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2004.12.25

[週刊!岡本編集長] My favorite things <4>

 さーて、今日は何を書こうかなあ。
 そーだ。今日は、私が好きな外国の街について書こうと思います。と言っても、私はそんなに海外経験が豊富なわけではありません。フィナンシャル ジャパン編集部の部員は、ほとんどの人たちが英語がしゃべれるので、すごいなぁと思います。だけどそれは、日本語の雑誌を作るのにはそんなに役に立つことではないんですけどね。でもまあしゃべれないよりは、しゃとべれた方がいいということはあるわけで。

 そんな私も、2カ月ほどロンドンに住んでいたことがあります。ロンドンといっても、ビクトリア・ステーションから南に電車で20分ほど行ったところにある郊外の街です。ここから毎晩、電車に乗ってロンドン市内に出かけて行って、ミュージカルを見たり、人に会ったりして遊んでいました。97年の暮れの話です。あの時は楽しかったなあ。
 ところでこのロンドンという町、私は好きではありません。町並みが古くて都市計画がなく、道が細くてごみごみしているからです。なんせ古代ローマ時代に作られた船着き場ロンディウムが起源という町ですから、古いのは仕方がないかもしれませんが、都市として立派かどうかというと、どうもそうは思えません。だから私は上海みたいにごみごみしている街もダメなんですよ。
 それと、イギリスが嫌なのは、ヒースロー空港の入国管理官の態度です。あの人あしらいの悪さは、全くひどい。ふざけていると思います。イギリス人は、外国人に来てもらいたくないという姿勢が、入国管理官の態度によく表れていると思います。だから、私はあまりイギリスには行きたくありません。

 で私は、どちらかというとアメリカよりはヨーロッパの方によく遊びに行きます。アメリカで行ったことがある街は、ニューヨークとワシントンしかありません。
 ニューヨークというのは、多くの人にとって魅力に富んだ街でしょう。「行くだけで元気になる」という人もいます。おそらく、この街に住んでZAGATを片手に週末にレストラン巡りをしたり、パーティーに行ったりするようなディープな楽しみ方をしている人にとっては(それとお金を持っている人にとっては)、こんなに楽しいところは世界中にないかもしれません。
 私の場合は、単なる観光客として2回行っただけです。最初に行ったのが96年の暮れのことでした。この時、観光客が見て回るようなたいがいのところは行ってしまいましたね。例えばメトロポリタン美術館とか、自然史博物館とか、グッゲンハイム美術館とかMOMAとか5番街とか。それでその翌年のやっぱり暮れにニューヨークに行ったんですが、この時はさっぱり面白くありませんでした。見たいと思うものがないということと、日本は景気が最悪で山一證券がつぶれたり拓銀がつぶれたりしているのに、ニューヨークはとっても景気が良くて、その落差が嫌だったんですよ。 でも友達があちこち連れていってくれて、ウエストポイントなんかに遊びに行ったのは面白かったです。
 そうそう、そういうわけなので、タイムズスクエアの年越しのカウントダウンは、2年連続で見ました。感想としては、寒かったです。
 ワシントンは、200年前の都市計画で作られた街ですが、現在でもちっとも窮屈さを感じさせない、素晴らしい街だと思います。スミソニアン博物館は、全部見て回ろうと思ったら何カ月もかかるでしょう。とっても面白いところですね。
 国際機関も多いし、ここに駐在するのは、非常によいだろうと思います。

 ヨーロッパに戻って、やっぱり日本人のおのぼりさんが好きなのは、「パネルクイズアタック25」で目指すことになっているパリでしょう。ここはやっぱり、世界の首都という感じがしますよね。最初に行ったのは、91年でした。この時はほとんど英語が通じなかったし、やな感じでしたが、その後、97年に遊びに行ったら、すっかり印象が変わりました。
 そもそもロンドンからユーロスターに乗って行ったのですが、食べ物があまりにもイギリスと違うので、それで私の印象はとっても良くなったのだと思います。牡蛎のシーズンだったし。
 でも私は、モンマルトルやらオランジェリー美術館にはまだ行ったことがありません。もう1度ぐらい遊びに行っておいしいフランス料理を食べてみたいと思います。

 それとどうしてもよく行ってしまうのは、ウィーンです。この街の中心部は、ハプスブルグ時代に整備された美しい景観を保っています。当時は人口約140万人だったのですが、現在は120万人と減少しています。世界の国の首都で、最盛期よりも人口が減少して、なお首都として存続している街というのは、ウィーンしかないと聞いたことがあります。93年に最初にウィーンに行った時にとても驚いたことは、地下鉄のエスカレーターが、必ず地上まで設置されていたということです。そして老夫婦が、仲良く手をつないで散歩していたりします。これは当時の日本では考えられなかったことです。今でこそ必死になって「バリアフリー」と唱えながらエスカレータやエレベーターの設置工事をしていますが、10年間の日本では、駅や地下鉄のホームにエスカレーターはあまりなかったということなんですね。
 ウィーンでの楽しみは、ハプスブルグ帝国が収集した品を中心にしている美術館や博物館を巡ること、ハンガリーやドイツ、イタリアの影響を受けた料理を楽しむこと。デーメルやザッハーといったカフェで甘いものを食べながらコーヒーを飲むという楽しみもあります。
 しかしなんといっても、ウィーンは音楽の中心地です。オペラ座では毎日違う演目をやっているから、滞在中毎日通っても違う出し物を見ることができますし、ウィーン・フィルの演奏を聴くことができるのも、何とも言えない楽しみと言えるでしょう。この街には今後も通ってしまうと思います。

 だけど、私が一番好きな街は、なんと言ってもローマです。アン王女の言うとおりです。といっても、べつに私には「ローマの休日」のようなロマンスがあったわけではございません、ハイ。
 だけどローマは、まさに永遠の都であり、世界の他のどの街とも違う特別な街だと私は思っていいます。
 その要因を分かりやすく並べてみると……
 まず古代ローマの魅力があります。ローマはギリシャ文化の影響を受けて、ヨーロッパ全土を支配し、現在のヨーロッパの基礎を作った国です。その体制は、徹底した合理主義に貫かれていたと思います。「近代的」という言葉が、合理性を多く含意するならば、まさにその近代性はローマに由来するものなのです。例えば法律による支配、巨大な建造物をつくる建築構造、機動的な軍隊の制度などはローマが普及させたものでしょう。4世紀初頭には、首都ローマの人口は100万人を超えていました。人類の文明が到達したひとつのピークであったと言えると思います。そしてフォロ・ロマーノに行けば、当時の世界の中心地に今でも立つことができます。これは本当に素晴らしいことだと思います。カエサルが荼毘にふされた場所や、アントニーが演説をした論壇を目にすることができるのです。
 2番目は、ルネサンスを受けてバロック文化が花開いたこと。カソリックの総本山として、ドイツをはじめとするヨーロッパ各地から収奪した富を活かし、街並みを変え(最初の近代的都市計画ですよ)、多くの芸術品をつくり出したわけですが、現在でもそうしたバロック美術の精華を、教会や美術館で楽しむことができます。街を歩いているだけでも、ベルニーニの作った素晴らしい噴水をいくつも目にすることができます。
 昼間は人類がどのようにして文化をつくり出し、育ててきたかについて考えながら観光地を回るわけですが、夜になったら、今度はイタめし三昧です。イタリア料理は、何を食べてもおいしい。ピザを食べたいと思えば、ちょっと足を延ばして、ナポリにいけばいいわけだし、そうそう、この前とってもうまいローマにあるナポリ風ピザの店を教えてもらったんですよ。ここは確かにうまかったです。
 ローマは、この先いずれ、一度は住んでみたいと思う街です。冬だって、あったかいし。この街は私にとっては尽きせぬ魅力のある街なのです。

 と、偉そうなことを言ってみますが、そんなにたいして海外に行ったことはないんですけどね。
 海外に行くとうれしくなって、冗長な旅行記を書いたりしています。ご興味のある方は、私の個人サイト「日本のカイシャ、いかがなものか!」の中に、旅行記を掲示してあるページがありますから、ご覧になってください。

 あと前回のこのコーナーにいただいたNEW LETTERさんのトラックバックですが、もしそう思われるのなら、わたしのサイトの中のこのコーナーを読んでみてください。世の中には、そうは思っていない人もいるわけで、面白いですよ。
では今回はこんなところで。

2004 12 25 [21. 週刊!岡本編集長] | 固定リンク

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