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2004.10.11
[フィナンシャルi] 日銀金融政策 出口見えるか
日本の景気回復の持続力に関して、市場が揺れている。一日に発表された九月の日銀短観(企業短期経済観測調査)では、大企業製造業の業況判断DIがプラス二六と六期連続の改善となった。しかし足元、株価は低迷し、長期金利も低下傾向が続いている。
この背景には、市場における「景気が変調をきたしている」との思惑がある。このような状況の下で、金融政策における「出口論議」も今年前半と比べて下火となりつつある。
実際、同じく一日に発表された八月の消費者物価(生鮮食品を除く総合指数)は、前年同月比〇.二%と前年水準を下回り、年初来、前年同月比横ばい、または小幅の下落が続いている。
原油価格の高騰や原材料価格の上昇などを受けて、「川上」の国内企業物価の上昇率が高まっているが、その影響は今のところ「川下」の消費者物価には波及しておらず、「緩やかなデフレ」状態が持続している。
金融政策の変更は、中央銀行が景気や物価の動きを総合的に判断した上で行われる。しかし、日銀は二〇〇一年三月に、デフレ経済に対処するため、思い切った金融緩和に踏み切ることが必要と判断。ゼロ金利政策を「消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続する」という異例な措置を講じている。
福井俊彦総裁は、「出口政策はそんなに至近距離で考えていない、かなり遠い先の話」と強調する。二〇〇五年三月限月の円金利先物(三ヵ月物)の金利は〇・一%強と、来年三月時点でも短期金利が現行水準程度にとどまる可能性を示している。
ただし、今年に入ってからの市場における景況感は、過度に楽観に触れた感も否めない。四-六月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比年率一・三%にとどまったが、これには、中国の需要に伴う鉄鋼業の復権やアテネ五輪を控えた新三種の神器(デジタルカメラ、DVDレコーダー、薄型テレビ)人気などを背景にした、昨年十~十二月期(同七・六%)および一~三月期(同六・四%)の高すぎた成長の反動という面もある。
多くのエコノミストは景気がデフレを脱却しうる力を維持できるかという点に確信が持てないでいるが、堅調な個人消費や設備投資の推移をみれば、四~六月期のGDPをもって景気が減速局面に入ったとみるのは早計かもしれない。
問題は、景気回復が確実となったときに何が起こるかにある。先進各国において最悪の状態にある日本の財政赤字の現状を見れば、景気が回復するなかで長期金利が自然な水準以上に跳ね上がるリスクは常に存在する。
景気回復自体は望ましいことであるが、原油や原材料価格の上昇が、今後「緩やかなデフレ」に終止符を打つ可能性がある。デフレからの脱却が見え隠れする一方で、長期的な財政赤字削減の処方箋が見えない現状において、日本銀行にとっての新たな試練がこれから始まる。
(追伸)「週刊!木村剛」は、10月21日創刊の総合ビジネス誌「フィナンシャルジャパン」(年間購読はココ)および「フジサンケイビジネスアイ」(購読希望はココ)とメディア・コラボレーションしています。本日の記事は、「フジサンケイビジネスアイ」に10月4日に掲載したものです。
2004 10 11 [14. フィナンシャルi ] | 固定リンク
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