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2004.08.21

ジャーナリストとブロガーの良い関係 [BLOG of the Week]

 皆さん、こんにちは。木村剛です。毎週土曜日は、トラックバックしていただいた方々を中心に、私が独断と偏見でお気に入りのブログを一つ選んでご紹介する「BLOG of the Week」の日です。第16回「BLOG of the Week」において私が選んだのは、「ネットは新聞を殺すのかblog」さんが書いた「参加型ジャーナリズムの時代」です。

 このブログを主宰している湯川鶴章氏については、「ネットは新聞を殺すのか」(NTT出版)という書籍で知っているだけですが、「カトラー」さんが指摘しているように、これは「ネットとマスコミの関係について少しでも関心のある人間なら、ぜひ読んでおかねばならない本」です。私もご一読をお勧めします。
 それにしても、正直申し上げて、「ネットは新聞を殺すのかblog」さんが書いた「参加型ジャーナリズムの時代」には心から感銘を受けました。現役のジャーナリスト――しかも、ブロガー側ではない立場の方――がここまで正直に自らの想いを公表されることは、これまでも、そして、おそらくこれからもないのではないかと思われるからです。
 しかも、今回ご紹介する文章につきましては、淡々と書き綴っているようにみせながら、プロとしての巧みな筆の冴えを滲ませており、モノ書きとして感服させられました。この文章は「カトラって」いながら自然体です。こういう、さりげなくこじんまりとまとまっている文章というのは、意外に難しいものなんですよね。
 ということで、私は、「ネットは新聞を殺すのかblog」さんが書いた「参加型ジャーナリズムの時代」を一文たりとも削ることができません。そのまま全文を掲載させていただきたいと思います。なお、これに関連して「カトラー」さんが書いている「共同ブログは何故、休止したままなのか?」も名文です。当然「カトラって」ますので是非ご一読を。
 それでは、「ネットは新聞を殺すのかblog」さんが書いた「参加型ジャーナリズムの時代」をお楽しみください。

 「参加型ジャーナリズムの時代」 

 このブログは、参加型ジャーナリズムをテーマにしている。恐らく参加型ジャーナリズムをテーマにした日本で唯一のブログだと思う。このブログでは、わたしが情報を集めてきて、わたしが主張を述べてきた。読者からコメントやトラックバックが寄せられたが、それは新聞の「読者の声」欄のようなものだった。つまりブログという新しいメディアの体裁を取ってはいるが、やっていることは「上から下への情報の一方通行」という従来型メディアとそれほど変わらなかった。 
 しかし今回、共同通信ブログ問題を調べていている中で、分かっていたはずの事実を再認識し愕然とした。 
 それはこのブログの読者の中には、わたしよりも情報収集力、分析力、筆力に勝る人が数多くいるという事実だった。同問題で何が起こったかを時系列に並べてみようと思っていたときに、「Fireside Chat」が一足先に完璧な情報を集めていた。共同編集長の主張とコメントを寄せたユーザーの意見を対比させようと思っていたら、「あざらしサラダ」が既にバランスの取れた議論を行っていた。共同ブログを画期的な試みとして評価する主張を展開しようと思っていたら「カトラー:katolerのマーケティング言論」が、わたしには到底書けそうもない素晴らしい文章を既に書いていた。それでは小池編集長を応援する文章を書こうと考えていたら「週間!木村剛」に完璧な主張を先に書かれてしまった。わたしにできることは、「これらのブログがわたしの書くものより優れているので、そちらを読んでください」と言うことだけだった。 
 これまでの職業人生の中での、初めての経験だった。 
 この経験はわたしの中に2つの感情を呼び起こした。 
 1つは、敗北感である。商業ジャーナリズムに身を置く自分が、報道を生業とする自分が、ブロガーに勝てなかったのだ。非常に残念ではあるが、どうしようもない事実である。 
 もう1つの感情は、希望である。ジャーナリズムがまさにこれから変わろうとしているという実感である。報道機関の入社試験にたまたま受かった者だけがジャーナリストになれるという、これまでの閉鎖的なジャーナリズムはやがて幕を閉じる。一般市民を巻き込んだ参加型ジャーナリズムの時代が今まさに来ようとしている。商業ジャーナリズムは市民ジャーナリズムという助っ人を得ることになる。インターネットは決してジャーナリズムの敵ではない。ネットは、ジャーナリズムにとっても、民主主義にとっても、心強い味方になり得るのだ。

(追伸)「ネットは新聞を殺すのかblog」さん、「週刊!木村剛」の「トラックバックの留意点」に明記してあるルールに基づき、リンクし、トラックバックした上で、全文を掲載させていただいておりますが、問題がある場合はご連絡ください。

2004 08 21 [22. BLOG of the Week] | 固定リンク

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