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2007.11.17

[週刊!スモールビジネス] 建設業者の人災倒産が加速する


 10月31日に国土交通省が発表した9月の新設住宅着工戸数は、前年同月比44.0%減となりました。7月は23.4%減、8月が43.3%減で、3カ月連続での減少です。
 これは改正建築基準法の施行の影響がかなりあるよう、着工の内訳でみると、分譲住宅が前年同月比55.6%減と半分以下になっています。

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 姉歯事件のことなど、もはや忘れてしまった人のほうが多いのかもしれない。日本を騒然とさせた、あの耐震強度偽装事件のことである。
 じつはいま、この姉歯事件の亡霊が日本経済を苦境に導こうとしている。今年の6月20日から、姉歯事件の再発を防止することを目的に改正された、厳しい建築基準法が施行されたからだ。
 改正のポイントはいくつかあるのだが、まずは、建築確認・検査の厳格化がある。一定の高さ以上等の建築物について、構造計算に関しては、国による指定を受けた判定機関による審査を受けることが義務付けられたのだ。したがって、余計な費用と期間がかかることとなった。
 また、その指定確認検査機関として認可を受けるためには、損害賠償能力が求められるほか、公正かつ中立で、人員体制も万全でなければならない。自ずと当該機関の数は限定されることになるし、費用も割高になっていくだろう。
 さらに厳しいのが罰則だ。
 耐震基準など重大な規定違反については、これまで罰金50万円だったものが、懲役3年・罰金300万円(法人の場合は1億円)になったほか、これまで罰則のなかった建築士・建築事務所の名義貸しや建築士による構造安全性の虚偽証明については、懲役1年・罰金100万円が課せられることとなった。
 なお、宅地建物取引業法では、不動産取引の際に重要事項に関して事実でないことを告知した場合には、懲役1年・罰金50万円だったものが、懲役2年・罰金300万円(法人の場合は1億円)に上積みされている。
 果たして、この「改正」の影響はすさまじいものであった。
 今年8月の新設住宅着工戸数は、なんと前年同月を43・3%も下回ってしまった。6万3076戸という数字は、1966年2月以来の低水準。この影響で、建材需要も弱くなっている。日本経済を大きく下押ししていることは疑う余地もない。
 建築確認申請の審査期間についても、従来の21日から35日(最大で70日)にまで延長されているのだが、問題はそれだけではない。一番のネックはお役所なのだという。リスクを恐れるお役人が申請を受理してくれなくなってしまった。まるで、「認可さえしなければ、責任を問われることはない」という態度らしい。この結果、確認申請が激減しているのだ。
 そういう中で、従来当たり前のように行われていた着工後の設計変更が困難になっている。申請時までに設計の詳細を決めておかないと着工できない。変更した場合には、初めからやり直しになってしまうからだ。修正は認められず、再申請することになっているため、着工後に建築主の要望に柔軟に対応することができなくなっている。融通の利かないこと甚だしい。木造3階建てだと建築確認の見通しが立たないため、マイホームの新築が止まっているという話も聞く。
 ただでさえ、消費を中心とする国内需要が弱いままなのに、この「改正」の結果、建築需要は大きく弱含んでしまうだろう。グレーゾーン金利の廃止でノンバンクが貸し出してくれなくなり、資金繰りがキツくなっている中小の建設業者にとっては、1~2カ月の着工のズレが致命傷になる。倒産が増えていくことは必至である。
 ちなみに、帝国データバンクの調査を見ると、倒産件数は一進一退を繰り返しつつも、確実に水準を切り上げてきており、中でも建設業の倒産が目立っている。
 こうした中、多くの銀行は建設業者に対する貸し出しを絞ってきた。東京商工リサーチの調べによれば、銀行122行のうち83行にあたる68%が、今年3月末において建設業向け貸出金の残高を減らしており、うち22行は前年比10%以上も残高を削減している。ノンバンクが「グレーゾーン金利の廃止」によって淘汰されていく中、銀行は建設業者への貸し出しを絞る一方になっている。そういう状況下での建築基準法の「改正」なのだ。この愚策は、多くの零細建設業者の息の根を止めていく人災を招いている。
 この国の経済政策は、あまりにも現実からかけ離れている。このままでは、大災害になってしまうことは避けられない。

 [フィナンシャル ジャパン 「400万社の本音」より]
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2007 11 17 [19. 週刊!スモールビジネス] | 固定リンク

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最初にお断りしておきますが、 今回の記事については専門外の方にもわかり易いよう、 多少、建築基準法改正の記述とは合っていない表現にしている部分が あります。 詳細については、日本住宅・木材技術センターの解説資料などで ご確認願います。 先日の記事に引き....... 続きを読む

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