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2007.11.19
[ゴーログ] 建築基準法改悪:コンプライアンス不況が日本を滅ぼす
皆さん、こんにちは。木村剛です。「ブレインズのブログ」さんが、建築基準法改悪の結果、「増築は実質不可能になりました。なぜかというと、今ある既設の建物も新しい法に合致していないとダメになったから」と指摘しています。
「ブレインズのブログ」さんによれば、増築の場合、「押入れや物入れが1箇所程度(1坪程度のみ)」であれば大丈夫なのですが、これは「1坪程度の物入れのみの話」にすぎません。「既設の建物の1/2以下で既設と増築が完全に分かれている場合(廊下で繋がった、離れとかの場合と考えてよい)」には、「既設部分を耐震診断の上補強」することが必要になってくるようです。
私たちにとって重要なのは、「既設の建物の1/2以下での既設と接合している場合(今までの増築工事の場合)」ですが、こうなると法律上は、「既設に増築を加えた状態で許容応力度計算が必須」になるようなのです。「大体、既設部分が許容応力度計算(構造計算)していないのに、増築部分を加えての構造計算なんて実質無理。何とか計算できたとしても、申請時に役所から追加要求で、何度も差し戻しになるらしい。(某役所の担当者の話)」(by「ブレインズのブログ」さん)というから頭が痛くなってきます。
また、「既設の建物の1/2以上」の場合、「全て現行法に合致」ということになり、「つまり建てなおせということ」(by「ブレインズのブログ」さん)になるというのです。
今回の法改正の狙いは、「法基準に合致していない古い住宅の排除」が目的なので、現行法に合致していない物は増築でも認めない、ということです。・・・増築の申請は門前払いが基本・・・。リフォームで食べている工務店さんって多いのですが、今後が心配です。
本当に今後が心配です。私は、建築基準法の改悪のように、「コンプライアンス」の名の下に、現状に適合していない法制度を無理矢理導入してしまうことによって、日本経済が不必要に萎縮してしまうことを、「コンプライアンス不況」と名付けて警告しています。
コンプライアンス不況の原因は、「自らの責任を業者サイドに押し付けてしまいたい」という霞ヶ関の思惑に乗っかって、経済の現状を熟知しないまま、遵守することが難しいルールを押し付けることによって生じます。わかりやすい例え話でいうと、「高速道路における自動車事故を未然に防止するために、最高時速を30キロにする」という馬鹿げたルールを作ってしまうということです。
ちなみに、「建築基準法改正リンク」さんは、改正建築基準法問題を招いた原因を以下のように集約しています。私には、「建築基準法改正リンク」さんの主張のほうが、国土交通省の言い訳よりも説得的に思えてしまうのですが、皆さんはいかがでしょうか。
1.改正のきっかけとなった姉歯事件に関し、総括が終わっていないにも拘らず建築基準法の改定を急いだこと。・・・ 偽装事件の舞台となったマンション物件では、先ずマンションデベロッパーが建築主となって工事を発注し、建物完成後にユーザーに売り渡していく。姉歯元建築士は、直近の建築主たるマンションデベロッパーの圧力を受け、建築基準法の最低基準を下回るところまで鉄筋量を減らしてしまった。このように鉄筋を減らすこと自体は、直近の建築主たるマンションデベロッパーや末端の消費者にとって得なだけで、姉歯元建築士にとって特にメリットはない。・・・姉歯元建築士が行ったような偽装を未然に防ぐ法律を作るとすれば、デベロッパーのような立場を利用した圧力をかけることを禁止するなど、法律違反を強要または助長させる行為を防ぐような法律を策定することが先決である。・・・今回の立法のように、建築士の設計行為自体を疑うという「性悪説」に立った建築基準法の改定は、基本的に方向性を見誤っており、一般の大多数のプロフェッショナルに対する敬意に欠け、疑心暗鬼を増長し、百害あって一利もないと言える。・・・ 日本国国家は、物言わぬ設計者と誤ったままの世論の認識を逆手に取り、とにかく国家には何も責任がなく、国家は常に善であり、民は常に悪事を働くという性悪説に立ち、法律改正の議論を推し進めた。 改正の目玉となった「構造計算適合性判定制度」という名の構造計算の二重チェック体制を導入することにより、全国に天下り先を増やすことができることも、彼らのモチベーションに拍車をかけ、躊躇はなかった。 2.改正建築基準法の起草者が、「建築生産の何たるか」を解っていないこと。 この法律が施行になる前から、・・・ほとんどの実務者・・・は、この改正法が非現実的であることを既に認識し、実際の運用に懐疑的であった。起草者は、おそらく建設現場とあまり付き合ったことがない、キャリア官僚と学者であることは、法律の内容を見ると容易に想像できた。この新しい法律の内容は、・・・提出書類を増やすことが主たる改定内容であり、元来の目的であった偽装防止とはほとんど関係がない。実務者団体が提出した事前の警告も、残念ながら立て板に水で、国交省にほとんど顧みられることはなかった。・・・ 3.建築構造設計者および構造設計の専門家の人員不足 前述の通り「構造計算適合性判定制度」という構造計算の二重チェック体制が今回の改正の主要点である。この制度では、構造計算を実質的に二度行うことで構造性能の信頼性を担保する。このシステム下において、国全体として従来と同じようなペースで建築物の生産を行い、経済全体に及ぼす影響を抑えるとすれば、当然の如く構造設計の専門家が今までより多く必要であることになる。同じ人が同じ建物の構造計算をチェックするのでは意味がないからだ。しかしこの国全体の構造設計者は急に増えるものではない。もともと建築士全体のうち、構造設計を専門とする建築士の割合は10%に満たない。そして構造設計の業務というものは、例えば意匠設計を専門とする建築士の俄か勉強程度でマスターできるような職種ではない。・・・必要人員について、例えば10階建て程度の一般的な規模のマンション建設を考えてみる。従来・・・は2~3人の構造設計者が一ヶ月程度の期間で構造設計に従事していたとする。今般の改正後、設計に必要な書類数や工程数が増加し、1.5~2倍の期間がかかるようになったとされる。さらに今回新たに必要となった二重チェックにおいて、同様の設計をやり直して設計内容を担保するとすれば、さらに倍の人員が必要となり、マンション建設という建築生産工程全体で必要な構造設計者数は従来の3~4倍の数が必要となる。非常に単純な話で、そんなに急に構造設計者数は増えないのである。・・・ 4.誰もが責任を負わない建築確認になっていること。 確認というのは、設計したものを説明する書類があり、それを客観的に見る専門家がおり、「はい合格」とお墨付きを与えることで成り立つシステムである。従来、最後に文字通りお墨付きを与えるのは、基本的にはお上であった。・・・姉歯物件においても、お上が許可をおろしたはずであったのだが、お上はその責任を頑として認めなかった。・・・この責任逃れには無理があることを知っている日本国は、新しく作る建築基準法では、偽装防止という隠れ蓑のもと、注意深く、巧妙に、今後は決して国に責任が及ばないような法律の策定を急いだ。その結果、現在の「誰も許可をしない(許可する主体がいない)許可制度」改正建築基準法が出来上がった。新しい建築基準法のもとでは、国は「個々の建築生産の内容」を許可する必要はない。国の仕事は、建築を設計する業者と、設計内容を審査する機関が、「活動を行うこと」を認可するだけとなった。・・・国交省は先頃、今日の混乱は審査機関の過剰な対応が混乱の原因、と述べ批判をかわそうとしているが、民間審査機関にとってみれば、国が突如新しい法律を盾にして、掌を返したように責任を押し付けてきたことに対して面食らっているに過ぎない。・・・国が過去の過ちを認めるところから出発しない限り、この国の建築行政と関連業界は迷走を続けるであろう。
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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「コンプライアンス不況と日本株」
このところ日本の株式相場がさえない。
世界の株価指数は定義にもより数多くあるが、
90種類くらいで見てみると、年初来上昇率の比較で、
日経平均は80位近くと最下ランクである。
その原因としてサブプライム問題による国際的な信用収縮を心配する向きがあるが
それよりも日本国内の信用収縮を私は心配している。
http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewPodcast?id=197875134
http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/071114/071114mag_comp84.html
2007 11 19 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク
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私個人は建設業界にはたいして詳しくは無いのですが、『手抜き工事』が大手ゼネコンでもかなり多いと思いますが、発覚したのは(=報道されたのは)、今回が初めてではなかったでしょうか?
詳しい新聞記事は、日経では↓
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