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2005.11.25
[ブログ小説] ニッポン・ウーマン 第一章 海の誘い (10)
「さあ、準備が出来ましたよ。食べましょう」
ノリが声をかけた。ボートの床に白いソーメンがお弁当用の透明なポリケースに入れられ、それにはソーメンつゆとねぎ、削った生姜が添えられている。そのほかに別のケースにはお握りやから揚げ、蛸にカットしたウインナー、パイナップルなどがあった。
「これが雅行の言っていたボートで食べるソーメンね」
玲奈がつゆに生姜を溶きながら言った。
「そうなんだ。これが最高でね。普通は市販の弁当を持ってくるんだけど、ノリのところはこうして手作りのお弁当なのさ。その中でもこのソーメンが最高!」
雅行は、相好を思いっきり崩しながらソーメンをすすっている。日未子も早速、ソーメンをすする。
雅行の言うとおりだ。最高に心地いい。痛いような夏の日差しの中でソーメンは最適だ。冷たく喉を刺激しながらたいした抵抗もなく胃に収まっていく。
「おいしいわ」
日未子と玲奈が同時に笑顔になった。
「俺の誘いに乗ってよかっただろう」
雅行が、口いっぱいにソーメンを含みながら、胸を反らした。
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【著者】 江上 剛 (えがみ ごう)
昭和29年、兵庫県生まれ。早稲田大学政経学部卒。第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。広報部次長時代に対応した総会屋事件が、映画「呪縛・金融腐食列島」のモデルとなる。平成15年退行、作家専業に。主な著書に「非情銀行」 「起死回生」「腐蝕の王国(上・下)」など。
(追伸)この「ニッポン・ウーマン」は11月21日発売の「フィナンシャルジャパン」に掲載されています。
2005 11 25 [16. 小説「ニッポン・ウーマン」] | 固定リンク
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