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2008.04.06
[フィナンシャル ジャパン] 日本市場“低迷”時代の投資法
第6回FJ資産運用サミット2008
投資家から日本は見放されたのか 日本市場“低迷”時代の投資法
玉塚元一 リヴァンプ 代表パートナー
スコット・キャロン いちごアセットマネジメント 社長
木村剛 フィナンシャル ジャパン発行人
日本経済低迷の理由はサブプライムだけではない「今、景気がいいと思われる方は手を挙げていただけますか?」
2月2日、東京・六本木のアカデミーヒルズで開かれた「第6回FJ資産運用サミット」。『フィナンシャル ジャパン』発行人の木村剛が講演で、会場に詰め掛けた約300人の聴衆に問いかけた。しかし、誰も手を挙げなかった。
木村は、「サブプライムローン問題の広がりで、米国では貸し渋りが発生していると言われるが、一番貸し渋りが起こっているのは日本だ」と話した上で、貸し出しの統計を示した。
米国の不動産向け貸し出しは、06年11月には前年同期比14・8%で、翌年同期には同7.1%。伸びは鈍くなっているが、法人向け貸し出しは逆に伸びており、14・9%から19・3%になっている。で、翌年同期には同7.1%。伸びは鈍くなっているが、法人向け貸し出しは逆に伸びており、14・9%から19・3%になっている。これに対し、日本の法人向け貸し出しは、1.6%からマイナス1.2%と減少している。企業の倒産件数は06年の1万3245件から、07年には1万4091件と6%強増加(中小企業庁調査)。日本の景気はすそ野から崩れつつある。
「昨年の日経平均株価のマイナス11・8%は、主要国の中でも最低にい。社会主義国のベネズエラと同じレベルだ」と木村は嘆いた。 下落の理由に挙げられるのがサブプライムローン問題だが、これは米国発の問題。なぜ日本のほうが景気や株価が悪くなっているのか。木村は、「コンプライアンス不況や日本市場の信頼性が低下していることが背景にある」と解説した。貸金業法の改正によるグレーゾーン金利撤廃の決定(06年12月)、改正建築基準法の施行(07年6月)などの規制強化で、企業活動が停滞して経済全体に悪影響を与えているというのだ。
スティール・パートナーズがブルドックソースの買収防衛策導入差し止めの仮処分を求めた裁判についても言及。判決で、「安ければ買うし、高ければ売る、という徹底した利益至上主義には慄然とする」とした裁判所の姿勢を糾弾。「外国人投資家は日本に愛想を尽かした。昔はアジアに投資するには日本しかなかったが、今は中国
やインドという有望な投資先がある。日本市場は見捨てられかねない」と言い切った。
最後に近著『投資戦略の発想法2008』(DMD JAPAN)に記した投資法を紹介。「余裕資金で投資することが大前提、住宅ローンなどの借金を完済した上で2年分の生活費を分けておくことが大事」と前置きし、「基本は分
散投資・長期投資を心掛けることだ」と話した。そして、「自分が転職したいと思える会社の株を買いましょう。知らないものには手を出さず、新聞に値段が載っているような金融商品に投資することが重要です」と締めくくった。
日本市場は“歴史的な買い場”?
パネルディスカッションでは「モノ聞く株主」を標榜する独立系投資顧問会社いちごアセットマネジメントのスコット・キャロン社長と、ロッテリアの再生などを手がけるリヴァンプの玉塚元一代表パートナーが登壇した。
「日本株は歴史的な買い場だ」
冒頭、キャロン氏が発した言葉に会場がどよめいた。「東証1部の平均PER(株価収益率)が13倍ほどに下がってきており、多くの企業がPBR(株価純資産倍率)1倍を割っている。それでも株価が下がっているのは、金融不安の環境下から買いを入れるには勇気がいる状況で、中長期スタンスでないと手を出しにくいからだ」とキャロン氏は続けた。
銘柄の選別方法について、「当ファンドのポートフォリオには、10社しかありません。それもすべて小型株です。投資は人間の集団への投資なので、取引先などとも会って、半年ぐらい検討した上で組み入れを決定します。夜は安心して寝たいので、財務健全な企業だけを選んでいます」と笑った。
一方の玉塚氏は、司会役の木村に「一人の投資家だとしたら、どんな企業に投資するか」と尋ねられ、「3点を重視します。事業の軸を持っているか、顧客視点になっているか、大局を見ているかです。長い目で見て、正しいことを正しく実行する会社が成功すると考えています。その企業が10~20年前はどういった状況だっか、2~3年前の経営者の決断がどういう結果をもたらしているのかといったことを調べることが大事です」と答えた。
日本企業の経営が話題になると、キャロン氏は、「私は経営者を正確に評価する自信はありませんが、多くは有能な人だと思います」と持ち上げる。玉塚氏は、「日本に足りないのは信じてやり切ろうとするリーダー。また、経営と現場にコミュニケーションがないために、適切な仕事に向かえていないのが問題。方向を定めれば、
一気に経営の改善は進むと思う」と語った。
企業側にさまざまな経営改善の要求を突き付ける“モノ言う株主”の存在がここ数年話題になっているが、キャロン氏は“モノ聞く株主”を標榜している。「企業訪問する場合、経営陣はその事業に何十年もたずさわっていて知識も豊富なので、敬意を払わないといけません。日本の礼儀作法からすると、5%の株式を取得したからと
いって声高にモノを言うのは無礼です」と話し、日本人が持つ外国人投資家のイメージとはかけ離れた姿勢であることを印象付けた。
さらに、「一度納得できないことがあって、行動を起こしたこともありましたが(合併問題を巡っての東京鋼鐵との委任状争奪戦)、そうなってしまったのは私のミスです」と振り返った。
これに対して玉塚氏は、「会社の価値が下がっているのに対して、株主からプレッシャーがかからないというのはおかしい」と主張。するとキャロン氏は、「株価が買った時の半値になったら、手紙をIR宛てに送るなどして企業
とコミュニケーションをとるべきでしょう。我々の財産を守ってくださいと伝えるのです」と付け加えた。
最後に個人投資家へのアドバイスを求められたキャロン氏は、「長い目で見るとグロース(成長株)投資よりバリュー(割安株)投資の方が良いパフォーマンスを示しています」と過去のデータを紹介。「機関投資家はすぐに結果を出すことが重要なので、短期視点になっています。その点、長期投資することができる個人投資家は有利でしょう」と述べた。
第7回FJ資産運用サミットは前お申し込み受付中≪事前登録要・参加費無料≫
http://www.financialjapan.co.jp/summit/
【日時】4月12日(土)12:30~17:00 予定
【会場】六本木アカデミーヒルズ49(六本木ヒルズ森タワー49F)
2008 04 06 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク
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