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2005.04.04
[フィナンシャル ジャパン] FJ2月号> 私の「幼児英語教育」事始め
FJ2月号
「娘をフリーターにしない!」すべてはその思いから始まった
私の「幼児英語教育」事始め
巷では、「インターナショナル・プリ・スクール」が流行しているのだという。「語学で苦労をさせたくない」という親心が流行につながっているのであろうが、実際の効果のほどは、どうなのだろうか。4歳になる愛児に「英語教育」を施す、あるサラリーマンの体験記。(文・高野弘一郎)
娘のフリーター化を阻止せよ
私には四歳になる愛娘がいるが、先日、「娘は将来どのような成人になるのだろう」という思いが、ふと頭をよぎった。何だか不安になり、今の若年層、そして今後の日本について調べてみたところ、案の定、暗い材料ばかりが揃っていた。
たとえば国家財政。国・地方公共団体の借金は、約七〇〇兆円(一世帯当たりで約一四〇〇万円)にも到達している。このままでは、国家財政が立ちゆかなくなるのは明白であり、多くの人が消費税率は現在の五%からいずれ二桁へと引き上げられることぐらいは予想している。
高齢化も急速に進展中で、今、日本国民の五人に一人は六五歳以上。総人口も二〇〇五年をピークに遂に減少に転じることが確実視されている。
これらの状況を見る限り、先行きの経済成長は期待しがたいと思うのが合理的である。
現在不惑の私と同世代の中高年同士では、「今の高齢者たちは、右肩上がりの経済というフォローの風を満喫し、リストラも経験せず、退職金も公的年金も貰えていいよなぁ。それに引き換え、われわれ四〇歳前後の人間は割負け感が強いよなぁ」という会話がよく交わされる。でも、改めて乳幼児も含む子供の世代のことを考えると、どうやら経済環境の厳しさたるや、今の中高年の比ではなさそうだ。
そう思い、今の若年層の就職環境を調べてみた。フリーターの数は一九九〇年に一八三万人であったのが、二〇〇一年には四一七万人になっており、約一〇年で二倍以上増加したことになる。実際、若年層(一五~三四歳)の二割以上がフリーターであるそうだ。フリーターの稼ぎについて見てみると、パート・アルバイトの年収は二〇〇万円未満が八五%以上。賃金の推移は二〇代前半からほぼ横ばいだ。年収二〇〇万円では、大学卒業から六〇歳まで働いても七六〇〇万円(=二〇〇万円×三八年)と、生涯賃金は一億円にも到達しない。
とりわけ、父親である私が恐怖したのは、
①フリーター女性と結婚した夫のほうが、非フリーター女性と結婚した夫よりも収入が有意に低い。
②婚姻率を見ても、フリーター女性のほうが非フリーター女性よりも有意に低い。
などの実証分析が報告されていることである(興味ある方は『女性たちの平成不況』<樋口美雄・太田 清・家計経済研究所 編、日本経済新聞社、二〇〇四年四月発行>を参照されたい)。
まさにフリーター・デフレ・スパイラル、貧すれば鈍する、ではないか。
友人関係で情報収集をしてみると、フリーターの息子・娘が結婚、子供もつくりはしたが、経済的には自立できないので親の脛をかじり続けるという実例は思いのほか多いこともわかった。
ここまでの調査から得た私の結論は、「何としても、娘を経済的に自立させなければならない。さらに、中流以上の生活をさせたいのであれば、フリーターではなく、定職に就かさなければならない」ということである。
幼児英語教育を始める理由
将来の経済的自立に備えて、小学校入学前の子供にできることは限られている。たとえば今流行の『陰山メソッド』、すなわち百ます計算、音読、漢字の前倒し学習などは、幼児には物理的に無理である。では、私が能動的にできることは何だろうと思い、幼児教育論を読んでみると、「子供に愛情を持って話しかけ、子供の反応に愛情を持って応えてあげることが大事で、それ以外では絵本の読み聞かせが極めて重要だ」と書いてある。全く正しいとは思うが、いまひとつパンチに欠ける。これはこれで重要な定石であるが、自分の子供の将来にアドバンテージを与えられるとは思えない。
いろいろ考えてみた結果、幼児英語教育を始めてみようとの結論に至った。
幼児英語教育の重要性を私が唱えるのは、自分自身、英語が下手で非常に苦労したという経験があるからだ。実は、私は一年間米国留学したことがある。しかしながら、英語があまりに下手なので、帰国後もインターナショナルな仕事とは無縁で、社内ではマルドメ(まるでドメスチックの略称)組に属している。悔しくて、三〇歳代半ばから自分なりに少しは英語の勉強に努め、TOEICで八六〇点以上を取ることもできた。TOEICを運営している財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会によれば、八六〇点以上は「Non-nativeとして十分なコミュニケーションが取れる」となっている。TOEICで高得点を取った私は、CNNもBBCも、洋画でも字幕を見ずに英語音声で楽しめるだろうと思い、衛星放送と契約、海外番組を見続けてみた。が、少なく見積もっても四割ぐらいは聞き取れなかった。話が錯綜しているドラマに至っては、半分以上も意味が取れなかった。
ショックを受けた私は、いわゆる国際派と称せられている面々に社内外でインタビューして回った。「TOEICで高得点を取れたというのに、ニュース英語なら何とかついていけても、ドラマだと全然歯が立たない。国際派のあなたたちは、本当のところ、どの程度英語が聞き取れているのか?」と。
何人かとのインタビューの結果を要約すると次のようになる。
「帰国子女でなくとも、仕事で使う英語は何とかなる。専門用語でわからない言葉はないし、内容について見当もつくので、特に困りはしない。でも、ドラマや洋画を英語で解するというのは、英語検定一級やTOEIC九〇〇点のはるか先にある高いレベル。帰国子女でないとむずかしい。とりわけ、聴き取り能力がネックになる。だから、仕事以外の話題が飛び出すパーティが苦手な日本人が依然として多いというわけさ」
すなわち、英語学習には帰国子女でないと越えがたい壁がある、ということである。
非帰国子女で、学生時代から努力を重ねて英語の使い手となった人ほど、はっきりと言う。「帰国子女でない限り、リスニング能力を大人になってから高めるのは非常に困難である」と。
英語の聴き取り能力を開発するための手っ取り早い方法は、乳幼児のうちに英語の音に慣れさせることだ。なぜなら、帰国子女の聴き取り能力、発音の巧さが、中学生以降に刻苦勉励して英語を勉強した人よりも格段に勝っていることは、誰もが認めるだろうところだからだ。
これには科学的な根拠もある。全くの門外漢なりに幾つかの書籍に当たってみると、脳の発達と言語の習得に関する研究からは、次のようなことが概ねわかっているらしい。われわれの脳は乳幼児の段階で爆発的な成長を遂げる。その成長期に、LやRの音を繰り返し聞かせてやると、LとRは違う音であるということを容易に認識するように脳は成長する。LaとRaの音を聞いたときの脳――正確には聴覚を司る大脳皮質(auditory cortex)―――の反応を調査すると、英語圏の人の場合は、聴覚を司る大脳皮質の中でもかなり距離の離れた箇所がおのおの反応するのに対し、帰国子女でない日本人の場合はかなり近い場所が反応する。要するに、日本語ではあまり区別をつけないが、英語圏では明確に異なっていると認識される音、LとR、VとBを乳幼児の頃に聴いたか否かが重要だということだ。
成人になってウォークマンやMDプレーヤーを片手に通勤電車の中で英語の聴き取りに努めてもなかなか上達しなかったのは、タイミングが遅すぎたからなのだということを改めて思い知らされる話である。
少年老い易く学成り難しーー「月日のたつのは早く、まだ若いと思っているうちに年をとってしまうが、学問はなかなか成就しがたい。若いうちから、一刻もむだに過ごさず学問に励まなければならない」(大辞林)と諭した思想家・朱熹の言葉が私には早期幼児英語教育の勧めに聞こえてならない。
そういえば、音楽の世界でも絶対音感は幼少時でないと身につかないと言われている。素人の推測だが、おおよそ音に関することについては、音楽も語学も同様なのではなかろうか。となると、話は簡単。乳幼児の頃から英語を聞かせればよいということになる。
英語教育・実践編
「映画を一緒に観よう」
乳幼児に英語を聞かせるための第一ステップは、何らかの方法でさまざまな英語の音を乳幼児に聞かせればよいわけだが、英語なら何でもよいというわけではない。乳幼児にも人格があり、音の好き嫌いがある。やはり、乳幼児が楽しめるような内容でなければならない。しかも、家庭でとなると、親である大人も楽しめるような内容であることが望ましい。私のお勧めは映画『サウンド・オブ・ミュージック』をDVDまたはビデオで鑑賞することである。一九六五年度アカデミー賞五部門(作品賞、監督賞、音響賞、編集賞、編曲賞)を受賞した名作が幼児英語教育にふさわしい理由は、次の二つである。
一つには、幼児が楽しめるような歌やダンスのシーンが多いこと。親としても、子供にぜひともいつかは聞いてほしいような、そして誰もが知っている「ド・レ・ミの歌」「エーデルワイス」などの名曲が満載なのである。
ここで、念を押しておきたい。「ド・レ・ミの歌」を子供が聞くということは、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの「レ」と「ラ」を「RE」と「LA」として繰り返し聞くことで、「LとRは違う音であるということを容易に認識するように子供の脳を成長させる」ということであり、表現を変えれば、ネイティブ並みの聴き取り能力を育むということだ。
二つ目には、主要な登場人物が子供であるということ(ご存じでない方のために記すと、この映画は主演のジュリー・アンドリュース演じる修道女見習いのマリアが、七人の子供たちの家庭教師としてトラップ家にやってきてからの出来事を扱っている)。子育ての経験のある人なら誰でも知っていることだが、幼児は町を歩いても、テレビを見ていても、とにかく子供に興味を示す。子供が熱心に音声を聞きたがるようなコンテンツであることが、幼児英語教育のポイントの一つなのだ。
余談を少し。
スター・ウォーズシリーズの中で興行成績トップの映画『スター・ウォーズ エピソードⅠ』には、後にダースベーダーとなる幼い頃のアナキンが準主役として登場する。だから、幼児も楽しめる作品に仕上がっている。娘との鑑賞中、私には次のシーンが目にとまった。母一人子一人、ともに奴隷の身という家庭で苦労を重ねてきたアナキンが、晴れて自由の身となり生まれ育った星を飛び立とうとするシーンがある(映画をご覧になっていない方々のために念のため記すと、エピソードⅠのアナキンは未だあどけない可愛い子供として描かれており、ダースベーダーのような悪役では決してない)。でもアナキンは奴隷のままの母を置いていくことが忍びない。逡巡するアナキンに対して、母は次のように諭して、旅立ちを促す。
「You can't stop change any more than you can stop the sun from setting.」(邦訳 太陽が沈むのを止められないように、もう止められないの)
この台詞は、英語構文に関する所謂「クジラの公式」の応用例である。クジラの公式と呼ばれるのは、「not any more(あるいはno more)…than~~でないことは…でないのと同様である」という構文の例文として「A whale is not a fish any more than a horse is.(鯨が魚でないのは、馬が魚でないのと同じだ)」がよく紹介されるからである。私は、高校生でこの構文を学んだ時に、「何て奇妙な表現なんだろう。than以下が肯定文なのに、訳すときは否定文として取り扱うなんて。きっと大学受験の時にしか目にしないような特殊な表現に違いない」と思った。ところが、『スター・ウォーズ』の設定では、前述の台詞は九歳のアナキンに向かって母親が喋りかけている。たった九歳の子に向かって使われている表現ということは、この構文は、特にむずかしい表現ではないということである。私は、『スター・ウォーズ』を通じて、改めて子供には早期に英語を慣れさせたほうがよいと感じた次第である。
さて、ここで最後に注意点を述べておきたい。子供にDVDやビデオで映画を見せる際、一度たりとも日本語音声を聞かせてはならない、ということである。わが家の娘の場合、日本語でテレビドラマの内容がある程度理解できるようになった三歳後半から、いったん、テレビ画面に登場する人物は日本語も英語も喋ることができる(言うまでもなく、DVDに備わっている日本語-英語音声切り替え機能のことだが)ということがわかるようになった。そうすると、「日本語音声にしてほしい」と執拗にせがんでくるのだ。したがって、英語学習のためにビデオ・DVDプレーヤーで映画を再生する際には、必ず最初に音声を英語に指定しておくことが必要だ。最初から英語にしておけば、幼児は特に違和感なく英語音声を受け入れるものである。
(追伸)「週刊!木村剛」は、総合ビジネス月刊誌「フィナンシャルジャパン」(年間購読はココ)とメディア・コラボレーションしています。本日の記事は、「フィナンシャル ジャパン」2月号に掲載したものです
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ウチの場合、上の娘が2歳、下の息子が0歳。
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受信 2005/04/06 0:35:19
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それで、最近、精神の成長過程についてこんな図を教えてもらいました。
なかなか面白かったので、ここに載せます。
説明としては
0~3歳 Aゾーン
3~5歳 Bゾーン
5歳から結婚するまで Cゾーン
結婚以降 Dゾーン
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受信 2005/04/09 13:34:03
» 幼児虐待を推奨しているインターネットはここですか? [社怪人日記2005 から]
前にも書いたが私は「英語早期教育反対派」である。先日、のほほんと某有名ブログを読んでいて、その見識を疑う記事に直面した。
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http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2005/04/_fj2.html
私には四歳になる愛娘がいるが、先日、「娘は将来どのような成人になるのだろう」という思いが、ふと頭をよぎった。何だか不安になり、今の若年層、そして今後の日本について調べてみたところ、案の定、暗い材料ばかりが揃... 続きを読む
受信 2005/04/17 23:08:28















