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2007.08.12
[フィナンシャル ジャパン] ヒットを裏から支えるディスプレイの仕掛け人
商業施設や展示会、イベントにおける内装や展示の企画・設計・施工に携わる乃村工藝社。115年の歴史を誇り、ディスプレイ業界のトップを走る。伝統ある会社が、新たな成長への階段を上りはじめている。
≪フィナンシャル ジャパン 8月号 構成= FJ 編集部≫
クライアントと消費者を結ぶ「空間」をプロデュース
表参道のブランドショップ、銀座の百貨店、六本木の大型商業施設、大手町のカフェ……。幕張メッセには東京モーターショーのブース。名古屋で行われた「愛・地球博」のパビリオン。神戸に行けば、J R三ノ宮駅の目の前
に「ミント神戸」があり、福岡・天神には人気ショッピングモール「VIORO」がある。
乃村工藝社(ノムラ)がどんな仕事に携わっているのか、一見、わかりにくいが、街を歩けば、いたるところでその「仕事」を目にしている。
人を呼べる施設、空間をつくることで、商業施設や百貨店などの売り上げ、博覧会などの入場客数を陰から支えている。ショールームでいえば企業のイメージアップ、専門店でいえば購買率のアップに貢献している。
創業は1892年と明治時代にさかのぼる。世間に、驚きとともに認知されるのは大正時代。創業者の乃村泰資氏が、東京・両国の国技館において菊人形の大規模なイベントを行い、巧妙な舞台転換のテクニックと仕掛け、そしてダイナミックな舞台装置の演出で、センセーションを巻き起こした。
昭和に入り、博覧会の展示や百貨店を中心にした催しもの、内装の設計・施工を手掛けるようになる。大きく成長するきっかけとなったのが1970年の大阪万博(日本万国博覧会)だ。パビリオン展示で集客の実績を上げ、いよいよ本格的に大型商業施設のディスプレイに乗り出していく。
現在は、企業PR館、アミューズメントパークなど多彩なジャンルにステージを広げ、百貨店のみならず、アパレル、外食産業、金融機関、各種大手メーカーなどに安定したクライアントを持っている。
常に「新しさ」求めるチャレンジャー精神
長い歴史とは裏腹に、同社から受ける印象は新しい。手がける「ディスプレイ=空間創造事業」を、時代とともに進化させてきたからだ。「ヒットを生み出すには、常に新作をつくらなくてはならない。そのために400人近くのデ
ザイナーやプランナーが常時、稼働している。これだけのクリエーターを抱えている会社はあまりなく、115年の経験を生かしながら、常に新しいモノづくりに挑戦してきた」と土井勇樹広報・IR室長は語る。街の「今」を意識して、「営業」「ディレクション(制作)」「デザイン」の3部門が有機的に絡み合い、時代に合ったデザインと一般消費者を飽きさせないアイデアを生み出している。施設を演出するクリエーティブ力ももちろんだが、伝統のある会社であ
りながら、従来にないアイデアを実行することをいとわない「チャレンジする社風」がノムラの強さになっている。
「集客力」へのこだわり
いかにして人が多く集まる空間をつくるか。つまりは「集客力」を上げるため、商業施設や展示会イベント、博物館などの内装、および展示の見せ方、つくり方の知識と技術を磨いてきた。「常に、クライアントとともに、実際に施
設を訪れる一般消費者をメインに意識した仕事を心がけている」と土井氏。自らは目立たず、目立たせるのはクライアントの商品であり、創造した空間だ。ノムラが関わることによって、「多くの人が集まる」ことにこだわっている。
最近関わった案件では、新丸の内ビルディング、東京ミッドタウンなどの商業施設、横浜のアニメキャラクターのミュージアムや子供の体験型テーマパークなどで、「集客」に貢献している。
質の高いデザイン、設計・施工のレベルの高さに加え、企画や実地調査、メンテナンス、施設運営などのトータルサービスにおいて競合他社の追随を許さない。
さらなる成長のステージへ
景気回復の追い風を受け、商業施設分野での業績が特に好調だ。2005年度には、名古屋で行われた「愛・地球博」の売り上げが一部計上されているため、06年度の前期比減収を予想していたが、専門店市場、広報・販売促進市場(展示会、企業ショールーム)の需要拡大でカバーし、売り上げ・利益ともに期首計画を大幅に上回った。07年2月期で820億7200万円と、4期連続で売上高を伸ばしている。
さらなる飛躍へのきっかけとなりそうなのは、06年12月にファミリーレストランなど外食産業を中心とした店舗建設、改修、メンテナンスなどを行っているテスコを連結子会社化したこと。これまでノムラにはなかった多店舗展開での設計・施工や、価格の競争力の強化に効力を発揮しそうだ。
この5月には乃村義博会長、渡辺勝社長の代表者2人体制をつくった。渡辺社長が乃村工藝社単体を統括し、乃村会長は、乃村グループ全体を見ることで、次の成長分野を模索、構築していくことに専念する。年末には本社社屋を東京・お台場に移転するなど、将来への布石が打たれている。北京の子会社「乃村工藝建築装飾(北京)有限公司」を足掛かりにした中国進出も視野に入ってきた。明治時代から歩んできた115年。新たな歴史を見据えた動きが始まっている。
ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
「サブプライム・ローン問題の行方」 はこちらからご覧いただけます。
http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewPodcast?id=197875134
http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/070808/070808mag_sub70.html
2007 08 12 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク
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