクトリーダーであるMcDMasterさんからご快諾をいただきましたので、有志の方々がボランタリーに活動され、何らかの声を永田町に伝えたい場合があるとすれば、「公的年金タスクフォース」から「公的年金を考える超党派ネットワーク」にお届けすることができるようになると思います。
 もっとも、「少子化ワーキンググループ(仮称)」――「ジャンバラヤ」もしくは「ラブリーママ・スマイリーパパ」はたまた「はしらのきずの会」あるいは「Nursing & Parenting Organization」という名称にするという説もある――に関して、「育児問題は、必ずしも公的年金タスクフォースの『下』に位置するものではない、という点についてご理解をいただきたいと思います」というMcDMasterさんによる的確な指摘については、私も大賛成です。「公的年金タスクフォース」が公的年金改革を考える上で、少子化問題を検討する際、意見を聞くパートナーのひとつという程度のゆる~い友だち関係でよろしいんじゃないでしょうか。
 無理せず、力まず、また~りとやっていきましょう。力みすぎると、折れたり、ゆがんだりしてしまうものです。いずれにしても、公的年金改革について、国民の願いを聞き入れる国会議員が多数いることを祈っております。皆さん、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

2004 08 17 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.08.10

育児問題に関して私が出来ること

 皆さん、こんにちは。木村剛です。公的年金改革については、ブロガー有志による「公的年金タスクフォース」がPPBMプロジェクト――あるべき公的年金制度を検討するための基本モデルの策定――を遂行しているところですが、私は、その努力が永田町にも届いて一定の影響力を行使できるように、「公的年金を考える超党派ネットワーク」を国会議員で組成できないか模索しているところです。

 なるべく多くの政治家の方々に参加していただくために、「公的年金を考える超党派ネットワーク」に関する取決めは、以下の3点に限っています。

1. 本組織は、あるべき公的年金を考えるに際し、所属政党やポジションに関係なく自由闊達に議論するための有志の議員によって構成される超党派のネットワークである。
2. 本組織は、公的年金に関して議論するために発足したボランタリーなネットワークであり、団体としての意見を集約することを目的としない。したがって、いかなる意味においても各議員の意見や行動を拘束することはない。
3. 本組織は、公的年金制度を設計する際に公に利用可能な基本モデルを作成することを目的として活動している市民団体「公的年金タスクフォース」と定期的にミーティングを設ける。

 公的年金に関する公開討論会に参加した方はすでにご存知のように、林芳正自民党議員と大塚耕平民主党議員に加えて、河野太郎自民党議員および古川元久民主党議員には、この「公的年金を考える超党派ネットワーク」に賛同していただきましたし、私からも知り合いの先生たちにご連絡して、少なくとも2桁の数を確保したいと思っています。
 もしも、この「公的年金を考える超党派ネットワーク」が組成できたなら、「公的年金タスクフォース」から正式に提言書などを提出することにより、少なからぬ国会議員に皆さんの声を直接届けることが出来るようになります。それがどこまで有効に、個々の国会議員の行動に活かされるかは分かりませんが、少なくとも個々人でバラバラに直訴するよりは、多少高い効果を期待できると思います。
 そうすれば、「少子化問題」の背景にある各種の育児問題(学童クラブ問題を含む)についても、国会議員の元に直接正確な情報や建設的な提言を届けることが出来るようになります。提言しても、読まないでゴミ箱に捨てられるのではなく、とりあえずは読んでいただけるようなポジションを確保することができると思います。
 例えば、今後、厚生労働省や国会などで「少子化問題」に対する対策などが議論されるようになるでしょうが、その対策に対するコメントや提言を「公的年金タスクフォース」でとりまとめて、「週刊!木村剛」で内容を明らかにした上で、「公的年金を考える超党派ネットワーク」に提出するということができるならば、個々人が一人っきりで育児の問題に立ち向かっていくよりも効果をあげることができるかもしれません。
 さて、これから先は、私からの一つの提案です。
 はじめにお断りしておきたいのですが、私は本件に対して全くのニュートラルな立場です。以下の提案をやりたいともやりたくないとも思っておりません。「公的年金タスクフォース」は私にとって、全くのボランティアであり、時間的にもコスト的にも負担ばかりですので……。
 多くの方々からご指摘がありましたように、私は「育児問題」に関する専門家ではありません。ただし、「少子化問題」をあたかも「女性に産んでもらえばいいんだ」という風に扱う最近の風潮は問題だと感じています。「月刊!木村剛」の対談でも主張していますが、「家庭のあり方」という個々人の価値観――子供を何人産むかを含めて――に国家が介入することに違和感を持つからです。ただし私は、同様に「育児はこうあるべきだ」とか「育児に関してはこういう識見を持っているべきだ」という価値観を他人の家庭に押し付ける方々に対しても違和感を持っています。
 その一方で、現実の社会において、育児問題に直面して困っている人々がいるとすれば、出来る範囲内でサポートしたいとも思っています。「まりさん」が提起した学童クラブの問題にしても、世論が盛り上がることにより、解決の糸口が見出せる可能性が高まるのであれば、それに越したことはないと思います。そういう意味で、「Ne.’s BLOG」さんの「悩める母親を救うために力を結集しようという、考え方には賛成します。しかし、『母親』に限定しては『多くの人の賛同を得る』事は不可能であると考えます。それは、『父親も悩むべきだ』というべき論ではなく、既に『父親も悩んでいる』という事実があるからです」というスタンスはよく理解できます。ほとんど同じ立場だと思います。
 そういう立場である私が、いま出来ることは、「育児で悩んでいる方々の声を永田町の議員に直接伝えるパイプを作る」ということぐらいでしょうか。大したことではないかもしれませんが、それは大したことであるのかもしれません。残念ながら、いま「少子化問題」を声高に述べている国会議員や識者の方々は、「とにかく人口を増やす」という発想しかありません。これを放置して置けば、そういう貧困な発想の基に策定される「少子化対策」というものも自ずとお里が知れたものになるに違いないでしょう。
 そこで私の提案というのは、――あくまでも、「公的年金タスクフォース」のプロジェクトリーダーである「McDMaster」さんに了承していただければ、という前提付きですが、――「公的年金タスクフォース」の下に、育児問題を含む広範な課題について議論して対外的に発信するグループをボランティアで組成してみてはどうか、というものです。個人的には、丁度、「あ~、精進、精進」さんが立ち上げようとしている「子育てネタ専用サイト」が中心になることでもよろしいのではないかと思います。必要であれば、サポートしていただく専門家として、「電脳東京」さんからご紹介いただいた池内ひろ美さんに私からお願いしてみようと思います。
 そこまで形が整うのであれば、永田町議員の集団である「公的年金を考える超党派ネットワーク」に対して当該グループの提言をお渡しし、何らかの形で政策にしていく段取りや戦略につきましては、私が協力します。そういう形で、互いに得意分野を活かしながら協力しあえるコミュニティを作っていくことが、ポジティブ・コミュニケーションのメリットだと私は思っているのです。
 繰り返しますが、現時点において私は、上記の提案をやりたいともやりたくないとも思っておりません。全くのニュートラルです(負担を考えれば、どちらかと言えばネガティブですが……)。「McDMaster」さんから「公的年金タスクフォースを組成してはどうか」という提案を受ける前の状況と同じです。ただ、「電脳東京」さんから前向きの提言をいただきましたので、私なりに真摯に考えて回答したいと思いました。
 「電脳東京」さん、これでいかがでしょうか。

(追伸)ちなみに、「あ~、精進、精進」さんによる「『母親党』ではない名称を募集します(笑)!」という指摘は「まったくもって、ごもっとも」と私も思っております(^^;)

2004 08 10 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.07.28

改革を成就するモノは何か?:ケーキとネギの関係

 皆さん、こんにちは。木村剛です。少なからぬ人々による善意のご支援によって、「公的年金タスクフォース」は少しずつではありますが前進しております。出てこないと思われていたデータやプログラムが紙で出てくる、門前払いかと思われていた厚生労働省が定期ミーティングに応じてくれる、不可能かと考えられていたCD‐ROMでの受領が可能になるかもしれない、たった一部のブロガーのボランティアだったのにマスコミや永田町を巻き込む動きになりつつある、など目に見えて効果もでてきました。

 6月21日に「McDMaster」さんが「公的年金タスクフォース」の立ち上げを提案してくれたとき、私は非常に嬉しく感じたと同時に、大きな心配事を抱えるようになりました。というのは、私のコレまでの経験から申し上げると、善意によって立ち上げられた改革が、悪意と中傷にまみれて惨憺たる結果に終わるケースを幾度もみてきたからです。現実を直視すれば、「善意さえあれば改革が進む」という考え方は戯言であって、そういうケースは極めてマレです。
 現実の制度や慣行は何らかの存在意義を持っているわけで、そこには既存の制度や慣行に恩恵を受けている人々が必ず存在します。社会的にみた「善意」も、彼らからすれば、たちの悪い「悪意」にしかすぎませんし、そこには必ず熾烈な「戦い」が生じます。「善意」が「戦い」を生む――というパラドキシカルな現実を直視し、次々と発生するハプニングに耐えて、初期の目的を追求しつづけない限り、現実を改革することは出来ません。

思うように改革が進まない。
何故こんなことが受け入れられないのか。
始めの計画と違うじゃないか。
もっとうまくやれよ。
何でこの程度のことが出来ないの。

 改革の実態は、こういうグチと悩みの集合体です。いわば「矛盾の塊」なんです。そして、「善意」の塊の方々が改革の現場に立ち会ったとき、こういう「矛盾の塊」に触れると、自らが描いている理想像とのギャップに耐え切れなくなり、改革の仲間たちを批判し始めることが往々にしてあるのです。現実問題として、識者の方々が「改革」を成し遂げられないのは、このためです。「どのようにして、改革を成し遂げるべきか」という観点を忘れて、「俺の方が頭がいい=俺の案が最高だ」という神学論争に没頭しまうのです。
 ブロガーたちの善意で生まれた「公的年金タスクフォース」がそういう失敗の轍を踏むことだけは避けさせたいと私は思っています。「改革の現場」に足を踏み入れたことのない純粋な若人たちだからこそ、必要以上に配慮が必要になるのではないかと感じていました。そこで私は、7月2日、老婆心ながら「公的資金タスクフォース」のメンバーに、以下のEメールをお送りしています(今後の戦略上、一部捨象しています)。

公的年金タスクフォースのメンバーの方々へのお願い

1)私がもっとも配慮したいことは、公的年金タスクフォースに参加された方が過度な負担を感じたり、不愉快な思いをしないようにする、ということです。このタスクフォースはあくまでも有志のボランティアによるものですので、規律や義務を強調することになりますと、折角好意で参加されたのに、嫌な思いをされることになりかねません。私としては、そういうことだけは避けたいと考えています。

2)「改革」という言葉は耳に心地よく響きますが、内実はそれほど格好いいものではありませんし、相当の我慢や忍耐や持続力が必要とされる長い作業が待っています。「ちょっと頑張ればすぐになんとかなる」とういうことは絶対にありません。したがって、有志のボランティアで運営する以上、各人に過大な負荷を掛けることは避けるべきだと思います。というのは、相当の負荷を掛けて何らかの前進を成し遂げても、それに見合う成果が得られるとは限らず、「こんなにやらされたのに・・・」という気持ちが出てくると、折角の善意が恨みつらみなどに変質しがちで、内部対立すら生まれる場合があるからです。

3)したがって、公的年金改革に関して私がしようとしていることは、インスタントに出来栄えを楽しめるというものでないことをあらかじめご理解いただく必要があります。私たちと相対するのは公権力であり、一筋縄でいく相手ではありません。時には戦略上、猛然と戦うこともあれば、柔和にお話し合いをすることもあり、一見理想形から遠ざかるようにみえる戦術を採ることさえありえます。長く複雑な戦いが待っているわけで、私がタスクフォースにお願いしたいのは、無理をしないで出来る範囲で、息長くサポートしていただけるとありがたい、ということにつきます。

4)短期的に素晴らしい成果を求めると必ず失敗します。私や皆さんが少し動いただけで、年金改革が実現するのであれば、とっくの昔に公的年金はもっとよい制度になっています。私や皆さんができることは、公的年金制度を改革する機運を盛り上げる切っ掛けになり得るという程度のことに過ぎない公算が大きい。それでも私はやる意義があると思いますが、捨て石になる可能性の方が高いという認識ぐらいは持っていただきたいと思うのです。・・・・・・

 さらに、このEメールを送付した上で私は、7月3日のプレキックオフミーティングに集まってくれた「公的年金タスクフォース」のメンバーに、以下のお願いをしています。

1)このプロジェクトは主従関係のあるビジネスではないのだから、如何なるかたちであれ、仲間に対して自分の考えを押し付けないこと。どう転んでも、無駄な作業はたくさん発生するのだから、「それは無駄だ」などと指摘して、仲間の善意を挫くようなことをしないこと。

2)善意でサポートしたいと考える人々からの提案や助力については、それが如何に自分たちの進む方向と異なっていようとも、リスペクトして感謝の気持ちを忘れないこと。まかり間違っても「それは違う」などと言って拒絶しないこと。

3)結果的に目標の1kmに達しなくとも、1cm動かして僅かでも目標に近づいたならば、それは立派な前進なのだから、「1kmに達しない」ことを以って失敗とみなさないこと。周りでみている人たちは、「1kmと言いながら、1cmしか進まなかったじゃないか」と批判し、ときには誹謗中傷するだろうが、それは避けられないこととして甘受すること。

 そのときの模様を「『改革』って言葉はsounds niceだけど、決して生半可なことじゃないんだぜ? どんだけ時間掛けて精一杯やったって、1cmも進まないかも知れないんだぜ? そのことをバカにしたり、弱点を突いて崩壊させようと目論んだりするやつが沢山いるんだぜ? そういう心構えが必要なんだぜ? 決して気負ったりしないで、楽しくやって欲しいぜ?」とレポートしてくれた「珠丸」さんが、「公的年金タスクフォース」における改革のやり方をうまくまとめてくれています。

 

今回の取り組みは「ビジネス」ではない。ガントチャート引いてコストシミュレーションして、最短の距離を突っ走らなければならない理由はない。「目的」に向かう「手段」に方式や方針を持ち込んで縛りを入れる理由はない。メンバーはお互いのどんな意見や主張であっても、そのことをお互いにリスペクトしあう。どんなに遠回りで非効率で意味のない作業でもそれでいい。そんな作業をこそリスペクト。そこから何かが生まれるかも知れない。「ケーキを作ろうとしているのに、ネギを持ってきてしまう。」なんてうまい表現されてた方がいらっしゃいました。私はネギばかり持ち込んでしまいそうですが、ネギを使ったケーキも案外おいしいかも知れません。今までになかった斬新なケーキが作れそうです。(笑) 自分なりに、自分のペースで、これからもこの取り組みに関わっていきたいと思います。

 

 ケーキを作っているときに、善意でネギを持ってきた人がいたとします。そのときに、「俺たちはケーキを作ってんだよ! ボケ!」と突き放すようでは改革は成就しません。改革を成就させるためには、「なるほど、ケーキにネギですか。そういうやり方もあるんですね。ありがとうございます」と心から感謝して、何とかネギを効果的に使えないか、と模索しながら突き進む度量の広さと胆力と行動力が必要です。
 私は、「公的年金タスクフォース」に参加しているメンバーが「1cmの改革」を成就したとき、きっと度量の広さと胆力と行動力を身に付けていることに違いないと確信しています。

2004 07 28 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.07.26

CD-ROMでデータとプログラムがもらえるかもしれません?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。先週金曜日に厚生労働省年金局数理課との第2回目のミーティングに行ってきました。水曜日に提出した質問事項に沿って、午後3時から2時間みっちりとディスカッションしてきたところです。日本総研の西沢和彦氏による個別具体的なデータ及びプログラムの個別請求によって、じつは4991枚の資料は完全なものではなく、抜け落ちていたデータがあったことが判明しました。

 しかし、それにしても感心させられたのは、数理課の方々の真摯な御対応です。ミーティング前日の木曜日に、弊社KFiに足を運び、陳謝の上、抜け落ちていた部分のコピーを持参されました。まあ何と言っても、4991枚もあるのですし、人間がやることですから、抜け落ちた部分があったとしても私は仕方ないと思います。それにもかかわらず、課長と筆頭補佐が2人して、一介の民間人に過ぎない私の会社に御足労いただいたことに大変恐縮しております。
 しかも、その際、「CD-ROMでデータとプログラムをいただくことをご検討いただけないか」という当方のお願いに対しても、「法律上できないことはないと思うので、前向きに検討したい」という回答までいただきました。少なくとも、公的年金タスクフォースの活動の中で、お会いさせていただいている厚生労働省の方々には、本当に真摯にご対応いただいております。お忙しい中、多大なご配慮をいただきありがとうございます。
 さて、私ども「公的年金タスクフォース」もだいぶ陣容が整ってまいりました。12人のブロガーと私(及びKFiスタッフ)に加えて、専門家アドバイザーとして、高山憲之・一橋大学教授、西沢和彦・日本総研主任研究員、村田純一・企業年金研究所社長、篠塚肇・経済同友会政策調査会 マネージャーにサポートしていただいております。さらにメディアからは、辻陽明・朝日新聞編集委員、松浦新・週刊朝日記者、山本名美・テレビ東京ディレクターにご参加していただいているところです。
 そして今回、ついに、あるべき公的年金制度を検討するための公的年金に関する基本的なモデルを作るプロジェクト――とりあえず、Public Pension Basic Model Project(=PPBMプロジェクト)と仮称しておきましょう――に関して、永田町の方々にもサポートしていただける可能性がでてきました。じつは、民主党の大塚耕平議員と自民党の林芳正議員が中心となって、PPBMプロジェクトに関して超党派で結成される政治家の方々のネットワークを立ち上げようという動きがでてきたのです。
 さらに申し上げますと、あるシンクタンクからからも協力体制の構築について打診がありました。要するに、ブロガーを中心とする市民ネットワークに、専門家とメディアと政治家とシンクタンクのコンソーシアムが結成されようとしているのです。
 これって、凄いことですよね。
 ひょっとして、ひょっとして、ひょっとすると、「週刊!木村剛」から立ち上がった「公的年金タスクフォース」が本当に公的年金改革のエンジンになってしまうかもしれません(こりゃあ、大事件ですよ!!)。
 それにしても、金曜日に開催された厚生労働省とのミーティングでビックラこいたのは、プロジェクトリーダー「McDMaster」さんのプログラムに関する博識です。なぜならば、厚生労働省の専門家が説明してくれたプログラムについて私が、「McDMasterさん、これ分かる?」と聞いたら、ことごとく「大丈夫です!」と言い切っていたんですから。もう、「McDMasterさん、このプログラム作れる?」「オフコース!」っていう感じでした(ほとんど、新庄選手のオロナミンCのノリですな)。私の隣で聞いていた日本総研の西沢氏も「すごいねぇ」とただひたすら感心していました。
 ということで、プロジェクトリーダー「McDMaster」さんが「公的年金タスクフォース」に参加している専門家集団(窓口は西沢氏)と十分にコミュニケーションをとりながら、ブロガーの方々と協力体制を構築できれば、本当の本当に、PPBM(公的年金基本モデル)が出来ちゃうかもしれません。しかも、厚生労働省がデータとプログラムをCD-ROMでくれるかもしれないというんですから。
 市民の力恐るべし。侮るべからず。
 ブロガーの底力恐るべし。卑下するべからず。
 さらなる前向きの展開が起こるよう、大いに期待したいと思います。

(追伸)皆さん、河野太郎自民党議員、古川元久民主党議員が参加する公開討論会は、東京駅周辺のホテルで本日午後8時スタートです。午後7時30分より受付を開始いたします。謎の「4991枚」や公開請求のときの資料も展示いたしますので、是非、こぞって参加してください。お問い合わせは、KFi Club事務局(電話:03-3519-1234)。

2004 07 26 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.07.21

「悩める母親党」をブログ上で旗揚げしよう!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。7月13日のゴーログ「文部科学省と厚生労働省の狭間に放置された子供たち」に紹介した「まりさん」のEメールを読んで、たくさんのトラックバックをいただきありがとうございました。

 「専業主婦の逆襲」さんは、「絶対数は圧倒的に不足しとるとは言っても小学校に上がるまでの子供は保育所や保育園が親が迎えに行くまで預かってくれるんよ。ところが小学校になると、授業が終われば『ハイ!帰りなさいよー。ボヤボヤ残って校庭にいると怖い人が刃物持って襲撃しに来ますよー』っス。今なんか夏休み前で、子供ってば短縮授業で昼の2時には帰って来るんよ。そこから夕方6時、7時、8時まで子供達にいったいどこに行けっつーんじゃろ?小1や小2の子供達ってまだまだ赤子のよーなモンじゃぞ?しかも最近は一人っ子家庭が多いっつーのに」と見事に「まりさん」の悩みを代弁してくれました。結局のところ、「おたくなばくちうちの日記(仮)」さんが言うように、「今回の選挙で少子化対策を叫んだ政治家はこの問題にこそ真剣に取り組んでもらいたいと思います。福祉手当もいいですが、安心して子供を預けられる環境整備にこそ力を注いで欲しい」ということに尽きると思います。
 それにしても、この問題は結構根が深いようですね。「永山の買い物blog」さんは、「文部科学省と厚生労働省の狭間に放置された子供たちは学童クラブだけではない。幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省なのだ。幼稚園の先生は『幼稚園教諭』、保育所の保母さんは『保育士』。で、保育園に通っていた子どもの母親が何かの理由で退職する・・・とただでさえ待ち行列が大きいのだから、保育に欠ける原因がなくなるため、通いなれた保育園にそのまま通い続ける権利がなくなる。ナンダカナア???」と指摘していますし、「無菌室育ち3はお堅いのがお好き」さんも「幼稚園が、延長預かりする上での障害になってる。保育園が延長保育してくれれば、そちらで可能、という人も多いはずなんだ」と分析してくれています。
 要するに、悩める母親の意見を吸い上げてくれる政治的なシステムが欠落しているということなのでしょう。でも、そのギャップをブログが埋める可能性ってありますよね。実際、ブログが市民権を得るようになれば、「c572blog」さんが予測しているような未来だって実現しないわけじゃないと思うんです。
 

「医師」とか「特定郵便局長」などは大きな政治力を持った団体をもっていることは知られてますけど、「悩める母親」とか「怒れる母親」などがそういった団体をもっていることは聞いたことがないです。政治次第で自分たちの生活が良くも悪くも大きく左右されうることは同じはずなのに。いままで、その母親たちは横につながって自分たちの声をとりまとめて大きくしていく手段を持たなかったので、横にがっちりつながってガンガン圧力をかけまくる「ノイジーマイノリティー」の方が政治家からよく見えてしまう、これがいままでの状況ではないでしょうか。それがブログという手段を得たことによって「ニシオ」さんのような人が散発的に声をあげ、「週刊!木村剛」のようなところでだんだんと結びついていって・・・大きなちからになっていく。そんな気がします。絶対数は医師や特定郵便局長より母親の方が多いわけですから、彼女たちの共通の利害に向けて動き出したら・・・・。……今まで政治家に対して伝達手段を持たなかった母親の声が……国会議員の耳に入ることになります。

そのとおりです。ブログを使ってやってみればいいんです。ブログ上で、「悩める母親党」を立ち上げちゃえばいいじゃないですか。党首は「専業主婦の逆襲」さんで、幹事長は「無菌室育ち3はお堅いのがお好き」さん。政調会長は「c572blog」さん、という布陣ですかねぇ(^^;)
 実際、トラックバックをみると、様々な問題が提起されています。「 ……それが問題だ」さんは、学童保育に関して、川崎わくわくプラザ事故を例示し、「この事故に関して言えば、希望人数に対して十分な規模の施設を使うことができない上、管理費も安く上げるために社会福祉法人に委託して……と、安全管理に配慮されていなかったことは明白」という分析を寄せていらっしゃいますし、「データバックアップメモ」さんからは、池尻中学校の廃校利用に関する問題が寄せられました。住民との話し合いがないままに、廃校利用が決定されたということのようです。「ミズタマのチチ」さんは、杉並区における公立保育園廃止に関する問題を指摘してくれました。
 また、「Unforgettable Days」さんからは、離婚が増えている現在、シングルマザーやシングルファーザーのことも配慮すべきだというご意見をいただきました。「fareaster」さんからは、「年金の先払いとして子供が生まれたら保育手当てという形で支給して、将来的に年金保険料で返してもらう、というシステムもありかな」という年金絡みのアイデアをもらっています。「McDMaster」さんからは、ファンドを使ったコミュニティビジネスの可能性を指摘していただいています。
 いずれにしても、「すでに過去のものになった実態のない家族モデル(サラリーマン+専業主婦+子ども二人の核家族+家事と育児は女性の仕事)が主流、だからこのカタチにしなきゃと考えているお役人と政治家とマスコミが問題!」(by「永山の買い物blog」さん)という意識ぐらいは持っていないと、本当に有効な政策は策定できないでしょう。ちなみに、「空のつぶやき」さんは、以下のような感想を寄せてきています。
 

実態を知らないから、実態にそぐわない使い難い制度を作って、(せっかく制度を作ってやったのに)“利用者が少ないから”予算を削減し、ますます利用しにくくしている。実態を見ないで、数字に翻弄されて、何かしら接ぎ当するだけの政策。政策を作る人たちが自分の奥さんを勤めに出して、その不合理を肌で実感しないと、本当に必要な政策って作れないのかな。だとしたら、想像力がなさ過ぎる。想像力が無いついでに、霞ヶ関の官僚は1人、100人ずつ子供を持たねばならないなんて法律作ってみる?(爆)想像力が無い人が国の行く末を左右しているとしたら、それは国民にとっても悲劇でしかないよね。。。

ご指摘どおりです。でも、「悲劇」にしないためには、政治家に届くような世論にまで高めていかなければなりません。片隅で非難しているだけでは、彼らは何も変えようとしませんから。まずは、「悩める母親党」を立ち上げて、「週刊!木村剛」を利用しながら、世論を創っていってみてはいかがでしょう?

2004 07 21 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.07.20

公的年金タスクフォースの活動が朝日新聞に取り上げられました!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「うわぁ、とうとうこんなとこに載っちまったよ」(by「くりおね」さん)という状況になってしまいました。な、な、な、なんと先週金曜日7月16日の朝日新聞第12面において、「週刊!木村剛」で展開されている「公的年金タスクフォース」のことが紹介されちゃったんですね。asahi.comでも取り上げられておりますが、ご参考までに以下に抜粋して掲載いたします。

 

金融コンサルタントの木村剛KFi社長が学者や市民とともに任意団体「公的年金タスクフォース」を設立した。厚生労働省が計算の前提にした国民の賃金や保険料納付の実績など膨大な被保険者のデータを開示させ、国民のだれもが公的年金の制度設計の論議に参加できる基本ソフト「年金版リナックス」ともいえるデータベースと制度のモデルをつくることをめざす。……木村氏はすでに情報公開請求で得た匿名の被保険者データやプログラムなど約5000枚の紙をデータ入力して解析する一方、今後はこのプログラムに基づいてどんな指示が厚労省内部で出されたか、文書などを公開請求する。23日に厚労省側と質疑する予定。 (07/16 07:14)

 世論を盛り上げて、政治のプロセスにつなげていくためには、マスコミの方々の協力が不可欠です。そういう意味で、朝日新聞さんや週刊朝日さん、そして前回グラビア記事を載せてくださった週刊新潮さんには本当に感謝しております。多数の方々のサポートがないと改革は為し遂げられません。
 ただ、マスコミに取り上げられることが目的ではありません。それは目的ではなくて、目的を達成するための手段に過ぎないからです。マスコミに掲載されることが目的となってしまうと、道路公団改革の誰かさんのようになってしまいますから(^^;)
 だから、「珠丸」さんが言っているように、「どんだけマスコミで騒がれようが、どんだけ盛り上がろうが、私にできることは、目的に向かって愚直にやれることをやるだけです」。決して振り回されたり、気負ったりせず。小さなことからコツコツと。1cmでも前に進めるために」という基本的な心構えを忘れずに、愚直に、でも、また~りと、気長にやっていくしかありません。とりあえずの目標は、「誰にでも使える公的年金シミュレーション・プログラムの作成」(by「よみがえれ!バサラの精神」さん)です。
 そして、その目標の下で、とりあえず格闘すべき相手は、「地上をテコドントサウルスが歩いていた頃」(by「無菌室育ち」さん)の「ミイラ」(by「アホが見ーるーブタのケーツー」さん)と化したFORTRAN。む、む、む、強敵です。この強敵に対峙していくため、「公的年金タスクフォース」は、7月14日にキックオフを行いました。専門家チームからは、高山憲之・一橋大学教授と西沢和彦・日本総研主任研究員が参加してくださいました。地道ですが、着実にできることをできることからやっていこうと思います。
 さてそこで、「公的年金タスクフォース」のプロジェクトリーダー「McDMaster」さんによって、このほど「公的年金タスクフォースのホームページ」が立ち上げられました。「公的年金タスクフォース」はオープンでフリーなボランティアの団体です。朝日新聞記事のタイトルにもなりましたが、「年金制度議論、誰でも参加を」というのがモットーです。ご興味のある方は、是非、「McDMaster」さんのブログか、「公的年金タスクフォースのホームページ」をお尋ねください。「ぜひこのタスクフォースに関わってみたい!っていう人は悩んでる暇なく協力していただけたら嬉しいです。……いつでも誰でも大歓迎です」(by「Hiroette」さん)ということなのです。
 まずはとりあえず、7月26日に開催される予定の公開討論会に参加してみませんか。TV朝日の「ワイドスクランブル」が取材にくるかもしれません。皆さんも、年金改革に興味があれば、イベントに参加してみてください。「4991枚の物体」も展示いたしますから(^^;) ブログで散発的に議論が行われていても、世論が全体として盛り上がらない限り、そして少なからぬ議員の人々がその気にならない限り、公的年金制度は改善されないんです。
 「年金制度改革関連法のミスも問われないようだしなぁ。政治って適当なんだねって思っちゃう」(by「enter sandman」)というのはまったく同感なんですけど、その政治家を選んでいるのは私たちだったりするわけですから……。まずは、公的年金制度に関して、「俺たちはこんなに怒ってんだゾ!」ということを長期戦で示し続けていかねばなりません。ということで、来週月曜日開催の公開討論会への参加をお待ち申し上げております。詳細については、尾花広報部長(obanan@kfikk.co.jp)にお尋ねください。

2004 07 20 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.07.15

厚生労働省年金局数理課の官僚は良心的です!?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。今週月曜日7月12日に厚生労働省年金局数理課との定期ミーティングが開催されました。午前10時から12時までの2時間の間、数理課の専門家の方々から、極めて丁重かつご丁寧に解説をいただきました。土田孝司課長補佐、佐藤裕亮課長補佐、木村剛係長(同姓同名です)、山田計幸厚生労働事務官、ご多忙中お時間を割いていただき本当にありがとうございました。

 前回のミーティングもそうでしたが、年金局数理課に悪い人はいない、という感じですね。「現時点までの対応は割りと良心的」(by「Hiroette」さん)です。私自身、「厚生省にも良心的な官僚が少なからずいる」(by「8 count」さん)ということを実感しています(それでは、悪人は一体全体ドコに潜んでいるのかしら???)。

 当方は、村田純一・企業年金研究所社長をヘッドに、朝日新聞編集委員の辻陽明さんと週刊朝日記者の松浦新さんに加えて、弊社から私と尾花広報部長とコンサルタントの原さんが参加しました。議論する中で明らかになったこと、未だ不透明な部分など、色々とありましたが、随時「週刊!木村剛」を通じてお伝えしていければ、と思っています。
 民主党は参院選ということもあって、「白紙撤回」というアジテーションを飛ばしていましたが、「Kento De Goo Punch」さんが提起している「民主党の『年金改革関連法白紙撤回』+『今後5年間議論して抜本改革を』って、年金制度は現状維持で5年間って事でしょう?まあ~一般的に考えて、そうとしか考えられんわなー。でもそうなったら普通に考えて今後の5年間、年金財政は毎年5億円前後の単年度赤字を生んで、5年後には25兆8千億円の累積赤字に達っしちゃうじゃん。『白紙撤回して、時間をかけて議論を』などと言っているうちに、出血多量になって『国民皆年金制度』自体が瀕死の重症になっちゃうと思うんだけど…」という素朴な疑問にどう答えるんでしょうかねぇ。
 私は、国民全員が解決を望んでいる年金問題を、政策論争ではなく、政局問題に転化しようとしている勢力に反対します。もしも、民主党がその程度の党なのであれば、二大政党制などチャンチャラおかしい。自民党が二つできるだけで、永田町のコップの中で霞ヶ関に操られながら、権力闘争をするだけに終わってしまうと思います。
 そんなことを望んでいる国民はいないわけで、本当に民主党が政策に自信を持っているのであれば、正々堂々と「3党合意」に則って、与野党が同じテーブルに座って「一元化」を議論すべきです。もしも与党がいい加減なことをしようとしているのであれば、いくらでも国民の目の前で暴露することができるはず。その程度のことが出来ないというのであれば、それは政治力や戦略面で民主党に欠陥があるということにすぎません。岡田克也民主党代表には、正々堂々とした政策論戦を展開してもらいたいと密かな一ファンとしては願っています。
 国民の目の前でオープンに議論してもらいたい。出来れば、公的年金タスクフォースがやろうとしている共通のデータベース(というかベーシックなモデル)を作成する環境整備に力を貸していただきたい。そうすれば少なくとも、公的年金の現状を理解したうえで、どういう制度を構築すべきかという議論が建設的に行われることになります。いま私は、超党派で公的年金を改革する志を持った国会議員を募っています。もしも、政党の枠組みを超えて、日本国の将来のために公的年金の問題を解決したいという国会議員が多く存在しているとするならば、日本の未来も捨てたもんじゃないと思います。果たしてどうでしょうか・・・。

 ところで、この間、生データの一部をデジタル画像で公表しましたら、私と同様、「ホントに言葉を失ってしまいました」(by「チップを弾むから」さん)もいたようですが、「ソースコードの一部が公開されていますね。昔、ホスト系(メインフレーム)のプログラミングやってたので、解読できますよ」という「いのっち日記」さんのようにプログラムに詳しい方が結構いらっしゃったようで、「調べてみたらFortranぽい」(by「はむサラだにっき」さん)とか、「きゃーFORTRANよFORTRANっ、実業務で動いてる奴を見るのは初めてです」(by「スズメの巣」さん)とか、「木村さんのところにアップされていたFortran のソース、実はUNIXベースのFortranであることがおおよそわかっています。ひょっとしてg77なんて使っていたりして。あとANSIライクなC言語のソースコードリストも1冊ありました」(by「McDMaster」さん)などなど、色んな専門家の方々の声が寄せられて参考になりました。
 ちなみに、第一回目のミーティングでは、厚生年金部分がFortranで書いてあり、国民年金部分がC言語で書いてあることがディスクローズされました。最初にやった人が選んだ言語がそのまま使われているそうで、プログラムは数理課自身のスタッフでやっているそうです。
 そのプログラミングなんかに関しては、「わがままじぶんポータル」さんが指摘しているように、「データとソースだけじゃ役に立たない気がします。ソースがあって、仕様書が無いとも思えないし、その仕様書を付けなかった意図が懐疑的ですらあるかと思う。忘れたわけでは無く、故意に仕様書を付けなかったのは間違いないと思うのだが、その仕様が公開された時には是非中身を拝見させて貰いたい」という国民的なニーズは高いんですよね。「enter sandman」さんも「仕様書がなくてもソースにコメントぐらい入れろや」って言ってますしね。そこのあたりがわかっていただけるといいんですが・・・。
 でも、これまでのところ、厚生労働省年金局数理課の方々には、本当に「一般国民にも新設丁寧で良心的に対応して頂」(by「8 count」さん)いているんです。「私は厚生労働省年金局数理課の方々を応援したいと思います。頑張ってください。『お役所』も『官僚』も、国民の敵じゃないって事、信じてますから」(by「Ne.’s BLOG」さん)という人たちもいますからね。
 だから、期待は捨てていません。
 そんなに大それたことは申せませんが、「木村氏は・・・・・本気である。そして地に足が着いている。年金問題を、本当に粛々と解決しようと、一人から動き出しているのだ」(by「yotsuya67の日記」さん)というくらいの覚悟は持っています。そして、「ツッコミ役」(by「ミズタマのチチ」さん)として、「このうねりにより大きな山が動かされんことを祈ります」(by「Ochanoko」さん)という気概を失わないでいきたいと思っているのです。
 でも、「くりおね」さんも書いていますが、「他人事ではなく、自分のこととして。街角評論家じゃなく、意志を持って関わる人間として。地道に自分のできることを、できる範囲で、牛が草をはむごとく、淡々とやっていこう」というスタンスが重要です。そんなにパッと世の中が変わることなどなかなかないのですから・・・・・。

(追伸)皆さん、河野太郎自民党議員、古川元久民主党議員が参加する7月26日の公開討論会にこぞって参加してください。お願いします。謎の「4991枚」や公開請求のときの資料も展示いたしますので、お楽しみに。

2004 07 15 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.07.13

文部科学省と厚生労働省の狭間に放置された子供たち

 皆さん、こんにちは。木村剛です。先週土曜日に「専業主婦の逆襲」さんの「出生率について」三部作を「BLOG of the Week」に選出し皆さんにご紹介させていただきました。「安心して子育てができる環境」ということを唱える政治家は多いようですが、そのために実施する政策内容は曖昧模糊としていて、要するに、女性に対して「産め!」と言っているだけという場合が少なくないようです。そういう意味では本当に失礼な話です。

 長男の出産に立会った際、カミサンの手を握りしめながら、わが子が生まれてくる様を一部始終みていた私は、その瞬間、本能的に「女性というのはスゴイ」と感服させられた記憶があります。「こりゃあ、どうひっくり返っても、男は敵わない」と思い知らされましたね。その後も、乳児の間は夜泣きで24時間睡眠不足(私は熟睡していましたが・・・)。歩き回るようになったらなったで、各種の心配が尽きない。ウチは2年違いのガキ2人だけですが、わがカミサンながら、よくやってくれていると感謝しています。
 木村家におきましては、ダンナは外で生活費を稼ぎ、カミサンは家で子供を育てるという完全分業制なのですが、専業主婦のカミサンをみていても大変だなと思いますから、働きながら子供を育てていらっしゃる女性の苦労は並大抵のことではないと思います。そういう風に思っていましたら、「まりさん」という方から格好のEメールが届きましたので、以下にご紹介させていただきます。

 

年金制度問題に興味を持ってから木村さんのBLOGを拝見しております。年金のあり様に大きな影響を与える少子化対策について、木村さんご自身のご意見を伺いたく、突然で失礼とは思いましたが、私はトラックバックできないので、尾花部長宛にメールをお送りさせていただきました。

 99年に「新エンゼルプラン」が策定されましたが、出生率は依然として下がり続けています。当該プランの本来の趣旨は、安心して子育てができる環境を整備するためのもののはずです。。

 しかしながら、現場での対応をみていると、年金制度等を維持することを目的として、子供を産ませるための枠作りだけをしているような傲慢さが感じられます。「ジャックと豆の木」の金の卵を産む雌鳥じゃあるまいし、「生め!」といわれて生めるものではありません。

 その一例ともいえるのが、私自身が今直面している我が子が通う学童クラブの問題です。学童クラブとは何であるかご存知ですか?

 簡単にいえば、親が働く小学生の放課後ケアしてくれるもので、改正児童福祉法において、「放課後児童健全育成事業」として、「その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業終了後に児童厚生等の施設を利用して(中略)その健全な育成を図る事業」として明確に規定されています。保育園で7時頃までケアされていた子供を、小学校に入学したからといって2時半頃に下校した以降放っておけるはずがなく、学童クラブは、保育園と比較して少子化対策としてあまり注目されていませんが、特に低学年の子供にとり、非常に重要な役割を果たしているのです。

 ところが、この1、2年で、全児童対象の放課後の子供の遊び場確保という事業(仮にA事業とします。登録制の校庭解放とでも思って下さい。)と一体化されてしまい、更に予算削減のため学童クラブ職員の非常勤化案が出される等、流れは実質的な学童クラブ廃止の方向にあり、現状、さまざまな問題が生じています。

 学童クラブの建物は、学校の中にありますが、学校の児童であっても、クラブにいる間の当該児童への責任の所在は不明確です。なぜならば、学校は文部科学省下、学童クラブは厚生労働省下にあるからです。

 学校では、学童クラブへ建物を貸しているだけという認識のようなのです。学童クラブの申込に学校へ行った時、申込場所がわからなかった私は、たまたま通りかかった当時の教頭に場所を尋ねると、「学童クラブは、学校とは一切関係ありませんので、あちらで聞いてください。」と言われてしまいました。

 また、学童クラブの建物の前が児童に対して危険な作りだったときには、その責任の所在が学校にないとかで、なかなか修理をしてもらえませんでした。また、A事業との一体化で職員がケアするべき児童数が増えたため学童クラブに来ているはずの生徒が行方不明になっても一日誰も気が付かなかった(幸い、大事には至りませんでしたが)というような問題も起きていますし、職員が非常勤化されてしまった別の地域では、実際、児童の怪我が多発しています。

 このような現状にもかかわらず、権限を委譲されている区役所では、兎に角、予算の削減に躍起のようです。学童クラブに今ある機能が、子供の安全確保と心のケアに必要だということを全く理解していただけていないようで、いつも別の大義名分と本旨をすりかえてきます。そういえば、設計図の段階では存在した避難階段が実際には設置されていなかったというようなこともありました。実際に事件が発生してからでないと、役所は動いてくれないようなのです。

 「安心して子育てができる環境」とは、大人が便利なだけのツール作りではないはずです。量的な拡大だけはでなく、質的向上が如何に大切かは学校という枠組みをみれば誰にでも理解できることでしょう。子供が健やかに育つための質が伴わずして安心して子供を産み育てる気にはならないと思うのですが(実際、なりません!)、いかがでしょうか。

 大変申し訳ないことですが、私は、このEメールをいただくまで、「学童クラブ」という単語を存じ上げておりませんでした。確かに、働いている親たちにとって、保育園で午後7時まで面倒をみてくれていたものが、小学校になって午後2時半に帰ってくるということでは、対応不可能ですよね。それが「学童クラブ」の縮小というかたちで、「安心して子育てができる環境」がますます遠くなっているのが現実だというのであれば、「何が少子化対策なのか!」と憤りたくもなることでしょう。
 しかも、「学童クラブ」の運営が円滑に行われていないのは、学校が文部科学省の縄張りで、学童クラブが厚生労働省の監督下にあるからだというのですから、何をかいわんやです(また、厚生労働省かよぉ~)。少子化対策を声高に唱える政治家は、こういう細かいけれども有効な政策を実現することに汗をかいていただきたいと思います。
 「週刊!木村剛」は、このようなEメールおよびトラックバックを大歓迎しています。皆さんの周りで起こっている行政機関の理不尽をお知らせください。適宜ご紹介し、世論喚起のお手伝いをさせていただきたいと思っています。まりさん、Eメールありがとうございました。

(追伸)昨日から待望の「月刊!木村剛」創刊号が書店に並んでおります。是非、是非、ご購入いただき、ご友人やお知り合いにブログの素晴らしさを喧伝していただければ幸いです。

2004 07 13 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.07.05

厚生労働省との定期ミーティングを始めます!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。先週水曜日に厚生労働省年金局の数理課長から定期ミーティングのお誘いがありましたので、日程を調整している最中です。西沢和彦日本総研主任研究員、村田純一企業年金研究所代表取締役社長、篠塚肇経済同友会政策調査部マネージャーという専門家が協力を申し出てくれておりまして、当方はチーム編成を整えました。一橋大学の高山憲之先生は現在外国出張中ですので、帰国次第ご参加を要請したいと思っております。なお、「公的年金タスクフォース」の方でも参加希望があれば、枠を1名分設けますので申し出てください。ただし、「国家権力と戦うリスク」(by「c572blog」さん)を覚悟(?!)した上で、実名で参加していただくことになりますことをあらかじめご了解下さい。

 なお、「4991事件」(by「くびったけじゃないもん」さん)の結果、厚生労働省から受領した物体については、「ミズタマのチチ」さんが下記のように見事な描写をしてくれています。

「厚生労働省から受け取った物体」は、材質は紙です。よく見慣れたコピー用紙です。でも、そこに記入されているものは、あのマトリックスの「流れ落ちる数字」に非常に近い、事情を知らないものには、何の意味も読み取れない文字列です。
一つ一つの数字に、何の意味があるのか。
隣の数字と、どんな関連があるのか。
隣のページや束の中で、どんな意味を成すものなのか。
そういった「情報の魂」というべき関連性が、徹底的に無いデータです。
きっと全体と核心を理解しやすい、サマリーのようなものが、どこかに存在するのでしょうが、昨日見た限りでは見つかりませんでした。逆にこんな代物で、OKを出す審議官は、まったくスルーか、超絶に凄いかどちらかだと思えました。

 残念ながら、現状はそういうことなのです。それで私は、厚生労働省に対して、情報公開請求の第2弾をお願いしてきたわけです。現時点においては、「Ne.'s BLOG 」さんが見事に喝破しているように、「想像するに、『データ』は項目の意味の説明すらしていない、どこからどこまでが何を意味するものなのかも分からない数字の羅列で、プログラムはソースコードをそのまま印刷したもの、なのでしょうね。そして、第二段として請求されているのは、これらのデータとプログラムの『仕様書』なのでしょう。システムエンジニア的発想では、仕様書の無いデータとプログラムから計算された結果は『推測』にしかなりません。だから簡単に公開したのか、と思わず邪推してしまいます。なんにせよ、仕様書の公開が待たれます」という状況なのです。
 「上の方々ってのは、あんまりつっこんで書類みてなかったですよ」という「チップを弾むから」さんのご指摘はごもっともな面もあるのですが、いま私たちが出来ることは「ガバナンス論による攻め方」(by「fareaster」さん)しかないように思えます(もっと良いお知恵があれば、是非ご教示ください)。そういう意味で、「4991枚よりはむしろ今回の情報公開請求第2弾の方がキー」(by「*nisshi.jp」さん)なんです。
 「おたくなばくちうちの日記(仮)」さんが言うとおり、「大切なのは議論の土台となる『データがありません』じゃ話にならない、ということ。参院選後、与野党はもう一度年金制度問題を見直すらしいではないですか。その際、お互い同じ土俵に立って議論を進めないと今年の通常国会と同じことが繰り返されることになるのではないでしょうか。もちろんそのことは年金問題を語るもの全てにいえることなのである」ということ――それはそのとおりです。
 だからこそ、「まーねこのひとりごと」さんが指摘しているように、「第二弾、これは重要ですね。『根拠のないデータで適当に計算していました』では、本当にしゃれになりません。ある程度人間の見積もりが入るのは仕方ないにしても、見積もりの根拠が示されて然るべきだと思います。まさか、サイコロ転がして決めたんじゃないでしょうから」というところから、地道に一つ一つ謎を紐解いていかないと前に進めないのです。私は、なんとかして、厚生労働省に「国民に判断出来るような情報を公開」(by「Takezo」さん)してほしいのです。「McDMaster」さんが指摘しているように、「行政においては、例えば料理の秘伝のレシピのように門外不出・一子相伝ではなく、オープンな手順の下に業務が遂行されるべきです」から。
 「ネットde監視、地方議会」さんは「厚生省の糾弾には興味がない」と書いていらっしゃいますが、私の究極の目的は「厚生省の糾弾」ではなく、「公的年金改革を議論する上で利用できる共通データベースの確保」にあります。そういう意味では、「私としては、とうぜん厚労省・社保庁といった行政、あるいは政府のやり方に少なからざる不満もありますが、できれば、そうした party(当事者たち)をいたずらに仇敵とみなすのではなく、タスクフォースがそれらの party をも involve - 巻き込んでいって、大きなうねりを生み出すことを密かに企んでいます」という「McDMaster」さんのスタンスに近いと言ってよいでしょう。
 「Hiroette」さんは、「こんな文書を出してくる厚労省の気持ちってどんななんでしょうねえ。どう考えてもこういう文書を出したら『なんだよ!こんな不親切な文書出しやがって!全く役人仕事ってのはひでぇもんだ』って世の中から言われるのは向こうも100年前に承知してるでしょうしねえ。それでも出してくるっていうのは、どんな胸のうちなんでしょうか。。。」と感想を述べていますが、先週水曜日に相対してくださった坂本純一数理課長は非常に真摯にご対応してくれました。そして、定例ミーティングをもセットしようと約束してくれました。私としては、厚生労働省にも良心的な官僚が少なからずいることを信じて、ミーティングに臨んで行きたいと思っています。

(追伸)ご参考までに、公開された物体の欠片を公開します。

data1.JPG


data.JPG

program.JPG

2004 07 05 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.06.29

厚生労働省に対して情報公開請求第2弾を発射しました!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。先週金曜日に厚生労働省から4991枚の資料をいただいてまいりました。TV東京が夕方のニュースとワールドビジネスサテライトにおいて採り上げてくれましたが、ご覧になった方はいらっしゃったでしょうか。今週発売されるある週刊誌にも記事が掲載される予定ですので少々お待ちください。「HPO」さんからは「既存のメディアを巻き込んだブログの広報活動が注目されることになるだろう」というご示唆をいただいておりますので、今後ともあらゆる形のメディアミックスを考えていきたいと思います。

 それにしても、4991枚――予想通りやってくれました。単なるコンピュータからのアウトプットの山をくれただけですから、推理小説のように内容をひとつひとつ探り当てていかなければなりません。こりゃあ、やっぱり「単なる嫌がらせ」(by「I will work it out」さん)なんでしょうかネェ。この4991枚の現物については、「行政文書開示請求書」や「行政文書開示決定書」とともに、7月26日の公開討論会において展示し、皆さまにご一覧していただいて「国家公務員の対応のあり方」について考えていただきたいと思っておりますので、是非、仕事後にお立ち寄りくださいませ。この公開討論会につきまして、ご参加を希望される方は会場の設定の都合や当日参加者の確認が必要になりますので、氏名をご記入の上、メール(obanan@kfikk.co.jp)でお申込みいただけましたら幸いです。また大変申し訳ありませんが、会場費がかかることもあり、参加費3,000円を当日頂きたく存じます。

 でも、ここでメゲテはいけません。
 そんなことは百も承知で、お役所も私もお互いに計算のうちなのですから。
 そこで昨日、私は、情報公開請求の第2弾を厚生労働省に打ち込んできました。今回開示された4991枚は「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラム」なのですが、次なる開示対象は、今回開示された「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラムに関して説明している内部資料のすべて」です。
 これは極めて重要な文書です。
 なぜならば、厚生労働省は「組織として正式な手続き」を経て、「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラム」に基づき、各種の試算を公表しているはずだからです。まさか、専門家と称される人々に「やり方はまかせるから、適当にやってよ」なんていういい加減な指示を下しているはずがありません。
 そりゃあそうでしょう。百兆円単位の負担を国民に課す年金改革を断行しようとしているんですよ。厚生労働省という立派な組織として、百兆円単位の決断をしようとするときに、その上層部が具体的な中身を理解せずに下の人間に適当にやらせているなんて考えられないじゃないですか。少なくとも、
(1)入力データの出所
(2)入力データが持つ限界と問題点
(3)プログラムの基本的考え方
(4)プログラムが持つ限界と問題点
(5)入力データとプログラムの正当性に関する第三者によるチェック、
に関して、厚生労働省の上層部は、省内の専門家から書面による懇切丁寧な説明を受けているはずだし、その書面は普通の人が読んでも(専門家であればなおさら)分かる程度の内容になっているはずです。
 もしも、そういう文書がなかったら大騒動です。だって、厚生労働省の上層部は、そのデータやプログラムに大きな欠陥があるかもしれないのに、チェックも何もしないで、百兆円単位の負担をもたらす法改正を私たち国民に課そうとしたことになるんですよ。民間企業であれば、完全に「善意なる管理者としての注意義務」に違反したということで株主代表訴訟になるケースです。
 完全無欠を誇る霞ヶ関のお役人がそんないい加減なことをしているはずがない――と私はとりあえず信じております。そういう説明文書は必ず作成されているはずだし、然るべき上層部においてしっかりとチェックし、組織としての決断をくだしているはずです。まさか、専門家がブラックボックスの中から取り出してきた試算結果を鵜呑みにして、大臣や国会などに報告しておけばいいなどと思っていたはずがありませんから。
 「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラムに関して説明している内部資料のすべて」が公表されれば、「McDMaster」さん率いる「公的年金タスクフォース」の作業も数倍はかどるに違いありません。じつは、この第2弾の情報公開請求が重要なのです。

 そこで私は、再び、情報公開法(正確には「行政の保有する情報の公開に関する法律」第4条第1項の規定)に基づき、「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラムに関して説明している内部資料のすべて」を開示するように、坂口力厚生労働大臣に対して「行政文書開示請求書」を提出してきました。
 情報公開法によれば、厚生労働省は1ヵ月後までに公表する(開示)か、公表できない理由を明らかにしなければなりません(不開示)。情報公開しないのであれば、「情報を公開しないにもかかわらず、年金給付を減額して、保険料を引き上げようとしている」ということが国民の眼前に明らかになるでしょう。
 もしも、厚生労働省が「不開示」の決定をした場合には、行政不服審査法第6条の規定に基づき、異議申立て(=不服申立て)を行ないます。不服申立てというのは、開示請求をしたのに不開示決定を受けた場合に、行政機関の長などに対して不開示決定の取り消しを要求することを言います。要するに、不服申立てとは、「インチキしないで出せ!」という国民の権利を保障した法律なのです。
 不服申立てを受けた行政機関の長は、原則として情報公開審査会に諮問し、その答申を受けて不服申立てに対する結論を出すことになります。不服申立人(本件の場合、私)は、情報公開審査会に対して意見書を提出したり、口頭で意見を述べることができます。
 その間、厚生労働省の対応については、克明に「週刊!木村剛」にアップしていくつもりです。地道ですが、そういう手続きを着実にこなしていくことによって、厚生労働省を信用してよいか否かが、多くの国民にとって明らかになってくるはずです。もしも、厚生労働省が自らの正当性を主張したいのであれば、きっと7月26日の公開討論会以前に開示してくれることでしょう。楽しみに待ちたいものです。

 「ミズタマのチチ」さんのお声掛けでカンパも始めていただいていますし、「Takezo’s BLOG」さんからも、「いやー、世の中、捨てたものではないですね、考えている人は、考えて行動して、結果を出そうとしている」と応援していただいているので、ここは頑張りどころです。一橋大学の高山憲之先生を招いてのキックオフミーティングは、7月14日を予定しています。
 「McDMaster」さんによれば、「公的年金タスクフォース」は7月7日にプレキックオフ・ミーティングを開催するのだとか。この流れが何らかのうねりを産みだして、公的年金改革を幾ばくかでも改善の方向に進めることが出来たら、と思います。
 「takka BLOG」さんが「僕たちは、情報収集能力と分析能力を大きく試されているようです。『みんなブログで自己防衛!』そんなスローガンを掲げて、ブログ間で交流を深めていくことが大事かもしれないですね」と述べていますが、「公的年金タスクフォース」の皆さん、かなり大変な作業になると思いますが、本業に支障をきたさないように最大限の注意を払いながら、よろしくご協力のほどをお願いいたします。
 「電脳東京」さんは、「財政・年金改革も手段であって目的ではない。木村剛氏も珠丸もたじろぐ5000枚近い開示情報の処理も貴い作業だが、目的は、将来に夢を持てる国家作りのはずだ。その手段として機能不全を起こしている官僚機構の糾弾も時には大いに意味があることなのだと思っている」と見事に喝破していらっしゃいますが、私たちが出来ることは、出来ることから着実に積み上げていくことしかありません。
 本当は、「ゴーン社長の様な人が国の改革に」(by「8 count」さん)と心底思うのですが、「民主主義のレベルはその国の国民のレベルが決める」という昔からの箴言は厳しい現実を見事に言い尽くしてくれています。政治家の資質を批判したところで、その政治家を支持している私たち国民に批判の矢は向かってくるだけ。「いけいけどんどん」さんからも、「木村剛さんのゴーログなども、これからもますます興味深い試みを続けられるはずなので楽しみな限りです」と激励をいただきましたので、皆さまからのサポートが続く限り頑張ってみましょう。ご興味のある方は「公的年金タスクフォース」にご参加ください。


2004 06 29 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.06.21

「公的年金タスクフォース」発足!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。6月17日のゴーログ「4991枚に上る公的年金関連のデータとプログラムが開示されます!」に対してたくさんのトラックバックをいただきありがとうございます。「下手なドラマなんかより、よっぽどリアルタイムでワクワクするような展開になっている。きっとマスコミ関係者も含めて、多くの人達が固唾を飲んで見守っているのではないだろうか」(by「ひとりごとと対話のはざま」さん)という状況になってきました。「6月25日が楽しみだ」(by「dewlines blog」さん)という方も増えてきているようです。しかも、少なからぬ方々から自主的に「サポートしたい」という声をいただいています。本当に感謝感激です。

 実際何が起こっているのかというと、「どんなデータが来るのかは、木村氏のBlogでの発表を待ちますが、これをOCRとかでデータ化し、そのチェック作業をするというのを木村氏の貴重な時間を使うのはもったいない。ということで、これってボランティアとかでやってしまえばいいんじゃないですかね。日程にもよるんですけど、私もそういう機会があれば是非手伝いたいと思います」という「エンタメ的社会考察」さんによる問い掛けに対して、「McDMaster」さんが「そこで、こやつを分析するためのオープンで非営利のプロジェクトをやんわりと立ち上げてみたいと思います」と応えて、「年金問題オープン・プロジェクト」の立ち上げを提唱したんですね。
 そしたら、「ネットde監視、地方議会」さんが「僕は……このうち、OCRが出来て、テキストデータをデータベース化することは得意です。また、数字と格闘することや、ネット検索も可能です。店番だけしていれば良いので、時間はあります」と協力を申し出たんですよ。それだけじゃなくて、「fareaster」さんも「私も、『単純な打ち込みの分担』(フォーマット決定が先かもしれませんが)、入力されたデータの解析程度ならば、ある程度お手伝いが出来ると思っています。せっかくの生データ、これを利用しない手はありませんね」と参加を表明してくれたんです。
 この流れに感激した「珠丸」さんは、「マナル店長(=McDMaster)殿!!! 先ほど、メールを差し上げました。あなたはなんて『阿呆』なんでしょう。さすが、ランキング1位。……しかし、私も『阿呆』なんです。お手伝いさせてください」と狂喜乱舞し、その熱気に煽られてか、「Hiroette」さんが「私も非力ながらお手伝いしたいと思います」と応じまして、「Ochanoko」さんも「マネージャー部員?としてでしたら、いつでも喜んで」と手を挙げてくれました。
 しかも、「ミズタマのチチ」さんからは、「もしカンパを受け付けて頂けるなら、わずかばかりですがお届けしたいと思います」というお申し出までいただきました。本当に涙がちょちょ切れます。それを受けて、「くりおね」さんも「私は技術的支援はできませんが、実際に人が集まって作業をする時の雑用・ルーティンワーク・買い出し・炊き出し・差し入れ等はお手伝いできると思いますので、もし必要であれば雑務要員としてカウントいただければ幸いです。あと、ミズタマのチチさんが提起されているカンパにも微力ながらご協力します」と言ってくれましたし、「チップ」さんも「実働部隊・側面支援と両方がそろい踏みして、良い人材ってのはうまい具合に集まるモノだなぁと。ボクもスキルがないので側面支援をさせて頂こうと思ってます」も応えてくれました。
 なんか「ブログパワー」ってすごいですね。自然な流れの中で、「同じ志をもった仲間達が自己組織化しようとしています」(by「よみがえれ!バサラの精神」さん)。
 あの激辛口で知られる「切込隊長」さんですら、「本当にまともな解析が木村氏およびそのシンパでできるのだとしたら、それは凄いことだな。ひょっとしたら意味があるかもしれない。というわけで、……木村氏一派がさっさと解析し問題点の洗い出しを行って争点の絞り込みに成功するようであればそれは素晴らしいことだ」と最大限の賛辞(^^;;)を送っているのですから……。

 もっとも、「おたくなばくちうちの日記(仮)」さんが指摘しているように、「解析作業には専門家の協力が不可欠」です。私のほうは、6月17日に高山憲之一橋大学教授に直接お会いし、改めてご協力をお願いしてきました。高山教授は快く承諾してくれました。本当にありがとうございます。また、日本総研の西沢和彦氏に加えて、企業年金研究所の村田純一氏や経済同友会の年金問題担当の方にも多少ご協力いただけそうです。
 このプロジェクトにおける私の役割は、コーディネートということになると思うんですが、「H-Yamaguchi.net」さんが指摘しているように、「Linuxが多くの専門家たちの自発的な貢献によって改良されていったように、政策の策定プロセスに自発的な専門家たちの関与を受けることには大きなメリットがあると思う」んですね。
 「ビリヤード&サッカー&ニュースコラム」さんには、「確か報道では民主の議員が『役人は政府にはデータを出すが、野党には出さない』といった発言があったが、情報公開請求でもなんでも手段を講じればよかったのにね。彼らは情報公開のために、どのように動いたのでしょうか。木村剛さんがおっしゃっているとおり、参院選で年金問題で戦うなら、理念だけの民主案ではなくて、今回出てきたデータを駆使して、自らの案の正当性を主張して欲しいものです。彼らにできないのなら、ムーブメント起こしてやっちゃいましょう」とけしかけていただきましたが、「ふじすえ」さんが「3党合意に関しては、党としての正式見解を岡田さんに確認します」と言っておりますので、しばらく猶予をあげてください。

 さて、今後の進め方ですが、以下のような感じで進めようかと思っています。もっとベターな案があれば、ドンドントラックバックしてください。

(1) 「McDMaster」さんをプロジェクトリーダーとする「週刊!木村剛 公的年金タスクフォース」を立ち上げ、技術支援や側面支援、そして肉体労働支援を厭わないブログメンバーを募る。
(2) 6月25日に4991枚の生データを入手する。
(3) 高山教授をはじめとする専門家と十分に相談し、どういうデータベースを作成すれば、解析に資するのか、ご教示をいただく。
(4) 尾花広報部長は、カンパ資金を管理し、公表資料コピー代金(9万9820円)を越えた分については、「週刊!木村剛 公的年金タスクフォース」の活動資金に充当する。資金の出入りについては、7月入り後の週末よりスタートする「尾花広報部長のコーナー」において、すべてを開示する。
(5) これらの活動の展開については、「週刊!木村剛」において適時適切に報告する

 コーディネーターの私としては、さらに二段構え三段構えの秘策を練っておりますが、その内容は現時点ではヒミツです。お楽しみに。「日本全国・見たいもんはみたいぞの会」さんによれば、コピー代はどうも「6万4800円」もボラレテしまったようですが、皆さんがここまで呼応してくれて、新しいムーブメントになったのであれば、決して高くない出費だったのかもしれません。
 「くりおね」さんは、「データは出ることになった。公開討論会も実現する。動き出した波は、もう止まりません。自分たちの手で、自分たちのための年金を考えていく、ある意味壮大な実験が始まっています」と称しました。まぁ、「年金法案通過後に出生率の更なる低下が発表されるなど、既に厚労省の年金算出は怪しさ満点なわけですが、さてどんな結果がでることやら非常に楽しみです」(by「Purple Moon」さん)ね。


2004 06 21 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.06.17

4991枚に上る公的年金関連のデータとプログラムが開示されます!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。さて、皆さんお待ちかね、5月17日に提出した「行政文書開示請求書」の回答が6月15日付けで厚生労働省から送付されてきました。以下に全文を公表いたします。

                       厚生労働省発年第0615001号 
                                              平成16年6月15日
              行政文書開示決定通知書

KFi株式会社
代表取締役社長 木村 剛 様
                          厚生労働大臣 坂口 力

  平成16年5月17日付けの行政文書の開示請求(開第436号)について、行政機関の保有する情報の公開に関する法律第9条第1項の規定に基づき、下記のとおり開示することといたしましたので通知します。

                          記

1 開示する行政文書の名称
  平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラム

2 不開示とした部分とその理由
  無し
   ※この決定に不服がある場合は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、厚生労働大臣に対して異議申立てをすることができます。

3 開示の実施の方法等
(1)開示の実施の方法等   ※同封の説明事項もお読みください。
  開示請求書において希望された開示の実施の方法(写しの送付)により、開示の実施を受けられます。なお、下表に記載した方法による事務所における開示の実施を選択することもできます。
行政文書の種類・数量等:  A4判文書4991枚
開示の実施の方法:
  閲覧もしくは複写機により複写したものの交付
算定基準(行政機関の保有する情報の公開に関する法律施行令別表第1参照):
  閲覧              100枚までごとにつき100円
  複写機により複写したものの交付    用紙1頁につき20円
行政文書全体について開示の実施を受けた場合の基本額 : 
  閲覧                        5000円
  複写機により複写したものの交付     99820円
開示実施手数料(基本額-開示請求手数料300円):
  閲覧                        4700円 
  複写機により複写したものの交付     99520円 

(2)事務所における開示を実施することができる日時、場所 
日数:平成16年6月22日から平成16年8月16日までの期間のうち、「行政文書の開示の実施方法等申出書」が提出された日の3日後の日(土、日その他の行政機関の休日を除く。)の10:00~17:00(昼休み12:00~13:00を除く。)
※上記以外の日時における開示の実施を御希望の場合、下記の担当課等までお問い合わせください。
場所:厚生労働省情報公開文書室 東京都千代田区霞が関1-2-2中央合同庁舎第5号館2階

(3)写しの送付を希望する場合の準備日数、郵送料(見込額)
日時:「行政文章の開示の実施方法等申出書」が提出された日から一週間後までに発送予定
郵送料(見込額):郵便小包25kgまで1320円

※担当課等:厚生労働省年金局数理課庶務係 TEL:03-3595-2869(内線3354) 

 上記を受けまして、私は6月22日に「行政文書の開示の実施方法等申出書」を提出し、6月25日に公表資料の写しを入手する予定です。モノを見ないと何とも言えませんが、まずは、公開していただいたことに対して、謝意を表したいと思います――厚生労働省の方々、どうもありがとうございました。
 ただし、単なるコンピュータからの打ち出しで、数字や記号ばかりが並んで、見ても何がなんだか分からないような公表の仕方である場合には、その現物を公表して、「国民に対してこういう不親切な情報の出し方をする役所なんだ」という事実を明らかにさせていただきますので、予めご容赦ください。
 5月31日のゴーログ「「年金改革法案見直し運動」に強力な助っ人が現れました!」でご紹介したように、データが公表された暁には、一橋大学の高山憲之教授と日本総研の西沢和彦氏にはご協力いただけることになっていますので、データを入手次第早速お届けしようと思います。また、公開討論会に参加していただく自民党河野太郎議員と民主党古川元久議員にも確認をした上で、御所望であればお届けする予定です。
 この「週刊!木村剛」を読んで、「俺にも年金データを分析させろ!」という方がいらっしゃれば、尾花広報部長(obanan@kfikk.co.jp)の方にEメールをお送りください。送付料等につきましては着払いにさせていただくことになると思いますが、ご協力いただけるのであれば、どなたに対してもお送りさせていただこうと思っておりますので、ご連絡いただければ幸いです。
 果てさて、どんなものが出てくるのやら・・・・。6月25日が楽しみです。読む人に配慮した理解しやすい開示文書になっているのか、全く配慮しない分かりにくい開示文書なのか、そのことを確認するだけでも、厚生労働省による年金行政のクオリティを知ることができるでしょう。情報請求に要する費用9万9820円を投資することによって、公的年金に関する議論が建設的な次の一歩を踏み出すことを期待しています。
 お~い、「ぶじすえblog」さん、「公的年金の一元化に関する三党合意」は反故にしないんでしょうね。岡田克也民主党党首に確認しておいてください。データとプログラムは出てくるんですから、民主党が責任ある政党を目指すのであれば、「データに裏づけされた民主党案」を是非国民に提案していただきたいと思います。選挙が近いんですから・・・。

2004 06 17 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.06.14

1.29ショックと公的年金改革と大同小異の教え

 皆さん、こんにちは。木村剛です。2003年の出生率が1.29に低下していたという「1.29ショック」が世の中を駆け巡っています。「Hiroette」さんが言っているように、「なにやら作為的な匂いがぷんぷんする状況だったからなおさら」ですよね。「8 count」さんが指摘しているように「政府発表の数字とは結構いい加減なものだ」とは知りながらも、法律が成立するまで都合の悪いデータの公表を遅らせていた厚生労働省の対応には、「ホント、吐きそうになりますね」(by「Ochanoko」さん)。政治家に対しても、「Masahiko」さんが言うとおり、確かに「“**** ***!!”」と中指を突き上げてやりたい気分になります(すいません、完全伏字にさせていただきました)。

 じつは私、これまでの流れの勢いで「年金改革法案見直し運動」(by「UGUBLO」さん)をやっていますが、正直言うと、年金改革法案が通ってしまったら、「ノドもと過ぎれば熱さわするる」という日本の悪い癖で、みんな興味を失ってしまうんじゃないかと内心相当に心配していたんです。ところが、30を越えるトラックバック――いやあ、ホッとしました。みんな腹の底から怒っているんですね。
 ということで、私もやる気が漲ってきました。「アドレナリン出まくり」(by「珠丸の覚書」)で「頭が沸騰してしまう」(by「雑記帳」さん)状態になってきつつあります。というのも、「くりおね」さんがいみじくも語っているように「本当の年金改革はこれからだ」からです。「H-Yamaguchi.net」さんが指摘しているように、「少子化は日本の将来にとってゆゆしきことだが、せめてそれを、現実を見つめ直して将来を改めて考えるきっかけにしてはどうか。与党も野党も、過去にこだわっているときではない」と思うからです。
 「fareaster」さんが「年金は、基本的に『相互扶助』であり、国はその仲立ちをする、というシステムになっています。ここで、仲立ちをする人たちを生かすことが目的化してしまってはいないか、という問題点があります」と鋭く分析しているように、現在の公的年金制度は大々的な改革をしなければなりません。
 「大牟田からのつぶやき」さんから、「大物サイトで知られる『週刊!木村剛』で年金脱退権を軸とした私案を発表している。年金問題が注目されている昨今、この私案を叩き台にして議論することはいいことだ。……批判する人、賛成する人で論争が深まることを期待したい」と指摘していただいているので、私の公的年金私案の骨子を再整理した上で、論旨を再掲させていただきます。

① 公的年金制度と生活扶助を社会保障制度の中で統合し、65歳以上の国民であれば、『基礎年金』として例外なく夫婦で月15万円受け取れる制度とする。それ以上の部分については、各個人の私的年金に任せる。 
② 現行公的年金からの脱退権を認め、保険料の支払いを要求しない代わりに、これまで支払った分に関する権利を放棄してもらう。ただし、新設する『基礎年金』の権利は剥奪されない。
③ 一定の期限を定め、その時点まで保険料を支払い続けた人に関しては、それまで支払った保険料をベースに個々人の取り分を決定し、積立金を現金化して個々人に分配する。その際、分配の代わりに、民間年金への移管も選択できるようにする。
④ 『基礎年金』の支出は、税金や国債等によってファイナンスする。保険料は廃止するが、国民年金程度の保険料程度の金額を『基礎年金税』として、国民全員から「保険料」ではなく「税金」として徴収する。社会保険庁は国税庁に吸収する。
⑤ これらの結果、厚生年金、国民年金、共済年金、議員年金は一元化される。

 この案であれば、「(1)とっても不利な案件なのに契約解除で逃げられないこと。(2)自分がいくら貰えるのか、すご~く分かりづらいこと。(3)損害を出した責任者や運営主体を訴えて、賠償請求で補填することができないこと」を理由に怒り心頭の「ミズタマのチチ」さんにも受け容れていただけるかもしれません。
 ちなみに、「たけくらべ」さんからは、「年金脱退論とは、現時点での『年金脱退のススメ』なのかどうかについて(そうではないと思っています)も、ぜひとも意見を表明していただければと思います」といただいておりますのでお答えいたしますと、私が唱えている「年金脱退権」は、「上記のような枠組みの下で年金脱退権を認めるべきである」という主張ですから、現時点における「年金脱退のススメ」ではありません。
 ただし、政府が公的年金のこの体たらくを直そうとしないのであれば、私たちにできることは「年金不払い」という実力行使しかないのではないかという予感もしています。だからこそ、今回の世論の盛り上がりを活かして、より良い公的年金制度を再構築しなければならないと思っているのです。
 いずれにしても、色々な意見がでてくるでしょう。私自身は、上述した公的年金改革私案が様々な環境を勘案すると、現時点ではベストに近い案だと思っていますが、その案に固執するつもりはありません。わが国の改革が遅延する一番の理由は、改革派同士が理想像の違いでツマラナイ争いをはじめることにあるからです。頭のいい人に限って、そういう大きなミスを犯しがちです。「俺の案の方がいい」「私の案がベストだ」と言い争っているうちに、現行制度を手直ししたフリだけの案が通ってしまう。それで、「俺の案だったら、もっと良かったのに」というマスターベーションに陥ってしまいがちなのです。
 それでは意味がありません。まずは、「改革する」という政治的なうねりを生み出せるほどの世論を喚起させないことには、如何なる美しい設計図も紙屑にすぎないのです。そのことをしっかりと認識すべきです。私たちは、「小異を捨てて大同につく」という先人の知恵を活かさなければならないのです。「うなずき系ではない」(by「Days of SpeakEasy」さん)人々もサポートできるようなシンプルでストレートだが、よく練り上げられているレベルにまで政策のクオリティを高めなければなりません。ですから、私の案に対するご意見やご批判、そして対案はすべからくウエルカムなのです。
 「サンフランシスコな日々」さんは「本当にシンプルなことをよくここまで訳判らなくしたしたものだと思います」と言っていますが、本当にそうですね。「Takezo’s BLOG」さんは気持ちを新たにして「ここを足がかりに年金問題の闇に踏み出したい」と言っていらっしゃいます。さあ、みんなで年金問題の闇を暴いてやろうじゃありませんか。「まずそのためにはみんなが声をあげないといけないと思います。キム兄サイドで年金関連キャンペーンをうつなら、微力ながら賛同させて頂きます」と書いていただいた「CONCEPT U*D」さん、ご協力を期待しています。そして、「安心して道を歩ける年金制度」(by「TreeRipeBlog」さん)を実現させる世論のうねりを創り出したいものです。

2004 06 14 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.06.07

年金脱退権と公的年金改革私案

 皆さん、こんにちは。木村剛です。ついに与党が年金改革法案の強行採決をやってしまいました。「ミズタマのチチ」さんは「この怒りを、どうブツケレバいい?」と怒髪天をつく形相ですし、「きっしー」さんも「もうなんていっていいのやら…」と呆れ果てています。

 お怒りやお呆れはもっともです。でも、ここでキレてしまったら、むこうの思う壺。「ビリヤード&サッカー&ニュースコラム」さんは「『年金見直し運動』のムーブメントをおこそうじゃないか!」と提案していますが、そのとおりだと思います。民主党の岡田代表には、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで国民のために「三党合意」をホゴにせず、国会に年金一元化を検討するための場を作っていただきたいと念じています。そこに、生データを含んだすべての情報を吐き出させなければ、何も前進しませんから。本当にお願いします。「H-Yamaguchi.net」さんが指摘しているように、「年金に関する議論は続けていってもらいたい」んです。民主党の「ふじすえ健三 blog」さん、よろしくフォローして下さい。
 それにしても、現在の(そして改革後も)公的年金制度はヒドイ。FPとして年金の専門家でもある「本家ばんちゃん」さんは、ご自身の体験をもとにこう書いていらっしゃいます。

 私はFPなんですが第3号被保険者でもあります。扶養を外れて健康保険も自分で払う、となると、私のような零細自営業者にとってこれはすごくつらいものがあるんです。妻が扶養の範囲だと、家族手当の出るところだし・・・・サラリーマンのように毎月同じ日に払えって言われても、払うことができるかどうかわからず・・・・第1号の届出をしておいて、調子のよいときだけ、年金だけ払うってのもできないし・・・つまり、知らなくても払えないけど、払いたくても払えないんです、今の制度だと。さかのぼって保険料の未納分を払うことができないし、付加給付は第1号被保険者だけだし。散々未納議員やらジャーナリストを槍玉に挙げているけれども、こういう入り口の細かいところで、変に年金保険料を納める意欲を阻んでいると思います。

 専門家が「知らなくても払えないけど、払いたくても払えないんです、今の制度だと」という怒りをあらわしているわけで、現在の公的年金制度は問題だらけで、不信だらけです。「hommania+blog」さんが以下のように寄せてくれたトラックバックに吐露されている不信感を払拭しない限り、年金問題は解決しないと思います。

 はっきり言って、わたしは未納の時がある。義務だとかなんだとか言われたって、このへんてこな社会ルールに納得していない一人なのである。なにしろ、自分がいくら払って、いくらもらえるのかがハッキリしない。コレが嫌なのである。納得できないのだ。別に損をするのが嫌なんじゃなくて、あいまいなのが嫌! こうしてわたしの税金も無駄に使われているはず。と思うといたたまれない。今の職業が会社員のおかげで否応なしにも毎月毎月勝手に引き下ろされていく・・・。会社が同じ額を支払っているのも分かっているけど。でも、払いたくない。払いたくないんじゃ~。そこで、1日も早くもっと分かりやすいルールにするってことをしてください、政治家のみなさま。それに近い皆様。もうこの際、ダレが払っていなくてもいいじゃないですか! とにかく、この悪しき法律制度を変えていただきたいのです。

 全く同感です。「1日も早くもっと分かりやすいルールにする」ことが重要だと私も思います。私はこれまで、方法論としての「年金脱退権」を皆さまに提示しながらも、私が考える公的年金の究極の姿を敢えてお示ししてきませんでした。それは、「あるべき姿」というキレイゴトの比較を言い募って時間を浪費するよりも、公的年金が抱えている構造問題に対する国民の関心を高めることが先決であると考えていたからです。
 もっとも、国民の関心はかなり高まってきたようにも思いますし、未納問題のマスコミ報道を冷ややかに眺めながら、真の解決策を求める人々が増えてきたようにも感じます。そこで、私が考える公的年金のあるべき姿を以下にお示ししておきますが、極めてシンプルな枠組みで構築しています。

① 公的年金制度と生活扶助を同じ制度の中に包含し、65歳以上の国民であれば、基礎年金として例外なく夫婦で月15万円受け取れる制度とする。
② 基礎年金(月15万円)以上の部分については、各個人の私的年金に任せることとし、付加的な部分について国は一切関与しない。
③ 基礎年金の支出は一般会計から行うこととし、各種の税金および国債によってファイナンスする。ただし、基礎年金税の新設を排除しない。要するに、保険料はとらない・・・・。
④ 上記の結果、厚生年金、国民年金、共済年金、議員年金は一元化される。

 こうなれば、誰でも分かる公的年金制度(制度の実態としては、「公的年金」ではなく「生活扶助」になります)になるはずですし、弱者の方々に配慮したセーフティネットになるはずです。また、近年問題になってきた国民年金受給者と生活扶助者との格差問題も解決することができるようになります。
 しかし、ここで一番ネックになるのは、老後におけるより高い給付を信じて、これまで高い保険料を支払ってこられた方々への配慮です(特に厚生年金、あるいは国民年金を真面目に支払ってきた人)。それらの人々からすれば、多くの年金を受け取る権利が剥奪されたように感じるでしょうし、年金を支払ってこなかった人々に過度に甘すぎるという思いも抱くでしょう。

 そこで必要になるのが、「年金脱退権の行使」なのです。
 年金脱退権を行使した人には、これ以上の保険料支払いを要求しない代わりに、これまで支払った分に関する権利を放棄していただきます。ただし、新しい基礎年金に関しては受給資格が残りますので、65歳以上になれば夫婦で月15万円が受け取れます(厳密には「年金」ではなく「生活扶助」として)。脱退権を行使する人が増えれば増えるほど、公的年金の含み損は軽くなり、公的年金が抱える構造問題を解決しやすくなります。
 年金脱退権を行使しない人についてはどうするか。
 私は、一定の期限を設け(例えば、2010年末)、その時点まで真面目に保険料を満額支払い続けた人に関しては、それまで支払った保険料をベースに個々人の取り分を決定して、トータルで200兆円近い年金の積立金(中身は健全とは言い難いのですが…)をすべて取り崩すことによって、個々人に払い戻しすべきだと考えています。
 その際、「私は将来のために保険料を納めていたのであって、いま払い戻してもらっても困る」という方に対しては、民間の生命保険会社や信託会社などへの移管を進めます。必要であれば、一定限度の補助金を与えることも検討されてよいと思います。また、年金支給の一歩手前なので、支払った金額よりも受け取る金額の方が大幅に多い人々についても、一定の配慮が必要になるでしょう。それでも、「積立金を使えば年金制度は破綻しない」という主張をしている一部の識者もいますから、それが本当の真実なのであれば、積立金の取り崩しでほとんどが賄えるはずです(?!)。
 「積立金は十分ではない。厚生労働省が無駄遣いして、どうせなくなっているに違いない」と信じる人は年金脱退権を行使する代わりに、積立金取崩しの分配権はもらえなくなる。その一方、年金脱退権を行使しない人々は、保険料を払い続けることで積立金取崩しの分配権を手に入れ、民間年金への移管に際して一定の配慮をしてもらえますが、積立金の内容が公表資料以上に腐っていた場合には、その分ダメージを受ける。それが、私が主張している「年金脱退権」の基本的な枠組みなのです。
 中長期的には、フローの保険料収入がなくなりますから、基礎年金支出が一般会計にとって大きな負担になってきます。そこで、積立金を取り崩した後(例えば、2010年末以降)については、現行の国民年金程度の保険料にあたる金額を「基礎年金税」として、国民全員から「保険料」ではなく「税金」として徴収することを、私は一案として考えています。

 以前にも書きましたが、私は、保険方式から税方式へ転換しない限り、年金問題は根本的に解決しないと考えています。そのための確信犯的な戦略として、「年金脱退権」を唱えているとも申し上げてきました。年金制度に詳しい方は、私がここで唱えている公的年金の姿は、民主党の案もしくは経済同友会の提案に近いことに気付かれることと思います。期せずして、「ニッポン提言」さんの「公的年金の民営化」論とも近いところがあると思います。
 ただ、現時点において重要なのは、最終形の美しさではなく、どのようにして最終形に至る流れを作ることができるのか、という点なのです。4月27日のゴーログ「年金改革の国会討論は『目くそ鼻くそ』レベル」でも書きましたが、「結婚生活を語る前に、どうやったらデートできるか考えたら?」と言うことが政策論においては極めて重要なのです。理想論を語る前に、現実を動かすための方法論が必要なんです。
 その点で、「ゆきだるま Be―忘―LOG」さんが鋭く指摘しているように、自民党の安部幹事長が、「保険料を払っていない人は(その分)をもらえない。年金財政上も、その人には出さないからロスにはならない。報道の仕方がおかしい。犯罪、脱税ではない」と指摘したのは絶好のチャンスなのです。自民党の幹事長が「年金脱退=未納・未加入」は財政上ロスではないし、犯罪でもないという見解を出したのですから、その線で政策論争を進めるべきなのです。「『年金を納めなくても、問題ないじゃん』と与党幹部からお墨付きがでたわけで、木村さんの提言されている『公的年金脱退権』が実現する日も近いかも」と喝破した「ゆきだるま Be―忘―LOG」さん、あなたはスルドイ!
 ですから、民主党が自らの年金案を通したいのであれば、安部幹事長が公言したこの論理を逆手にとって、「年金脱退権」を唱えるべきだと指摘したのです。回り道のようにみえるかもしれませんが、そうすることによって民主党案を実現する政策環境は整えられていきます。民主党にはそういう読みができる政策の玄人はいないのでしょうか。政策顧問として、「ゆきだるま Be―忘―LOG」さんを雇ってみたらどうでしょう?

(追伸)公開討論会の開催に賛成していた河野太郎自民党議員と古川元久民主党議員のスケジュールが調整できました。「bonkora」さんが言う「著名な学者さんや、コラムニスト、大手マスコミの鼻を明かすような成果」というところまでは無理かもしれませんが、7月26日(月)に午後8時~10時の2時間開催いたします。詳細は後日お伝えしますが、激論の模様は、「Financial Japan ONLINE」において、すべてお流しする予定ですので、楽しみに待っていてください。
 さて、来週には、情報公開請求に対する厚生労働省の答えが分かるはずですが、どういう風に対応してくれるでしょうか。「法案が通ったら、無視しよう」ということになるかも・・・。皆さんの予想をいただければ、幸いです。

2004 06 07 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.05.31

「年金改革法案見直し運動」に強力な助っ人が現れました!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。このところ、「年金改革法案見直し運動」(「UGUBLO」さんの命名による)にハマッテしまっていますが、「チップを弾むから勇気を分けてくれないか」さんがいみじくも指摘してくれたように、「ゴー様も年金問題ばかりに関わっているワケにもいかず(本業は疎かにできません)」というのはおっしゃるとおりですし、「珠丸の覚書」さんからも「たまには休んでくださいね」という優しいお言葉もいただきました。

 そこで、助っ人を広く公募することにしました。5月24日に、公的年金の専門家と呼ばれている方々に下記の依頼状をEメールしたところです。

拝啓、□□□□様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。いきなりEメールを差し上げる無礼をお許しください。
 さて、現在、年金改革法案が議論されておりますが、国民的な関心事であるにもかかわらず、年金計算のための仮定条件の現実性ばかりが討議され、肝心の生データが国民に開示されていないことを極めて残念に思います。国会における議論もどちらかと言えば、互いの揚げ足取りに終始しているなど、国民としては甚だ遺憾な状況となっております。
 本来であれば、厚生労働省が試算を開示するために用いたあらゆる生データや試算のためのプログラムを全面的に開示し、国会の中に「年金改革小委員会」を設けて、与野党の代表が外部専門家の識見をも入れつつ、国民がみている下で最善の処方箋を探るべきと考えますが、私が情報公開法に基づいて、「公的年金に関して、公表している試算において使用されている生データ及び計算プログラムのすべて」を開示するように、坂口力厚生労働大臣に対して「行政文書開示請求書」を提出いたしましたところ、厚生労働省から何らかのデータが出てくる可能性がでてまいりました。
 そこで、厚生労働省からデータが出てきた場合には、可及的速やかにお渡しいたしますので、あるべき年金制度を検討するために現状分析のお骨折りをいただきたく、お願い申し上げる次第です。あるいは、「こういう生データもしくはプログラムがあれば分析できる」ということでございましたら、具体的なご指示をいただければ、私の方から厚生労働省に公開請求いたしますので、お知恵をいただければ幸いです。 末筆になりますが、□□□□様が、今後一段と公的年金改革に対してご尽力されることを心より祈念しております。

                             平成16年5月24日
                                   KFi代表
                                   木村 剛

 そしたら何と! 複数の専門家の方々から協力しても良いというお返事をいただきました。ありがとうございます。まだまだ、我らが日本も捨てたものではないのかもしれません。例えば、年金研究の第一人者として知られる高山憲之・一橋大学教授からは、下記のメールをいただきました。ご多忙であるにもかかわらず、迅速な対応をいただき感謝に耐えません。

メール、拝受いたしました。
データ入手につき、まず最大限の敬意を申し上げます。
データは、磁気媒体(CD-ROMなど)およびハードコピーの2種類で入手なさっていただきたく存じます。
磁気媒体の場合、新たにデータの入力をする必要がなくなります。
ハードコピーはデータの内容をざっと確認するのに便利です。データを入手しないと、はっきりしたことは申し上げられませんが、膨大なデータとなっているはずです。
データの読み込みと解読にそれなりに時間がかかり、いつまでに何をどこまでできるかについては、現段階ではお約束をしかねます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
高山憲之

 そのほか、「年金大改革」という好著を著した日本総合研究所の西沢和彦氏にもご協力をいただけそうです。本当に強力な助っ人が現れたという感じがします。じつは、そういうこともあったものですから、5月27日のゴーログ「厚労省から電話がありました!」において、紙だけではなくて、CD-ROMによるデータ開示もお願いしているわけです。
 残念ながら現実的には、「nodaira's Blog」さんが的確に分析しているように、紙での開示という可能性が高いわけですが、国民のサイドから言えば、CD-ROMで開示してはならないという法律があるわけでもなく、本当に厚労省が自らの潔白をデータで示したいと思うのであれば、その程度のものは出て来て当然という思いもあるわけです。
 「アホが見ーるーブタのケーツー」さんが指摘しているように、「出て来てからのお楽しみだが、モノによってはもう一度違う切り口のデータを開示請求する、というフェーズも充分あり得ると考えておいた方がイイかもしれませんぜ」ということになるかもしれませんが、そのときの対応で少なくとも厚生労働省の誠意を推し量ることはできるでしょう。そして、それは「私たちが厚生労働省が設計している年金制度を信じてよいのかどうか」という点を判断するときに、極めて重要な材料になるはずです。そういう意味で、重要なのは生データだけではなく、生データを出すときの厚生労働省のスタンスであろうと私は考えています。
 国民の多くは、「独善概論」さんが主張しているように「漠然とした(例えば、日本の明るい未来をつくります-自由で安心な社会の実現をめざして-いのち輝く社会をめざして、、)Imageでは、もう僕は支持できないということだ」ということを感じているんだと思うんです。もう、厚生労働省が「素晴らしい年金制度をつくります」と言い放つだけでは、国民はついてこないのです。厚生労働省が自らの信用を復活させるためには、まずは生データを正直に、しかも、国民にとって分かりやすく使いやすいように提供することから始めなければならない、と私は思っています。

(追伸)「くりおね あくえりあむ」さん、援護射撃をして頂きましてありがとうございました。おかげさまで、少しずつですが動いているような気がします。

2004 05 31 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.05.27

厚労省から電話がありました!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。公開質問状の第1問「厚生労働省は、公的年金に関して、公表している試算の根拠となっている仮定条件のみならず、その計算の元となっている生データや計算プログラム等をすべからく国民に開示すべきである」につきましては、岡田克也民主党党首および古川元久民主党議員(年金改革プロジェクトチーム事務局長)のみならず、与党の河野太郎自民党議員と高木陽介公明党議員からも「イエス」のご回答をいただきました。

 ご回答いただきました議員の皆さま、ご多忙中にもかかわりませず、ありがとうございました。皆さまの迅速な対応は、選挙区の国民が高く評価しているはずです。自民党からも、公明党からも、民主党からも、賛成の意見がでてきているとすれば、やはり残るは厚生労働省のみということになりましょうか。

 5月19日のゴーログ「厚生労働省に対して情報公開を請求しました!」でお伝えしているとおり、私はすでに情報公開法に基づいて、「公的年金に関して、公表している試算において使用されている生データ及び計算プログラムのすべて」を開示するように、坂口力厚生労働大臣に対して「行政文書開示請求書」を出しております。
 さあ、どうなるか、と思っておりましたら、先日、厚生労働省年金数理課の方からお電話がありました。以下に、そのときの模様をダイジェスト版でお示しいたします。

(厚労省) 求める資料について確認させていただきたい。「生データ」というのは、システムに投入した全てのデータということでよいでしょうか。
(当 方) 個人のプライバシーに抵触しない範囲で、出せる最大限のものを出していただきたいのですが。
(厚労省) 請求文書の範囲が抽象的なので困っています。当方は、存在する行政文書しか出せません。
(当 方) そう言われても、こちらでは、どのような行政文書があるかわからないので、抽象的に書くしかありません。具体的な記載方法をご指示いただければ、開示請求書を提出し直しますが、いかがでしょうか。
(厚労省) お話しして、ご趣旨はわかりましたので、出し直していただく必要はないと思います。
(当 方) ちなみに、いま想定されている資料の「量」は、どれくらいになるのでしょうか。
(厚労省) 数えたわけではないので、お答えできません。
(当 方) イメージで結構なのですが。
(厚労省) 数千枚ではないでしょうか。

 さすが天下の厚生労働省です。ひょっとすると、私の情報公開請求にお応えいただけるのかもしれません。出てくるものによっては、行政不服審査法第6条の規定に基づいて、異議申立て(=不服申立て)を行なう必要はなくなるかもしれません。是非、厚生労働省の方々におかれては、ご配慮いただきたいと思っております。
 天下の国家公務員が、まさか、嫌がらせのために、コンピュータからのデータの打ち出しを「どうだ、こんなにあったら活用できないだろう」とこれ見よがしに全部出してくるなどという無粋なことはされないと思いたいものです。そういう場合は、きっとデータベースを入れたCD-ROMと、そのデータを基にして計算するために組んだプログラムを解説するための資料を下さるはずだと思うんですね、普通の常識で考えるのなら……。まさかまさか、「法律では紙しか出せない」という非常識な理屈で拒否することなんかはないと信じておりますが……。私は厚生労働省の方々の良心を信じたいと思っております。ということで、紙とCD-ROMをよろしくお願いいたします。
 厚生労働省の心ある人々からすれば、「公的年金制度をぐちゃぐちゃにしたのは、俺たちじゃなくて政治だ」という思いがあるのではないでしょうか。そうであれば、本心では、公的年金の現状を示すデータを国民の前にさらけ出して、今度こそ、どのような公的年金制度にするのが国民にとってベストか議論していただきたいと思っていらっしゃるのではないでしょうか。厚生労働省年金数理課ではプロの方がたくさんいるはずですから、TVなどで展開されている出生率などの前提条件を巡る幼稚な議論を苦々しく眺めていらっしゃるのではないかと推察いたします。だからこそ、国民に対して、検証可能な生データをお示しされるべきではないかと私は思うわけです。

 いずれにしても、厚生労働省から、こうした前向きの動きが多少なりとも出てきたのは、「珠丸の覚書」さんや「Hiroette」さんたちの援護射撃が効いたからだと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
 とりあえずは、厚生労働省からのデータ開示を楽しみにお待ちしたいと思います。

(追伸)「気まぐれ?!思考」さん、申し訳ありません。単純ミスによるリンク忘れでした。本日のゴーログでは、しっかりリンクを張った上で、「かめはめ波」を打っておりますので、それでお許し下さいますよう。

2004 05 27 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.05.25

今度は介護保険かよ!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「日曜日は楽しいドライブ」さんが「小泉訪朝、北朝鮮拉致家族問題でくだらない年金ゴシップは過去のものとなって欲しいと思う。しかしそれとともに本当の年金問題も流れ去ってしまわないように・・と願う」と指摘していましたが、マスコミの雰囲気は、北朝鮮問題の勃発で、瞬間的に年金問題が何処かに行ってしまったかのような感じです。しかし、私たちの眼前に年金問題は厳然として存在しているわけで、消えてなくなってしまったわけではありません。

 お時間と興味のある方は、「HPO:個人的な意見」さんが長文を書き記して、厚生年金を中心に、ある程度の数字の裏付けのあるシミュレーションを試みているので一読してみてください。国民年金の負担を厚生年金で穴埋めしようと画策している厚生労働省の野望の一端を覗きみることができるかもしれません。やはり、厚生労働省には、どの数字をどのように加工して、公表している試算がでてきているのか、を開示させるべきだと思います。そうすれば、「HPO:個人的な意見」さんのような方々が、厚生労働省が公表している試算の正当性を詳細に検証してくれることになるでしょう。
 もっとも、「ミズタマのチチ」さんが「『朝日の介護保険の負担者拡大の記事』もいろいろつっこみたくなってきます。年金未納だけじゃありません。厚生労働省が、介護保険料を20~39歳からも半額払わせると考えてるようです。これも『出費が追いつかんから、収入源を増やしちゃおう』とのことです。高齢者と負担する人の人口比から算出すると、500~1000円で良いらしいが、ブラックボックスの計算データを使ってると見られ、いくら増えるかホントのところは疑わしい」と指摘しているように、厚生労働省の作戦はかなり大規模なものなんです(要するに、「取れるところからは取っちゃおう」ということ、若者も含めて!)。
 そのあたりは、「アホが見ーるーブタのケーツー」さんが「後にはNext鼠講=厚生労働省役人の新たなシノギ“介護保険”が控えてんだ。忙しいんだよ。急ぐんだよ。早くやれ!」と見事に喝破してくれています。

 こんなインチキばかり続けていると、4月29日のゴーログ「公的年金関係者よ!公開討論会に応じよ!」でご紹介した「どちてblog」さんが指摘したように、「元々僕は電車とかで老人に対して積極的に席を譲るほうでした。ですが、最近は譲らなくなりました。思えば、年金問題が頭に入ってきてからです。どういう思考になっているかというと、『年金生活者は出歩かないでくれ』『あなたたちを支えている現労働者が電車の中で余計な気を遣わなくていいように、年金生活者は混んでる時間に電車を使わないでくれ。』みたいな感じです。譲りたい気持ちもないことはないのですが、心からの『敬老』を実践するモチベーションが落ちてきています。僕の中に世代間憎悪が芽生え始めています。木村剛曰く、『このままでは、日本人同士が世代間で罵りあう骨肉の争いと化してしまうでしょう。』このままではその方向へ進んでしまいそうです。」という予測が本当のものになってしまうのではないでしょうか。「とりとめもなく日記的雑記」さんからも、下記のようなトラックバックをいただいています。

年金についてよく思うんですけど、これから10年ぐらい足って、年金制度の破綻がどんどん明らかになるにつれて、高齢者に対する「苦々しいキモチ」が現役世代の間に漂い始めそうな予感がします。「俺らはもらえないの承知で払ってるのに、お前らは平気な顔で受け取っちゃって、おめでてーな」と。「一生懸命働いて年金払ってやってるのに、その上電車で席までゆずれってか」と。もちろん悪いのは高齢者じゃなくて制度なんだけど、やっぱり構造的な不公平ってのは、対立感情を沸き起こしますよね。嫌な世の中になりそうだなぁ。

 こういう思いを抱かせる制度は、根本的にどこかが間違っています。国民のために作られたはずの制度が、国民の間で憎悪を惹き起こす制度に変わりつつある。これは本当に忌々しき事態であると思います。「Clala-Flala」さんは、「茶番と泥仕合を見せられた国民は、怒ることも諦めることもできずに、希望も期待も政治に見出せない状況なのに、それに拘泥することで、その先に何か建設的な議論が始まるのでしょうか」と嘆いています。マスコミには、「建設的な議論」を沸き起こすための努力をしていただきたいものです。

(追伸)5月19日に送付した公開質問状に対して公明党の高木陽介衆議院議員からも回答を頂きました。第1問、第2問については「イエス」。第3問の公開討論会に関しては、「ウエブ上の討論会はそれはそれで有意義であると思いますが、討論に参加できる物理的な時間(これから北朝鮮問題で国土交通委員会の理事として『特定船舶入港禁止法案』の提出者として、与野党協議等があり)が厳しい状況です。ただ、情報公開は速やかにするべきです。」というお応えを頂きました。高木陽介衆議院議員ありがとうございました。国会での建設的な論戦を期待しております。

2004 05 25 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.05.20

元厚生省職員からFAXが届きました!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。来たる5月29日(土)、品川インターシティホール(東京都港区)において「@nifty BB Festa 2004~なっとく体験!!ブロードバンド~」にゲスト参加してきます。11時~11時30分と14時~14時30分に開催されるトークショーに出演する予定です。

 お暇な方、是非いらっしゃってください。生のトークは、「ゴーログ」とはまた違った味わいがあるかもしれませんから ^^;) 互いの掛け合いが思わぬ方向に話を面白く展開したりしますからね。それがブログの醍醐味でもあります。
 そして「ブログの醍醐味」といえば、5月11日の「ゴーログ」において、厚生労働省関係の方々に対して、以下のように投稿を呼び掛けておりましたことを皆さん覚えていらっしゃるでしょうか。

 「アホが見ーるーブタのケーツー」さんが主張している「敵は役人である」論が誤りであると信じる厚生労働省のお役人であれば、どなたでも結構ですから手を挙げてください。きっと「俺たちが悪いんじゃない。保険料の引き上げを決めながら、約束を履行してこなかった政治家たちが悪いんだ」と思っていらっしゃる方も多数いらっしゃるはずです。実名はマズイというのであれば、obanan@kfikk.co.jpにEメールでご意見をください。匿名で結構です。皆さんも知り合いに厚生労働省のお役人が居たら、「週刊!木村剛」でこんな騒ぎが起こっていることを知らせてあげてください。その対応をみれば、そのお知り合いの方の誠実さがわかるかも……。

 そう、じつは反応があったんです。元厚生省職員のXさん(本名を明かしていらっしゃいますが、あらぬトラブルを避けるため、伏せておきます)から、私の元にFAXが届きました。残念ながら、「敵は役人である」論に対する反論ではなく、「敵は役人である」ことを主張している投稿でした。以下、全文を掲載させていただきます。

 拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。「年金改革」について申し上げたいことがあって一筆さしあげました。ここまで日本の年金制度を悪化させた要因はたくさんありますが、中でも重大なことは、(旧)厚生省が日本の少子化の事実を隠蔽し続け、年金制度の改革を先送りしてきたことでしょう。これまで、(旧)厚生省は「日本の将来推計人口」をいくつも発表してきましたが、これがことごとくいいかげんで、実際の少子化の進行とかけはなれた予想をしてきました。
 では、なぜ、この不正確で詐欺瞞着な「将来推計人口」が発表され続けてきたのでしょうか?それは、(旧)厚生省が国民の少子化の事実を隠蔽し、年金改革から国民の目をそらせるためです。そして、この改竄を実際におこなってきたのが厚生労働省所轄の国立社会保障人口問題研究所です。
 「日本の将来推計人口」は国立社会保障人口問題研究所から発表されますが、これまでこの将来推計人口を担当してきたのは「Y氏」という人間です。このY氏の父親(死去)は(旧)厚生省と関係が深い全国福祉協議会の理事をやっており、さらに、Y氏の実兄も厚生官僚であり、いわば、厚生省利権にどっぷりつかった人間です。東洋大学大学院の卒業間近になっても就職先が見つからず困っていたY氏は父親の厚生省人脈(と地元の有力国会議員)のコネを使って、(旧)厚生省所轄の人口問題研究所に情実採用された経歴をもっています。
 この不正採用の後、Y氏と厚生省は陰に陽に癒着し、刎頸の友になっていき、最後には厚生労働省の都合のよいように改竄された「将来推計人口」を作るようになりました。ですから、毎回の「将来推計人口」の発表間近になると、Y氏は「どのような推計結果にすればよいか」を相談するために毎日、厚生労働省の担当部署にやってきていました。日本の年金制度がこれほどまで悪化したのは、この癒着した関係によって真実が隠蔽されてきたからに他ならません。敬具。


 「Y氏」につきましても、実名が掲載されていましたが、私の方ではこの告発文書の真偽を確かめる手段がなかったので、伏せさせていただきました。上記のY氏を巡る叙述が正しいか否かはさておくとしても、旧厚生省の「将来推計人口」が「不正確で詐欺瞞着な」ものであったことだけは疑いのない事実です。わが国の年金制度がY氏ひとりによって、悪化されたというのは俄かには信じがたいことですが、Xさんにはさらに具体的な証拠となるようなものを送っていただければ幸いです。
 いずれにしても、厚生労働省年金局の高橋直人総務課長には公開討論会に参加していただき、このあたりの真偽を含めて申し開きを是非していただきたいものだと思います。昨日送付した公開質問状に対するご返事をお待ち申し上げております。
 厚生労働省から全くご返事がないようだと、Xさんが指摘しているような事実があるから、公開質問状にある「第1問 厚生労働省は、公的年金に関して、公表している試算の根拠となっている仮定条件のみならず、その計算の元となっている生データや計算プログラム等をすべからく国民に開示すべきである」という設問にお答えいただけないのだろう、という推測を確信に変えてしまうのではないでしょうか。厚生労働省の信用を確保する上でも公開質問状にお答えいただきたいと思います。
 なお、読者の方々にお願い申し上げます。公的年金を巡る色々なエピソードや知られざる実態を、私宛にEメール(obanan@kfikk.co.jp)もしくはFAX(03-3519-1237)してください(匿名でも結構です)。共有すべき情報については、匿名性を確保した上で「週刊!木村剛」にアップしたいと思います。ドンドンとお寄せください。
 そして、「珠丸の覚書」さんが提案している「援護射撃」に参加し、公開質問状に答えなかった方々(坂口力厚生労働大臣、厚生労働省年金局総務課、民主党菅直人氏)に対して、「何故回答しないのか」について丁寧に問い質すメールを出していただけると幸いです。但し、ここで一つ御注意を。そのメールは、リアルな世界への働き掛けであって、ネット上における誹謗中傷とは異なりますので、相手方に敬意を示した上で、丁寧語でお問い掛けいただけますよう、伏してお願い申し上げます(口汚い罵りは相手方が対応しない格好の口実となりますので、逆効果なんです。それは、敵を喜ばせるだけなんですね)。

(追伸)ゴーログ「モノ書きの老婆心:『匿名性』を護るために」において、一部に「2ちゃんねる」を「2チャンネル」と誤記するというミスがありましたので、「2ちゃんねる」に直させていただきました。ひろゆき氏および「日常/非日常」さん、ご指摘ありがとうございました。

2004 05 20 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.05.19

厚生労働省に対して情報公開を請求しました!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。これまでも繰り返し申し上げてきたとおり、年金問題を解決するための第一歩は誰が何と言おうと、生データの公開です。これが現実のものとならない限り、すべての年金改革論は砂上の楼閣であると断言して差し支えありません。現実の数字の裏打ちがない新しい年金制度に関する議論は、いかに長い時間を費やしたところで意味はないのです。

 ですから、公開質問状において示した、「第1問 厚生労働省は、公的年金に関して、公表している試算の根拠となっている仮定条件のみならず、その計算の元となっている生データや計算プログラム等をすべからく国民に開示すべきである」という点は、国民としての必要最低限の要求なのです。そして、この程度の要求が叶えられないのに、厚生労働省が、年金支給額を引下げて保険料を引き上げようとするのであれば、彼らは時代劇の悪代官も真っ青の極悪人だと断定してもよいでしょう。
 そこで私は、5月17日、情報公開法(正確には「行政の保有する情報の公開に関する法律」第4条第1項の規定)に基づき、「公的年金に関して、公表している試算において使用されている生データ及び計算プログラムのすべて」を開示するように、坂口力厚生労働大臣に対して「行政文書開示請求書」を提出してきました。300円の収入印紙を貼るだけでできますので、皆さんも一度お試しを。
 情報公開法によれば、厚生労働省は1ヵ月後までに公表する(開示)か、公表できない理由を明らかにしなければなりません(不開示)。残念ながら、1ヵ月後までに厚生労働省が情報公開する可能性は少ないと言わざるを得ませんが、情報公開しないのであれば、「情報を公開しないにもかかわらず、年金給付を減額して、保険料を引き上げようとしている」ということだけは、国民の眼前に明らかになるでしょう。果てさて、どういう言い訳をしてくるやら・・・。
 もしも、厚生労働省が「不開示」の決定をした場合には、行政不服審査法第6条の規定に基づき、異議申立て(=不服申立て)を行なう予定です。不服申立てというのは、開示請求をしたのに不開示決定を受けた場合に、行政機関の長などに対して不開示決定の取り消しを要求することを言います。要するに、不服申立てとは、「インチキしないで出せ!」という国民の権利を保障した法律なのです。
 不服申立てを受けた行政機関の長は、原則として情報公開審査会に諮問し、その答申を受けて不服申立てに対する結論を出すことになります。不服申立人(本件の場合、私)は、情報公開審査会に対して意見書を提出したり、口頭で意見を述べることができます。
 その間、厚生労働省の対応については、克明に「週刊!木村剛」にアップしていくつもりです。地道ですが、そういう手続きを着実にこなしていくことによって、厚生労働省を信用してよいか否かが、多くの国民にとって明らかになってくるはずです。
 そして不服申立てを行なっても、厚生労働省が「ウルセぇ、愚かな国民は俺の言うとおりにしていればいいんだよ!」と言わんばかりの対応に終始するようであれば、やはり、私が当初より主張していたように、国民にとっての選択肢は「年金脱退論」しかないように思います。

 「チップを弾むから勇気を分けてくれないか」さんが指摘しているように、全ての国民が関わる年金制度は「KISSの法則(Keep It Simple, Stupid!)」にしたがって、極めてシンプルでわかりやすい制度にする必要があります。坂口力厚生労働大臣を抱えている公明党の議員の皆さん、厚生労働省とグルだと思われたままで良いのですか?
 そこで本日は、フジTV「報道2001」の番組で年金問題に関してご一緒した公明党の高木陽介氏(東京比例区)に前回と同様の公開質問状を送付いたします。簡単な設問ですので、誠に勝手ながら、締め切りは5月28日にセットさせていただきます。東京都の有権者の皆さん、公明党支持者の皆さん、なるべく早く回答を返信するように、高木議員にご連絡してあげてください。なお、厚生労働省年金局の高橋直人総務課長に対しても、念のため、公開質問状を送らせていただきます。(締め切りは5月28日)
 これで両者から何らご回答がないようであれば、公明党と厚生労働省はグルになって、生データを国民に開示しないように画策していると思われても致し方ないと思いますが、そうではないことを祈っております。なお、菅直人氏が辞任し、岡田克也氏が民主党の新しい党首に就任されるようですので、同じ内容の公開質問状を岡田氏にもお送りしておきたいと思います。。(締め切りは5月28日)
 さあ、どうなるでしょうか?

2004 05 19 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.05.18

厚生労働省の世論操作に騙されるな!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。このまま放置しておくと、年金問題は病膏肓に入ってしまいそうです。「匍匐前進の日々」さんが「TVを見てると年金未納の政治家に突っ込むマスコミばかりが目についてウンザリだ」と怒りを爆発させていたり、「英国留学日記」さんが「私は最近の報道にはややうんざりしています。もちろん、国民を代表する国会議員が年金を支払っていなかったのは問題です。しかし、今、私たちがしなければいけないことは、このままでは将来的に本当に破綻しかねない私たちの年金制度をどうすべきなのか早急に結論を出すべきだということです」と書いていますが、私も「もうマスコミは未納議員が何人だとかいう報道に時間を割かないで欲しいです」(by「レビューのとらお」さん)と心の底から思います。

 「MENTHOL BLOG」さんが力説していますが、「年金未納・未加入の問題は拍車がかかるばかり・・・政治家だけでなく、ジャーナリストにまで問題が及んできていて、段々と本筋に戻れなくなっている。政治不信に続いて、続くは報道不信になりかねないです。今後は、北朝鮮の問題にマスメディアの関心が移っていき、年金問題はどっかにふっとんでしまう可能性大です」という点に、私たちは十分留意しなければなりません。
 しかも、5月14日の日経新聞の朝刊に「年金未納者の罰金上げ」というトップ記事が掲載されています。保険料未納者への強制徴収で財産調査を拒否すれば、最高30万円の罰金を科す仕組みを導入するというんですね。
 これは危険信号です。
 どうも厚生労働省は、当初からの計画通りに「年金問題の根幹は無責任な未納者である」という世論作りを展開し、そもそもの年金制度の欠陥や自らの無駄遣いの問題などを封印してしまうつもりのようです。そういう霞ヶ関の行動を監視し、警告を発するのがマスコミの役割であるはずなのに、彼らの計画にのせられて「未納問題」で盛り上がるマスコミは本当にアホなピエロです。官僚たちがほくそえんでいる様がみえるようです。
 「大牟田からのつぶやき」さんは、「未納問題は年金問題の本筋じゃないというのは全くそのとおりで、わたしらのようなアホではなくそれなりの識見を持っているはずの国会議員諸氏でさえ理解できなかったり、関心がなかったりすることに驚きを覚える」と指摘していらっしゃいますが、おそらく「週刊!木村剛」を読んでいる多くの人々は、「未納」が年金問題の根幹ではないことに気付いていると思います。
 未納は確かに問題ですが、仮に未納が完全になくなったとしても、年金問題は解決しないからです。「Kaleidoscape」さんが喝破しているように、「国会議員と言えど腐るほどいる未納国民の一人に過ぎないのだから、誰が未納だとか未加入だとかほじくり返したところで年金制度の未来がどうなるものではないし、本質的な問題が見過ごされていることに比べれば大騒ぎするほどのものではない」んですね。
 こんな自明のことすら分からないで報道しているマスコミはあまりにも無知蒙昧です。マスコミ人は、「年金について、国会議員等の未納問題が新聞紙上をにぎわしておりますが、記事を読む限り、本人というよりも、システム(および運用する官庁)に問題があるとしか思えません。払う意思/能力がある人たちに対して、一言切り替えを通知すればすむだけの話が多いようなのです。それに対して、社会保険庁側から『過去はこうだったから、今後はこういうシステムにしよう』という話は聞こえてきません」と的確に指摘している「fareaster」さんに教えを乞うべきでしょう。

 残念ながら(というか予想通りではありますが)、先週14日の締め切りまでに応えてくれたのは、河野太郎自民党議員(真の年金改革を進める議員の会)と古川元久民主党議員(年金問題を担当する『次の内閣』厚生労働大臣)の2人でした。しかし、ここで年金問題を追及する手を緩めては、厚生労働省の思惑通りになってしまいます。そこで私は、河野太郎氏と古川元久氏を招いて、公開討論会を開催する方向で調整しています。TVともうまくコラボレートできればいいんですが……(ご興味のあるTVディレクターの方、ご連絡ください)。
 「あっという間のTV出演」(by「出逢い系ヲタ」さん)については、「チップを弾むから勇気を分けてくれないか」さんから、「もしかして、公開討論会の宣伝?」という読みを披露していただいていましたが、まさにそのとおりです ^^;)
 なお、公開討論会だけでは迫力不足なので、厚生労働省に対して第二の矢を放とうと考えています。「自給自足生活」さんが指摘しているように、「役人の年金算出根拠の公開要求など、外側からじわじわ攻め込む作戦は、大変効果的」だからです。「Tinkle-Tinkle」さんが「公開されればあらゆるエキスパートが計算をおこなうでしょうから…楽しみですね」と言っていますが、そういう政策環境に変える努力をしてみたいと思います。
 でもそのためには、多くの皆さんからの継続的な応援が必要です。「気まぐれ大統領の独裁Log」さんも「年金について駄文を書き捨ててみようと思ったけれども、面倒くさいのでやめる」なんて言っていないで、ドンドントラックバックしてください。皆さん、これからもトラックバックよろしくお願いします。

2004 05 18 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.05.11

公的年金の公開質問状に応えた政治家2人

  皆さん、こんにちは。木村剛です。4月29日にアップした「公的年金関係者よ!公開討論会に応じよ!」にたくさんのトラックバックをいただき感謝しています。トラックバックを読んでいると、いかに現在のマスコミが世論と違う感覚で騒ぎまくっているのかが判然としてきます。

  「きっしー」さんは、「未納問題でゆれていますが…。今年金で問題なのは払ったか払っていないかではないはず」と断言しており、「面白い音楽は」さんも「国会議員の年金未払い問題なんて、既に騒ぐには値しない問題です。マスコミの煽りにのるのは止めましょう」と訴えかけています。そこで「29man」さんは、そのあたりを「確かにアフォな政治家達の年金未納問題は当然けしからんのですが、マスコミはその話題で盛り上がりすぎだぜ!確かにワイドショーちっくに仕立てられるから面白おかしく報道できるけどさ」と冷静に分析してくれています。
  「McDMaster」さんは、「もはや国民の多くが感じていることですが、誰が払っただの払わなかっただのという『犯人探し』には、実はもういいかげんうんざりしていて、もっと本質的な問題、例えば年金財源が到底国民の納得のいかない使途に遣われていた件などを糺す必要があるわけです」と喝破していますし、「エンタメ的社会考察」さんは、「年金未納問題……ばかり議論していてもしょうがないんですよねえ。議論の本質は年金財政が立ち行かなくなり、老人がまともに暮らせない世の中になってしまうかもしれないということにあるべきなんですよね。もしくは、日本がこれから若者にとってただの搾取工場になってしまうかもしれない、という」と見事に問題の核心をえぐりぬいているんですね。
  マスコミの報道よりも世論の方がよっぽど冷静で正確だったりするんですよ。最近のマスコミ報道の偏向振りには閉口させられるケースが少なくありません。

  ところで、私の自家製の「強烈なメール」(by「珠丸の覚書」さん)もしくは「うまい『爆弾』」(by「fareaster」さん)に対する反応につきましては、「大牟田からのつぶやき」さんに「とても面白い面子だが、このメンバーで実現することは99%あるまい」と指摘されましたし、「チップを弾むから勇気を分けてくれないか」さんからも「はたして、何名返事が来るのでしょうか」というご懸念をいただいておりました。
  もっとも現時点におきましては、河野太郎自民党議員に続き、先週末に古川元久民主党議員からも「3問ともイエス」のご返答をいただいております。そこでじつは、急遽、本日お昼(午前11時25分スタート)のテレビ朝日「ワイド!スクランブル」において、年金問題について両議員とともにTV出演することになりました(本当はワイドショー番組に出ることは私のポリシーに反しているのですが、今回だけは特別です)。公開質問状のことについても自由にしゃべってよいということなので、楽しみにしてください。
  菅直人民主党党首(?)さま、早く「イエス」の返答してこないと、公明党の坂口大臣や厚生労働省のお役人と一緒だと思われちゃいますよ。本当に公的年金を改革したいのであれば、早くご返事をいただきたいと思います(まあ、それどころではない状況でしょうが……)。念のため、本日、菅直人事務所に電話を入れて、公開質問状を受け取ったことの確認を入れておきます。
  じつは、5月6日に成立した自民・公明・民主の三党合意の中で、衆参両院の厚生労働委員会の下に小委員会を設けて、年金一元化を含んだ社会保障制度の見直しを平成19年3月までに成案を得るということが取り決められましたから、公開質問状における「第2問 国会の中に『年金改革小委員会』を設け、外部専門家の識見も活用しつつ、与野党の代表が中心となって、国民がみている前で最善の処方箋を探るべきである」につきましては、すでに実現する可能性が高まってまいりました。
  もっとも、重要なのは、「第1問 厚生労働省は、公的年金に関して、公表している試算の根拠となっている仮定条件のみならず、その計算の元となっている生データや計算プログラム等をすべからく国民に開示すべきである」という点です。すでに、河野議員と古川議員から賛同をいただいておりますので、是非、菅党首からも「イエス」のお答えをいただいた上で、なぜ坂口大臣や厚生労働省年金局は「イエス」と言えないのかという点について、厳しく問い質していきたいものです。

  「アホが見ーるーブタのケーツー」さんは「そもそも年金問題は、年金支払い者vs年金受給者、与党vs野党、年金納付者vs年金未納者、などの争いではない。断じて違う。敵は役人である」と喝破されていらっしゃいますが、もしも、坂口大臣や厚生労働省年金局が第1問に対して「ノー」と応えるならば、「国民の敵は役人である」と言わざるを得ないでしょう(5月14日までにご回答がない場合におきましても、「ノー」という意思表示とみなさせていただきますので予めご了解ください)。
  すでに、「Tinkle-Tinkle」さんのように、「公的年金の公開討論、注目させていただきます。可能であれば参加もしてみたいと思います」と公開討論会への参加を表明している方もいらっしゃいますので、私も何とか公開討論会を実現させたいと願っています。
  「アホが見ーるーブタのケーツー」さんが主張している「敵は役人である」論が誤りであると信じる厚生労働省のお役人であれば、どなたでも結構ですから手を挙げてください。きっと「俺たちが悪いんじゃない。保険料の引き上げを決めながら、約束を履行してこなかった政治家たちが悪いんだ」と思っていらっしゃる方も多数いらっしゃるはずです。実名はマズイというのであれば、obanan@kfikk.co.jpにEメールでご意見をください。匿名で結構です。皆さんも知り合いに厚生労働省のお役人が居たら、「週刊!木村剛」でこんな騒ぎが起こっていることを知らせてあげてください。その対応をみれば、そのお知り合いの方の誠実さがわかるかも……。

  要するに、国民は現行の公的年金制度に納得していないのです。「くりおね あくえりあむ」さんは「個人的には今の年金制度はその『わけのわからなさ』『複雑さ』に対して腹立だしさを感じている」と表明していますが、じつは今回の未納騒動の意義は、「Hiroette」さんが指摘しているように「竹中さんのようなお金のプロをして難しいと言わせる年金制度だと言うことも白日の下にさらされたわけですよ。そういう意味で……功績は年金制度の複雑さを露呈することができたと言うことです」という点にあるんですね。
  そこで、そうした国民のムードを見事に踏まえた上で文章を練り上げられた「本家ばんちゃん」さんの冴えたコメントをご紹介しておきましょう。私はこれを読んで、厚生族の長瀬甚遠先生(衆院富山1区)の代わりに、次の選挙で立候補していただきたいと思ってしまいました(^^;) きっと当選しちゃうのでは?

  

未納問題で国会議員の歳費から天引きできるようにするらしいですが、そういう技術論だけゃないでしょ、問題は。国会で国民の血税を使って法律を作っている議員たちが、その根本の制度を全く理解できていない、という前代未聞の事態。……それにしても、もっと自覚的に”根本から年金制度をわかりやすくします!”っていう気骨のある政治家はいないのか!って思いますね。”私も不勉強で未納だった!だから皆さんのうちにもいらっしゃるのが今回身にしみてわかりました!今後私のような未納者を一切出さないためにも、公的年金制度を根本から勉強し、誰にでもわかりやすい仕組みをみなさんと一緒に考えていこうではありませんか!” とかね。どこの党でもいいよ、この際。

  この公的年金問題はまだまだ終わりそうにありません。皆さんからのトラックバックをさらにお待ちしております。   「ブログから意見をハッスル、ハッスル!」(by「MASAHIKO」さん)してくださいネ。「Quwaji」さんが指摘してくださっているように、「問題が発生したときに議論ができる場としてWeblogがもっと活発になれば面白い」じゃないですか!「hyoshiok」さんがズバリおっしゃっているように、「年金にかかわらず、政治は、本来は身近なものである。自分の未来は自分で決定するように、この国の未来は我々が決定する」んだと思います(思いたい!?)。

2004 05 11 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.04.29

公的年金関係者よ!公開討論会に応じよ!

  みなさん、こんにちは。木村剛です。衆院統一補選の勢いを買って、どうも与党は公的年金改正案をこのまま通してしまいそうな雰囲気です。何もしないで座して死を待つのも芸がないので、蟷螂の斧かもしれませんが、世論を喚起するためのささやかなイベントを仕掛けてみたいと思います。

  「まーねこのひとりごと」さんが「年金の前提となる数理条件は厚生労働省案ではある程度公開されています。例えば厚労省社会保障審議会年金部会第26回資料等をご覧になればご納得いただけると思います」というコメントを受けて、「不肖私が、場所へ行ってデータがあるみたい(内容まで熟読して検討していません。あしからず)な場所へ行って、PDFファイルをひと通り眺めてみました。厚労省社会保障審議会年金部会第26回資料にリンクを張っておきます。データの内容については、私ごときの知識では、何も申し上げることはできません。が、多少なりともデータらしきものがある以上は、データの上に立っての議論を諸先生方にはお願いしたいと思います」と語っておりますが、厚労省社会保障審議会年金部会第26回資料に掲載されている計数は、年金計算の大元になる生データではなく、年金計算をするときに仮定する諸条件にすぎません。したがって、データを公開しているなどと言えない代物なのです。
  繰り返し申し述べますが、この年金問題を解決するための処方箋を探るためには、厳しい現実を直視しなければなりません。そして、その厳しい現実を直視するためには、その現実を明快に物語っている生データを公開して、その道の専門家による詳細な分析が不可欠なのです。その上で、国民の代表としての政治家が大所高所から最終的な方向性を決めなければ、解決しようのない問題だと言えるのです。
  現実を直視しない与党案がこのままズルズルと通ってしまうのでは、またこれまでと同じような2~3年おきの公的年金改革を続けていくことになってしまうでしょう。そのたびに、公的年金が抱える含み損は膨張し、いずれ隠しきれないほどまでに膨張してしまい、最後は日本経済を悲惨な状態に追い込んでしまうのではないかと心配になります。
  そこで「週刊!木村剛」は、公的年金関係者の最後の良心に訴えてみることにしました。具体的には、以下の5人の公的年金関係者に対して、公開質問状を送ることにいたします。もしも、これらの方々に良心があれば、正々堂々たるお答えを返してくれるはずだと思います(思いたい?)。

   坂口力厚生労働大臣(与党代表)
   菅直人民主党党首(野党代表)
   厚生労働省年金局総務課(霞ヶ関代表)
   河野太郎自民党議員
    (与党若手:拙著「マニフェスト論争」にて公的年金を議論)

   古川元久民主党議員
    (野党若手:拙著「マニフェスト論争」にて公的年金を議論)

  公開質問状の内容は、以下のとおり、できる限り簡素にいたしました。その上で、全く同じものをそれぞれの方に同時刻にお送りしてあります(4月28日午後6時)。


  拝啓、□□□□様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。いきなりEメールを差し上げる無礼をお許しください。
  さて、現在、年金改革法案が議論されておりますが、国民的な関心事であるにもかかわらず、年金計算のための仮定条件の現実性ばかりが討議され、肝心の生データが国民に開示されていないことを極めて残念に思います。国会における議論もどちらかと言えば、互いの揚げ足取りに終始しているなど、国民としては甚だ遺憾な状況となっております。
  本来であれば、厚生労働省が試算を開示するために用いたあらゆる生データや試算のためのプログラムを全面的に開示し、国会の中に「年金改革小委員会」を設けて、与野党の代表が外部専門家の識見をも入れつつ、国民がみている下で最善の処方箋を探るべきと考えますが、以下の3点に対して、簡潔に「イエス」「ノー」でお答えいただきたく、お願い申し上げます(「ノー」の場合は、その理由をご教示いただければ幸いです)。

第1問   厚生労働省は、公的年金に関して、公表している試算の根拠となっている仮定条件のみならず、その計算の元となっている生データや計算プログラム等をすべからく国民に開示すべきである。 
       イエス/ノー

第2問   国会の中に「年金改革小委員会」を設け、外部専門家の識見も活用しつつ、与野党の代表が中心となって、国民がみている前で最善の処方箋を探るべきである。 
       イエス/ノー

第3問   年金改革に関して、ウェブ上に公開討論会の場が設けられるならば、個人的には、誰が討論相手になろうとも、その場に参加して、国民が納得できるような議論をする用意がある。 
       イエス/ノー

  このEメールは、ウェブログ「週刊!木村剛」(http://kimura
takeshi.cocolog-nifty.com/)の4月29日のブログ上において公開いたします。ご返事については、すべてそのままブログ上において公開するとともに、お返事がなかった場合にもその事実を公表いたしますので、あしからずご了承ください。
  なお、極めて簡潔な質問であり、お答えにお時間を費やすような性質のものではないため、誠に勝手ながら、ご返事をいただく目途につきましては5月14日とさせていただきたくお願い申し上げます。
  末筆になりますが、□□□□様が、今後一段と公的年金改革に対してご尽力されることを心より祈念しております。
                                敬具
平成16年4月28日

                              KFi代表
                               木村剛

  さあ、完全に無視されるでしょうか、それとも、どなたかが永田町および霞ヶ関の代表として、市井の声に応えてくれるでしょうか。そのことだけでも、誰がどれくらい国民のことに対して真摯に考えているかが分かるでしょう。
これで誰も応答しないようであれば、「どちてblog」さんが以下のように指摘しているような状況が全国津々浦々に蔓延してしまうかもしれません。

元々僕は電車とかで老人に対して積極的に席を譲るほうでした。ですが、最近は譲らなくなりました。思えば、年金問題が頭に入ってきてからです。どういう思考になっているかというと、「年金生活者は出歩かないでくれ」「あなたたちを支えている現労働者が電車の中で余計な気を遣わなくていいように、年金生活者は混んでる時間に電車を使わないでくれ。」みたいな感じです。譲りたい気持ちもないことはないのですが、心からの「敬老」を実践するモチベーションが落ちてきています。僕の中に世代間憎悪が芽生え始めています。木村剛曰く、「このままでは、日本人同士が世代間で罵りあう骨肉の争いと化してしまうでしょう。」このままではその方向へ進んでしまいそうです。

(お知らせ)
  さて、5月1日からのゴールデンウィーク中、「週刊!木村剛」はお休みをいただきます。5月6日(木曜日)の再開を楽しみに待っていてください。5月7日(金曜日)は定例の「コラム」に替えて、「第2回『週刊!木村剛』トラックバックランキング」を発表する予定です(尾花広報部長、ご多忙中ご協力ありがとうございます)。
  なお、5月入り後、毎週土曜日には、私が独断と偏見でお気に入りのブログを毎週一つ選んでご紹介する「BLOG of the Week」という新企画をスタートさせます(第1回は5月8日です)。したがって、月~木曜日は「ゴーログ」、金曜日は「コラム」、土曜日は「BLOG of the Week」という構成になりますので、そこんとこ夜露死苦(by「バイオティックレイヤード」さん)!
  ますます、パワーアップして暴走(?)する「週刊!木村剛」をどうぞお見逃しなく。毎日欠かさず読んでくださいね。

2004 04 29 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.04.27

年金改革の国会討論は「目くそ鼻くそ」レベル

 みなさん、こんにちは。木村剛です。公的年金の改正案を巡って、国会の討論が山場を迎えています。新聞各紙によると、25日に投開票された衆院統一補選で、埼玉8区、広島5区、鹿児島5区のすべてで、自民党の公認候補が民主、共産両党の公認候補を破って初当選したため、「年金改革についても国民の理解は得られた」ということで、今月の28日には衆院厚生労働委員会で与党単独で採決に踏み切るということのようです。

 それにしても、年金改革に関する論戦はお寒い限りだったですねえ。
 与党サイドが「これで百年安心だ」と言い張ると、民主党は「ウチの案の方が抜本的だ」と対抗しました。「やるやると言って何もしない、やるやる詐欺じゃないか」と野党党首がぶちかますと、「蜃気楼みたいな案で何を言う」と自民党も反撃に転じます。民主党が「骨なし、ごまかし、先送りの年金改悪法案だ」と噛み付けば、公明党も「そちらこそ 数字なしのごまかし法案ではないか」と反発するなど舌戦だけは勇ましい感じ。
 これはこれで、暇つぶしの見世物としては悪くないんですが、日本の将来を決める政策論としては甚だお寒い限りと言わざるを得ないでしょう。取り敢えず糊口を凌ごうとする与党案はお話にならないくらいヒドイ出来ですが、民主党案もお粗末の域をでない代物。論戦は「目くそ鼻くそを笑う」という低レベルでした。
 そんなとき、歯科医の診療報酬改定を巡る汚職事件が発覚したのですから、目も当てられません。元社会保険庁長官が逮捕されて、「それ見たことか、厚生労働省に任せたら駄目なんだ」というムードの中で与党が防戦一方になるはずなのに、民主党の支援母体である連合の副会長も同時に捕まったので、迫力が今ひとつ。きっと、これも「目くそ鼻くそ」の類なんでしょう。
 おまけに、中川昭一経済産業大臣・麻生太郎総務大臣・石破茂防衛庁長官の3閣僚が国民年金を支払っていなかったというのだから呆れ果てます。これでは、保険料未納の江角マキコを責めることすらできないでしょう。あまりにもヒドイていたらくです。野党がTVでその問題を小突いたら、自民党幹部が「おタクにだっているんですよ。未納者は」などと開き直って脅しつけるのだから世も末。これも「目くそ鼻くそ」と言っていいでしょう。
こういう素人劇を見せ付けられると、日本の病の根深さに溜息がでます。「政策を議論する」という意味が理解されていないことに愕然とせざるを得ません。
 卑近な例えで恐縮ですが、独身男性で藤原紀香のファンがいるとします。彼は「紀香と結婚できたら、こんな家に住んで、こういう日々を過ごしたい」という個別具体的な夢を持っています。藤原紀香との結婚生活の素晴らしさを語らせたら、彼の右に出る者はこの世の中にいません。
 じつは、TVなどで政策論を展開している識者の中にはこの手のタイプがじつに多いんです。実現可能な政策ではなく、実現できない夢を語りがちなんですね。「こうなれば日本は良くなる」と主張しているんですが、「それじゃあ、具体的にどうすれば本当にそれが実現するの?」と聞かれるとその詳細を語ることができないんです。
紀香ファンの例で言えば、「結婚生活を語る前に、どうやったらデートできるか考えたら?」と言われて御仕舞いなんですね。そういう未熟な議論があまりにも多く見受けられます。政策論ではなく、理想論(例えば、民主党の年金改革案)を言い募っているだけなんです。
 誰が何と言おうと、政策は実現してナンボです。
 そのためには、現実と理想とのギャップを呑みこまなければならない場合も少なくありません。出来もしない理想論をあげつらう評論家からの心無い非難にもひたすら耐えなければならない局面の連続です。また、ある政策を実現するには、その政策を担いで走る人たちの動機付けとパワーやエネルギーにも配慮する必要があります。戦略的には正しくても、その戦略に一身を投げ出す屈強な軍隊をそろえ、武器と弾薬と燃料と食料を供給するロジスティックスも整備する必要があります。しかも、「二兎追う者は一兎も得ず」と言いますから、戦術的には二正面作戦を避けるということも基本となります。そのためには、世論の熟成を待たなければならないときもあるでしょうし、世論を喚起しなければならない場面もあるでしょう。
 政策論は、総合戦略論でなければならないのです。机上の空論は百害あって一利なし。改革の障害物でしかありません。だからこそ私は、「竹中プランのすべて」(アスコム)の冒頭で、「ベスト・オア・ナッシング(best or nothing)」ではなく、「ベター・オア・ア・リトル・ベター(better or a little better)」だと唱えているのです。

takenaka.jpg

 もっとも、理想論をかなぐり捨てて、「誰でもいいから結婚したい」という「鼻くそ論」(例えば、与党の年金改革案)でも困ります。それでは何の進歩もありませんから・・・。政策論というのは、実現し得る中で最高の成果を探るための不断の努力のことを指すのです。私は、「ベター・オア・ア・リトル・ベター(better or a little better)」の中の2つの「better」という単語に「不断の努力」というニュアンスを込めています。
 「藤原紀香と結婚したい」という「目くそ論」ではリアリティがありません。しかし、「誰でもいいから結婚したい」という「鼻くそ論」では何の価値もないのです。そういう意味で、民主党の年金改革案も、与党の年金改革案も、「政策論」というには恥ずかしい代物だといえるでしょう。
 そういう観点からみると、以下に紹介する「まーねこのひとりごと」さんの方がはるかに実務的で意味のある「政策論」を展開していると思います。
 

消費税上げや、年金給付率引き下げは、人口構成を考えるともはややむをえないだろう。だからこそ、民主党には単に消費税上げや年金税方式への移行、という議論で終わらせることなく、厚生労働省が握っている年金計算に関する生データをすべて開示させて欲しいのだ。そうしなければ、消費税上げにしろ他のいかなる政策にしろ、国民の納得も支持も得られないだろう。国民に開示して何になる?民間の保険会社、金融機関には、アクチュアリーという年金数理を専門として、いわゆる2階建て、3階建ての部分の年金商品の根拠となるデータを専門に計算している人達がたくさんいる。生半可な官僚よりもはるかに専門家なのだ。彼らが政府の詐欺(もしやっているなら)を暴いてくれることであろう。もっとも、その後で保険会社が必死に商売するかもしれないが。

 与党も、民主党も、「まーねこのひとりごと」さんから「政策論」のコツを学んでほしいものです。ブログ上で公開の政策論争でもやったらいいんじゃないでしょうか(ココログさん、自民党と民主党に企画書を持っていったらどうでしょう?)。いずれにせよ、わが国における「政策論」のレベルが「目くそ鼻くそ」の段階から早く脱皮してほしい、と心の底から思います。

2004 04 27 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.04.05

年金改革に関して菅直人民主党党首に期待すること[ゴーログ]

  皆さん、こんにちは。木村剛です。本日は22:00から23:24まで「ニッポンの突破宣言」(TV東京)に長々と出演しますので是非見てください。中でも、豆腐屋チェーン「篠崎屋」代表の樽見茂氏とイトーヨーカ堂会長鈴木敏文氏のバトルは必見です。

  さて、年金改革法案に関して、民主党が国会を欠席するという戦略に出ています。個人的には欠席戦略というのはあまり好まないんですが、それを切っ掛けとして、公的年金の問題に関して、国民の関心が高まること自体は極めて良いことであると考えています。そこで念のために、公的年金に関する私の考え方を示したコラムおよびゴーログを改めて以下に示しておきたいと思います。

2004.03.05 厚生年金はネズミ講か? [コラム]
2004.03.23 年金問題への大量のトラックバックに感謝する[ゴーログ]
2004.03.24 年金脱退論に対する不安に応える[ゴーログ]
2004.03.25 江角マキコも年金を払ってなかった!?[ゴーログ]
2004.03.31 公的年金改革タスクフォースに参加!しません?[ゴーログ]

  「厚生年金はネズミ講か?」で、私は、「いまマスコミに流されている各種の数値は「試算」にすぎない。そして、厚生労働省が計算した『試算』は結果的に常に外れてきた。そのたびに保険料は引き上げられ、年金額は切り下げられ、支給開始年齢は引き上げられてきた。これはもう立派な詐欺である。その場しのぎの『試算』はもういいから、試算の前提となっている生データを全部そのまま出してもらいたいと思う」と書きましたが、如何なる改革を断行することになるにせよ、その前提として欠かせないのは、事実を直視することです(事実を覆い隠したままでの小手先の改革案はいずれ修正を余儀なくされますから・・・・・・)。

  したがって、年金改革法案の関連で、まず第一に実現しなければならないことは、厚生労働省による試算の前提になっている諸データを国民に大々的に開示させることです。そのデータさえ開示されれば、数多いる専門家は保険数理やシミュレーションなどを駆使して分析し、現行の厚生省案をそれぞれに評価するでしょう。そこで各種の評価が互いに研鑽されてこそ、本当のソリューションに辿りつくことができます。
  そうしたデータが開示されない状況下で、民主党が対案を出そうとしても、与党は「正確な数字を示さなければ議論にならん」とか「憶測に基づく新しい制度でうまくいくわけがない」などと高飛車なコメントを繰り返すだけですから、議論は平行線を辿るだけです。
  そういう意味で申し上げると、いま民主党がしなければならないのは玄人受けする対案の提示ではなく、「生データを開示しないままで、法律を通そうとする年金改革案は詐欺である」という主張を大々的に展開することであると私は思います。さらに申し上げるならば、その真っ当な要求に対して、おそらく与党が応えないであろうことを見越した上で、「年金脱退論」を唱えるべきなのです。
  もしも、私が菅直人党首であれば、「公的年金に関して厚生労働省が持っているデータをすべて国民に開示せよ。もし、その程度のことがすぐにできないのであれば、公的年金は詐欺である可能性が高いから、公的年金から脱退する権利を国民に認めるべきである」とテレビの前で国民に対して正々堂々と訴えると思います。ということで、民主党参議院比例区第46総支部長を務めている「ふじすえblog」さん、菅党首によろしくお伝えください。

2004 04 05 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.03.31

公的年金改革タスクフォースに参加!しません?[ゴーログ]

  皆さん、こんにちは。木村剛です。再びまた、公的年金ネタを書いてみようかなと思い立ちました。というのは、知る人ぞ知る「・・・結茶場Me家・・・」さんのブログは、毎回洒落っ気のあるエントリーなので、「週刊!木村剛」のライバルとして私も注目しているんですが、そこで「ウェルサンピア佐久」に関する秀逸なネタがアップされていたのをご紹介したいと前々から思っていたからです。

  

先週の日曜日に、木村剛さんの〈厚生年金はネズミ講か?〉のコラムの中にも登場した、“登場した長さ”よりも“名前の方が長い”『ウェルサンピア佐久(長野厚生年金健康福祉センターサンピア佐久)』にスカッシュをやりに行って来ました。でも実際は、スカッシュコートがたった一面しかなく、しかも先客がいたので、隣のコートにポツっと置かれた卓球台で卓球でもしようかと思ったのですが、さすがにこんな辺ぴな所まで来て卓球をすることに疑問を感じてしまい、そのまま何もせずに帰って来てしまいました・・・(-_-;)。或いは、50人収容のカラオケルームフォルテシモで歌でも歌ってこようと思ったのですが、そこら辺に歩いている人をかき集めても、50人の大台には到底達しそうもなく、グッと涙をこらえるしかありませんでした・・・。゜゜(>ヘ<)゜ ゜。もし、民間企業だったら、絶対に、「こんな“いかにも採算が取れません・・・。”みたいな場所なんかに造らねぇーよ!!」って思ったんですけど、“採算が取れそうもない場所”だけに、眺めは最高でした!!

  さすが、わが宿命のブログ・ライバル(?)「・・・結茶場Me家・・・」さんです。軽いヒネリにシニカルな批判がさわやかに染み渡っています。素晴らしい名文です。しかし、私が名人芸に唸ったのは、以下のフレーズです。
  

ちなみに、ウェルサンピアのマスコットキャラクター『ムーミン』は、パパからは『冒険心』。ママからは『夢見る心』を受け継いでいると言います。なるほど、たどり着くまでが『冒険』。着いた所が『夢見心地』というわけですか・・・。うん、ナットク!・・・ってオイっ!!

  うまいっ! うますぎる!! TVの「笑点」的に言うと、これは座布団5枚並みでしょう。ちなみに、「ROUTE40 BLOG」さんは「グリーンピアなんてグリュック王国並みにコメントしづらいモン作ってからに・・・」というコメントを載せていましたが、ワタクシ的には「グリュック王国」の喩えに腹を抱えて笑ってしまいました(ということで、座布団1枚!)。
  やはり、公的年金はアカン! これは根っこから治さないとどうにもならないんじゃないでしょうか。「Hiroette」さんからは、「やっぱり公的年金改革タスクフォース(と、勝手に今私が決めました(笑))に木村さんがメンバーで加わっていただけたらいいなーと思うのですが。坂口大臣、いかがでしょう?」と書いていただきましたので、もし万が一、天地がひっくり返って、「公的年金改革タスクフォース」が立ち上がったら、立候補でもしてみましょうか(笑)。
  と一瞬思ったんですが、「高嶺の花にくびったけ!!」さんに、「ん~、こういうことができる人は大悪党になれますね」とご忠告をいただいているので、やっぱりコンサルティング・ビジネスに専念することにしよっと(「おいおい、ゴーログなんか書いてねえで、仕事しろよ!」ってか)。

(追伸)ちなみに本日は、午後8時30分より、あの、あの、あの「木村剛とブロガーのオフサイド取引」が開催されます。詳細は「29man the radical rubber」さんのブログをご参照のこと。皆さんとお会いするのを楽しみにしております。

2004 03 31 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.03.25

江角マキコも年金を払ってなかった!?[ゴーログ]

 皆さん、こんにちは。木村剛です。今日は、公的年金シリーズの最終回です。
 さて、一昨日、昨日と、「きちんとリセット」することの必要性について重ね重ね述べてきました。でも、一言で「きちんとリセット」すると言ったところで、それはそれは大変な話なのです。道路公団改革の比ではありません。その点については、いみじくも「善福寺手帳」さんがピンポイントで、「木村氏の言うことは大筋正しいのだろうと思うが、木村氏の言うように急に舵を切ろうとしても、これまでの過ちを認めなければならない本当の悪者は、まだ現役にたくさん居るに違いなく、相当重い舵なのだろうという諦めに近い感じを持っている」と指摘してくれました。

 まさにおっしゃるとおりです。残念ながら、私も同じような実感を持っています。
 だからこそ、大きな声をあげなければならないと思っているんです。
 「起業家日誌」さんが「年金脱退、それもひとつの戦術かもしれません。いずれにしろ、これからこの国で30年、50年あるいはそれ以上生きていくつもりの人にとっては、黙って見過ごしていい問題ではないはずです。財政赤字の問題もそうですが、放っておくことで後の世代にツケが回ってくる、というような問題について、若者たちはもっと怒り、声を上げるべきです」と書いていますが、そうそう、そのとおりなんです。私が「年金脱退論」を唱えているのは、「ひとつの戦術論」にすぎません。重要なのは、「きちんとリセット」することなんです。

 「まーねこのひとりごと」さんが「僕は公的年金はもう、信用していません」と宣言していらっしゃるように、現在の枠組みのままで年金制度に対する信用を取り戻すことは到底不可能です。「チップを弾むから勇気を分けてくれないか」さんが「真面目に保険加入して払えなくなったら差し押さえをくらうのと、ハナから加入しないのとは、どっちが良いかってことですね。で、『厚生年金やめたい(入りたくない)』ってなっちゃってます」と打ち明けているように、企業経営者にとって、年金脱退の可否はじつは喫緊の課題になっているのです。そして、信用がない年金制度というものは早晩破綻せざるを得ない運命にあります。「年金脱退論」に賛成しようが反対しようが、「きちんとリセット」するという作業は避けられない必要不可欠なことになっているのです。
 もっとも、「きちんとリセット」するというのは大変なことです。抵抗勢力も大量に登場してくることでしょう。なまなかな相手ではありません。したがって、「きちんとリセット」するというムードを醸成するためにも、公的年金の改革を求める世論を盛り上げることが絶対に必要なんです。

 だから私は、「年金脱退論」のような分かりやすくて切れ味のよい戦術がいま求められていると考えているのです。「PurpleMoon」さんは「だから『払わない』という無言実行。皆が払わなければ、仕組みも変わるはず」と看破していますが、そこに私の真意があります。政策は分かりやすく、しかも効き目があるものでなくては、世の中は変えられない。だから、「年金脱退論」なのです――そこが政策論としての要点なのです。
 そして、「年金脱退論」を展開すれば、論理的な帰結として「年金方式」から「税方式」に移行するしかなくなります。そのときには、あるべき公的年金制度(もしくは生活保護、生活扶助制度)を構築するために、「ひつまぶし本舗」さんが「ちゃんとみんなに知ってもらう為には、陪審員制度で裁判に参加させるより、厚生労働省、財務省の政策決定に一般人を参加させる方が良いんじゃないの?」と指摘しているように、公的年金の問題に関して、20代、30代の負担過多の年代の代表者(せめて、彼らの立場を代弁する識者)を参加させる仕組みを用意しておかねばならないのです。
 その際には、「エディテック」さんが指摘しているように、「よく専門家が『年金財政が大変だ、どうにかしなければならない』と発言しているが、その対応策は年金財政がらみの話に終始してしまう。我々にとって大事なのは、国は国民に対して(年金を含み)どういった社会保障を行おうとしているのかということである。社会保障は福祉と言い換えてもいい。つまり、年金といった個別の話だけではなく、パッケージとしての福祉政策の中身が知りたいのである。なぜ個別の議論ばかりが繰り返され、我々はどういう社会に住みたいと思っているのかが語られない」という視点から、公的年金の問題を、社会保障全体の問題として捉えて処方箋を書くべきなのです。
 その処方箋に関する私の考え方は、一昨日紹介した「本家ばんちゃん」さんの意見にかなり近いものです。「本家ばんちゃん」さんは、「1.遺族、障害年金などの福祉部分を会計的に切り離す」「2.今の『公的年金』脱退権を認める」「3.福祉分野は、生活保護法などの改正により、完全に福祉分野のものとし、今の水準以下に下がらないよう配慮する」という提案をしていますが、私も社会的弱者に対しては、生活保護法における福祉の充実という観点で対処していくべきだと考えています。じつは現行制度の下では、国民年金による年金給付額と生活保護における生活費支給額にそれほどの差がないという問題も発生しているのですから・・・・・・。
 
 いずれにしても、厚生労働省によるインチキ年金行政は即刻やめさせるべきだと思います。「Demilog」さんが「年金と言えば国民年金の、江角マキコを起用したCMに対して『嘘つき!!』と怒りを覚えてしまう」と指摘し、「今日のどうでもいい出来事」さんも「江角マキコはこういうことを理解したとしても、あのように堂々と演技できるのだろうか?」と疑問を呈していましたが、「江角うっかり国民年金未納だった」というんですから、何をかいわんやです。 「日常/非日常Blog 」さんが「このCMに一体いくらつぎ込んでるんだろう。数億か。チャンと返して貰いなさいね。少なくともタレント契約料は全額。」と書いていますが、全くその通りだと思います。
 じつは、ここだけの話、ある業者を通じて私のところに「国民年金のCMにでませんか?」という話があったんです。「公的年金=ネズミ講」だと思っていた私はすぐに断りましたけど・・・・。ああ、よかった・・・・(ひとつ間違えば、江角マキコの身代わりになるところだったぜ!)。

2004 03 25 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.03.24

年金脱退論に対する不安に応える[ゴーログ]

  皆さん、こんにちは。木村剛です。公的年金特集の2日目になりました。本日は、私の「年金脱退論」に対する不安の部分をとりあげてみたいと思います。

  木村剛ウォッチャーの第一人者である「Hiroetteのブログ」さんは、「私がまた肌で感じることとしては、やはり弱者の扱いをどうするか、ですよね。力のある人は年金なんか払わんでも、自分で仕事なりビジネスなりして老後は国の世話にならずとも生きていくとも!という人は脱退してもいい。しかし、ハッキリ言ってみんながみんなそんな人ではないのですよ」と的確に指摘していらっしゃいます。全くそのとおりです。「私が気になるのは弱者が受給しにくくなったりするような状態には絶対なって欲しくないと言うことです」という考え方にも諸手を上げて大賛成です。
  その点については、「企業法務についてあれこれの雑記」さんも、「脱退後は年金を支払う義務からは解放されるけれど、自分の老後等を保障するナニカを自分で考えて、多くの人はそこにお金を投下する必要がでてくるわけだけれども、適当な措置を取れる人は若年層にそんなに多く存在していないんじゃないだろうか、って思うわけです」という風に書いていますし、「mo3 – 生きるって難しい。」さんも、「現段階で脱退する気にはなれません。年金制度は破綻するとしても、代替となりうる保障がまだないことに加え、自分で自分の身を守るにしては、あまりに無知だからです」と告白してくれています。
  「ゆきだるま Be-忘-LOG」さんは「単に年金からの脱退を可能にしても、将来的に不安定な生活を送らざるを得ない層を増やすだけのような気がします。そんなの自業自得っていう考え方もあるんでしょうが、そういった人たちを支援するお金は税金から支払われるわけですし。悲観的過ぎますかねぇ^^;;」と予測し、「コージ・コーナー」さんも「将来の大量の生活保護者を生み出しそうな予感」を吐露しています。残念ながら、その予測や予感は大きく外れてはいません。しかし同時に、その予測や予感は、現行の年金制度の下であっても、じつは存在しているのです(むしろ、そうなる可能性が高くなると考えたほうが正しいでしょう)。

  つまり、われわれがまず直視しなければいけない現実とは、現行の年金制度を維持したときに襲い掛かる保険料や年金の大幅引き上げや給付額の大幅削減という将来の悲惨な姿なのです。現行の年金制度が未来永劫問題なく維持されるのであれば、「保険料を支払えば年金が約束どおりもらえるに違いない」という幻想に基づいて、現在のゴマカシごっこを続けることにも一定の合理性はあるでしょう。
  将来の世代にすべてのツケを回しながら、「俺たちも破綻するのを気付かない振りをしたのだから、お前らも子孫にツケを回せ」と言い続けることにも一定の合理性があるのかもしれません。昨日のゴーログにおいてご紹介した「大学教育システム」の話を是非もう一度熟読してください。
  私の書き方が不十分だったため、「エディテック」さんからは、「もし、若い頃にいろんな欲しいモノがあって『保険料なんか払いたくない、脱退しよう』と言い出し、本当に脱退してしまった人は将来どうなるのか? それは自己責任だ、と切り捨ててしまうのだろうか。別の問題もある。たしかに日本は豊かな国と言えるけれども、社会的弱者がいないわけではない。木村氏の著作にはそのあたりの話も書かれているのかもしれないが、このコラムを読む限りはそのあたりの視点が欠けているように思える」というお叱りも受けましたが、私は社会的弱者の視点を忘れているわけではありません。逆に、社会的弱者のことを思えばこそ、昨日指摘したように「きちんとリセット」すべきだと信ずるのです。
  私が「年金脱退論」を唱えているのは、まさに「Hiroetteのブログ」さんのような善意の人々の素直な不安心理につけこんで、すでに破綻している公的年金を維持する振りをしながら、その周りで甘い汁を吸い続けようとする輩が多いからなのです。そして、その結果として、「Hiroetteのブログ」さんのような善意の人々が最後の最後にババをつかまされてしまう可能性が高いだけに危機感を募らせているのです。
  そこには、「Blog@アイオワ」さんが鋭く突っ込みを入れているように、「んで年金制度にまだ利用できる利権があって、まだ手放したくないという事でもあるという事かな」という闇の部分があるわけです。まあ、「日経で読む、仕事術・組織術」さんが述べているように、「最初から高齢者が得をして、若年層が負担(損)をするという仕組みなのだ」という根本的な問題も大きいわけですが・・・・・・。
  ですから、「フェティッシュジャーナル」さんなどは、「うちら一般人は、やっぱり年金に頼らざるを得ない、というのが実状ではないか?もちろんその年金制度がひどい制度で、損もいっぱいしてしまう(お上や金融機関に労働のあがりの一部をかすめ取られてしまう)にしても、だ。30代の諸君、あきらめよう。」とあきらめの感を示しているんですけれど、こういうことになってしまうと、国民を騙して甘い汁を吸おうと考えている輩たちの思う壺になってしまうのです。
少し冷静に考えてみてください。「たけくらべ 株式や保険など投資・金融の話題ほか・・・」さんが「金融商品として考えた場合、終身年金に加えて、保険相当(遺族年金・障害年金)の特約(?)がついてくるのです。他にこんなに優れた商品を探そうとしても、なかなか見当たらない」といみじくも指摘していますが、まさにその事実こそが公的年金が破綻するということを意味しているのです。タネのない手品はありません。信じられないほど有利な金融商品であるからこそ、公的年金は破綻せざるをえないのです。
  そこは、「高嶺の花にくびったけ!!」さんが「一割払って五割もらえるなんてインチキな話を簡単に信じ込まされるノーテンキ」と書き記しているとおりなのです。「fareaster」さんは「時々経済関係の記事を読んでいて思うのだが、『前年比○○%成長』とか、『このままいったら・・』という数字があるが、『地球は有限の空間の中にある』ということが理解されていないような内容があって疑問に感じることが多い。経済学では、市場は無限なのだろうか」という素朴な懸念を呈されていましたが、政府に騙されないでサバイバルしていくためには、そういう素直な疑問を感じる感性が本当に重要です。
  その現状を評して、「社怪人日記2004」さんは、「近頃幼児虐待する親が増えているのは、自分が年老いても子供達が年金を払ってくれないからだ。間違いない」というシニカルなギャグを寄せていますが、それは将来公的年金が直面するであろう究極の姿でもあります。「俺たちを扶養するために年金を払え」と迫る高齢者と「俺たちの老後は誰も払ってくれないのに、なぜ払わなくちゃいけないんだ」という若年層の戦いは、今後まずます激烈化するでしょうが、沈静化することはありえません。このままでは、日本人同士が世代間で罵りあう骨肉の争いと化してしまうでしょう。
  「レビューのとらお」さんからは、「『保険方式』から『税方式』に変えたら、必ずうまくいくんですか?」という質問をいただきましたが、私は、私なりに現行の公的年金制度を分析した結果として、「日曜日は楽しいドライブ」さんが断言されているのと同じく、「要するにもう税を主体とした年金制度へ移行するしかないのだ」という結論に達しました。つまり、手をこまねいている間に、相互扶助を基本とする「年金」という世界で解決できないほど、わが国の公的年金は腐りきってしまったのです。
  その爛れた実態から目をそむけ、腐っているという厳しい現実を直視することなく、小手先の技術で先送りしても問題を深刻化させるだけだと私は確信しています。そして、問題が深刻化した後に破綻して表面化すれば、そのダメージは必ず社会的な弱者に皺寄せされます。だからこそ、本当に破綻する前に、社会的弱者に過度にダメージを与えないためにも、「きちんとリセット」すべきなのです。

  そこで最終回の明日は、「きちんとリセット」するための方策としての「年金脱退論」をもう一度再考してみたいと思います。

2004 03 24 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.03.23

年金問題への大量のトラックバックに感謝する[ゴーログ]

  皆さん、こんにちは。木村剛です。コラム「厚生年金はネズミ講か?」において、トラックバックを募ったところ、何と40近くもいただきました。感謝感激です。
  「オレンジの太陽」さんから、「私も、少子化について考えていたときに、日本の国民年金はネズミ講と同じじゃないか?!と思ったので、なんだかとてもうれしかったです。そして、このことを木村さんにトラックバックできる環境もさらに嬉しいのです」というコメントまでいただきました。こうなったら、何がなんでも公的年金問題を取り上げなければなりませぬ。そこで本日から3日間連続で、ゴーログは公的年金を特集します。

  まず、公的年金の問題について、いくつもコメントをいただきましたが、その中でもパンチの効いた秀逸なまとめ方をしていただいたのは、「gomashio.jp」さんの以下の文章ではないかと思います。

いまの政府のやり口は、どう考えても汚い。小ざかしい手を使って国民をなだめすかし、「国民年金の納付は成人の義務だ」とほざいて学生から金を取り、一方でバカな施設を作って金を無駄遣いし、あげくの果てには未払いの人をほとんど犯罪者扱いにする。捏造した試算結果だけを公表し、理由をつけては保険料を引き上げ、給付金を引き下げる。これは立派な詐欺だ。国家権力があるだけ消費者金融のヤクザよりタチが悪い。これを信用して金を出せと言ってるのだから、狂ってるとしか言いようがない。ホント冗談は坂口の髪型だけにしろと言いたい。

  もっとも、ネット・オークションが大好きな方たちに対しては、公的年金の問題のことを、「僕から見ればヤフオクで自転車操業している人に見えてしまう。ありもしない商品を出品し(将来の年金)、入札者からお金(保険料)を騙し取る。商品(年金)を仕入れる際には、ほかの入札者から得たお金を充てる。場合によっては借金もする。利益を生まない、一時しのぎを延々続けるわけだ。いつかは破綻する」(by「ALT UD」さん)と表現したほうが分かりやすいのかもしれません。

  興味深かったのは、「山伏クレムリン」さんが紹介してくれた内田樹氏の大学教育システムに関するお話です。以下に引用させていただきますが、「大学教育システム」を「公的年金」に、「大学区の教職員」を「若年層」に読み替えると、公的年金問題が抱えている構造的なメカニズムがよくわかります。

大学教育システムは「このままでは破綻する」ということがもう15年前から分かっていた。しかし、そのために何かしなければならないということに学内合意を得て、主体的に実行した大学は非常に少なかった。当り前だけれど、そのときトップにいる人間というのはあと数年で停年退職する教職員である。彼らの在任期間中にはまだ問題は前景化しない。うかつに新しいプロジェクトを立てると、学内に波風が立つし、リスクも高い。そんなリスクを取るよりは、何もしないで停年を迎え、満額の退職金をもらって、次のトップに問題を先送りする方が、彼らからしてみれば合理的である。日本の経営者の非常に多くがそのような「合理的な考え」方をしてきた。その「合理的思考」の結果、たくさんの金融機関が破綻し、無数の企業が倒産した。同じことが大学についても起こる、というだけのことである。(中略)これから先多くの大学区の教職員が職を失って路頭に迷うことになる。そのような運命に彼らを導いたのは、「合理的な思考」をして「逃げ切り」に成功した過去15年間の大学経営のトップたちである。そのことだけは覚えておいた方がいい。その人々の責任はいまさら問いようがない。私たちにできるのは、「合理的な思考をする人間」はしばしば彼が得たベネフィットの数十倍数百倍のコストを後代に残すという経験則を骨身にしみて味わうことだ。

  なかなか鋭いご指摘ばかりです。私自身、同様の認識の下で「年金脱退論」を唱えております。「ShinBLOG」さんからは「木村氏の提案は、まったく間違っていないし、そうなって欲しいと思います」と応援をいただきました。「ふじすえblog」さんは、民主党参議院比例区第46総支部長を務めているだけに、「民主党のマニフェストは『税方式』をベースにしており、木村さんの主張に近い部分もあると思う」と的確にコメントしてくれました。そのとおりです。この間、フジテレビの「報道2001」で民主党の古川議員ともそういうお話をしたところです。

  「本家ばんちゃん」さんは、「半分賛成します」というスタンスを示した後で、「1.遺族、障害年金などの福祉部分を会計的に切り離す」「2.今の『公的年金』脱退権を認める」「3.福祉分野は、生活保護法などの改正により、完全に福祉分野のものとし、今の水準以下に下がらないよう配慮する」というご提案をいただきました。基本的には、私も「本家ばんちゃん」さんと同様の意見です。ただ政策論として、象徴的に「年金脱退論」を唱えるという立ち位置にしているということなんですね。
  いみじくも「本家ばんちゃん」さんは、「結局、この国の年金制度は一度きちんとリセットされるべきなのである」と総括していますが、公的年金の問題について、政策的な論点を煎じ詰めれば、私も「きちんとリセット」ということに尽きていると思っています。

  もっとも、「年金から脱退すればすべてが片付く」と単純に思っているわけでもありません。実際、「年金脱退論」に対しては、賛同のコメントとほぼ同じくらい、「年金脱退論」に対する不安のコメントもいただきました。明日は、その不安に対してまとめてお答えしたいと思います。

2004 03 23 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2004.03.05

厚生年金はネズミ講か? [コラム]

 このところ、[ゴーログ]の印象が強くなっているこのコーナーですが、「週刊!木村剛」の売りはあくまでも毎週金曜日にアップする[コラム]です(?)ので、今日はまじめに公的年金の問題を論じてみたいと思います。これは、特に30代以下の方々にとっては本当に深刻な問題ですので、是非多くの方に読んでいただきたいと思います。
 
 「不良債権問題」ならぬ「不良年金問題」は、わが国が至急着手して手術しなければならない緊急課題です。公的年金に関しては、みなさんも色々とお考えをお持ちだと思いますので、たくさんのトラックバックを期待しています。

<参院選にらみ与党内で思惑交錯、揺れる年金改革法案 (asahi.com)>
http://www.asahi.com/money/pension/news/TKY200403020217.html

 年金制度改革法案が今国会で成立する見通しだが、今回の年金制度改革はあまりにもいい加減なので怒りを禁じえない。公的年金の問題については、2月23日にテレビ朝日系列の「ニュースステーション」においてかなり厳しくコメントしたし、3月7日(日曜日)に出演する予定の「報道2001」でも苦言を呈するつもりだが、「試算の基となるデータを開示しないまま、年金給付を減額し保険料を引き上げるという今回の年金制度改革は詐欺」という感じがする。まずは、公的年金に関する3つの「不信」を指摘しておこう。

「不信」その1:年金財源不足の危機的な状況を直視しているのか?

 厚生労働省が公に認めているだけで、年金の財源不足は530兆円にのぼる。しかも、これは2000年3月末の数字。いま財源不足がどれくらいまで膨張しているのか想像もつかないほどだ。現実を直視して果断に対処すべきところを現実に目をそむけて先送りしてしまった結果、問題を大きくしてしまったという点で、「不良年金問題」は「不良債権問題」と酷似している。
 それに加えて、年金運営の稚拙さが目に余る。
 例えば、年金基金を投じて造られた厚生年金会館や大規模保養施設(グリーンピア)は全国に265もある。これらの施設はほとんどが赤字なので清算される方向にあるらしいが、厚生労働省は「厚生年金会館」という名称ではマズイと思ったのか、今年4月から「ウェルシティ」という名前に変えるという。清算する予定なのに、なぜ余計なコストをかけて名称変更をするのだろう。しかも、そのイメージキャラクターとして「ムーミン」を使うというから笑わせる。そんな無駄な費用は直ちに年金基金に返金すべきだ。

「不信」その2:年金制度改革の試算はまともな数値なのか?

 公的年金の制度は人口推計や出生率などを前提に試算されるのだが、厚生労働省は、まともな試算を出したことがない。5年毎に試算をやり直すたびに、前提となる将来人口推計が大外れだったことが明らかになり、抜本的な年金改革が必要になるというのがこれまでのパターン。
 例えば、10年前の試算では、2050年の65歳以上の人口が20歳から65歳未満の人口の何%に当たるかという数値(年金を積み立てている世代に対する年金を受給している世代の割合)を55.6%と予測していたが、5年前に再試算したところ9.0%も上積みされて64.6%になった。平均寿命の読みについても、女性が生涯で何人の子供を産むかという見通しについても甘かった。要するに、「試算」は外れ続けてきたのだ。

 いまマスコミに流されている各種の数値は「試算」にすぎない。そして、厚生労働省が計算した「試算」は結果的に常に外れてきた。そのたびに保険料は引き上げられ、年金額は切り下げられ、支給開始年齢は引き上げられてきた。

 これはもう立派な詐欺である。 
 その場しのぎの「試算」はもういいから、試算の前提となっている生データを全部そのまま出してもらいたいと思う。

「不信」その3:共済年金や議員年金になぜ負担を課さないのか?

 厚生年金改革の陰に隠れているが、国家公務員や地方公務員の年金である共済年金については手つかずになっている。共済年金は、サラリーマンの厚生年金とほぼ同じ制度なのだが、実際は給与や加入期間が同じでも厚生年金より支給額が多い。共済年金には、厚生年金と同様の方法で計算する本体部分のほかに、「職域加算」という上乗せ給付があるからだ。モデル世帯(夫婦2人、40年加入、妻は専業主婦)の年金額でみると、共済年金支給額は厚生年金支給額よりほぼ1割多い。

 国会議員の年金になるともっと手厚い。国会議員互助年金は在職10年で受給資格が与えられ、引退後の65歳以降に受け取ることができる。しかも受給資格が得られなくても、在職3年以上であれば掛け金の8割が戻ってくる(こういう制度こそ、厚生年金に導入してもらいたい!)。過去に地方議員を12年以上務めていると地方議員の年金も受給できるというから、年金の二重取り・三重取りができる仕組みなのだ。
 年金制度改革で国民に痛みを強いるなら、まずは公務員や議員の年金に負担を負わせるべきなのではあるまいか。名実ともに破綻が視界に入ってきた国民年金については、その負担をまずは共済年金や国会議員互助年金に背負わせるべきである。

小泉内閣メールマガジンに物申す!

 書けば書くほど腹が立ってくるが、首相官邸のHPを眺めていたら、「小泉内閣メールマガジン第129号(1月29日付)」の[編集後記]にこんな戯言が書いてあるのを発見して、またもや怒りがこみ上げてきた。

 公的年金加入者7,017万人に対して保険料未納者は327万人もいます。「支払った保険料分も返ってこないのだから払っても損をするだけだ」と考えて保険料を納めない方がいるとすれば、大きな誤りです。(中略)公的年金は、若い世代が保険料を払い、年金を受け取る世代を支える「世代間扶養」が基本ですが、「損か得か」という点からも、保険料を払う方が間違いなく「得」であることをご理解頂きたいと思います。

 ふざけるな! 江角マキコはCM出演料で騙せても、国民は騙せない。 

 これは真っ赤なウソである。国民に説明したいのであれば、正確な表現をつかうように心掛けるべきだろう——「保険料を払う方が『得』である」というのは、「われわれが後の世代もうまく騙し続けますから、あなたも騙す側に回ったほうがいいですよ」と言っているに過ぎないからだ。

 これじつは、ネズミ講の論理なのである。
 理解していただくために、ネズミ講というビジネスの仕組みを解説しておこう。
  あるとき、あなたは潰れた会社の在庫品(ここでは、英語の教材だとしよう)を大量に抱えるハメになったと する。潰れたくらいなのだから、その教材に魅力があるわけがない。しかし、そこであなたは天才的なお金儲けの方法を考え付く——こういう仕組みだ。

 まず、あなたはこの教材を100万円で買う人を一人みつける。その教材を必要としていようが必要としていまいが関係ない。とにかく買わせる。口説き文句はこの台詞だ——「あなたが使う必要はないんです。でも、あなたがこれを誰かに売ることができたら、私はあなたに9割のコミッションを支払いましょう」。要するに、2個売れれば80万円の儲けになる(=90万円×2−100万円)。「100万円の投資で80万円以上儲かるのなら、悪くない商売だ」と思う人間を1人だけみつければいい。

 あなたが教材を売りつけた人は必死で誰か2人に売る。口説き文句は同じ台詞だ——「あなたが使う必要はないんです。でも、あなたがこれを誰かに売ることができたら、私はあなたに9割のコミッションを支払いましょう」と。そうすると、買った2人はそれぞれ2人に売りつける——口説き文句は全く同じ。そういう連鎖が続いていくことにより、2人が4人に、4人が8人になっていく。

 不思議なものでそうなると、誰も必要としていない教材であるにもかかわらず、教材が瞬く間に売れていく。そして、全員が80万円を儲けられると思い続けている間は、幸せの輪がどんどん広がっていく。
しかし、全員が全員80万円を儲けられるということはあるのだろうか。
 答えは「ノー」である。

ネズミ講のメカニズムは崩壊する

 このネズミ講のメカニズムは、早晩人口の壁にぶつかる。例えば、成年人口が1億人に満たない日本においては、誰がどう考えても9000万個の教材を売ることはできないだろう。それがわかると、3000万個を売った後に買う人たちは大損する可能性が高まる。100万円の英語教材を買っても売りつける人が2人いないという状況が考えられ得るからだ。そうなると結局、せいぜい3000万個しか売れないということになってくる。ところがそれが分かると、1000万個売った後に買う人たちは大損する可能性が高まる。そうなると結局、せいぜい330万個しか売れないということになってくる・・・・・・。要するに、このメカニズムが永続しないということがバレタ瞬間に、ネズミ講というものは瞬時に崩壊する運命にある。ネズミ講というメカニズムの中で儲かるのは、初期に参入してズラかった人々だけなのだ。

 そういうことなのだ——わが国の年金は「賦課方式」という「保険方式」を採用しているため、このネズミ講の仕組みに酷似した構造になっている。この仕組みが未来永劫続いていくと信じられている間はハッピーなのだが、それが幻想だと気付いた瞬間に崩壊してしまうという極めて脆いシステムなのだ。

 実際問題として、わが国の年金制度は、本当は破綻してもおかしくない内容なのに、魅力のない「年金」という商品を騙して騙して後の世代に売りつけようとし続けるあこぎな商売と化している。初期に参入して年金の受給者になった人々だけが幸せになる権利を享受することができるネズミ講ゲームなのだ。

 英語教材の話の場合は、「あなたが使う必要はないんです。でも、あなたがこれを誰かに売ることができたら、私はあなたに9割のコミッションを支払いましょう」ということだった。年金の場合は、こう言えばいい——「あなたが年金のツケを全部支払う必要はないんです。あなたがそのツケを後世の人々に背負わせることができたら、私はあなたに年収の5割を年金で支払うことをお約束しましょう」と。

 しかし、いつまでも年金債務を膨張させ続けることはできない。少子高齢化のトレンドが劇的に変わらない限り、いつかどこかでツケの先送りを拒否する世代は必ずでてくる。そして、その世代がでてくるという可能性に誰かが気づきはじめたとき、年金のネズミ講はいとも簡単に破綻を迎えるだろう。

 英語教材のネズミ講と厚生年金の話が同じ構造を抱えていることを忘れてはならない。敢えて違いを言えば、厚生年金の話の方が複雑で分かりにくいし、胴元が個人ではなくて、国がやっているので、なかなかバレにくいというだけの話なのである。

若者に年金脱退権を認めよ!

 はっきり言おう。国ぐるみでネズミ講を推進してきた厚生労働省のお役人の言うことなど信じられるはずがない。「保険料は年収の20%でとどめます」などといまさら言われても、信用できるわけがないではないか。
 思い返せば、傾きかけた国民年金のツケを、保険料が支払えるとは思えない学生に押し付け、その親に尻拭いさせようとしたアコギなお役所である。ネズミ講に対する保険料不払いが増えるのは当たり前だ。それで払えなかったら、ペナルティを課すゾと言い放ち、怖い取立て屋も送り込むゾと脅しつけるのだから、この国家的なネズミ講は詐欺よりも性質が悪い。

 こんな不条理は正さなければならない。
 そこで私は、若い世代の人々のためにも、「これまで支払った保険料はあきらめるし、将来も年金をほしいと言わないから、厚生年金から脱退させてほしい」という脱退権を認めるべきだと考えている。

 脱退権を認めると年金財政が破綻して年金が払えなくなる——という意見もあるだろう。しかし私の「年金脱退論」は、現在、政府に国民に示している年金の給付水準を遵守させることを大前提としている。つまり、年金財政が今後どうなろうと、現在年金に加入している加入者にこれまでどおりの履行を約束する。したがって、現在示されている給付水準を下回ることはない。このため、年金制度が破綻して払えないということはなく、高齢者を含めて加入者にとって不利な状況は生じない。

 一方、脱退権を認めれば、政府の約束を信じない人々たちは脱退していくだろう。
 じつはそこがミソだ——脱退は年金財政にとって好ましいことでもあるからだ。
 脱退した人々はこれまで積み立ててきたものを、受給者や他の加入者のためにすべて放棄するとともに将来の年金受給権も放棄するので、中長期的にみれば年金財政の負担は確実に軽減されていく。つまり、将来の受給者数が減れば、絶対額として年金負債は減るし、その過程で公的年金が抱えている含み損も限定されていくことになる。これまでのように、ネズミ講的に人口が増加することを妄想し続けて損を無限定に拡大するというごまかしをやめさせることができるようになるわけだ。

 ただし、残念なこと(仕方のないこと)ではあるが、隠されてきた年金財政の財源不足の問題は急速に表面化してくることになる。そして、不足部分については、税金で埋めるしかない。その覚悟だけは予めしておかなければならない。
 要するに、「年金脱退論」というのは、インチキな「保険方式」から明確な「税方式」への移行を展望した政策なのである。私は、各人のインセンティブにしたがって、年金のあり方を自由に選択していく結果としての「税方式への移行」を目指すべきだと考えている。
 これは、お年寄りにとっても若年層にとっても一考の価値がある政策で、少なくとも現在審議されている厚生労働省案よりは数千倍マシな政策だ。一見暴論にみえるかもしれないが、私の「年金脱退論」は現実的な仕組みに支えられている。与党でも野党でもよいので真剣に検討していただきたい。
 さあ、年金脱退権を認めさせて、みんなで公的年金から脱退しよう。そして、ドンブリ勘定の「保険方式」から「税方式」に一挙に移行させよう。
 もしも、江角マキコから「将来年金もらえなくなるのって誰から聞いたの」と聞かれたらこう言ってやってほしい——「『週刊!木村剛』を読みました」と。

2004 03 05 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック