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2007.12.23

[フィナンシャル ジャパン] 増加する社外取締役

「フィナンシャル ジャパン」1月号掲載
【会社法がわかれば商売がわかる!】 (中央大学法科大学院教授 野村 修也)

 社外取締役を選任する上場企業が増えている。
 会社法上、委員会設置会社を選択するためには、最低2名の社外取締役が必要である。また、監査役設置会社の場合でも、特別取締役制度を採用するためには、少なくとも1名の社外取締役を選任しなければならない。
 特別取締役制度とは、取締役が6名以上いる会社において、3名以上の取締役をあらかじめ特別取締役に任命しておく制度である。会社が重要な財産を処分したり、多額の借財をする場合には、取締役会の承認が必要であるが、これら2つの事項については急を要することが多いため、特別取締役の過半数が出席し、その過半数の賛成を得れば、取締役会の決議があったものとして扱われる仕組みだ。取締役の数が多い会社では、急いで取締役会を招集しようと思っても、なかなか定足数を確保できないことから、それに対処するために設けられた制度である。
 また、事前警告型買収防衛策の導入に際して、防衛策の発動の是非を評価するための第三者委員会のメンバーを、社外取締役として選任する動きもある。事前警告型の買収防衛策は、有事になって発行する新株予約権の適法性を高めるために、防衛策の導入時に株主総会の承認を得るのが一般的傾向となっている。議決権の3分の2以上の賛成票を集められるのであれば、定款変更を行うことも考えられるが、過半数の票集めで精一杯のときには、一工夫が必要となる。いわゆる宣言的決議という形で、法的根拠を持たない承認決議を行うことも考えられるが、防衛策の導入に伴う第三者委員会の設置を前提として、そのメンバーの候補者を社外取締役として選任する方法をとれば、過半数による選任決議をもって防衛策導入の承認決議とみることが可能となる。
 さらに、諸外国の証券取引所では、その上場規則の中で、経営者から独立した取締役(独立取締役という。必ずしも「社外」取締役である必要はないが、社外取締役であっても独立性がなければ要件を満たさない)の割合等について規定を設ける場合もある。
 例えば、ニューヨーク証券取引所は、指名、報酬、監査の各委員会の構成員は独立取締役のみによって構成されることと、取締役会の過半数が独立取締役であることを義務付けている。これを受けて、東京証券取引所も同様のルールの必要性について検討を行っている(今年3月27日に公表された、「上場制度整備懇談会の中間報告」参照)。
 社外取締役が増加した背景には、おそらくこうした様々な事情が横たわっているのだろう。しかし、これらはいずれも、委員会設置会社や特別取締役制度の採用、買収防衛策の安定的な導入、海外市場での上場など、他の目的を実現するための手段として、社外取締役が活用されているにすぎない。他の目的を実現するための条件を整えるだけであれば、極端な言い方をすれば、社外の者なら誰でもいいということになりかねない。しかし、経営者としての知識と経験を有する者に、しがらみのない積極的提言と、耳の痛い箴言を期待するのであれば、それなりの人物を招かねばならないはずである。

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071219mag01


ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「未確認○○を追え!

http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewPodcast?id=197875134

http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/071219/071219mag_ufo.html
 社外取締役を選任している上場企業の中で、そのこと自体に積極的意義を見出している会社はどのぐらいあるのだろうか。現状からすれば、社外取締役の増加は、実を伴わない水膨れに見えるのは、私だけだろうか。

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