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2007.12.01

[フィナンシャル ジャパン] 日本の社会から目を背けるな

「フィナンシャル ジャパン」 12月号掲載
連載コラム―ミクロを変える経済  財部誠一氏(経済ジャーナリスト)

 人口減少社会に突入することの恐怖が噴出している。
 年金不安は社会保険庁の「ガバナビリティ」のなさではなく、人口が右肩上がりに増えていく時代に設計された制度が、もはや立ち行かなくなってしまった現実を、多くの国民は肌で感じ取ってしまったことにある。参議院選挙の民主党大躍進の背景は、21ある1人区で民主党が自民党を圧倒したことだった。
 1人区とは、農業以外にこれといった産業のない地域である。日本の農業はいま危機に瀕している。農水省によれば、農業従事者のうち65歳以上の人が占める割合は2005年度ですでに58・6%だという。全人口に占める割合が20・1%であることを考えると、日本の農業がすでに「超高齢化」時代に突入していることは明らかである。このまま何もしなければ、あと10年で農業の担い手が半分になってしまう。戦慄が走る現実だ。
 ところが日本社会では、人口減少社会の恐怖が実感を持って理解されない。なかでもことにひどいのが「景気」。所得格差や地域間格差によって景気回復実感がないという叫び声が日本中にあふれていることを、私は誰よりも強く認識している。しかしいかに不都合なものであっても、事実は事実として、まず受け入れなければなら
ない。
 景気は劇的に回復しているという現実から、目を背けてはいけない。それが不幸の始まりなのだ。景気が回復していないから、格差が生じているわけでは断じてない。景気が回復していないから、所得が増えないわけでない。
 この5年、日本経済は2%強の経済成長を続けてきた。10%以上の成長率を誇った「いざなぎ景気」と比較して、2%程度の経済成長など取るに足りない景気回復だという悪口を繰り返すテレビキャスターもいる。だがそれは大間違いで、GDP(国内総生産)が500兆円になった日本経済が2%程度の経済成長を5年以上も継続したのは、立派な経済成長である。少なくとも、ひねくれたり、さげすんだりされなければならない「数字」ではない。だが、回復実感がないという人があふれかえっているのは、なぜか。そこには年金や農業と同じバックグラウンドがある。人口減少社会に突入し、普通にしていれば国内経済は成長しないという現実を目の前にして、多くの大企業は海外に活路を求めた。ヒト、モノ、カネ。経営資源は日本国内ではなく、海外に投資をすることで、大企業は劇的な業績回復を達成したのである。
 5、6年後には「07年頃の景気は絶好調だったね」と振り返らなければならない時がくるかもしれない。いわばビジネスを展開していく足元の地盤そのものが変動していることを前提とせず、言葉だけで「格差」を唱えたところで、不満のもとになっている現実は解消されない。長い時間軸で日本経済を眺めながら、自分の足元を見直すべき時がきているのである。
 先月、テレビ朝日系列の「サンデープロジェクト」で三菱商事の特集を2週連続で放送したが、総合商社の劇的な業績回復は、こうした環境変化に対して、従来のビジネスモデルを大きく転換させた結果以外の何物でもなかった。次回以降で、詳述する。

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071128mag02

ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「利権横行は防衛省だけではない?!」

東京地検特捜部は防衛省の守屋前事務次官を収賄容疑で逮捕した。
利権が横行しているのは本当に防衛省だけだろうか
ほかの官庁でも随意契約で国民の税金を無駄に使っているではないか。

http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewPodcast?id=197875134

http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/071128/071128mag_mori86.html

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