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2004.08.27
資格取得は「必勝の方程式」か? [コラム]
皆さん、こんにちは。木村剛です。金曜日のコラムの日がやってまいりました。少子化ということが叫ばれて久しいですが、少子化の進展を受けて、学生を受け入れる大学も、受験者数の減少による定員割れという深刻な事態に苦しんでいます。こうした状況の中で、大学も生き残りをかけて様々な施策を打ち出しているようです。今、大学で、一体何が起きているのでしょうか?
< 平成16(2004)年度 私立大学・私立短期大学入学志願動向(速報) >
「定員割れ」背景に就職予備校化する大学
日本私立学校振興・共済事業団が公表している「平成16(2004)年度 私立大学・私立短期大学入学志願動向(速報)」によると、入学定員充足率(=入学者÷入学定員)は著しく悪化している。入学定員充足率が100%未満となる、いわゆる「定員割れ」の私立大学の割合は、平成元年度の3.9%から平成16年度には29.1%にまで増加。私立短期大学においても、「定員割れ」を起こしている大学の割合は、平成元年度の6.7%から平成16年度には41.0%へ跳ね上がっている。
社会保障・人口問題研究所が推計する「男女年齢別人口」では、2000年の18歳人口が男77万3千人、女73万8千人であるのに対して、2020年には男60万5千人、女57万2千人にまで減少する見込みとされているが、収入の源泉である受験者数の趨勢的な減少が予想されるなかで、とくに私立大学の経営は深刻な事態に直面しているようだ。
こうした中で、大学側も学生確保に向けて躍起となっており、学生確保のための動きの一環として、卒業生の就職率向上を目指す取り組みも進められている。
大学の変革に熱心と言われる立命館大学では、学生の卒業後の進路に関する「キャリア形成プログラム」を提供。このプログラムは、とくに大学一年生からの取り組みを重視しており、進路・就職への意識づけから具体的なキャリアデザインの形成まで、段階的に進んでいく内容となっている。1年生からキャリア形成について考えるためのプログラムでは、大学4年間の過ごし方といったテーマからはじまり、勉強と仕事との関係、さまざまな職業の概要、またスキルアップに直結する学習プログラムの紹介等を行なっている。
2年生以降は、「ベーシック就職支援プログラム」、「女子学生支援プログラム」などに加えて、企業や行政機関などの実務を経験して学びに生かす「インターンシップ・プログラム」も用意されている。2003年度の「インターンシップ・プログラム」では、1,000名を超える学生が、伊藤忠商事、産經新聞社、オリックス、東京電力、日本たばこ産業等の大手企業に派遣され、インターン受け入れ企業は、海外をも含めて今後さらに拡充される予定という。
また、金沢工業大学でも積極的な就職支援活動が行なわれている。同大学の場合、大学の正規カリキュラムに組み込まれた進路教育として、1年生から自己啓発セミナーがあり、3年生になると進路セミナーが用意される。その他、大都市での就職を希望する学生へのサポートとして、毎週、東京・大阪・名古屋へ「就職支援バス」を運行し、合同企業セミナーや会社説明会、会社訪問等の際に学生が活用できるようにしている。
さらに、3年生に対しては、面接への訓練として「模擬面接」が行われるほか、日本を代表する企業の社長や人事担当者、若手起業家などから様々な業種の最新事情、ベンチャー企業の展開などを直接学ぶことができる「シリーズ仕事人」という講演の機会も設けている。さらに、企業データや各種就職情報を豊富に整備し、関東エリアでの就職活動をサポートする「就職プラザin Tokyo」という施設まで設置しているらしい。
大学のフトコロ事情と受験者の進学意識
このように大学側が卒業生の就職実績を上げることに対して必死になっている背景には、いうまでもなく大学の財務状況の悪化という問題がある。
日本私立大学連盟が公表している「加盟大学財務状況の概要」によれば、借入金等を含まない大学部門の収支差額(学生納付金や補助金等の収入から人件費や教育研究経費、管理経費等の支出を控除したもの)は大幅に悪化しているという。具体的に言うと、平成9年度は579億円の赤字にとどまっていたが、平成14年度には1,060億円の赤字と、赤字幅が2倍近くに膨らんでいる。
収入が伸び悩んだ背景には、景気の低迷が長引いた中で、各大学が家計の負担増を回避するため学費の値上げを抑制してきたことや、国や地方公共団体からの補助金の伸び悩んだことがある。一方、支出面では、人件費に関して数年にわたってベースアップを抑制する大学があるなど、一概に増加しているわけではないが、人手不足をアウトソーシングによる対応で賄いきれず残業代が増加してしまうというケースもあるようだ。また、大学の生命線ともいえる教育研究経費は増えつづけており、支出全体でみると、近年は前年度比3%程度のコンスタントな増加が持続している。
前述の立命館大学や金沢工業大学の取り組みは、受験者数の増加や学費の値上げが見込めず収入の急速な増加が想定しがたい半面、支出の抜本的な抑制も難しい中で、限られた受験者に自分の大学に入学してもらうよう、いかに就職率を向上させるかといういことにスポットを当てたものと考えられよう。
その一方で、大学を選択する側の受験者の意識はどうであろうか?
電通が行なった「受験生の大学進学に関する意識調査」という調査結果がある。この調査によると、「会社や社会に対する意識」という調査項目では、「自分のやりたい事を優先して会社を選びたい」(90.3%)に次いで、「資格・免許を取るなど専門知識を身につけたい」(88.7%)となっている。また、「大学を選択する時の重視点」として、「自分の学びたいことができる大学」(94.8%)、「将来就きたい知識や技術が身につく大学」(88.3%)「自分が学びたい分野の評価が高い」(80.7%)、「将来就きたい職業に必要な資格や免許が取得できる大学」(79.5%)という回答が多くなっており、「就職率が高い大学」(61.0%)、「就職指導が充実している大学」(57.8%)といった回答は必ずしも上位にあるわけではない。
「必勝の方程式」など最早存在しない
この調査回答で気になるのは、大学進学に関する意識について、「資格や免許」取得に関連する回答が多いことだ。とくに医・歯・薬・看護・社会福祉系の資格が取得できる大学が人気らしい。大学の方もそれを売りに、受験生を集めようとしている傾向がある。
しかし今後の日本において、「資格や免許」は自分の将来を保証してくれるものなのだろうか?社会の変動とともに日本の社会では、そこに入れば将来が保証されると考えられていた「必勝の方程式」はことごとく崩壊してきた。昔は、大蔵省に入れば幸せになれると信じていたらスキャンダルが続発し天下りも厳しくなって夢は破れた。そこで大企業なら大丈夫と思っていたらリストラの嵐に巻き込まれ、銀行ならば潰れまいと考えていたら破綻するケースもある。
そして、その後に起こった資格ブームだ。「我が身を守るのは自分しかない」ということに気付き、学生は競い合って「資格」で武装しはじめた。そして、資格という武装は、生活の安定を守ってくれるはずだった。しかし、現実は厳しい。少なからぬ資格取得者は、「資格を取っても仕事がない」という厳しい現状に遭遇して呆然と立ち尽くしているという感じになっている。
一例として挙げれば、わが国には、四大監査法人とよばれる監査法人があるが、どうも、この四大監査法人の業績が急速に悪化しているらしい。2004年3月期の四大法人合計の経常利益は36億円と前期比37%も減っている。2年前と比べると3分の1近くの低水準だ。こういう状況なので、四大監査法人は新規採用に慎重にならざるを得ない。このため、折角難しい公認会計士試験に合格したにもかかわらず、監査法人に就職できないというかわいそうな合格浪人が増えている。
さらに、煽りを食ってしまっているのが資格ビジネスである。一時期、公認会計士試験の受験生でごった返し、「大学よりも資格勉強を」と若者を誘い、わが世の春を謳歌していた資格学校が厳しい経営環境に直面して右往左往している。
資格を持っていれば大丈夫と思っていたのに、資格を取ったところで職は確保されないというのがわが国の現実だ。理系大学院でも「博士号は取ったけれど仕事がない」というポストドクター問題は深刻となっているが、公認会計士というプロの職業でもそのような事態が起こっている。これまでの「必勝の方程式」とは、誰かに頼る、何かに頼るという他人依存型のものであったが、その誰かや何かがコケると必然的に自分もコケざるを得ないという事実がはっきりとしてきた。
大学が受験生誘致に向けて、就職指導を充実させ就職予備校化することは、大学経営という観点からは、ある意味で実践的な対応であろう。しかし、受験生が「将来の保証」を大学に求めようとするのは間違いだと思う。
これからは、大学も会社も政府も自分を守ってくれない。いい大学に入るとか、資格を取るといった一時の栄光が、未来永劫自分を守ってくれるということは最早ない。時代がどう動こうとも、他人に評価される自分たりえるよう不断の努力を行うということしか自分と家族を護る術はない。資格や肩書で飯を食える時代ではなくなった――それが厳しい現実なのである。
2004 08 27 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク
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とっても簡単びっくりするほど成績を上げるだれにも出来ない方法
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・とっても簡単びっくりするほど成績を上げるだれにもできない方法
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受信 2005/08/21 15:51:05















