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2007.08.26

[フィナンシャル ジャパン] こんな投信は買ってはいけない

 ≪フィナンシャル ジャパン 9月号  失礼ながらその投資本では儲かりません≫

『投資信託にだまされるな!』
竹川美奈子(著) ダイヤモンド社
オール紀伊國屋月別経済書ベストセラーランキング2007年6 月 1位

 残念ながら、良心的な投資本は少ない。書店で目を皿にして探してみても1%あるかないかだろう。しかし、今年4月に上梓された『投資信託にだまされるな!』(ダイヤモンド社)はお勧めできる。
 特に第1章「こんな投信は買ってはいけない」がいい。まず「要注意商品1」として登場するのは、「定期預金とセットで販売されている投信」。「定期預金でじっくり増やす。投資信託でぐんぐん育てる。初心者に最適な入門プランです!」などというキャッチコピーで、庶民の心をくすぐる金融商品だ。申込総額50万円以上で、50%以上を投
資信託に割り当てた場合、定期預金が優遇金利である年利4%になるという感じのセット商品だが、銀行の店頭などで勧められた読者も多いのではないだろうか。
 この本の良いところは、シンプルに種明かしをしてくれること。このセット商品の問題点は、優遇金利が付与される定期預金が3カ月と短期間であることを示した上で、具体的に金利を計算し、3カ月を経過した後は優遇金利が適用されないため、仮に100 万円を預けても、もらえる利息が年1万円に届かないことを示してくれる。
 その裏側で、銀行は100 万円以上の投資信託を売ることで、1年目に4~5万円の手数料をとることができるというカラクリを説明し、銀行がもうかる仕組みになっていることを教えてくれる。
 次に登場するのが、「『高利回り』を強調された投信」である。広告では利回りの良さだけを強調するグラフを駆使して、リスクについてはおざなりの説明だけ。しかも、下のほうに非常に小さな文字で「将来の運用結果を保証するものではない」とか「為替変動リスクがあります」などと書かれているだけだったりするから、なけなしのお金を投資する庶民としては、注意するに越したことはない。
 「要注意商品3」は「毎月分配型投信」。毎月おこづかいがもらえるタイプで、日本における花形投信となっているが、この商品については、「分配金はどこかからわき出てくるわけではありません」と明確に釘を刺している。「分配金の原資はみなさんが投資したお金です。……分配金をもらうと資産が増えたような気になりますが、保有す
る資産の総量自体が増えたわけではありません。それどころか、分配金を受け取るたびに税金がかかるため、実際には税金分だけ資産が目減りしていきます」と言い切る解説が秀逸である。
「投信会社や販売会社に手数料を払って、自分の資産の一部を『分配金』として受け取っているだけ」という指摘には、関係者一同、顔を覆って小さくなるしかあるまい。
 この後には、「資産分散型投信」が続き、さらに「最初の手数料負担が少ない『クラスB受益証券』」に関する留意点が解説される。それぞれに味わい深く、この第1章を読むだけでも、1500 円の定価を払っておつりがくる感じだが、その後の章においても丁寧かつわかりやすく投資家の立場に立って書かれている。著者の良心が伝わってくる良書である。

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2007 08 26 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク

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