« ネガティブ・バトルからポジティブ・コミュニケーションへ | トップページ | 世の中にうまい話はない »

2004.06.29

厚生労働省に対して情報公開請求第2弾を発射しました!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。先週金曜日に厚生労働省から4991枚の資料をいただいてまいりました。TV東京が夕方のニュースとワールドビジネスサテライトにおいて採り上げてくれましたが、ご覧になった方はいらっしゃったでしょうか。今週発売されるある週刊誌にも記事が掲載される予定ですので少々お待ちください。「HPO」さんからは「既存のメディアを巻き込んだブログの広報活動が注目されることになるだろう」というご示唆をいただいておりますので、今後ともあらゆる形のメディアミックスを考えていきたいと思います。

 それにしても、4991枚――予想通りやってくれました。単なるコンピュータからのアウトプットの山をくれただけですから、推理小説のように内容をひとつひとつ探り当てていかなければなりません。こりゃあ、やっぱり「単なる嫌がらせ」(by「I will work it out」さん)なんでしょうかネェ。この4991枚の現物については、「行政文書開示請求書」や「行政文書開示決定書」とともに、7月26日の公開討論会において展示し、皆さまにご一覧していただいて「国家公務員の対応のあり方」について考えていただきたいと思っておりますので、是非、仕事後にお立ち寄りくださいませ。この公開討論会につきまして、ご参加を希望される方は会場の設定の都合や当日参加者の確認が必要になりますので、氏名をご記入の上、メール(obanan@kfikk.co.jp)でお申込みいただけましたら幸いです。また大変申し訳ありませんが、会場費がかかることもあり、参加費3,000円を当日頂きたく存じます。

 でも、ここでメゲテはいけません。
 そんなことは百も承知で、お役所も私もお互いに計算のうちなのですから。
 そこで昨日、私は、情報公開請求の第2弾を厚生労働省に打ち込んできました。今回開示された4991枚は「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラム」なのですが、次なる開示対象は、今回開示された「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラムに関して説明している内部資料のすべて」です。
 これは極めて重要な文書です。
 なぜならば、厚生労働省は「組織として正式な手続き」を経て、「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラム」に基づき、各種の試算を公表しているはずだからです。まさか、専門家と称される人々に「やり方はまかせるから、適当にやってよ」なんていういい加減な指示を下しているはずがありません。
 そりゃあそうでしょう。百兆円単位の負担を国民に課す年金改革を断行しようとしているんですよ。厚生労働省という立派な組織として、百兆円単位の決断をしようとするときに、その上層部が具体的な中身を理解せずに下の人間に適当にやらせているなんて考えられないじゃないですか。少なくとも、
(1)入力データの出所
(2)入力データが持つ限界と問題点
(3)プログラムの基本的考え方
(4)プログラムが持つ限界と問題点
(5)入力データとプログラムの正当性に関する第三者によるチェック、
に関して、厚生労働省の上層部は、省内の専門家から書面による懇切丁寧な説明を受けているはずだし、その書面は普通の人が読んでも(専門家であればなおさら)分かる程度の内容になっているはずです。
 もしも、そういう文書がなかったら大騒動です。だって、厚生労働省の上層部は、そのデータやプログラムに大きな欠陥があるかもしれないのに、チェックも何もしないで、百兆円単位の負担をもたらす法改正を私たち国民に課そうとしたことになるんですよ。民間企業であれば、完全に「善意なる管理者としての注意義務」に違反したということで株主代表訴訟になるケースです。
 完全無欠を誇る霞ヶ関のお役人がそんないい加減なことをしているはずがない――と私はとりあえず信じております。そういう説明文書は必ず作成されているはずだし、然るべき上層部においてしっかりとチェックし、組織としての決断をくだしているはずです。まさか、専門家がブラックボックスの中から取り出してきた試算結果を鵜呑みにして、大臣や国会などに報告しておけばいいなどと思っていたはずがありませんから。
 「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラムに関して説明している内部資料のすべて」が公表されれば、「McDMaster」さん率いる「公的年金タスクフォース」の作業も数倍はかどるに違いありません。じつは、この第2弾の情報公開請求が重要なのです。

 そこで私は、再び、情報公開法(正確には「行政の保有する情報の公開に関する法律」第4条第1項の規定)に基づき、「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラムに関して説明している内部資料のすべて」を開示するように、坂口力厚生労働大臣に対して「行政文書開示請求書」を提出してきました。
 情報公開法によれば、厚生労働省は1ヵ月後までに公表する(開示)か、公表できない理由を明らかにしなければなりません(不開示)。情報公開しないのであれば、「情報を公開しないにもかかわらず、年金給付を減額して、保険料を引き上げようとしている」ということが国民の眼前に明らかになるでしょう。
 もしも、厚生労働省が「不開示」の決定をした場合には、行政不服審査法第6条の規定に基づき、異議申立て(=不服申立て)を行ないます。不服申立てというのは、開示請求をしたのに不開示決定を受けた場合に、行政機関の長などに対して不開示決定の取り消しを要求することを言います。要するに、不服申立てとは、「インチキしないで出せ!」という国民の権利を保障した法律なのです。
 不服申立てを受けた行政機関の長は、原則として情報公開審査会に諮問し、その答申を受けて不服申立てに対する結論を出すことになります。不服申立人(本件の場合、私)は、情報公開審査会に対して意見書を提出したり、口頭で意見を述べることができます。
 その間、厚生労働省の対応については、克明に「週刊!木村剛」にアップしていくつもりです。地道ですが、そういう手続きを着実にこなしていくことによって、厚生労働省を信用してよいか否かが、多くの国民にとって明らかになってくるはずです。もしも、厚生労働省が自らの正当性を主張したいのであれば、きっと7月26日の公開討論会以前に開示してくれることでしょう。楽しみに待ちたいものです。

 「ミズタマのチチ」さんのお声掛けでカンパも始めていただいていますし、「Takezo’s BLOG」さんからも、「いやー、世の中、捨てたものではないですね、考えている人は、考えて行動して、結果を出そうとしている」と応援していただいているので、ここは頑張りどころです。一橋大学の高山憲之先生を招いてのキックオフミーティングは、7月14日を予定しています。
 「McDMaster」さんによれば、「公的年金タスクフォース」は7月7日にプレキックオフ・ミーティングを開催するのだとか。この流れが何らかのうねりを産みだして、公的年金改革を幾ばくかでも改善の方向に進めることが出来たら、と思います。
 「takka BLOG」さんが「僕たちは、情報収集能力と分析能力を大きく試されているようです。『みんなブログで自己防衛!』そんなスローガンを掲げて、ブログ間で交流を深めていくことが大事かもしれないですね」と述べていますが、「公的年金タスクフォース」の皆さん、かなり大変な作業になると思いますが、本業に支障をきたさないように最大限の注意を払いながら、よろしくご協力のほどをお願いいたします。
 「電脳東京」さんは、「財政・年金改革も手段であって目的ではない。木村剛氏も珠丸もたじろぐ5000枚近い開示情報の処理も貴い作業だが、目的は、将来に夢を持てる国家作りのはずだ。その手段として機能不全を起こしている官僚機構の糾弾も時には大いに意味があることなのだと思っている」と見事に喝破していらっしゃいますが、私たちが出来ることは、出来ることから着実に積み上げていくことしかありません。
 本当は、「ゴーン社長の様な人が国の改革に」(by「8 count」さん)と心底思うのですが、「民主主義のレベルはその国の国民のレベルが決める」という昔からの箴言は厳しい現実を見事に言い尽くしてくれています。政治家の資質を批判したところで、その政治家を支持している私たち国民に批判の矢は向かってくるだけ。「いけいけどんどん」さんからも、「木村剛さんのゴーログなども、これからもますます興味深い試みを続けられるはずなので楽しみな限りです」と激励をいただきましたので、皆さまからのサポートが続く限り頑張ってみましょう。ご興味のある方は「公的年金タスクフォース」にご参加ください。


2004 06 29 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15160/853949

この記事へのトラックバック一覧です: 厚生労働省に対して情報公開請求第2弾を発射しました!:

» 4991枚の山をこえて:タスクフォースへのエール [*nisshi.jp から]
厚生労働省に対して情報公開請求第2弾を発射しました!(週刊!木村剛) 4991枚の資料を受け取ってきたとのことです。少し前からこの4991枚という数字は何度も出... 続きを読む

受信 2004/06/29 10:22:45

» 開示資料のPDF化 [ネットde監視、地方議会 から]
木村剛さんが情報公開第2弾を発射されたようだが、厚生省の糾弾には興味が無い。 ただひたすらに年金制度の将来見通しを理解し、できれば新たなる提言が出来れば最高だと... 続きを読む

受信 2004/06/29 10:37:18

» 年金オープン・プロジェクト進展!【Updated】 [McDMaster's Weblog から]
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2004/06/post_13.html 私が以前のエントリで立ち... 続きを読む

受信 2004/06/29 10:57:27

» いよいよ第2弾が! [Hiroetteのブログ から]
われらがキムタケさんが公的年金改革に対して情報公開請求第2弾を発射したそうです。 これが、予告されていた第2段だったんですね。もう、すご過ぎる。お手並みが... 続きを読む

受信 2004/06/29 14:26:08

» ブロガーの部分集合 [笑わせんなヴォケが! から]
 昨日の投稿で“情報発信拠点の部分集合”という考え方を指摘したら・・・  「blog連携型の用語集DBについて」  … 続きを読む

受信 2004/06/29 19:08:21

» ポジティブ・コミュニケーションでしょ [知と人の未来へ から]
木村剛が息巻いている。 彼が年金問題に関連して再び情報公開請求を行った。(2004.06.29厚生労働省に対して情報公開請求第2弾を発射しました!) ... 続きを読む

受信 2004/06/29 19:51:02

» 『さてと』 [チップを弾むから勇気を分けてくれないか から]
 今日は『厚生労働省に対して情報公開請求第2弾を発射しました!』ということで。 少々辛辣な表現でお役所のお偉方について言及されてますね。 以下引用。 なぜ... 続きを読む

受信 2004/06/29 20:15:59

» ダンプリスト?が公開資料?? [Takezo's BLOG から]
4991枚のダンプリスト?が「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラム」の情報公開請求に対する回答とは、 実物のリストを見ていないので何とも言え... 続きを読む

受信 2004/06/29 22:04:24

» ダンプリスト?が公開資料?? [Takezo's BLOG から]
4991枚のダンプリスト?が「平成16年の財政再計算に用いた入力データおよびプログラム」の情報公開請求に対する回答とは、 実物のリストを見ていないので何とも言え... 続きを読む

受信 2004/06/29 22:11:08

» 役所の意思決定プロセス [fareaster から]
大げさなタイトルですが、2004/6/29の週刊!木村 剛「厚生労働省に対して情 続きを読む

受信 2004/06/29 22:45:04

» 国家権力と戦うリスク [c572 blog から]
ゴー様が情報公開請求第2弾を発射。 ますます、おもしろくなってきましたが、ここで 続きを読む

受信 2004/06/30 1:09:59

» 電子データをよこせ、と言われても・・・ [まーねこのひとりごと から]
おそらく、どういうフォーマットでだせばいいのか分からなかったのだと思います。一番 続きを読む

受信 2004/06/30 1:52:40

» [経済]何か引っかかる [おたくなばくちうちの日記(仮) から]
最近追っかけている木村剛さんの公的年金データの話であるが、 今度は説明資料を請求したらしい。 まぁ、「お役所」の意志決定プロセスをたどる上で重要な請求ではあるの... 続きを読む

受信 2004/06/30 2:02:14

» お役人の壁 [周辺領域・別館 から]
この記事は以下の記事にトラックバックしたものです 厚生労働省に対して情報公開請求 続きを読む

受信 2004/06/30 2:50:00

» デジタルデータでの公開について [くびったけじゃないもん! から]
ネットde監視、地方議会さんが、週刊!木村剛のタスクフォースで公開された資料を見てきたそうで、エントリ読んでやはり問題だと思いました。 プログラムがありました。... 続きを読む

受信 2004/06/30 2:57:30

» ≪4991事件≫は自民党の指示で行われたのか? [くびったけじゃないもん! から]
木村剛の公的年金に関する情報開示に対して、わざわざ4991枚の紙で交付されたのはやはり事件といえる。 『データとプログラムを紙で交付するのはよいが、CD-ROM... 続きを読む

受信 2004/06/30 4:02:05

» 『もう7月ですね。』 [チップを弾むから勇気を分けてくれないか から]
 今日はもう6月30日。 早いモンで明日から7月1日です、ってことなんですが。  明日7月1日から7月12日までの間に社会保険の算定基礎届の提出期間とな... 続きを読む

受信 2004/06/30 14:25:39

» 生データの正体 [Hiroetteのブログ から]
キムタケさんの情報開示請求における公的年金タスクフォース、昨日はメンバーの方々がキムタケさんの会社Kfiにうかがって、当該文書を実際に見るのと、これからのデータ... 続きを読む

受信 2004/06/30 15:19:59

» 公開と説明の間にある、深い溝 [ミズタマのチチ から]
昨晩遅くにKFiさんにお邪魔し、「厚生労働省から受け取った物体」を見てきました。 突然ですが、皆さんは映画「マトリックス」はご覧になりましたか? あのな... 続きを読む

受信 2004/06/30 17:32:11

» 「負け犬の遠吠え」 [HPO:個人的な意見 ココログ版 から]
がらにもなく、「負け犬の遠吠え」について書く。実は、まだ酒井順子さんのこの本をまだ読んでいない。だから、正確に言えば、これから書くことは瀬戸智子さんの記事を読ん... 続きを読む

受信 2004/06/30 22:55:46

» 「予測」に「幅」 [Ne.'s BLOG 「酔月庵」 から]
 ついに、週間!木村剛に厚生労働省に対する情報公開請求による4991枚の資料入手後のお話が、 厚生労働省に対して情報公開請求第2弾を発射しました!に発表されまし... 続きを読む

受信 2004/07/01 2:18:58

» またクソ選挙があるのか [gomashio.jp -- ごましお.jp ごまと塩を混ぜたようなとりとめのないblog から]
@選挙ポスターの顔写真、鼻穴に画びょう 調べでは、高橋容疑者は29日午後11時すぎ、同市内の参院群馬選挙区のポスター掲示板で、顔写真の鼻の穴に画びょうを突き刺し... 続きを読む

受信 2004/07/01 3:00:32

» しばくぞ渋谷 [電脳東京 から]
改革を標榜する内閣になってからか、 道路工事が年度末だけに集中しなくなった。 年度末の予算消化工事なんてものは、誰も知ってはいるが、 期中に政策変更、予算縮... 続きを読む

受信 2004/07/01 8:41:33

» 公的年金・公的保険制度を考える [たんぽぽな時間 から]
日本の社会保障制度は障害者も高齢者も、年金という名の現金給付と保険(支援費)という名の現物給付の2本立てである。保障をする仕組み(誰が負担するか)という面におい... 続きを読む

受信 2004/07/01 23:44:14

» 変わらなきゃと思っているようで変わる気がない人達 [うぇブログ - inamoriさんのブログ - FOR MY ALL LOVES から]
「 [url=http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/]週刊!木村剛 」で行われている「公的年金タスク... 続きを読む

受信 2004/07/02 12:57:18

» 未成年模擬参議院選挙投票 [英国留学日記 から]
現在、若者たちの政策メディア「seiron(政論)」では、NPO法人ライツとNPO法人G-netと提携して「未成年模擬参議院選挙投票」を行っています。 こ... 続きを読む

受信 2004/07/03 8:41:37

» 今回の参院選の争点は? [アホが見ーるーブタのケーツー から]
選挙は大事なのだ。国民が国の方向性を直接決める事ができる唯一の手段なのだ。しかしここまでマスコミが争点をオブラートに包んでしまっている選挙も珍しくないか? イ... 続きを読む

受信 2004/07/03 17:10:23