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2006.05.26

ニッポン・ウーマン 第三章 炎のゆらめき(125)

 一方興産側にも弱点はあった。顧客層の問題だ。

 興産側は大企業取引には強いが、中小企業や新興企業の取引層が薄いのだ。そのため新規公開などの案件は大日銀行の取引企業が圧倒的に多い。
 役員やかなりの幹部が興産側に占められようとしている中で、大日出身の社員たちは、大日銀行の取引企業の新規公開は大日側で全てを仕切うとする動きを活発化させていた。
 これは、ミズナミ銀行、ミズナミ証券とはなったものの、大日側に証券業務に精通したより多くの人材を育成しようという意図だった。
 興産側とすれば、この動きは許せない。しかし同じ会社の中で、興産と大日で取引先を取り合いするなどという恥知らずなことをするわけにもいかない。
 そこで大日銀行の取引先の新規公開案件のうち、注目銘柄だけを選んで興産側で取り扱うよう画策することにしたのだ。その一つがサイバーネットワーク社だった。


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【著者】 江上 剛 (えがみ ごう)
昭和29年、兵庫県生まれ。早稲田大学政経学部卒。第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。広報部次長時代に対応した総会屋事件が、映画「呪縛・金融腐食列島」のモデルとなる。平成15年退行、作家専業に。主な著書に「非情銀行」 「起死回生」「腐蝕の王国(上・下)」など。

2006 05 26 [16. 小説「ニッポン・ウーマン」] | 固定リンク

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