« [トラックバックランキング] あざらしサラダのジャーナリズム論 | トップページ | ブログに文句つける前にマスコミの方を矯正してほしい »
2004.11.01
[フィナンシャルi] UFJ統合劇に見る「真の資本主義」の胎動
最近、「敵対的買収」という言葉をよく聞く。敵対的買収とは、上場企業の株式を、その企業の経営陣の同意を得ずに、市場において買い集めることによって取得することを指す。元々アメリカにおいてよく行われてきた手法だが、わが国の企業買収においても、敵対的買収と呼べるケースが見受けられるようになり、企業の関心も高まっている。いる。経済産業省の研究会「企業価値研究会」においても、敵対的M&Aに関する実態調査が進められている。
金融界においても、三菱東京フィナンシャル・グループ(MTFG)とUFJグループの経営統合に絡んで、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)がUFJグループに対して敵対的買収の検討を表明している。SMFGは、八月六日に「経営統合に対するご提案」をUFJグループに送付し、同月二十四日には「一対一の対等統合比率」を提案した。九月二十四日には、この統合比率の有効期限を来年六月末まで延長することを申し入れるなど、巧みな戦術を展開している。
SMFGの動きによって、MTFGは統合実現に向けて、交渉相手のUFJグループのみならず、株主や顧客、取引先などのステークホルダーに対する合理的な説明が要請されることになった。これは、当たり前のように見えて、これまでわが国においては、必ずしも当たり前ではなかったことである。
新鮮なスタンス
その典型的な事例が、金融界に存在する。二〇〇二年秋の「金融再生プログラム(竹中プラン)」の策定に対する、当時の七名の都市銀行頭取による緊急記者会見である。この記者会見では、不良債権処理の促進を企図する当局に対して、都市銀行が横並びで反発した。これは護送船団方式の色彩の濃い、きわめて日本的で「共同体主義」的な記者会見であったといえる。
しかし二年を経た現在、SMFGはMTFGに対し、きわめて欧米的で「資本主義」的な敵対的買収を挑んでいる。実現可能性はさておき、オープンな場でフェアに交渉を展開しようとするSMFGのスタンスは、むしろ新鮮に映る。
日銀総裁も評価
今回のUFJ統合劇には、わが国における真の「資本主義」の胎動が感じられる。これまでの日本経済では、「株主重視経営」が叫ばれつつ、合併や再編等に際して株主に対する配慮が欠けていたケースも少なくなかった。
福井俊彦日銀総裁は、九月九日の記者会見において、UFJの統合問題について、「(統合に関する)動きが誰の目から見ても相当に透明度の高いプロセスの中で進んでいることも、これからの日本経済のダイナミズムを築いていく上で非常に大事な透明性向上という大原則のもとに、新しい動きが出ているという点で評価している」とコメントしている。
UFJ統合劇をめぐって注目すべきは、UFJグループの統合の相手方がMTFGなのかSMFGなのかということではない。
日本経済が、この統合劇に象徴されるような真の「資本主義」に向かっていくのか否かということだ。
2004 11 01 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15160/1826979
この記事へのトラックバック一覧です: [フィナンシャルi] UFJ統合劇に見る「真の資本主義」の胎動:
» 法的な解決の見通しの良さは評価されていいはず [my.Hurusato.org から]
最高裁、住友信以外との交渉を認める−UFJ信託譲渡問題で決定
7月中旬からの一連の差し止め請求をめぐる係争に、最高裁の決定が出た。この方向についてはこれで... 続きを読む
受信 2004/11/01 9:53:13
» [Economy]財閥も2強時代に突入? [いのっち日記 から]
[フィナンシャルi] UFJ統合劇に見る「真の資本主義」の胎動を拝見して、「財閥」の勢力地図も様変わりするのではないか、とふと思いました。身近に感じるのは、東京... 続きを読む
受信 2004/11/01 20:36:06
» 【ゴーログにTバック】 [なにわ勤遊道 から]
「他人(ひと)の金でケンカすんなー」 続きを読む
受信 2004/11/02 5:16:35

















