« [フィナンシャル i ] 中国「世界の消費地」への道のり | トップページ | [週刊!岡本編集長] インターネット10周年 »

2005.06.01

[ゴーログ]取巻きたちが会社をダメにする!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「世の中不思議で面白い」さんから「トップが発する不明瞭な言葉は、会社のガンになる」という大変興味深いトラックバックをいただきました。コンサルタントの現場で働く「世の中不思議で面白い」さんによれば、「意味不明な言葉により判断をした『ふり』をする社長がいます」ということで、「特にサラリーマン社長に良く見られる現象でした」というんですね。その背景には、「『失敗』を避けたいという意思が強く働いている」ということのようなんです。その対応には、本当にお困りになったようです。

なぜならば、・・・トップの言葉は大抵が情緒的で論理的には意味不明ですが、決断をしたといっているわけですからこれ以上迫れません。意味が不明だといえば馬鹿にしていると怒られます。そのため、こうしたケースではコンサルタントや役員が「解釈」をして「トップの判断内容」を実行部隊に伝えることになります。そして、成功するとトップは「私のいうとおりにしたね」と喜びますが、失敗すると「私が言ったのはそういうことじゃない!」と責任を逃げるのです。 

要は、こうしたトップは「自分の判断はいつも正解で、いつでも成功している」ふりをしたいのですね。これは社内の出世競争であれば意味があるでしょうが、株主利益という最終結果だけが求められる上場企業トップにとっては全く意味が無い行動です。しかし、サラリーマン社長は、自らが社長にまで上り詰めるために使ってきた「成功のパターン」を社長になっても使ってしまうのです。誰も本気で企業の成長を考えて判断が下さないのですから、こうした中では企業の業績が伸びないのは当然です。 
 

 しかし、本当に問題なのは、こういう経営者の下にはどうしようもない宦官たちが跋扈するということなんですね。要するに、取巻き連中です。訓古学というか、「社長はこう考えている」とか、「社長の考えはそうじゃない」などと解説を垂れる連中ですね。こういう連中がのさばり始めるとよいことがありません。「世の中不思議で面白い」さんも「悪いことに、社長の判断が意味不明な言葉であるがゆえに、社長の言葉の通訳という役割を担った『取り巻き』が登場してきます。これがもう会社にとっては最大のガンになりえる存在なのです」と説明してくれています。 

こうした取り巻きは「社長にサラリーマンとしてのリスクを負わせない」ことが仕事ですから、危険な判断から社長を遠ざけますし、悪い情報から社長を隔離します。こうなると、トップが本当に判断しなくてはいけない案件や知らなければいけない悪い情報がトップに入らなくなります。また、会社のために、社長にそうした判断の依頼や情報の提供をなんとしようとする心ある社員は、取り巻きにとって危険な存在となりますから、飛ばされたり首になったりされてしまいます。

そもそもがまともな判断を避けるトップに、判断すべき案件が上がらず、知るべき悪い情報も上がらない・・・。こうなれば企業の行く先は見えています。これも全てトップの不明瞭な言葉が生み出す負の連鎖なのです。こうした負の連鎖を避けるためには、トップの言葉が後から言い逃れが出来ないくらいに明確であることが必要なのです。

 本当にそうですね。トップの言葉は「明確」でなければならない――というのは、常日頃感じます。どうしてもトップと部下の間で率直なコミュニケーションをとるのは難しい――だからこそ、話す言葉を通常以上に単純にして平易にするように心がけなければならないんですね。それが、取り巻きを通じた間接話法になったら、擦れ違いが増えるだけです。「明確にする」――簡単ですが、意外に難しい課題ですよね。

2005 06 01 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15160/4364891

この記事へのトラックバック一覧です: [ゴーログ]取巻きたちが会社をダメにする!:

» 報道の公平性と速報性 [スター・ウォーズ エピソードIIIを早く観たい社長のブログ から]
先日このブログでも取り上げたけど、将棋連盟の米長氏(現理事長)が同じ棋士の武者野氏から著作権侵害で訴えられた。これはこれで別に構わないのだが、なぜか「週刊将棋」という将棋専門の週刊新聞にこのニュースが全く取り上げられていない。先週号は問題が明らかになった.... 続きを読む

受信 2005/06/01 11:59:25

» 出世が [雑記帳 から]
ただ、そういう能力のある人材は、役員クラスになることは可能なので、それこそ社長の部下でありながら、裏で会社を牛耳る存在として暗躍するのでしょう。社長サイドから見れば、何かことがあればその役員を更迭してしまえばよいということになり、自分自身はよほどのこと...... 続きを読む

受信 2005/06/01 12:38:13

» オセアニア経済は鈍化 [為替王 から]
今日は久しぶりに豪ドル、NZドル関連記事を書きます。 過去数年に渡り、豪ドルやNZドルが上昇し続けたのは、景気が良く金利が高かったことが主な理由です。現在の政策金利はそれぞれ5.5%、6.75%と、先進国の中ではかなり高いです。 しかしながら、絶好調だった両国の景気... 続きを読む

受信 2005/06/01 14:04:33

» 説明は責任ではなく、権利だと思えば楽しい [日経で読む から]
「[経営の視点] 説明尽くす若手トップ――透明性向上、求心力生む」(2004/0... 続きを読む

受信 2005/06/01 15:07:38

» その通り! [一人ぼっち日記改め一人立ち日記 から]
本日は木村さんのブログにTB。まさしくおっしゃるとおりだなと思って。ちなみにうちも「明確」ではありません。涙というより、全然今何がどうなっているのかわかっていないのだろうな。会議の席で話しを聞く度に思います。どこも似た感じかもしれませんが・・・。... 続きを読む

受信 2005/06/01 16:23:10

» 東大で教えた社会人学 [未来の成功のためのレッスン から]
東大で教えた社会人学―人生の設計篇posted with amazlet at 続きを読む

受信 2005/06/01 21:19:37

» ■経営者から学んだ大切なこと(2):トップの言葉は明確に■ [世の中不思議で面白い から]
経営コンサル時代に経営について学んだことシリーズ第二段です。 === トップが発する不明瞭な言葉は、会社のガンになる === 当然ですが、会社においてトップに上がってくる案件は、トップの判断が必要な案件です。そのとき、誰もがトップの判断を待っています。しかし、こうしたときに明確な判断をせずに (1)判断材料の不足を追求する (2)下で判断するように言う (3)'''意味不明な言葉により判断をした「ふり」をする''' ..... 続きを読む

受信 2005/06/02 2:14:16

» わが人生に杭あり、その2 [小森さん から]
 前回の続き〜  日本のムラ社会のネガティブな面ばっかりでは手詰まりになっちゃうので、ポジティブな側面がありましたら、ぜひぜひコメント・トラックバックください。  さて、出典(メルマガ?ブログ?)は定かではないのですが、セールスマンの売り文句は、日米で違..... 続きを読む

受信 2005/06/02 4:44:28

» 長期金利が だれきってると こっちまで だれてしまう [貞子ちゃんの連れ連れ日記 から]
         【長期金利 (10年国債利回り)  1.228 前日終値 】 あ〜あ 長期金利が こんなに低いと なんか 私の気持ちまで だらけきってしまうから不思議である。 さて 長期金利がこんなにだらけきっていると 『やっぱり 国家破綻本なんかが言っていることは 嘘じゃないか?』なんて論調が若い人から出ているようです。 わたしは 破綻本を買って読んだことはないので 破綻本がどのような内容なのか ほとんど知りません。 ただ 国債残高や地方の財政が 絶望的に破綻している中で 長期の国債金利... 続きを読む

受信 2005/06/02 14:38:44

» 石原都知事曰く「フランス語は数を数えられない」???? [プログレッシブな日々 から]
asahi.com: 仏語学校校長ら都知事を提訴へ 仏語は国際語失格発言-'?会この発言があったのは、都庁内で開かれた首都大学東京の支援組織の設立総会。祝辞のなかで「フランス語は数を勘定できない言葉だから、国際語として失格しているのも、むべなるかなという気もする。そう... 続きを読む

受信 2005/06/02 19:24:35

» 取り巻きがダメにするのは会社だけではない [地道誠実(まこと)のチャンレジ人生 から]
ゴメンナサイね。 今回も「週刊木村剛」に投稿します。 経営者の判断を狂わす取り巻きは獅子身中の虫だと思います。 内部崩壊を導いてしまいます。 知人に何故か教師が多いので、学校の話を耳にします。 校長はまさに、サラリーマン社長。 信頼できる人を側に置かないと、子どもも保護者もそこで働く教師も不幸にすると言っていました。 他人事ではありませ�... 続きを読む

受信 2005/06/02 20:24:17

» 古参の中途採用は意外と難しい [Cazperのつれづれ日記 から]
ランチェスターの法則という有名な法則があるのですが、この法則は強者がとるべき戦略と弱者がとるべき戦略は違うことを示しています。 例えば、マイクロソフトは強者の戦略をとって、ネットスケープの利用率が高ま...... 続きを読む

受信 2005/06/06 22:45:07