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2004.03.24
年金脱退論に対する不安に応える[ゴーログ]
皆さん、こんにちは。木村剛です。公的年金特集の2日目になりました。本日は、私の「年金脱退論」に対する不安の部分をとりあげてみたいと思います。
木村剛ウォッチャーの第一人者である「Hiroetteのブログ」さんは、「私がまた肌で感じることとしては、やはり弱者の扱いをどうするか、ですよね。力のある人は年金なんか払わんでも、自分で仕事なりビジネスなりして老後は国の世話にならずとも生きていくとも!という人は脱退してもいい。しかし、ハッキリ言ってみんながみんなそんな人ではないのですよ」と的確に指摘していらっしゃいます。全くそのとおりです。「私が気になるのは弱者が受給しにくくなったりするような状態には絶対なって欲しくないと言うことです」という考え方にも諸手を上げて大賛成です。
その点については、「企業法務についてあれこれの雑記」さんも、「脱退後は年金を支払う義務からは解放されるけれど、自分の老後等を保障するナニカを自分で考えて、多くの人はそこにお金を投下する必要がでてくるわけだけれども、適当な措置を取れる人は若年層にそんなに多く存在していないんじゃないだろうか、って思うわけです」という風に書いていますし、「mo3 – 生きるって難しい。」さんも、「現段階で脱退する気にはなれません。年金制度は破綻するとしても、代替となりうる保障がまだないことに加え、自分で自分の身を守るにしては、あまりに無知だからです」と告白してくれています。
「ゆきだるま Be-忘-LOG」さんは「単に年金からの脱退を可能にしても、将来的に不安定な生活を送らざるを得ない層を増やすだけのような気がします。そんなの自業自得っていう考え方もあるんでしょうが、そういった人たちを支援するお金は税金から支払われるわけですし。悲観的過ぎますかねぇ^^;;」と予測し、「コージ・コーナー」さんも「将来の大量の生活保護者を生み出しそうな予感」を吐露しています。残念ながら、その予測や予感は大きく外れてはいません。しかし同時に、その予測や予感は、現行の年金制度の下であっても、じつは存在しているのです(むしろ、そうなる可能性が高くなると考えたほうが正しいでしょう)。
つまり、われわれがまず直視しなければいけない現実とは、現行の年金制度を維持したときに襲い掛かる保険料や年金の大幅引き上げや給付額の大幅削減という将来の悲惨な姿なのです。現行の年金制度が未来永劫問題なく維持されるのであれば、「保険料を支払えば年金が約束どおりもらえるに違いない」という幻想に基づいて、現在のゴマカシごっこを続けることにも一定の合理性はあるでしょう。
将来の世代にすべてのツケを回しながら、「俺たちも破綻するのを気付かない振りをしたのだから、お前らも子孫にツケを回せ」と言い続けることにも一定の合理性があるのかもしれません。昨日のゴーログにおいてご紹介した「大学教育システム」の話を是非もう一度熟読してください。
私の書き方が不十分だったため、「エディテック」さんからは、「もし、若い頃にいろんな欲しいモノがあって『保険料なんか払いたくない、脱退しよう』と言い出し、本当に脱退してしまった人は将来どうなるのか? それは自己責任だ、と切り捨ててしまうのだろうか。別の問題もある。たしかに日本は豊かな国と言えるけれども、社会的弱者がいないわけではない。木村氏の著作にはそのあたりの話も書かれているのかもしれないが、このコラムを読む限りはそのあたりの視点が欠けているように思える」というお叱りも受けましたが、私は社会的弱者の視点を忘れているわけではありません。逆に、社会的弱者のことを思えばこそ、昨日指摘したように「きちんとリセット」すべきだと信ずるのです。
私が「年金脱退論」を唱えているのは、まさに「Hiroetteのブログ」さんのような善意の人々の素直な不安心理につけこんで、すでに破綻している公的年金を維持する振りをしながら、その周りで甘い汁を吸い続けようとする輩が多いからなのです。そして、その結果として、「Hiroetteのブログ」さんのような善意の人々が最後の最後にババをつかまされてしまう可能性が高いだけに危機感を募らせているのです。
そこには、「Blog@アイオワ」さんが鋭く突っ込みを入れているように、「んで年金制度にまだ利用できる利権があって、まだ手放したくないという事でもあるという事かな」という闇の部分があるわけです。まあ、「日経で読む、仕事術・組織術」さんが述べているように、「最初から高齢者が得をして、若年層が負担(損)をするという仕組みなのだ」という根本的な問題も大きいわけですが・・・・・・。
ですから、「フェティッシュジャーナル」さんなどは、「うちら一般人は、やっぱり年金に頼らざるを得ない、というのが実状ではないか?もちろんその年金制度がひどい制度で、損もいっぱいしてしまう(お上や金融機関に労働のあがりの一部をかすめ取られてしまう)にしても、だ。30代の諸君、あきらめよう。」とあきらめの感を示しているんですけれど、こういうことになってしまうと、国民を騙して甘い汁を吸おうと考えている輩たちの思う壺になってしまうのです。
少し冷静に考えてみてください。「たけくらべ 株式や保険など投資・金融の話題ほか・・・」さんが「金融商品として考えた場合、終身年金に加えて、保険相当(遺族年金・障害年金)の特約(?)がついてくるのです。他にこんなに優れた商品を探そうとしても、なかなか見当たらない」といみじくも指摘していますが、まさにその事実こそが公的年金が破綻するということを意味しているのです。タネのない手品はありません。信じられないほど有利な金融商品であるからこそ、公的年金は破綻せざるをえないのです。
そこは、「高嶺の花にくびったけ!!」さんが「一割払って五割もらえるなんてインチキな話を簡単に信じ込まされるノーテンキ」と書き記しているとおりなのです。「fareaster」さんは「時々経済関係の記事を読んでいて思うのだが、『前年比○○%成長』とか、『このままいったら・・』という数字があるが、『地球は有限の空間の中にある』ということが理解されていないような内容があって疑問に感じることが多い。経済学では、市場は無限なのだろうか」という素朴な懸念を呈されていましたが、政府に騙されないでサバイバルしていくためには、そういう素直な疑問を感じる感性が本当に重要です。
その現状を評して、「社怪人日記2004」さんは、「近頃幼児虐待する親が増えているのは、自分が年老いても子供達が年金を払ってくれないからだ。間違いない」というシニカルなギャグを寄せていますが、それは将来公的年金が直面するであろう究極の姿でもあります。「俺たちを扶養するために年金を払え」と迫る高齢者と「俺たちの老後は誰も払ってくれないのに、なぜ払わなくちゃいけないんだ」という若年層の戦いは、今後まずます激烈化するでしょうが、沈静化することはありえません。このままでは、日本人同士が世代間で罵りあう骨肉の争いと化してしまうでしょう。
「レビューのとらお」さんからは、「『保険方式』から『税方式』に変えたら、必ずうまくいくんですか?」という質問をいただきましたが、私は、私なりに現行の公的年金制度を分析した結果として、「日曜日は楽しいドライブ」さんが断言されているのと同じく、「要するにもう税を主体とした年金制度へ移行するしかないのだ」という結論に達しました。つまり、手をこまねいている間に、相互扶助を基本とする「年金」という世界で解決できないほど、わが国の公的年金は腐りきってしまったのです。
その爛れた実態から目をそむけ、腐っているという厳しい現実を直視することなく、小手先の技術で先送りしても問題を深刻化させるだけだと私は確信しています。そして、問題が深刻化した後に破綻して表面化すれば、そのダメージは必ず社会的な弱者に皺寄せされます。だからこそ、本当に破綻する前に、社会的弱者に過度にダメージを与えないためにも、「きちんとリセット」すべきなのです。
そこで最終回の明日は、「きちんとリセット」するための方策としての「年金脱退論」をもう一度再考してみたいと思います。
2004 03 24 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク
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ゴー様のBlogは気持ちよすぎ♪
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さらに年金制... 続きを読む
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