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2007.06.10
[フィナンシャル ジャパン] 勇気の要らない投資
『フィナンシャル ジャパン』 2007年6月号掲載
【こんな投資はしちゃいけない】 CIFA 安藤 順氏
勇気ある2人から次のようなエピソードを聞いた。
まず、かなり昔に聞いた当時90歳近かった方の話は、1929年の世界恐慌が起こったころに遡る。シャッターを下ろした銀行の前に、預けたお金を払い戻してもらおうと、預金証書を持った人が長蛇の列をつくっていた。だが、銀行からはすぐに払い戻してもらえない。そうした中、その人は、いつ現金化できるかわからない預金証書を買い叩いていたという。もちろん、数年後にその預金は全額返ってきた。
もう1人の話は最近のこと。バブル崩壊後の2002年末、日経平均が7600円の最安値に近づいていた。そんな中、その人はいすゞ自動車株を50円で2000万円分買い、今も半分保有しているという。当時は、国全体が「日本経済はもうおしまいでは」という恐怖感に襲われていたにもかかわらず、である。
このお2人、本人は相当な確信を持っていたのだろうが、周りに流されないその勇気には敬服する。
相場のあるものは、売り手の多いときには値下がりするし(買い手が有利)、買い手が多いときには値上がりする(売り手が有利)。買うから上がり、上がるから買いたくなる。また、売るから下がり、下がるから売りたくなる。そういうものだ。
だが、相場で勝とうと思ったら、そういう多数の人に付和雷同するタイプであってはならない。当たり前の話だが、「下げ相場で買い、上げ相場で売る」のが儲ける秘訣なのだ。とはいえ、当事者にとっては意外と勇気がいるもので、なかなか実行できない。
日本経済は、十数年の長いデフレのトンネルを抜けようとしている。
デフレ下における効果的な投資手法として、一定の損失が出たらロスカット(損失確定売り)が一時、注目されたが、今後インフレになるのなら、ナンピン買い(安値での買い増し)で対処すべきだろう。
新興市場は特に玉石混淆。玉より石に当たる確率が圧倒的に高い。このことも十分自覚した上で、「勇気を持った売買」を心がけるべきだ。
2007 06 10 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク
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