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2008.01.19

[週刊!スモールビジネス] コンプライアンス不況で中小企業が倒産する

 先日発表になった昨年12月の米国の民間住宅着工件数は、前年同月比で▲38.2%でした。過去をさかのぼって調べたところ、1991年1月の▲47.1%以来の最低水準になっていました。
 日本の住宅着工件数の発表は確か月末だと思いましたが、はたしてどうなるのか。

 【フィナンシャル ジャパン2月号 『400万社の本音』より】
 残念ながら、予測されていたとおり、中小企業の倒産が急増してきた。
 民間信用調査会社の東京商工リサーチによれば、2007年10月の全国企業倒産(負債総額1000万円以上)は、前年同月比8%増の1260件となり、7カ月連続で前年同月水準を上回ることとなった。中小企業の倒産は、そのうちの99・4%を占めている。
 原油価格の高騰などで中小企業・零細企業の業績が急速に悪化したことから、小口倒産が増加しており、全体の件数が底上げされている。なかでも、目立っているのが、建設業者の倒産。07年10月は、今年最多の390件を記録し、前年同月比では25・8%の増加となった。改正建築基準法の改悪による建築確認手続きの厳格化に伴って、新設住宅着工戸数が大幅減となっている。そういう状況だから、資金繰り難や受注難に喘いでいる中で力尽きて続々と倒れている感じだ。
 世の中の報道は、サブプライムローン問題一色になっており、日本の株価が落ちるのも、日本の景気の先行きも、サブプライムローン問題の行方によって左右されているという感じを受けるが、「そんなことより、日本経済の足下をしっかり見ろ」と言いたい。
 確かに、サブプライムローン問題は、深刻な悩みの源であり、結果的に、世界的な信用収縮が発生していることは忌々しき事態である。
 ただ、日本の金融機関において、これまでに判明しているサブプライムローン関係の損失は、すべて足し合わせても2300億円程度であり、それが致命的な問題を引き起こすとは思われない。
 日本において、むしろ懸念されているのは、サブプライムローン問題の煽りで、米国の景気が減速し、中国などにその影響が波及することで、外需が弱まることだったりする。
 じつは、日本経済に対する、こうした見方自体が見当違いなのだ。
 というのは、サブプライムローン問題で、最も株価が落ちたのは、日本だという事実がある。8月に第一次ショックが襲いかかったとき、米国の株価が8%下落するのと同時に、日本の株価は16%急落した。そして、この11月に第二次ショックが訪れたとき、米国の株価は10%下落した。日本の株価はと言えば、15%も落ちてしまったのだ。
 なぜ、米国で発生したサブプライムローン問題なのに、しかも、痛手は日本のほうが少ないはずなのに、株価の下落が激しいのか――答えは簡単、日本経済のほうが、米国経済よりも痛んでいるからだ。
 米国は、サブプライムローン問題で住宅着工件数が落ち込んでいるという。確かに、前年同月比でみると、9月▲ 31%と悲惨なものだ。しかし、10月には▲16%とマイナス幅を半減させている。
 一方、日本はと言えば、住宅着工件数は、9月▲44%、10月▲35%となっており、じつは米国よりも凄惨な状況になっているのだ。
 これは、米国のサブプライムローン問題によるものではない。建築基準法の改悪が原因だ。つまり、純粋な国内要因によるものなのである。日本経済は、不況の入り口に立っているという認識を持つべきだろう。
 じつは、10月だけで、倒産に見舞われた社員の数は1万3349人に上っている。3年8カ月ぶりに1万3000人を上回った。
 直前の07年4~9月においても、すでにその兆候は表れていた。半年で7081件という倒産件数は、年度上半期の記録としては4年ぶりの7000件台になっていたからだ。そのうちのほぼ3割を占める2035件が建設業者である。倒産に見舞われた社員の数は、前年同期比18・5%増の6万1598人。4年ぶりに6万人を上回った。
 こういう悲惨な状態だから、なおさら銀行は中小企業への貸し出しに慎重になる。中小企業の資金繰りの現場は風雲急を告げてきた。
 そうした中、信用保証協会が中小企業の借入金返済を肩代わりした代位弁済額も増加に転じた。協会の合計で見ると、今年4~9月の代位弁済額は3831億円となり、前年同期比で13%も増えている。じつは代位弁済の増加は5年ぶりだ。
 保証協会の代位弁済額は、02年度の1兆2600億円をピークに減少し、06年度は6850億円となって半分のレベルまできたのだが、今年4月以降は増加基調に転じている。
 北海道信用保証協会では、4~9月の代位弁済額が93億円と急増し、前年を79・9%も上回った。建設や小売・卸売業の販売不振や取引先倒産が要因だ。東京信用保証協会でも、553億円の代位弁済額を出し、前年同期比26・8%も増えている。147億円の代位弁済をした愛知県信用保証協会も前年同期比+29・1%。福井県信用保証協会では、前年同期比+46・8%の61億円で、協会が設立された1948年以来最悪の数字であるという。一言で言えば、お先真っ暗の一歩手前である。
 そんな中、信用保証協会による保証付き融資が焦げ付いた際に、銀行や信用金庫などの金融機関にも2割の負担を求める「責任共有制度」が10月1日にスタートしたわけだが、9月末にかけて、ものすごい数の駆け込み需要が発生した。
 事務処理が一辺に膨らんだため、融資の承認がなかなか下りていないようだが、代位弁済額の実態が明らかになるにつれ、承認される率は落ちていくことが予想される。日本経済は、すでに信用収縮のプロセスに入ってしまったのだ。
 貸金業法の改悪、建築基準法の改悪、証券取引法の改悪(=金融商品取引法の制定)、という三つの「改悪」
を通じて、経済全体が「コンプライアンス不況」に突入しつつある。経済の実態に合わない不合理な法制度を導入することによって、経済活動を委縮させてしまう結果として、景気が悪化してしまったのだ。
 貸金業法の改悪で資金の流れが止まり、建築基準法の改悪で国内の需要が止まり、証券取引法の改悪で資
本の活動が止まる。この「コンプライアンス不況」は愚かな人災である。可及的速やかに対策を講じなければ手遅れになるだろう。

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