« [フィナンシャル ジャパン] よくわからない商品への投資 | トップページ | [ゴーログ] 福田内閣のバランス感覚は何をもたらすか? »
2007.09.30
[フィナンシャル ジャパン] 「王子ブーム」に見る〝内向き社会
「フィナンシャル ジャパン」 10月号掲載
勝者の実学 -- スポーツジャーナリスト 二宮清純氏
「夢を失った子供」は社会の「縮み志向」の副産物
「王子ブーム」に見る〝内向き社会〟
このデータを目にして愕然となった。
〈多少退屈でも平穏な生涯を送りたい〉という項目で、「とてもそう思う」と「まあそう思う」が米国38・4%、中国49・2%、韓国50・3%であるのに対し、日本は61・3%。
〈自分の会社や店を作りたい〉では、先の回答が米国60・4%、中国71・8%、韓国71・9%であるのに対し、日本は33・4%(財団法人日本青少年研究所)。
日本の子供たちが、ここまで夢を失っているとは、正直言って驚きだった。「Boys be ambitious」(少年よ、大志を抱け)の言葉で知られるクラーク博士がこれを知ったら、泉下で絶句していただろう。
ユニークな日本人論を展開するサッカー日本代表監督イビチャ・オシムが自著『日本人よ!』で、おもしろい指摘を行っている。
〈若者たちは普通、金銭欲を抱くこともあれば、誰かになりたい、何かになりたい、何かの象徴になりたいといった願いを抱くこともある。サッカー選手で言えば、新聞に載りたい、テレビに映りたい、写真に撮られたい、それらが人生で大きな意味を持ってほしいといったことがある。このようにサッカーで成功したい、何かを成し遂げたいと願う選手たちがいる。また私たち全員が、子供たちや家族、友人たちの手本となれることを望んでいる。全員が人生で何かを成し遂げよう、覚えてもらおうと望んでいるのだ。おおよそ、それが世界における人間性である。(中略)
だが、日本の場合はちょっと違う。まず、金銭欲について考えてみる。もしや日本人選手は「サッカー選手」である前に、安定した生活水準を持ち、それなりの生活の糧を得てしまった「日本人」なのではないか。あるいは「サッカーのキャリア以上に人生は長い時間が流れていくものだ」と、学校でしっかり教えられているのではないか〉
オシムの推論は悲しいかな、当たっている。彼の言葉を借りれば、日本の子供たちの多くが「世界における人間性」とは逆の方向に向かって進んでいるのだ。 そうした子供たちの“老成化”の背景に、社会の“縮み志向”がると私はみている。
その典型的な例が昨年から続くスポーツ界の“王子ブーム”である。ハンカチ王子にハニカミ王子、ついにはポッチャリ王子なる少年まで現れた。彼らが才能豊かなティーンエイジャーであることは認めるし、その明るく爽やかな
キャラクターにも好感が持てる。
しかし、彼らはグローバル化が進むスポーツ界にあって外国のジャーナリストまでが注目する実績を上げたわけでもなければ、そうした舞台で戦っているわけでもない。まだアイドルの域を出ない、グリーンボーイにすぎないのだ。
ところが、この国のメディアは、カラスが鳴かない日はあっても、王子の近況を報告しない日はないほどの過熱ぶり。これが国民のニーズを反映した結果なのか。
東京大学名誉教授の蓮實重彦氏が日本経済新聞のコラム(7月10日付)で、こう書いていた。
〈ハンカチ王子だの、ハニカミ王子だのがもてはやされる日本からはスターという概念そのものが失われ、生き残ったのは、いやしのペットだけなのだろうか〉
暗澹たる気分になってくる。
2007 09 30 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15160/16600344
この記事へのトラックバック一覧です: [フィナンシャル ジャパン] 「王子ブーム」に見る〝内向き社会:
» 自分のカネで行け!宮崎県議会 議員欧州視察 1,000万円 [くまさんの自立 から]
宮崎県で東国原知事が県産品奨励で人間広告塔で頑張っているにもかかわらず、議員は一体何を考えているのか。お馬鹿が露呈されている。
議員になる人間ほど、県税等税金について厳しく使途を考えなければいけないにもかかわらず、必ず自分つまり議員自身に特典になることについては、『話が別』になってしまう。変な人種だ。それも共産党に一議員を除いては、全員賛成で10日間で1,000万円余りの海外視察が行われるということだ。
「海外視察なんか自前で行け」というのが本来のかたちだ。
視察の内容は「環境や農業、少子... 続きを読む
受信 2007/09/30 9:12:34
» 戦場のカメラマン [ある女子大教授の つぶやき から]
戦場のカメラマン
「虎穴にいらずんば虎児を得ず」という諺のとおり、写真家はその極限まで、身に危険が及ぶ真っ只中にいてこそ、スクープ映像が撮れる。その心境は想像することはできるが、その面白さに取り付かれたらブレーキがきかなくなるのであろう。もう亡くなってから50年以上は経過しているが、スペイン内戦やインドシナ戦争を取材して、最後はインドシナで倒れたロバート・キャパ氏、ベトナム戦争では澤田、岡村氏、まだ記憶に新しいところでは2004年にイラクで倒れた橋田氏など戦場カメラマンは枚挙に暇がない。
... 続きを読む
受信 2007/09/30 14:39:38
» 年金保険料の窓口徴収をようやく廃止! [くまさんの自立 から]
遅かりしだ。職員の着服防止へ舛添要一厚労相が来年3月末までにようやく年金保険料の窓口徴収を廃止するべく検討をする考えを示した。
何で、こんなに簡単なことが今まで出来なかったのかが、不思議だ。
国会議員いままで、大臣職は名誉職だったから、仕事をする必要がなかったのがすべての原因だ。
官僚に任せ、大臣とサインする機械となっているだけだった。
それこそ鳩山法務大臣の発言ではないけれど、人間不在で大臣はサインマシンになっていたと言うこと。
... 続きを読む
受信 2007/09/30 18:33:26
» 王子ブームに感じる [My friend's Tarot から]
愛読している『週間!木村剛』[:URL:]で
王子ブームに見る?内向き社会\ という記事を読んだ。
正直、ここんとこの○○王子と名をつけて
大喜びで追い回しているTV[:テレビジョン:]と外野の反応に
”気持ち悪い”と感じていた私です[:ムニョムニョ:]
そりゃ彼ら自身は、有望で爽やかな青年たちばかり。
素晴らしいと思います[:グッド:]
外野でワイワイ言ってる人より、ずっと常識と良識もあるし、
何かをひたすら頑張ってるってエライよね。
それはよいんだけど・・・
... 続きを読む
受信 2007/10/04 10:45:24















