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2004.05.26

ブログはメディアになれるか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。私が厚生労働省に対して、生データの公開を要求したところ、「気まぐれ大統領の独裁Log」さんが「こういうのを何でマスコミ、特に大手新聞はやらんのかね。自分とこの影響力を自慢してるんだったらやるべきだろうが」と書いていただきました。本当にそう思います。

 年金問題をめぐる今回のマスコミの未納騒ぎは、あまりにも国民の気持ちや心情から乖離していました。もっとも、「ちぶろぐ」さんは、「マスコミはほんとに分かってなくて報道しているのかということです。マスコミ人ったって自分達とそう変わらない人間ですから、今のバカ騒ぎがどれだけ本筋から離れているかなんてことは分かっているはず」と書いていますし、「大西宏のマーケティング・エッセンス」さんは「残念なのは、マスコミの報道のあり方です。マスコミの記者の人たちも、この問題の本質が何かをご存知です。でも、なにかが、真実に迫る報道を鈍らせていると感じていました。だから、迂回して表面的な未納・未加入問題に紙面を割いてこられた。いろいろと事情があるのかもしれません」と説明していらっしゃいますが、そういう匂いを私も感じます。そして、「いろいろと事情がある」ところに、私はわが国のマスコミの問題があるのではないかと思うのです。
 その点に関して、「c572 blog」さんは「マスコミも結局は商売ですから、事の本質よりも目先の数字の方が大事なような気がします」と指摘しておられ、そういう面も確かにあると私も思うのですが、「MENTHOL BLOG」さんが「未納である、未納でないということは、もうワイドショーでも視聴率とれない話なのは周知の事実です」と書いていらっしゃるように、視聴率うんぬんだけでは説明のつかないマスコミの報道が近年目立ってきたようにも感じるのです。

 じつは、「fareaster」さんが「マスコミは官庁批判はできないのか?」というタイトルを掲げて、「マスコミの論調もなんか操作されているなぁ、というイメージを抱かざるを得ません」という鋭いツッコミをみせているんですが、マスコミに対する私の問題意識ということで申しますと、情報源に対するスリヨリという点が前々から気になっています。
 わが国のマスコミ記者は、結構多忙で、かわいそうなミッションに駆り立てられています。「スクープ」という名目で、ほとんどの国民にとってはどうでもよいニュースを、正式な記者会見の1~2日前に報道するという、くだらないトクダネ合戦を競い合っているんですね。記者会見の前に報道するということにあまりにも気がいきすぎていて、記者会見の内容が社会に示唆することに対して無頓着だったりします。
 今回の例で言えば、「誰が未納なのか」というトクダネを他社に先駆けて追い駆けることに夢中になって、「年金問題において、未納にどういう意味があるのか」ということを掘り下げないという背景には、そういうマスコミ体質の問題が浮かび上がってきているような気がするのです。

 マスコミの問題は、そういうことだけにとどまりません。そういうトクダネ競争に慣れ切ってしまうと、少なからぬ記者たちは情報を持っている官庁や大銀行――本来、マスコミが最も監視しなければならない対象――に対して、気付かぬうちに魂を売り渡してしまうのです。トクダネ情報を取れなくなることを恐れて、官庁批判や大銀行批判をできなくなってしまうわけです。官庁や大銀行は頭が良いので、記者に対して時折トクダネのおこぼれを与えながら、分からぬように情報を操作していきます。その結果、マスコミの論調は、知らぬうちに官庁や大銀行の意向を反映するようになっていくのです。
 「nodaira’s Blog」さんは、「建設的な議論、具体的な提案をするマスコミこそ必要だと思うのですが、今のマスコミにはその能力があるとは思えません。その分、個人レベルで活動している様々な人間がこうして意見を世に問える世の中になったからには、そういった人々の中から次代を担っていく人間が積極的に登用されていく世の中が実現されていけば素晴らしいと思います。政治以外の世界ではそのようなことは当たり前のように起こっているので、政治の世界から有能な人間が流出していくのを防ぐためにも、将来は必然的に外部の人材を積極的に登用していくためのインセンティブを持たせたシステムが必要になるでしょう。小泉内閣はその点でもかなり先進的な取り組みをしていると思います。翻ってマスコミについて考えてみれば、誰もが自由に情報を発信できる以上、報道を行うマスコミという枠にわざわざ嵌りに行く必要性はますます下がっていくと思います」と述べていますが、トクダネに追われることのない「個人レベルで活動している様々な人間がこうして意見を世に問える世の中になった」という環境は、私たちにとって極めて重要な意味を持っていると感じます。

 私は、そういう意味でも、「ブログ」は重要だと考えているのです。
 マスコミを媒介にすることなく、個人が中心となって体外的に情報を発信していくことができる環境が整備されていくことの意義を高く評価しているのです。「クラブキング」さんは「ブログのムーブメントが大衆の力になったのはアメリカ発『9.11テロ』以来。市民権を獲得した第3の大衆メディア、ブログ」と述べておられますが、私は「ブログ」を「市民権を獲得した大衆メディア」にしたいのです。
 ネットワーカーの方々からみれば、「そんなものは、すでにネットの世界で成立しているじゃないか」と言われるかもしれませんが、それは正確な事実ではありません。例えば、「2ちゃんねる」は一種の大衆メディアですが、現時点においては、社会的に「市民権」を得ているわけではないと思います。大衆メディアが本当に力を持つためには、社会的な認知と社会的なステイタスが必要です。そうでなければ、メディアとして社会的に働き掛けることはできません。

 だから、「とりとめもなく日記的雑記」さんに、「木村剛氏のブログは、一庶民として今一番注目しているメディアです」と書いていただいたことに対しては素直に嬉しく思いました。「それにしても、こうやって(細々とですが)書いてみると、ブログってほんと新しいメディアだなと実感します。自分も相手もブログを書いて、自分のブログを背負った上でトラックバックやコメントで対等につながっていく」という指摘もいただいていますが、私も「ブログ」は本当に可能性に溢れた「新しいメディア」だと感じています。
 私は、「週刊!木村剛」を「市民権を獲得した大衆メディア」として、大事に育てていきたいと考えているのです。そこでトップページにも、さりげなく私の気持ちを込めておきました。この間ついに、「気まぐれ?!思考」さんから、「あっ!THE BLOG MEDIAになってる! 今気が付いた! メディアの新しい波ですね」と指摘されましたが、そうなんです、私は「BLOG」を「MEDIA」に育ててみたいのです。

2004 05 26 [01. ブログ万歳ココログ三昧, 08. メディア/広告の将来を占う] | 固定リンク

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http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/oss/20040622/146176/ (要無料登録) http://... 続きを読む

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