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2008.04.23

[ゴーログ] インターネット規制:日本人とお上の関係

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「All About プロファイル-元木 一朗-」さんが、4月15日のゴーログ「インターネット規制:自由は奪われていく」に対して、トラックバックを送ってくれました。

問題が持ち上がりつつある。・・・主旨としては、おおよそ次のようなことである。 
「有害情報に関する特別世論調査」では、インターネット上の有害情報規制について、9割以上の人がなんらかの規制を望んでいる。
これに対応して、自民党では法案作成作業を進めている。
青少年健全育成推進委員会を各省庁からも政党からも独立した独立行政機関として設置し、この委員会や総務大臣、経済産業大臣(以上、主務大臣等)は、ISPや携帯電話会社に対し、是正命令を下すことができる。
ISPや携帯電話会社は、青少年の利用時には、フィルタリングサービスを条件とし、青少年に有害情報を閲覧させないようにしなければならない。
子供たちを有害情報から保護しなくてはならない、という思想は良くわかるのだが、「では、有害情報とはなんですか?」となると、一気にわかりにくくなる。アダルト画像や残虐画像などはもちろん理解可能だが、ではテキスト情報はどうなりますか?となると、途端に歯切れが悪くなる・・・そもそも、「インターネット」とは垣根のない世界である。その中に無理やり規制を持ち込んでも、抜け道は沢山ある。・・・今回の件で最も筋が悪いのは、国が決めた規制をISP業者や携帯電話業者に押し付けようとしているところである。それをすれば、それらの業者の負荷は当然のように高くなる。しかも、抜け道は山ほどあるのだ。無駄な作業に手間ひまをかけさせ、業界を疲弊させるだけの規制である。・・・
無知であることは悪いことではないが、無知のまま専門領域に突っ込んでいくことは非常に危険である。「抜け道とは何か」と言われれば、一番簡単なのはサーバーを海外に置くことである。これだけのことであっという間に手の届かないところの話になってくる。また、画像を制限したとしても、テキストは無理だ。・・・骨抜きになることがわかっていることに加え、それが今後の日本のIT産業の足枷になっていく可能性が少なくない・・・しかし、それにしても・・・今回の件のセンスの悪さは際立っている。インターネットをろくに知らない有権者の声をもとに、インターネットをろくに知らない政治家が法律を考え、インターネットをろくに知らない有識者にその是非を検討させ、インターネットをろくに知らない議員の集まりである国会でそれを通そうとしている。 

 本当に、ご指摘どおりだと思うのですが、「All About プロファイル-元木 一朗-」さんの秀逸なところは、そうした方向に動いてしまう日本社会の背景にまで鋭く切り込んでいることです。

日本においては常にジェネラリストたちはスペシャリストの上位に存在し、その構造はここ数十年微動だにしていない。そもそも、現在の官僚機構はそういう仕組みの中でのし上がってきたジェネラリストたちによって牛耳られているので、いつまで経ってもスペシャリストの時代は来ない仕組みである。ジェネラリストの、ジェネラリストによる、ジェネラリストのための日本なのだ。そういうジェネラリストは基本的に「情報を取捨選択する能力に長けた人たち」だが、当然のことながらさまざまな専門領域に対するスペシャリスト的な知識はない。・・・日本の国民は基本的に公務員、特に中央の官僚が大嫌いなくせに、何か判断に困ると偉い人(=中央の官僚)に任せてしまう。本人はそういう自覚はないのかもしれないのだが、誰かが判断をしなくてはならないのであって、その多くの場合で、判断しているのは中央の官僚である。嫌いだ、嫌いだと言いながら、それにおんぶにだっこというのが今の日本人である。・・・

「有害情報に関する特別世論調査」・・・から読み取れるのは、「国が何をやっているのかは良く知らないし、あまり興味もないが、きちんと国として規制して欲しい」ということである。これこそが日本の国民のレベルであり、問題点でもある。何をしているのかには興味を示さず、規制することに対するアレルギーはない。規制するのは・・・日本人の多くが大嫌いな官僚である。規制を増やすということは、官僚の権利を拡大することに他ならない。ところが、そのあたりのことには全く無頓着なのだ。・・・今回、なぜこのような法案が提出され、成立する公算が高いのか。それは、高市議員の政治力でもなければ、自民党・民主党の影響でもない。中央官僚の意図はある程度あるのかもしれないが、それも最大の要因ではない。一番大きな推進力となっているのは日本国民の持つ「丸投げ体質」という国民性である。

以前、TBSの番組で、「度の合わないメガネによる弊害」を取り上げていたことがあった。その番組では、コメンテーターが「こんな弊害がでるなら、きちんとしたメガネを提供するように、国が規制すべきだ」ということを発言していた。これこそが「規制」に対する警戒心が希薄な日本人のマインドの典型例である。規制がない(緩い)から誰でも簡単にメガネを買うことができる。そのメガネの質の良し悪しは市場が判断すれば良いだけのことである。・・・必要なのは規制ではなく、判断するための情報だ。「情報を収集するのも、自己責任で判断するのも嫌だ。だから全部国にお願いしよう」という姿勢が続く限り、日本はいつまで経っても資本主義社会にならない。そして、今回のネット規制がもし実現するならば、そうした現状を、インターネットを通じて全世界に知らしめることになるのである。

 正に卓見ですね。私も、お上が嫌いなのに、お上に丸投げしてしまう日本人の性癖が克服されない限り、健全で成長力のある資本主義経済は日本社会に定着しないと思います。そして、そういう性癖が治らない限り、統制経済・社会主義に向かって、日本は没落の道を進むしかないように思われるのです。


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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「Jパワー株買い増しに政府どうしようもない中止勧告」

英投資ファンドTCIによる、Jパワー株の買い増しについて、
政府が中止や変更を求める方針を決めたが、その理由がお子様以下だ。
「日本の投資家なら短期で売り抜けることはない」というのだが、
TCIの3年から5年という保有期間は日本の投資家を見ても実は少数派だ。

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2008 04 23 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク

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