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2004.05.12
「月刊!木村剛」が進み始めました
皆さん、こんにちは。木村剛です。「月刊!木村剛」計画は着々と進み始めました。複数の出版社さんから具体的な提案を持ってきていただく段取りになっております。「blogのトラックバックで本を作ろうとされる木村さんや編集者さんもすごいです」と「をとこもすなるblogといふものを」さんがおっしゃっていますが、私は、他の媒体が持っていないブログの生命線は「トラックバックを通じた読者とのコミュニケーションの面白さ」にあるのではないかと思っています。
ですから、「Tinkle-Tinkle」さんが「“月刊!木村剛”は、きっとブログと連動して、双方向参加があってこそ楽しいコミュニケーションをつくっていけるのではと、期待しています」と指摘してくれているように、そして「レビューのとらお」さんが「初心者向けに経営学とか、経済学とかを、トラックバックによるキャッチボールで進めていくような展開だったら、かなり面白い物が出来そうです」と書いてくれているように、さらに「くりおね あくえりあむ」さんが「トラックバックを集めたblog発bookなんてこれはまた面白そうな試みだなー。どんどん新しいものが生まれてきそうで、楽しそう」と期待してくれているように、「月刊!木村剛」では、皆さんからのトラックバックを大々的に取り上げていきたいと私は思っています。
そしてトラックバックをうまく取り上げていくことができれば、「『月刊!木村剛』こりゃ楽しみだっ。ブログとうまく融合しそう」と予感している「高嶺の花にくびったけ!!」さんの希望にも応えられると思いますし、「McDMaster」さんが言っているように、「『月刊!木村剛』にはブロガーという市民の感覚が息づいている」ということを実現できるんだろうと思うんです。
ただし、そのときに考え方を整理しておかなければならないのが、「引用」と「転載」の問題です。「ゴーログ」の売りは「読者からのトラックバックの引用」ですし、先の土曜日にスタートしました「BLOG of the Week」について私は、原則として「(ネット上の)転載」を基本にしたいと思っています。
まず、「引用」と「転載」に関する私の基本的な考え方を以下にお示ししたいと思います。
1. 文章を公にする著者は「引用」されることを拒んではならないというのが、私の基本スタンスです。「引用」を拒めば、コミュニケーションは成立しなくなり、さらに言えば、批判する表現手法も限定されますので、「言論の自由(批判の自由を含む)」を侵害しかねないからです(ただし、「引用」にあたっては、その原典を明示することは当然の義務であり、それを怠った場合は、著作権の侵害にあたります)。したがって、「引用」を拒みたい場合は、文章を公にすべきではないというのが、私のベースとなる考え方です。
2. さらに進んで私は、文章を公にする者は、「引用」されることを望んでいると考えています。なぜなら、不特定多数の人々に対して、自らの文章を開示するのは、自らの意見を見ず知らずの多くの人に読んでもらいたいという衝動の現れであり、賛同していただいて自分の主張を他の人々と共有したいという欲求に基づく著者の行動だと考えるからです。
3. そしてこういう考え方は、感情的にも是認され得るものだと私は考えています。著者にとって、読者からのレスポンスというものは何にも換えられないほどうれしいものです。「週刊!木村剛」における読者からのトラックバックは、私にとって珠玉の宝です。また、私からの「かめはめ波」もブログ先の著者にとって、私と同様、うれしいものであるだろう(そうでない場合もあるかもしれませんが……)と感じています。というのは、ポジティブなコミュニケーションは、楽しい共通体験を生み出すからです。したがって、そういうコミュニケーションの中での「引用」は奨励の対象になってもよい、とすら考えています。友人との会話でも「お前さあ、この間、こんなこと言ってたけど、俺はこう思うんだよね」とか言いますし、会議等では「○○さんは△△という意見だが、私はこうだ」など、コミュニケーションには「引用」が付き物ですよね。
4. 無論、他の方が批判を展開するために「引用」されることもあります。それは、感情的には不快であり、嫌なことではあります。しかし、それは「自らの意見を見ず知らずの多くの人にまで読んでもらいたい」という欲求を貫くためには避けることの出来ない代償であり、「賛同してもらって自分の主張を他人と共有したい」と思うのであれば、批判する方々を説得するためのコミュニケーションも必要となるでしょう。戦争中であっても互いの国の外交官は連絡を取り合うものです。したがって、「引用」はいかなる場合であっても認められるべきであろうと思います(残念ながら、話しても分かってくれない人は沢山いますけれど……)。
5. したがって、世の中の常識としても、「引用」は原則自由であり、それに対する承認や対価が必要だということにはなっていません。もしも、批判するための「引用」に著者の承認が必要になるとすれば、著者はすべからく「引用」を認めないことによって、批判を抑えることができるようになります。また、法外な対価を要求することにより、批判を封じ込めることにも成功するかもしれません(ちなみに、私はプロの書き手ですが、「引用」による原稿料をもらったことはありません)。繰り返しになりますが、「引用」においては原典を明示することが不可欠です。そうしないと、「盗用」になります。
6. ただし、「転載」については、原則的に著者による承認と対価が必要です。転載というのは、基本的に著者が何ら付加価値を付与することなく、他の著者の文章全体を「引用」することを指しますが、特に他の著者の文章を「転載」するだけで、濡れ手で粟の利益を得ようとする行為は、明らかな著作権の侵害になります。
7. ここで悩ましいのは、ネット上における「リンク」と「転載」の違いです。おそらく「リンク」というのは、出版物で言えば、「○○参照のこと」という参照文献の明示ということにあたるのでしょうが、ネットの場合ワンクリックでそこに飛んでいくことができてしまいます。つまり、現実的には「転載」していることと同じ行為(「転載」≒「リンク」)なんです。しかも、無料で誰にでも開放されているのですから、ある意味で「ネット上における無料による無断転載」を認めているということでもあるのです。しかし、ネット上において「リンク」を認めないなどというルールを導入すれば、ネットの魅力は半減してしまうでしょうし、「リンク」を拒むのであれば、「閲覧を限定したクローズドのサイトにすべき」ということにもなるでしょう。
8. つまり、「リンク」を否定すれば、ネット上の有効なコミュニケーションが閉ざされるという意味で、「リンク」は「引用」に近い性質を持っているのです(「リンク」≒「引用」)。そこで、「リンク」に関して申し上げれば、「引用」について述べたのと同様、ネット上に文章を公にする著者は「リンク」されることを拒んではならないというのが、私の基本スタンスになります。「リンク」を拒めば、コミュニケーションは成立しなくなり、さらに言えば、批判する表現手法も限定されるので、「言論の自由(批判の自由を含む)」を侵害しかねないからです(もっとも、「リンク」の場合は、必然的にその原典を明示することになります。これは良いことですね)。もしも、「リンク」を拒みたいのであれば、文章をネット上に公開すべきではないということになるでしょう。
9. さて、そこで悩ましくなってくるのが、「リンク」と「転載」の扱い方です。先ほど申し述べたとおり、「転載」≒「リンク」ですから、上記の論理が援用できるならば、ネット上に文章を公にする著者は「転載」されることを拒んではならないという理屈になってきます。無論、その場合は、原典を明示し、しかも原典に「リンク」を張るということが大前提になるとは思いますが、どこまで「転載」の自由を認めるべきかという新しい問題が惹起されてくるのです。つまり、「転載」≒「リンク」≒「引用」なんですが、「転載」≠「引用」だという連立方程式を解かなければならないのです。
10. そして、文章表現上、「リンク」という形態よりも、「転載」に近い「全文引用」の方が、読者にとって読みやすく理解されやすいケースが少なからずありますし、クリックしないで紹介文とともにとおしで一目で読める方が読者にとって親切であるという場合があります。例えば、「週刊!木村剛」の例で申し上げれば、ゴーログ「『かめはめ波』とは何か?」における「ひとこと」さんのケースがそれに当たりますし、今月からスタートする「BLOG of the Week」もそういうコンセプトでとりあえず運営してみたいと思っています。つまり私は、条件付きながら、ネット上においては、「転載」≒「リンク」≒「引用」という考え方でしばらく走ってみたいと考えているのです。
11. そこで、その「条件付き」とは何か、ということになるのですが、この問題に関する、私の現時点における暫定的な考え方は、
① 原典が、無料で不特定多数に制限なく開示されているネット上の文章であり、
② その原典を明示し、「リンク」が明示的に張ってある場合であって、
③ その文章をネット上で無料で不特定多数に対して制限なく開示している場合
には、「(全文引用に近い)転載」を認める、というものです。
上記の考え方は、今後の「週刊!木村剛」の運用において、重要な影響を及ぼしますし、私自身、これで正しいのかどうか考えあぐねている面が全くないわけではありません。また、今後具体的な詰めのプロセスに入る「月刊!木村剛」の作成にも多大な影響を及ぼすと思いますので、是非、皆さんの意見をトラックバックでドシドシお寄せください。
元来、コミュニケーションというのは簡単なようで難しいものです。軽いノリで書いた文章が無意識のうちに著者の感情を傷つけてしまうこともありますし(「カトラー」さん、御免なさい~ ^^;)、「まーねこのひとりごと」さんからは「トラックバックの一部だけをつまみ食い、抜書きして、ミスリーディングなコメントを付けないよう、注意していただきたいと思います」と厳重注意されてしまいました(大汗タラタラ)。
しかし、冒頭で述べたように私は、他の媒体が持っていないブログの生命線は「トラックバックを通じた読者とのコミュニケーションの面白さ」にあると思っていますので、今後も皆さまから厳しいお叱りを受けながらも、「引用」や「転載」をドンドン続けていきたいと思っているのです。そのプロセスの中で、私にミスがあれば、皆さんはすかさずトラックバックで意見を表明できるし、それに対して私も速やかに修正コメントが出せる――それこそがブログの素晴らしいところなんじゃないかと思うのです。
以上のようなことを頭の中で考えながら、私が「月刊!木村剛」に関して、出版社にお願いしているのは、以下のようなことです。
・ 月刊か、隔月刊、もしくは季刊で、定期的な刊行物にしたい。
・ 特集テーマ(例えば、年金問題)を持つ雑誌的な体裁にした本にしたい。
・ ゴーログで「引用」したトラックバックの原典をなるべく多く「転載」したい。
・ 読者とのコミュニケーションが浮かび上がるような同人誌的なフレーバーにしたい。
・ さはさりながら、「週刊!木村剛」を知らない読者でも楽しめる読み物にしたい。
もっとも、「McDMaster」さんがいみじくも指摘しているように、「木村剛とブロガーの単なる鼎談集となってしまってはいけないわけで、読者に対し知的刺激をもたらすものでなければなりません」というのは私もプロとして痛感しています。単純にブログを本にすれば売れるなどという甘いマーケットはどこにもありません。プロは売ってみせて、ビジネスとして成立させて、それでナンボの世界です。
皆さんのニーズを出来る限り反映させた面白いものを創りたいと思っていますので、それに関するご意見もドシドシトラックバックしてください。お待ちしております。ちなみに、「コンサル会社のペーペーの思い付きコラム」さんからは、「オイラは過去未来いついかなる時も『週刊!木村剛』に引用された部分についてブログ著作権を主張しません。印税も」というありがたいお言葉をいただいておりますが、そういう点についてもご意見をいただけると幸いです。
2004 05 12 [01. ブログ万歳ココログ三昧, 08. メディア/広告の将来を占う] | 固定リンク
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木村さん、引用しすぎの予感・・・。
puu様(このエントリーに頂いたコメントより 続きを読む
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逃げてはいけない。というよりは、まさにそれだというところだろう。現実に戻されたというべきかするべきことへ戻されたというべきか。 そんな個人的なことはどうでもよい... 続きを読む
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「月刊!木村剛」が進み始めましたへのコメントです。
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http://... 続きを読む
受信 2004/05/12 11:54:49
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受信 2004/06/07 20:40:26
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受信 2004/10/02 22:08:46
» 木村剛「転載こそネット流」理論は完全に破綻――隠された「安倍ぬすみ主義ジャイアニズム」 [絵文録ことのは から]
だから、そういう書き方がいやらしいと言ってるんですよ、木村剛さん。 週刊!木村剛 powered by ココログ: 「引用」は「リンク」に対する冒涜なのか?... 続きを読む
受信 2004/12/23 20:56:17
» と書いたところで [nakmblog から]
週刊!木村剛 powered by ココログ: 「月刊!木村剛」が進み始めました
kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2... 続きを読む
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