« [ゴーログ] お役人に個人責任を問おう | トップページ | [週刊!スモールビジネス] アジアを代表する「シリコンバレー」になれるか »
2007.06.30
[フィナンシャル ジャパン] 地方経済の活性化は知事の経営能力にかかっている
「フィナンシャル ジャパン」2007年7月号掲載
【ミクロが変える経済】 (経済ジャーナリスト 財部誠一氏)
あわただしく4月の統一地方選挙が終わった。選挙戦全体を通じて何か大きな変化が起こったという実感はない。しかし、印象に残ったことがひとつあった。それは再選を決めた直後のインタビューで、知事たちがまるで判で押したように「企業誘致に力をいれる」と語っていたことだ。
マスメディアはさかんに「東京と地方の格差」を問題にするが、なぜ格差が開いたのかについては何も語らない。ただ政府が悪いと批判するが、問題は国だけではない。地方経済の低迷は地方の経済経営の失敗だという認識をもつことがまず必要だ。たしかに、地方消費税や法人税・住民税などの配分を変えることで、地方にカネを
還流させようという考えも悪くはない。しかし、これでは地方分権の流れに逆行することになる。地方の独立をうたいながら、国がカネで地方を縛る構造が強化されたのでは本末転倒だ。
大切なことは、地方が自分自身でいかにして地元経済を活性化できるかだ。そこで大きな意味をもってくるのが「企業誘致」である。経済の活性化のためには「投資」が絶対に欠かせない。投資なくして成長なし。これが資本主義の絶対条件だ。その現実に、再選を果たした知事たちは、みな気づいているということなのだろう。
企業誘致といえば、まず福岡県が頭にうかぶ。4選を果たした麻生渡知事のもと、はやくから「自動車100万台生産計画」をかかげ、トヨタ、日産など自動車メーカーの誘致に全力をあげてきた。そのかいあって、100万台生産も達成。多くの雇用が創出され、莫大な税収が地元に落ちている。しかし誘致活動当初は、暗澹たる状況が続き、ベテラン職員は「1社も来てくれないのではないかと不安な日々が続いた」と話していた。あの福岡でも、そんなところから始まっているということだ。そしていま福岡では、自動車メーカーが好調な業績を背景に、工場の増設、新設に動いている。すると、そこに関連の部品メーカーがやってくる。つまり黙っていても企業誘致が進んでしまうという好循環が出来上がっているのである。
そして三重県は、北川正恭前知事がシャープを亀山市に誘致したことで有名だ。シャープは、ここで液晶テレビ日本一の座を不動のものとし、いまや「亀山ブランド」なる言葉まで出現している。
その北川さんに先日、テレビの仕事でお目にかかった。「情報公開ができていなければ、企業誘致はできない」と北川さんは断言していた。
「三重県はシャープに90億円を提供することで誘致に成功したが、情報公開が実現されてなければ贈収賄になりかねない話だ」
驚いたのはその後だ。
なんとシャープ誘致は「四日市市再生も狙いのひとつだった」という。四日市は日本有数の石油化学コンビナートの街として知られるが、バブル崩壊以後、地域経済は悪化の一途をたどった。そこにシャープがやってくれば、化学製品需要が高まり、四日市の再生にもつながるという算段だ。
いまや知事は経営者だ。
地域経済を左右するのは知事の経営能力といってさしつかえない。誰を知事に選ぶか。誰を市長に選ぶか。地域の運命は地域住民の選択の結果なのである。
2007 06 30 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15160/15558550
この記事へのトラックバック一覧です: [フィナンシャル ジャパン] 地方経済の活性化は知事の経営能力にかかっている:















