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2005.06.27
[フィナンシャル ジャパン] 『「醤油はベンチャーだ!」キッコーマンは常にチャレンジする』
変化とは何かを失うことではなく、何かを新しく得ることである
キッコーマン会長 茂木友三郎 [FJ6月号一部抜粋]
おっとり気質の払拭
キッコーマンは長年、よく言えば「堅実」、揶揄するなら「おっとり」した社風を保ってきた。醤油業界のシェアを考えればそれも無理からぬこと。国内の醤油メーカーはおよそ1500社(しょうゆ情報センター調べ)で、キッコーマンはダントツの26%を握る。マーケットのだいたい四分の一を同社が占め、二位以下五社でまた四分の一を取っているのである。まさにガリバー企業である。
ところが、このところアグレッシブな経営が目立つようになった。醤油関連調味料分野への積極参入、紀文フードケミファとの資本業務提携、ヒゲタ醤油への資本参加と、おっとりムードを吹き飛ばす経営戦略を次々と打ち出している。
茂木友三郎会長は、一見、堅実に見えたキッコーマンにも、実は挑戦的な体質があったのだと言う。
「私どもは海外では非常に挑戦的な会社と見られているのです。欧米で醤油を売るというのは至難の業だからです。困難を乗り越えるためにアグレッシブにならざるを得なかったとも言えます。
ところが国内は醤油が非常に安定した商品であるため、全体の需要が多少減ってはいても、すぐに潰れることもないという状況にあります。とはいえ、日本市場も競争が激しくなり、企業の勝ち負けがはっきりしてきました。国内でも果敢に挑戦していかねばなりません」
海外マーケットでのチャレンジは数字が裏付けている。同社の1999~2003年における海外での醤油売上高は年平均5・9%伸びている。とりわけ欧州での出荷量は年平均14・2%の急伸である。
「挑戦なしに新たな成長はない」と茂木氏は心する。
「挑戦的であれと〝1000%〟の熱意を持って繰り返し全社に呼びかけています」
ツユとタレのダントツ二位を目指して
茂木氏は社長時代に成長のためのロードマップを描いている。その中に、ツユ・タレ分野への積極参入もあった。
女性の社会参加が進むにつれ、家庭での料理時間が短縮傾向にある。昔は自分の家でツユ・タレを作っていた女性たちが、出来合いのものを買う時代に変わったのである。当然、今後の市場拡大は容易に予測ができた。だが茂木氏は醤油メーカーゆえに後れを取ったと言う。
「私どもは商品をツユ・タレを作っている企業に納めているわけです。だからお客さまと競合することには社内で相当な反対もありました。しかし、10年ほど前から家計消費において醤油への支出とツユ・タレへの支出が逆転してしまいました。背に腹は代えられません」。ギリギリの参入ということになる。
1999年から2003年にかけ、ツユ類の市場の年平均伸び率が5・7%であるのに対して、同社の伸び率は14・3%と強い上昇カーブを描いている。焼肉のタレは01年から03年にかけて市場の平均成長率が2・6%のところ、同社は10・7%である。この二月にも「焼肉のたれ・わが家は焼肉屋さん」シリーズに「コチュジャンたれ」を追加しラインアップを強化している。
「かなり長い期間、私どもは遠慮をしておりました。今は醤油と同様、トップを目指して努力中ですが、まずはツユの分野で二番手グループから抜け出してダントツ二位になりたいと思っています」と茂木氏は当面の目標を語る。
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茂木 友三郎(もぎ・ゆうざぶろう)
1935年千葉県出身、58年慶應義塾大学法学部卒業後キッコーマン入社。61年米国コロンビア大学経営大学院卒業。77年海外事業部長に就任以降、取締役、常務取締役などを歴任し、94年に副社長、95年に社長、2004年に会長に就任、現在に至る。文部科学省中央教育審議会副会長、「新しい日本をつくる国民会議」共同代表など各種団体の役員を務めるほか、著述・講演活動も行っている。
(追伸)「週刊!木村剛」は、総合ビジネス月刊誌「フィナンシャルジャパン」(年間購読はココ)および「フジサンケイビジネスアイ」(購読希望はココ)とメディア・コラボレーションしています。
2005 06 27 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク
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