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2006.06.17

[フィナンシャルi]個人マネーが次代の活力

 最近、団塊の世代の資産運用が脚光を浴びている。金融機関の立場からは、この世代の退職金を含む金融資産を「いかに取り込むかが焦点だ。
(ありがとう投信 代表取締役 村山甲三郎)

 しかし、顧客の立場からは「自己責任」を強調され、「リスク」がありますと何度も言われる窓口での「説明」に違和感を感じる人も多いようだ。もちろん「自己責任」も「リスク」も分かるのだが、それを前面に出して説明しようとする金融機関の姿勢の背後に、何か別のものを感じ取る人もいるようだ。
 資産運用の目的で金融機関の窓口に行く一般の人が、そこで直面するのは変動する市場そのもののはずだ。今までは貯金や預金が金融資産のすべてであった人たちにとっては、それはなじみのない世界だから、当然緊張して恐怖感を感じてもおかしくはありません。
 それに対する金融機関の説明が十分なものであるかどうかは、これから多くの人々が「運用」を通じて「市場」と向き合わざるを得ない時代が進めばおのずと明らかになってくると思う。

 こんなことをいうのも、いろいろな個人の方と運用に関するお話をさせていただく機会が多いせいだろう。弊社を訪れて運用に関する相談をされる方は若い人も多いが、やはり団塊の世代の方たちが中心になる。
 そうした折には、「市場の4つの要素」について思いをめぐらせることがある。4つの要素とは「力」、「頭」「心理」それと「思い」だ。
 市場は「売り」と「買い」がぶつかる場所だから、当然「力」のあるものが勝つ。また世の中にはとてつもなく頭の良い人がいるから、市場でもその「頭」を活用して利益をあげる人もたくさんいる。
 「力」にも「頭」にも縁がない一般の人でも市場に参加して自分の資産の価値が大きく上下する経験をすれば、市場が恐怖や欲望の「心理」の場所であることはすぐに理解できると思う。
 それでは最後の「思い」とは何か? 
 はっきり定義するのは難しいのですが、「どういう気持ちで自分の大切な資金を市場運用に投じるのか?」という設問への各人の答え、のようなものと考えている。
 長期投資を続けるときには「思い」の支えが必要だ。それがあってはじめて「力」や「頭」、「恐怖の心理」に打ち勝って、市場での運用を続けられるのだ。長期投資に欠かせない忍耐力も「思いの強さ」が支えてくれる。

 その意味では、弊社に来られる方たちの、これから長期投資で資産形成に向かおうとしている「腰の据わり方」を見ていると実に頼もしい限りだ。マスコミが書き立てるライブドア騒ぎにもデイトレーディングの狂騒も実は多くの人たちには関係がない。
 50兆円といわれる団塊世代の退職金を含めて1500兆円を越える個人の金融資産がしっかりとした「長期投資」に向かうことが日本の次の時代の活力を生む道だと、弊社のような小さな会社にあってもしみじみ実感できるので、正に日々「ありがたい」と感じながら仕事をしている。

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村山甲三郎(むらやま こうざぶろう)
1952年東京都青梅市生まれ。一橋大学卒。米国コーネル大学経営学修士。邦銀勤務の後、1985年からゴールドマンサックス証券で外国債券営業部長、1994年からCIBCウッドガンディー証券で営業本部長。1999年から米国運用会社の在日代表を務め、2004年ありがとう投信の設立に参加、代表取締役兼運用責任者。

(追伸)「週刊!木村剛」は、金融経済月刊誌「フィナンシャルジャパン」(年間購読はココ)および「フジサンケイビジネスアイ」(購読希望はココ)とメディア・コラボレーションしています。本日の記事は6月5日にフジサンケイビジネスアイに掲載されたものです。

2006 06 17 [14. フィナンシャルi ] | 固定リンク

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