« [週刊!尾花広報部長] 憶測記事 | トップページ | [ゴーログ]薄っぺらいホリエモンは昇龍になれるか? »

2007.03.25

[フィナンシャル ジャパン] いま問われる情報開示のあり方

フィナンシャル ジャパン」2007年4月号掲載 
【ミクロが変える経済】 経済ジャーナリスト 財部誠一氏

 経営情報の開示は、いまや上場企業の経営者にとって、最優先事項のひとつとなった。会社がいまどんな状況にあるのか、それを適時適切にオープンにしていくことが当たり前の時代になった。情報開示のチャネルはいくつ
もあるが、経営者の意識の中で大きな存在感をもっているのが証券会社のアナリストとのミーティングである。国内はもちろんのこと、中間、期末の決算が終わると、大企業の経営者が海外のファンド等の大株主やアナリストへの決算説明のために欧米に出張するのはいまや年中行事になっている。言ってみれば、情報の出し手である企
業の姿勢はこの10年ほどで様変わりしたといってよい。
 だが代表的な情報の受け手であるアナリストは、いったいどれだけ質的に向上したのだろうか。アナリストとは、「自動車」や「エレクトロニクス」など、事業分野ごとに高度な専門知識と分析技術をもち、企業の決算情報をもとに、その会社の株式が「買い」なのか、「保有したまま」でいいのか、あるいは「売り」なのか、といった投資判断の材料を提供する専門家たちである。本来なら、企業分析においてはもっとも頼りになる人たちであるはずなのだが、これがどうも怪しい。
 アナリストの生活もこの10年ほどのあいだに大きく変わった。ひと昔前なら「決算」は年2回で、彼らもまた年に2回公表される決算数字をもとに、分析し、レポートを書き、機関投資家に届けていれば、すまされた。それがいまや4半期決算が常識になり、アナリストは3カ月に1度、決算数字を分析し、投資判断をレポートしなければならなくなってしまった。徹夜、徹夜の連続でようやくレポートを書き終えた頃には、もう次の四半期決算がきてしまうといった調子だ。じつは企業経営者は例外なしに、わずか3カ月の数字に特別な意味を見出そうとするアナリストたちに辟易している。だが彼らの書くレポートが株価の先行きに影響力をもっているために、わずか3カ月の業績変動などという、ビジネスの現場感覚とはかけ離れた近視眼的な情報提供にも一生懸命にならざるをえないというのが現実だ。もちろんその矛盾、ばかばかしさについては、アナリスト自身も気づいている。
 ある外資系証券会社のアナリストが、ある新聞記事に掲載された同業者のコメントを引き合いにだしながら、いまの情報開示のあり方に疑問を呈した。「東芝がウェスチングハウス社(原子力発電設備などで有名な米国の
重電機器メーカー)を買収したことを報じた新聞記事に引用されていたアナリストのコメントを見て私は愕然とした。この買収が東芝の将来にどのような影響を及ぼすかという質問に対して、彼は『遠い将来のことに興味はない。私の関心は、3カ月先がどうなるかだ』。アナリストという職業はもう終わったなと思った」
 驚くべきことに、米国では今や「ミッド・クォーター」の時代に突入している。4半期でも足りず1カ月半に1回、企業分析しようというのだ。経営の現実と断絶している。これはもうアナリストにとって自殺行為というほかない。
 投資家への情報提供は、どうあるべきか。真剣に考える時がきている。

---------------------------------------------
070320mag02


ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
堀江被告実刑判決の是非」  ↓からご覧いただけます。

http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewPodcast?id=197875134

http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/070320/070320mag_lived51.html


 (お知らせ)毎週水曜日発行のメールマガジン-木村剛情報満載! 金融・経済レポート「フィナンシャル ジャパン」では、ポッドキャスティングでの木村剛のビデオメッセージをはじめ、金融・経済はもちろんのことタイムリーな話題など・・・必見です!メールマガジンはこちらから登録いただけます。

2007 03 25 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15160/14353322

この記事へのトラックバック一覧です: [フィナンシャル ジャパン] いま問われる情報開示のあり方:

» 日本国民の借金残高は651万円/人 [ある女子大教授の つぶやき から]
日本国民の借金残高は651万円/人   財務省は2006年12月末での国の借金残高を1年前に比べて2.3%増の832兆円と発表した。この借金には国債や借入金など含まれていて、過去最高となった。この額は日本の名目国内総生産(GDP)の約1.6倍であり、経済協力開発機構(OECD)のデータによると、主要先進国の債務残高のGDP比では最悪の水準にある。ちなみに米国は約0.6倍である。国民一人あたりでは650万円であり、夫婦二人で1300万円の借金を背負っていることになる。これに地方公共団体のものまで... 続きを読む

受信 2007/03/25 12:05:47

» 有田芳生氏批判の念力が通じたわ! [うみおくれクラブ から]
 昨日から、ゆみちゃんは、本格的な、有田芳生氏批判を始めたのだ。  昨日、昼前、美容院に出かけようとして、腰痛がひどくて断念。  小1時間ほどベッドで横になり、午後2時頃、まさに有田氏出演「ザ・ワイド」が始まる頃、有田氏批判をブログで書き始めた。  その頃、有田氏はなんと・・・・・  ゆみちゃんの「批判」の念力を感じたようである。 有田氏ブログ「東京五輪は都知事選の争点なのに」より  「3月15日(木)「ザ・ワイド」に出演しているときから身体がだるかった。「おかしいなあ」と思ったものの、仕方がない... 続きを読む

受信 2007/03/25 12:41:24

» 地震情報 情報収集に時間がかかりすぎ? [くまさんの自立 から]
今日も午前中から、大きな地震がありかなり驚いた。地震だけは防ぎようがな いし、予測もほとんどできない。  まさにある日突然やってくる。どんなに学術研究が進んでも、こと地震につ いては進歩しているようなしていないような感じだ。  ただ、情報網が進歩しているにもかかわらず、現地の情報はニュースソース に載ってこないのはなぜなのだろうか? ... 続きを読む

受信 2007/03/25 19:15:01

» なぜ株式投資はもうからないのか [藤井まり子の連れ連れ日記 から]
404Blogさんのこのブログ記事で紹介されていた保田隆明氏のなぜ株式投資はもうからないのかを、ざざっと目を通してみました。 けっこう面白かったです。 ところどころ(自称プロ集団のアクティビスとでも 時折、インデックスファンドよりも運用成績が悪くなる場合がある・・・この格好の教材が村上ファンドだったことなどの説明が やや不足気味。)ひっかかるところはあるけど、株式投資については、大変まとまっている。 特に2004年あたりから、日本国内の株式市場は、初心者が、どんな株式を個別で購入しても、損をす... 続きを読む

受信 2007/03/25 23:39:58

» 堀江氏が逮捕されなかったら場合の『たられば金融物語』。 [藤井まり子の連れ連れ日記 から]
たらればの話は 女性はけっこう好きである。 何歳になっても 仲良しの女性同士が集まると、手に汗握る『究極の選択』と称して、たらればの空想話で盛り上がることが多い。 もし、マリーアントワネットが政略結婚で嫁いだ先の王子様が、フェルゼン真っ青のイケメンの好感度No1の王子様だったら・・・・それだったら、誰も物語の題材として、アントワネットに注目しなかっただろう。 もし、自分の乗っていた船が難破して、命からがら無人島に一人漂着したら、そこには柳沢厚生大臣と元長野県知事の田中康夫しか居なかったら・・・・・一... 続きを読む

受信 2007/03/25 23:41:12

» 資産運用にも「不都合な真実」? [フィナンシャル ジャパン Editors' Blog から]
「不都合な真実」という映画をごらんになりましたか。 アル・ゴア アメリカ元副大統... 続きを読む

受信 2007/03/26 14:07:53

» FJプレミアムクラブ朝食会 [フィナンシャル ジャパン Editors' Blog から]
「フィナンシャル ジャパン」に広告を掲載している「FJプレミアムクラブ」。 先日... 続きを読む

受信 2007/03/27 9:07:54

» 竹中平蔵さんの講演あり [フィナンシャル ジャパン Editors' Blog から]
読者の皆様に好評の「資産運用サミット」 次回の開催が決まりました。 6/16(土... 続きを読む

受信 2007/03/28 9:55:31