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2004.05.21
デフレ論者は何処に消えた?[コラム]
皆さん、こんにちは。木村剛です。本日金曜日はコラムの日。久し振りに景気の話を書いてみようと思います。
< 2004年度の成長率2.7%に・NEEDS予測(NIKKEI NET)>http://www.nikkei.co.jp/keiki/gdp/
内閣府が18日に発表した平成16年1〜3月期の国内総生産(GDP)速報は、実質で1.4%増(年率換算5.6%増)と予想以上の高成長を示した。回復の動きは製造業から非製造業・中小企業にも広がってきている。GDP統計上も、輸出と設備投資という二つのエンジンを起点とする回復が家計へと波及しつつあることをうかがわせた。平成15年度で言えば、実質ベースで3.2%の高成長。名目ベースでも0.7%のプラス成長となっている。
ここまで証拠がそろうと、さすがに、景気が改善していることについて、誰も異論を挟めなくなる。「こんな時期に不良債権処理を進めたら、デットデフレーションが悪化して日本経済は滅茶苦茶になる」と言い張っていたデフレ論者たちはどこへ雲隠れしたのやら。遅々とした歩みではあったが、竹中平蔵金融相は不良債権処理を進めてきた。それでデットデフレーションは生じただろうか——答えは「ノー」である。
それどころか、整理再編の進んだ業界では、値上げのタイミングを虎視眈々と狙っている。鉄鋼・非鉄しかり、化学しかり、値段の叩き合いで知られた製紙業界ですら値上げの構えだ。「デフレは一世紀続く」などと構造デフレを唱えた向きもいたが、世界中に蔓延した過剰流動性の下での「デフレらしき現象」は、需要増による価格上昇圧力に極めて脆弱であることを衆目の面前で明らかにしつつある。
実際、国際的な素材価格や商品市況をみると、世界的な景気回復傾向や中国等の旺盛な需要を背景に高騰している。値上がり記事を検索するだけでも、石炭、鉄鉱石、マグネシウム地金、棒鋼、鋼板、構造用鋼、H型鋼、熱延鋼板、クロム系ステンレス鋼板、ロックウール、ヒューム管、コンクリートパイル、丸くぎ、針金、アルミ圧延品加工賃、鉄骨加工賃、ベンゼン、スチレンモノマー、工業用アンモニア、酢酸、アクリル短繊維、ポリエチレン、ポリエステル不織布、ポリエステルフィルム、クラフトパルプ、ヒマシ油、食用油、DRAM、NAND型フラッシュメモリー、ニッケル系リードフレーム、液晶パネル、リチウムイオン電池、自動車用電池などゾロゾロ出てくるご時世だ。
私は、2月13日の「デフレの終わりは始まったか?」と題した「週刊!木村剛」のコラムにおいて、「『デフレの終わりの始まり』の兆しが見えつつあるのではないだろうか」と指摘し、「今年後半にかけて、デフレのトレンドが終焉した時のリスクについて真剣に考えなければならないのかもしれない」と記しておいたが、FRB(米連邦準備銀行)のグリーンスパン議長ですら、4月20日に「デフレの脅威はもはや問題ではない」と断言して、「物価安→金利安」から「物価高→金利高」へと時代が転換しつつあることを示唆するようになった。
実際、「デフレ」という言葉はとんと聞かれなくなった。それどころか、「インフレ」という忘れかけた単語さえ目に付くようになった。一時期一世を風靡したデフレ論者たちは、公的年金の未納問題で世の中がテンヤワンヤの状態であることを良いことにダンマリを決め込んでいる。
「デフレスパイラルになって、日本経済は底割れする」とか、「デフレが治癒されない間は、不良債権問題が解決することはない」とか、「インフレターゲットなどの非伝統的な政策を実施しない限り、景気は上向かない」とか、「こんなことすら分からないヤツは、経済学を一から学び直したほうがいい」などという勇ましい主張をしていたエコノミストたちは一体全体何処に行ってしまったのだろうか?
2004 05 21 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク
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