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2007.09.10
[ゴーログ] 再びサブプライムローン問題が市場を動かす!
皆さん、こんにちは。木村剛です。先週末の米国市場において、サブプライムローン問題が再びクローズアップされて、マーケットが大きく動きました。「カトラー」さんは、「今回の住宅バブルの崩壊は、かなり様相が異なっている」と指摘し、本件の深刻性について解説しています。
バブル崩壊時に発生した不良債権を癌に例えれば、80年代後半の米国では、外科手術によって切除すればよかったものが、今回は、全身にガン細胞が転移している様にも例えられる。原因のひとつは、金融機関のローン債権の処理方法が変わったことにある。破綻した米国のS&Lや日本の住専(住宅金融専門会社)は、住宅ローンの債権を自ら保有していたが、現在の住宅ローン債権は、証券化されて、さまざまな投資ファンドや金融商品に組み込まれ、「見えないリスク」が生まれてしまったことだ。この背景には米国の金融機関はBIS規制をクリアするために、債権の証券化・流動化を積極的に進めたことがある。金融テクノロジーの進化もあって、サブプライムローンの債権は、様々な金融商品、ファンドに組み込まれることとなり、金融システムを「体」に例えれば、全身にガン細胞が転移したようなもので、誰もその確かな所在を特定できなくなってしまった。その結果、リスクを特定できないことの不安感が、金融市場全体の信用収縮を招き、リスク資産のリプライシング、株価の下落、更なる信用収縮という連鎖状況を生み出している。アナウンス効果を懸念してか、大手マスコミは大きな活字にこそしないが、世界は金融恐慌の瀬戸際まできている。
「世界恐慌の瀬戸際」というのは、少し大袈裟な表現ではないかと感じますが、「見えないリスク」に対して、マーケットが大きく動揺していることは事実だと思います。というのは、内実を良く知る金融のプロフェッショナルであればあるほど、本件を深刻に受け止めているからです。
もっとも私は、本件については、完全なマイノリティで、「プロのくせに少し動揺しすぎなんじゃないの?」とは感じており、どちらかというと、「ある女子大教授のつぶやき」さんが以下に指摘しているように、「『投資家が自ら決定した投資の結果を保護するのはFRBの責務ではない』というバーナキン議長の発言」によって、過度な楽観主義が腰折れしたことが大きいという捉え方をしています。
これは、前議長であったグリーンスパン氏への決別宣言とも受けとめることができる。前議長はウォール街出身の経済アナリストで、企業経験も豊かであり、市場に混乱が生じると、すぐに政策金利であるFF金利を引き下げてショックを吸収してきた。その巧みな金融政策でマエストロ巨匠とか呼ばれて、グリーンスパン神話を作ってきた。今回のサブプライムローン問題でFRBはFF金利を放置して、公定歩合の引き下げだけを実施した。これに対してバーナキン議長の手腕を疑問視する声も出ているが、コロンビア大学教授から就任した学者議長は、いざとなったらFRBが何とかしてくれるであろうという投資家の期待を外した。前議長の政策が投資家のモラルハザード倫理欠如を招いてきたことに対する批判とも考えられている。 そもそも問題となった低所得者向け住宅融資は、02年から3年間、前議長が2%をきる低金利を続けたことで、資金が市場にだぶつき、住宅価格が大幅に上昇したことで、所得が低い人でも、価格上昇を見込んで住宅が購入しやすくなりサブプライムローンの利用者が急増したものである。前議長は当初は低金利で後で跳ね上がる変動型金利は消費者に利益となるとも語っていた。さらに、金融機関では手数料稼ぎのために、無審査で融資することなど、日本のバブル期と同じようなことが起きていた。
とはいえ、「カトラー」さんの見立てに反対しているわけではありません。特に、以下の解説については、「さすが」と唸らされてしまいました。今後の大きな世界の潮流を見るためには、こういう視点は重要だと思います。
一連の出来事の底流から発せられているのは「アメリカの限界」というメッセージである。本来は、リスク分散システムとして機能するはずの高度化した金融システムが、高度化ゆえにかえってシステム全体の機能不全リスクを高めてしまった現実に加え、米国の経済成長というものが、低所得層に対する住宅ローンとそれに付随した信用膨張という、極めて脆弱な基盤に依拠していたことに対する驚きと不安が、現在の市場全体のセンチメントとして広がっている。自由主義経済の覇者として世界の経済システム司っていたはずの米国にとって思わぬ落とし穴が潜んでいたといえるだろう。それは、ちょうど、イラク、アフガニスタン、中東でアルカイダ、ヒズボラといった国境を越えて活動する武装組織との戦いに呻吟しているアメリカの姿と重なる。地球上のどの建物であっても1mと違わぬ誤差で破壊してみせる圧倒的な軍事技術を持ち、イラクという「国」を易々と叩き潰すことができた帝国が、転移したガン細胞のように世界中に散らばった「見えない敵、リスク」に対しては為す術がない。 今後、進むのは、アメリカの自信喪失であり、アメリカというヴィジョンの終わりであり、アメリカの引き籠もりといった現象になるかもしれない。基軸としてのアメリカ経済への信頼や彼ら自身の楽観主義が弱まることになれば、世界の金融、経済は停滞あるいは混乱を免れず、既に進行している現実だが、経済システムの多極構造化がさらに加速されることになるだろう。世界はその変化の軋みに耐えなければならない。
なお、今回も円相場が大きく動きましたが、外貨証拠金取引(FX取引)に参加している方々には、是非、下記の「貞子ちゃんの連れ連れ日記」さんのコメントを参考にしてください。私は、外貨預金や外貨建てMMFの商品設計と比較して、「FX取引は今後個人投資家に不可欠のツールになる」と確信していますが、誤った使い方で損してしまうと、使わず嫌いになってしまうからです。
私個人は、為替市場の恐ろしさ、高レバレッジの恐ろしさを充分熟知しておりますので、FX取引はしたことがありません。レバレッジ1倍程度なら、外貨建てMMFよりもFXのほうが手数料も安いですので、レバレッジ1倍程度で、内外の金利差だけを楽しむFX取引には魅力を感じますが、それだったら、わざわざFX外国為替証拠金取引業者に口座を開くのも面倒なので、外貨建てMMFで複利の金利をエンジョイしているだけで充分だと思ってます。さらに、けっこう『リスク好きの自分の性格』を私自身が一番熟知しているので、『ユケユケ』になったときに、私自身が、FX取引で、高いレバレッジへの誘惑に勝てる自信が全く無いのです。だから 私はFXをしないのです。 それでもFX取引が大好きで今現在もFXをしていらっしゃる方は、下記のようなKanconsultingさんの提示する『原則』を必ず厳守して下さい。FX取引においても、必ず安全運転で資産運用をお願いします。↓ FX(外国為替取引) ドボンしないために 少ない余裕金&高レバレッジのFX取引は、自動車の運転では、少ないガソリン&スピード・オーバーのドライブ旅行に例えらます。エンジンの中にはガソリンが少ないのに、ガス欠を心配しながらびくびくと、時速50キロ制限の道路を、時速150キロで飛ばしていたら、目的地には早く到着する可能性もありますが、途中で交通事故に遭遇する危険が高く、さらには、途中でガス欠になる心細さとも戦わなくてはなりません。恐ろしいほど殺伐としたドライブ旅行になります。幸せになるための資産運用も、最低限のルールを守らなければ、何故か日々の生活を殺伐と不安定にさせてしまうこともあるのです。
ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
「建築基準法改正で着工数減少?」 はこちらからご覧いただけます。
国土交通省が先月末発表した新設住宅着工戸数が前年同月比23%減と40年ぶりの低水準となった。
原因は昨年の耐震偽装事件ののち改正された建築基準法だ。
本当に罰すべき建築行政や国土交通省の行政の問題は見ずに業者、建築士に規制強化を行った結果である。
http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewPodcast?id=197875134
http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/070905/070905mag_ane74.html
2007 09 10 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク
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池田信夫Blogの新帝国主義を、以下、全文引用抜粋。
最近の世界の金融市場をめぐる混乱は、それほど大規模にはならないで収まりそうだ。その基本的な原因は、先日の記事でも書いたように、現代の国際金融市場ではファイナンスの世界がリアルな世界からアンバンドルされているからだろう。
このようにアジアの製造業から流入する資本をアメリカが世界中に再投資するグローバルなケインズ主義が世界的な好況の続く原因だ、と本書はいう。アメリカが「世界一の借金王」であるとともに世界中に資金をばらまく地球帝国の中心となるこの資金... 続きを読む
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» ◆リーマンの決算でサブプライムの損失が明らかに・・・ [こつこつ為替ファンド から]
ドル円は、111.55−124.12 の38.2%(116.36近辺)にしっかり頭を押さえられて上値は重たそうです。
[[attached(1,center)]]
9月中旬に米系金融機関の6月〜8月第3四半期決算で、サブプライム関連の損失が公表されますので、
モーゲージ関連資産の評価次第では大手金融機関の損失も莫大なものになりそうです。
(デリバティブ、証券化、レバレッジの3種の神器で、自らの首を絞めたウォール街ですか。。)
10月中旬には、欧州系金融機関の..... 続きを読む
受信 2007/09/12 1:44:30
» 帝国以後の世界をどう構築するのか [代替案 から]
まず最大の債権者である日本は、第二の債権者である中国を巻き込んで「対アメリカ債権国会議」を組織する必要があります。日中は「米国問題」を解決するために協力せねばなりません。そして、対アメリカ債権国会議は、債権の一定額の放棄と引き換えに米国経済の構造改革を迫るべきです。ただし、その構造改革の中身は、かつての米国が中南米諸国に押し付けたような市場原理主義改革であってはいけません。世界でもっとも環境に悪いライフスタイルを維持する市場原理主義国家アメリカを、このブログで論じているエコロジカル・ニューディールの... 続きを読む
受信 2007/09/12 11:45:31
















