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2006.01.04

[ゴーログ]あけましておめでとうございます:1件の貸し出しで20人の生活に貢献する!

 あけましておめでとうございます。木村剛です。今年もよろしくお願いいたします。
 年初は明るい話題から入りたいと思っていましたが、1月1日の朝日新聞に「木村剛氏が会長 日本振興銀行融資 親族会社に1億7000万円」という記事が掲載され、「山本ケイのサイバープレス」さんから「説明いただきたい」というリクエストをいただいたので、年明け早々不愉快なネタで恐縮ですが、お応えしておこうと思います。

 まずは、「情実融資」か否かという議論に入る前に、一般のルールである「アームズ・レングス・ルール」について、ご説明する必要があります。「アームズ・レングス・ルール」というのは、関係者間の取引については、他のお客さまと同等のルールを適用しなければならない、というルールのことです。要するに、エコヒイキするなというルールです。
 そして、「情実融資」というのは、その「アームズ・レングス・ルール」を逸脱して、特定の先に対して、有利な条件を提供して融資することを指します。つまり、融資をする際には内規があるわけですが、まず、①内規が「アームズ・レングス・ルール」に則ったものでなければならないほか、②内規の運用に際しては、相手先を公平に扱わなければならないという2点を遵守しなければなりません。
 「情実融資」の段階を超えて、過度に有利な条件を提供して融資をしたりしますと、善管注意義務違反になったり、忠実義務違反を構成したりしますし、銀行の利益にならない行為の場合は特別背任罪に問われるわけです。これは、「違法融資」にあたります。
 そこで記事に関連して申し上げますと、朝日新聞のインタビューに対して日本振興銀行が正式に答えているように、「情実融資」の事実はありません。「アームズ・レングス・ルール」に則った内規をすべての取引先に対して公平に適用しております。したがって、「違法融資」でもありません。
 そのあたり、朝日新聞はプロフェッショナルですから、「情実融資」とも「違法融資」とも書いていません。それなのになぜ大きな扱いにし、あたかも「情実融資」のように読める書き振りになっているのか――何者かの歪んだ意図を感じますが、本来弱者の味方であるはずの朝日新聞が、誹謗中傷を目的とする情報を鵜呑みにし、弱者である零細企業に対して貸し出しを行っている日本振興銀行を叩くためだけの記事を書いたことを悲しく思います。

 日本振興銀行のお客さまの50%は年商1億円以下・従業員5人以下の零細企業です。年商2億円以下・従業員10人以下のお客さまでみますと、8割近くを占めています。未だにこれらの企業に対して貸し出しをしているのは、国民生活金融公庫と商工ローンというのが実情で、銀行で常時貸し出しているのは日本振興銀行ぐらいのものです。広告や記事等で「中小企業に貸し出しています」と謳っている銀行のうちいくつかは信用リスクモデルの失敗が原因ですでに撤退してしまいました。新聞各紙は「中小企業に資金が回りはじめた」などと書いているのに、その実態を直接にはほとんど取材していません。
 確かに、零細企業が中心となる「ミドル・リスク・マーケット」は本当に難しいマーケットです。日本振興銀行も創業した2004年には手ひどい失敗をしました。それで役員は減棒処分にもなっています。銀行関係者が「日本振興銀行は失敗して、いずれ撤退するだろう」と冷ややかに眺めている気持ちは理解できます。彼らはトライすらしていないのですから・・・。それにもかかわらず、政府系金融機関を統合する際に、「国民生活金融公庫は民業を圧迫している」などと主張しているのですから、実態を日々みている者からすれば少し片腹痛いものがあります。
 無論、課題は山積しています。まだまだ努力も必要です。しかし、手ひどい失敗に学んだ日本振興銀行は2005年初頭から徹底的な小口分散に努めました。独自の目利きも働き始めました。その結果、上村社長による優れた指揮の下、12月中の貸出実行件数は750件を突破し、何と半年前の10倍近い月間実行件数を記録しています。2005年度の貸出件数の目標は前年比約5割増の1200件でしたが、すでに2100件をオーバーしました。
 世の中に銀行は数多くありますが、半年前と比べて10倍のスピードで貸出件数を拡大している銀行はなかなかないのではないでしょうか。日本振興銀行は、日本で最も成長が速い銀行であるということすら言えると思います(まあ、規模が小さいからなんですが・・・)。
 その背景には、拠点展開の成功があります。昨年5月にスタートした支店網の拡充は、毎月1~2店舗のスピードで進展しており、現時点で、神田、神田駅前、秋葉原、新宿、西新宿、高田馬場、渋谷、新橋、高円寺、錦糸町、巣鴨、小岩の12拠点となっております。さらに、この1月には五反田店をオープンさせ、2月には新たに2~4箇所に布石を打つ予定です。

 そして日本振興銀行は、従来の銀行のイメージを覆しつつあります。お客さまからいただいたアンケート結果をみると、従来の「銀行」のイメージとして、
「宣伝していることと実態は全く別物で、扱いは今も冷たい」
「雨の日に傘を貸さずに、晴れの日に傘を貸します」
「無関心です」
「身勝手です」
「審査能力がない」
「企業の事業内容を理解していない」
「何事も時間がかかる」
「できれば、銀行抜きで商売したい」
というコメントが寄せられます。その一方、日本振興銀行に対しては、12月分のアンケート結果を見るだけでも、
「一般銀行と違い、良く話を聞いてくれる」
「他行より話しやすく相談しやすい」
「銀行の名前があるが、近づきやすい存在である」
「時間をかけ、できるだけ希望に沿おうという姿勢がみえる」
「お客の立場で考えているというのが伝わった」
「極小の商売にも銀行の目を向けてもらえた」
「対応が暖かく、小企業でも話を聞いてくださる」
「欧米のように経営者を見てくれるところがうれしい」
「すぐに来社してくれた」
「気持ちがやわらぐ」
「審査が速い」
「速くて明快」
「スピーディである」
「中小企業の味方だ」
「こういう銀行を待ち望んでいました」
「こちらも頑張れそうです」
という「感謝のメッセージ」をいただきました。こういうコメントをいただくたびに、「シンドイし、誹謗中傷も絶えないけれども、この銀行を立ち上げてよかった」と実感します。そして、こんなにありがたい商売はない、とさえ思います。お客さまから感謝されながら商売ができる――これは、本当に素晴らしいことです。

 日本振興銀行の商売の中心は、なかなか銀行から借りられないお客さまに対して、ノンバンクから借りる場合の半分の金利水準で、しかも原則として担保や第三者保証なしで、スピーディにおカネをお貸しすることです。1件の貸し出しを実行する毎に従業員5~10人の雇用に貢献し、家族を含めて約20人の方々の生活をサポートしたことになります。1日50件の貸し出しを実行したとすれば、たった1日で約1000人の方々の生活を支えることに貢献したことになる。12月に実行した750件は、約15000人の方々の生活を支えることに貢献しています。
 日本振興銀行のビジネスは、1日50件の貸し出しを通じて、毎日1000人を救い、毎月新たな15000人の生活を支えるという事業です。すでに2400社にお貸し出しをしていますから、約5万人の方々の生活に日々貢献していることになります。
 世の中では「CSR」という言葉が流行っていますが、本質を取り違えているようにも思えます。本当の意味のCSRとは、本業を通じて社会に貢献することだからです。付け刃的に献金をしたり、慈善事業をすることではありません。日本振興銀行のビジネスは、ビジネス自体が「CSRそのもの」なのです。
 とはいえ、黒字化してビジネスとして立派に成り立たせない限り、その行為が評価に値しないということも冷徹な事実です。ビジネスは損失を垂れ流しても許されるボランティアではありません。だからこそ、日本振興銀行は何が何でも早期黒字化を達成しなければならない。そのために、ありとあらゆる収益確保のチャンスをモノにする努力が求められています。余資の運用は、その中でも重要な部分を占めているのが実情です。
 余資については、安全にかつ確実に金利を稼ぐ手段で運用することを心掛けなければなりませんが、その一方で、できる限り多くの資金を運用に回す必要があります。預金をお預かりして寝かせておくだけでは、利益の嵩上げに繋がらないからです。無論、余資の運用においても、前述したとおり、アームズ・レングス・ルールに則って厳格に実践されなければなりません。そういう枠組みの中で保全策を講じた上で、1億円を超える融資を実行することもあります。
 日本振興銀行の事業がお客さまの支持を受けて拡大し成長している限り、外野から何を言われようが、現在の経営方針を貫いて突き進むだけです。お正月なので、大言壮語を許していただけるのであれば、日本振興銀行は、3年目の黒字化というファーストステップをクリアして、2012年に1兆円の金融グループになるというビジョンに向かって、お客さまとともに着実に歩んでいきたいと願っています(ソフトバンクの孫正義氏は、創業時、3人しかいなかったときすでに、「1兆円企業」になることを宣言されたそうですから、その前例に倣えば、許される範囲かと存じます)。

 「いまでも中小企業や零細企業に対する貸し出しは滞っている」と銀行を批判する評論家やマスコミは数多くおられますが、本当にそう信じるのであれば、身銭を切って零細企業にお貸しすべきなのではないでしょうか。「言うは易し、行うは難し」と申します。実際、日本振興銀行が前人未到のミドルリスクマーケットに参入して以来、参入する前には分からなかった様々な課題が発生する中を、日々走りながら解決しているというのが実情です。
 私は、「評論」とは「理想を実現するために行うもの」だと思っています。「自分ではやるつもりがないけれども、他人の揚げ足をとって満足するもの」だとは思っておりません。リングに立つ者の試練を顧みることなく、リングサイドで机上の空論を唱え続ける「評論家」は最も卑怯な人間の部類なのではないか、とさえ思っております。
 「評論」するだけで、世の中が良くなるのなら、とっくの昔に日本はパラダイスになっています。世の中はそんなに甘いものではありません。自らリスクをとり、コストを支払って、ダメージに耐えながらゴールに突き進んでこそ、世の中は変わり得ます。自ら汗をかき、涙に濡れ、血を流してはじめて、世の中は変わっていきます。自らその役割を担う覚悟のない「評論」は、所詮、すべての問題を世の中の誰かの責任に転嫁する「負け犬の遠吠え」に近いものがあります。
 私は、私の出来る範囲で、私が信じる理想の実現のために、リスクとコストとダメージを覚悟しながら実践の場に常に身を置いてきました。私は、1998年にベンチャービジネスを自ら立ち上げたときに「貸し渋り」に遭遇し、資金繰りで塗炭の苦しみを半年間味わっています。そのときの実体験は筆舌に尽し難いものがありました。だからこそ私は、日本振興銀行のビジネスは世の中に必要だと信じています。お客さまは「必ずいる」と実感しますし、ビジネスとしても「必ず成り立つ」と確信しています。
 日本という国は、本当に度量の狭い国で、新しいことを始める人間に対しては必ず揚げ足取りをはじめるものです。特に誰もやったことのないビジネスについては、その社会的な意義を無視して、暖かく見守ることもなく、「どうせ失敗する」という思い込みで誹謗中傷の雨を降り注ぐものです。
 一昨年秋からの私に関する一連の誹謗中傷記事に関しては、いくつか訴訟を提起しており、そのうちの1件が1月末までにようやく結審しそうです。殴られてから一発殴り返すまでに1年以上を費やしてしまいました。法的手段に訴える場合は、法廷の場での様々なやりとりもあり、結審するまですべてを詳細に開示できないことがあることはご理解ください。したがって、冒頭の記事に関しても、現時点で開示できることは、申し訳ありませんがこの程度に限定させていただきます。ただし、「情実融資」でも「違法融資」でもないことは、法廷の場においてもキッチリと立証させていただくつもりです。
 いずれにしても、2006年が皆さまのさらなる飛躍の年になることを祈念しております。新年早々、長文で失礼いたしました。

2006 01 04 [07. 銀行はどこへ行く?] | 固定リンク

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