« [ゴーログ]県知事は首相の6倍も退職金をもらっている! | トップページ | [FJオンラインDの日記] 3億あったらどうしよう!? »

2006.05.25

ニッポン・ウーマン 第三章 炎のゆらめき(124)

 「日未子の話を聞いていると、谷川君と薮内君を離した方がいいのかな」

 利洋はチーズをつまみに赤ワインを呑んだ。
 「そんなことをされたら私のせいみたいだから嫌よ」
 日未子は抗議した。
 「あのサイバーネットワーク社の案件が上がってこない理由が分かったからね」
 利洋は含みのある言い方をして、また赤ワインを呑んだ。
 ミズナミ証券は社長や役員もほとんどが興産側出身者で占められていた。興産証券と大日証券が合併した会社なので、当初は人事面でもバランスがとられていた。社長に興産証券や興産銀行出身者が就けば、会長は大日証券や大日銀行出身者が就くという具合だ。
 ところがしばらくすると、人事異動の度に大日側の役員がいなくなり、今では会長、社長とも興産側になってしまった。
 この原因は大日側の人材不足にある。証券業務などのノウハウを持つ人材の層が大日側は薄いため、人材を送りたくても送れないのだ。もはやミズナミ証券は興産証券と言っていい状況になった。


--------------------------------------------------------------
【著者】 江上 剛 (えがみ ごう)
昭和29年、兵庫県生まれ。早稲田大学政経学部卒。第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。広報部次長時代に対応した総会屋事件が、映画「呪縛・金融腐食列島」のモデルとなる。平成15年退行、作家専業に。主な著書に「非情銀行」 「起死回生」「腐蝕の王国(上・下)」など。

2006 05 25 [16. 小説「ニッポン・ウーマン」] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15160/10216316

この記事へのトラックバック一覧です: ニッポン・ウーマン 第三章 炎のゆらめき(124):