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2007.12.30

[フィナンシャル ジャパン] 健康志向下の巨大食ブーム

「フィナンシャル ジャパン」 1月号掲載
連載コラム―次の一手 (マーケティングコンサルタント 西川りゅうじん氏)

 巨大食品のブームがくると、数年前、『日経レストラン』誌のインタビューで答えたら、飲食関連のアナリストから「健康志向がますます高まる中、そんなことなどあるはずがない」とバカにされた。しかし、このところ、それが次々に実証されている。
 一時期、苦境に陥っていた日本マクドナルドホールディングスが、2007年に入り毎月、前年同月比15%近くの伸びを示し、売り上げも過去最高を更新し、黒字転換するなど絶好調である。その救世主となったのが、07年1月に限定販売でスタートした、牛肉パティ(ハンバーグ)を4枚はさんだ特大ハンバーガー「メガマック」(税込み330円~380円、754kcal)だ。「メガマック」に続けとばかり、ほかの食品にも、《メガフード》(超どデカい食品)が、続々登場している。江崎グリコの「ハッピープッチンプリン」は通常の約3.6倍の大きさ。森永乳業の「おおきいうれしいヨーグルト」は240グラムもある。ファミリーマートは通常の1.6倍の「メガハンバーグ弁当」を発売。セブンーイレブン・ジャパンからは重さが380グラムもある「がっつりプリン&チョコパフェ」。サークルKサンクスは通常の2.8
倍の重量の「大きなおむすび!」。エーエム・ピーエム・ジャパンは「『ドカ盛り』フェア」と銘打ち、600グラムを超えるスパゲティや特大サンドイッチ、通常の2.5倍の重量のチーズケーキなどをリリース。
 そして、これぞ、《メガフード》の真打登場と話題を呼んでいるのが、10月16日に、牛丼チェーン「すき家」が発売した「メガ牛丼」(650円~680円)である。その牛肉の量は通常の並盛の3倍。カロリーは何と1286kcal。2時
間ジョギングを続けないと消費できない熱量だ。どの店でも、普通のサラリーマンが喜々として注文し、紅しょうがや七味など薬味やカレーなどのトッピングを載せてガッツリと完食している。
 なぜ、《メガフード》ブーム到来を予測したのかというと、物事には作用と反作用があるからだ。メタボ(内臓脂肪)対策など、日々、ここまで世の中の健康志向が高まると、逆に「腹一杯食べたい」という欲望のマグマが鬱
うっせき積する。また、健康に関する情報があふれかえる中で、逆に“キャラが立つ”(キャラクターが際立つ)ので、マスコミも取り上げ、口コミにも乗りやすい。
 もちろん、体育会系の学生でもなければ、実際、それだけのカロリーを摂取する必要のある人などいない。つまり、そのモノ自体を消費する“モノの消費”ではなく、「食べたコトがある」という“コトの消費”、換言すれば“体験消費”の一つなのだとも言える。そこに、今やテレビで見ない日がない、大食い女性タレントの「ギャル曽根」の人気も拍車をかけている。
 流通や食品業界は、長らく健康志向の食品の開発に力を入れてきたが、調査でも量にこだわる顧客が意外に多いことも明らかになってきた。また、1品当たりの単価が上がるので、少しでも売り上げを伸ばしたい各社にとっては魅力的な商品でもあるのだ。《メガフード》がさらに進化を遂げ、テラ、ギガと進み、「テラマック」「ギガ牛丼」も登場しそうな勢いである。
 人の行く裏に道あり、花の山。

2007 12 30 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク

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