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2007.12.29
[フィナンシャル ジャパン] ベトナムが日本で注目される理由
「フィナンシャル ジャパン」 1月号掲載
連載コラム―ミクロを変える経済 財部誠一氏(経済ジャーナリスト)
ベトナム取材への出発前日に書いている。ベトナムはBRICs に続く、成長期待の高い国として注目されている。一般的には、中国の人件費が高騰した結果、人件費の低いベトナムが相対的に魅力を増してきたということになる。
しかし、実際にベトナムに生産拠点を構築した日本企業のなかには、中国へのヘッジとしてベトナムを利用しているケースが少なくないようだ。中国での生産活動が軌道に乗っている会社であっても、中国経済の先行きになんらかの不安を覚えている企業は少なくない。そこで中国国内にもう一つ新たな工場を設立するなら、リスク分散の意味からも、ベトナムに進出したほうがいいのではないかという判断だ。
実際ベトナムは中国と国境を接する隣国であり、昔から中国とさかんに交易をしてきた歴史をもつ。つまり、中国の国内市場をあてにして中国国内で生産している会社でも、ベトナムに新たに生産拠点を設けても、そこから中国への輸出はわけもないということだ。
また、ベトナムというと、日本人は「小さな国」というイメージをもっているようだが、ベトナムは意外に大きい。ベトナムの人口はじつに8000 万人を超えている。つまり、人件費の安い生産拠点としてばかりではなく、消費市場としてもベトナムはなかなか魅力的だ。現時点では中間層はまだまだ育っておらず、ホーチミンやハノイなどの大都市の金持ちが消費の中心だが、中間層が育ってくるのも時間の問題だろう。
それにしても日本国内における予備取材の段階では、ベトナムはとにかく評判がよろしい。BRICs とは比較にならない。なんといってもベトナム人は日本人と相性がいいというのが、ベトナムを知る人たちの圧倒的多数を形成している。真面目で勤勉、向上心が高く、礼儀正しく、なおかつ親切だというのである。それが本当なら、中国人やインド人やロシア人とは随分と違う。
さらにいえば「食事が美味い」という声もあちこちから飛び込んでくる。有名なベトナム料理といえば「フォー」と呼ばれる平打ち麺だ。これぞベトナムの国民食といってもいいくらいの代表的な料理である。その「フォー」の即席
麺を日本のエースコックがベトナムで販売している。インスタントラーメンでは、日本は世界のさきがけだから「エースコックがベトナムで即席麺を売っている」と聞いてもさほど驚きはしない。
だがエースコックが即席フォーでベトナム市場の7割をおさえていると聞いたら、どうだろう。外国企業であるエースコックが国民食「フォー」をおさえてしまったのである。他人の国にいって、圧倒的なシェアを勝ち取り、確実に
収益を上げていくのは、並大抵のことではできない。一体どこに秘密があるのか。ぜひこの秘密をさぐってきたいと考えている。
もう一つ確かめたいことがある。ベトナムの若者の向上心だ。夕方5時、仕事を終えた若者たちのバイクで道路は大渋滞になるが、彼らの多くはそのまま帰宅せず、語学や法律などの専門学校に通うという。その授業が終わる午後9時頃、再び道路が大渋滞。「アジアでもっとも頑張る若者」は本当か。自分の目で確かめてみたい。
2007 12 29 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク
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