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2005.06.30

[週刊!岡本編集長] 最終回のごあいさつ

 皆さんこんにちは夏デヴの岡本呻也です。
 大変お名残り惜しいことですが、このブログで皆さんにお話し申し上げるのは、今回が最終回です。
 私はフィナンシャル ジャパン編集長を木村剛にバトンタッチします。

 思い返せば、木村さんから「雑誌を立ち上げるので手伝ってもらいないか」とお誘いをいただいたのが一昨年の春のことでした。私はプレジデントを辞めてから、しばらく物書きをやっていて、そのとき、まったく気の乗らない返事をしたのを覚えています。まさか、ほんとに雑誌を出すとは思ってませんでしたからね。
 それから半年ぐらいたってまたお話をいただいて、その時も編集長はお断りをして、「顧問なら」ということで参画することになったのでした。その後ヨーロッパに出かけて、塩野七生さんのところに遊びに行った時にその話をしたら、「あなたが編集長やりなさいよ」と強く勧められまして、塩野さんに背中を押されて編集長を引き受けることになったのでした。それが去年の4月の話です。

 当初は、「雑誌創刊まで半年の準備期間、その後1年くらい編集長をやって雑誌を立ち上げ、木村さんにバトンタッチしよう」と考えていました。スタッフはみんな優秀で、私が思っていたより早く、ぐんぐん編集スキルを身につけていきました。今や、フィナンシャル ジャパンの編集部員は雑誌編集者としてのトレーニングはばっちりです。
 今年初めから木村さんは日本振興銀行に行ってしまって、あまり「フィナンシャル ジャパン」の編集にはタッチしていただけなかったのですが、7月1日にナレッジフォア社長に復帰することになったので、この機会に編集権をすべて木村さんに譲り渡すのがよいだろうと判断した次第です。私の計算からすると3カ月早く、「フィナンシャル ジャパン」をお譲りすることになったということになります。
 私としては、雑誌の土台はきちんと整備することができたと自負しています。それを使って木村さんが、普通の編集者の発想をはるかに超えた超編集長として、斬新な企画でより一層読者の皆さんを楽しませる雑誌にできるだろうと期待しています。

 振り返ってみると、創刊当初は本当に戦争状態でした。手取り足取り編集のイロハを部員に教えていましたし、取材にしても制作にしてもすべて手を添えるようにしてやっていたので、毎日が異常に忙しく、自分でもよく切り抜けられたなあと思うほどです。毎日怒鳴っていたような気がします。
 「これではたまらない」と思って、編集部員が自分でものを考え、自分で判断できるように仕事の方向づけをして、みんなの実力を磨かせました。
 肝心なのは、「編集長はタテの物をヨコにもしないんだから、自分がすべて何とかするしかない」と思わせることです。そうすると、ある種のオーナーシップが芽生えて、自分で考えるようになります。雑誌のページ作りはチーム作業でなくて個人技なので、そうした動機付けが非常に重要なのです。最近では、部員は私に何を言っても無駄だということがわかったのか、何も言ってこなくなりました(あまり威張れませんが)。
 私自身、マネジメントスキルを身につけることができたとても良い経験だったと思います。

 最後に言いたいことをひとつだけ言わせていただきたいと思います。
 FJ創刊以来、経済雑誌や新聞が、FJに金融担当大臣や日銀総裁や、金融庁長官にご登場いただいたことを非難がましく報道するケースが目につきました。「FJに登場すること自体が、これらの人々と木村剛の親密度の証明である」という論調です。
 そうすると、雑誌や新聞に誰かがインタビューに答えて、自分の考え方についてきちんとしゃべるという表現行為をした場合、その人はその新聞社や出版社と仲がよいということになるのでしょうか? まったくナンセンスですよね。だったら中立を標榜する人は、どのメディアにも出られないじゃないですか。それにFJには、他にもいろんな人に出ていただいてますが、木村剛と面識のない人だって出ていますよ。
 さらに行政の長が、メディアに出て、自分たちの姿勢について旗幟鮮明にするというのは、とってもいいことですよね。それがどうして非難の対象になるのか。そういうことを平気で書く雑誌や新聞は、行政府の人間にインタビューに行くなと言いたいと思います。

 これらの企画は、私の編集権の下で企画掲載されたものであり、わたしは中立的な立場から、これらの企画が、他の企画と同様に、読者にとって意味があるのどうかの価値判断をした上で掲載決定したものです。「これはダメだ」と私が判断する企画であれば、木村剛から提案されたものであろうとも、他の部員からの提案と同様、ボツにしてきました。すくなくともいままでは、わたしがそうしたコントロールを行ってきたのです。雑誌と彼のほかの活動は別物でした。木村剛にFJでインタビュアーをやってもらうときには、「FJのインタビュアー」として、読者のためになる情報を引き出すことに徹してもらいました。
 人には役割というものがあります。会社では経営者の役割を果たしている人でも、財界に行けば社業を越えた立場から公益を考える役割を果たそうとするはずです。そういう役割認識を認めないのなら、財界活動などできないし、人の持つ可能性は大幅に狭まってしまうでしょう。民間人が政府に入るということもできなくなります。果たしてそれでよいのでしょうか?
 「FJはメディアとして読者のためになる情報として、公的な地位にある人にインタビューして掲載した」という点を完全に無視して、「自分達は中立公正だが、木村が関与するFJは癒着の産物である」。つまり「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という思い込みでFJをなで斬りにしてきた記者諸氏は、天に唾していないかどうかよく考えるべきだと私は思いますね。

 あー、さっぱりした。わたしはもとの物書きに戻りますので、書店店頭で皆さんにお目にかかる日もあると思います。その日までお元気で。
 あでゅー!

2005 06 30 [21. 週刊!岡本編集長] | 固定リンク

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