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2008.05.31

[週刊!スモールビジネス] 予防に勝る良薬なし

 中小企業を芯から元気にするマガジン[BIZMO] 5月号掲載
 『いい病院の見分け方』  東京医科歯科大学大学院教授 川渕孝一

 これから本コラムでは「よい病院」探しの旅に出ることにする。「不思議な国にようこそ」と言いたいところだが、ホテルやレストランと違って病院はできれば行きたくない所だ。英語で病院はホスピタル。語源はホスピタリティ(もてなし)だが、日本の病院には、サービス業のかけらもない。
 それでは、どうすればよいのだろうか。簡単だ。病気にならないことである。それには予防が必要。「人は必ず死ぬのであり、どんな名医でも治せない病気はある」と医師は言う。「喫煙、暴飲暴食をし、睡眠時間を削って仕事をするなどもってのほか。個々が、病気にならない努力をすることが大事」── これは、日常的に人の生死に立ち会っている看護師の口グセだ。
 高度医療の分野では日本の先を行く米国でも、予防医学が盛んだ。ついつい、不摂生しがちな現代人にとっては、病気にならないように努力することが不可欠。確かに、毎月、給料から天引きされる社会保険料は頭にくるが、誰も、払った保険料の元を取るほど病気や入院をしたくはないはずだ。近年、金融の世界では、リスクのある金融商品に投資するとき、「自己責任」ということがよく言われるが、医療についても然り。健康保険制度の限界が見え始めた今、健康の維持、病気になってからの治療法、病院・医師の選択まで、自己責任の時代が始まろうとしている。
 その証拠にわが国では、健康ブームが起きている。健康志向の高まりを背景に、サプリメント(栄養補助食品)や青汁などの「健康保持用摂取品」の購入が増えているのだ。総務省の家計調査によると、一世帯当たり年間の健康保持用摂取品に対する支出額は、1995年を100とすると、2004年は227に達した。医薬品や保健医療器具などを含む「保健医療」全体でも、04年は123に増えている。 こうした健康ブームに便乗してか、厚生労働省もこの4月から特定健康診査を40歳から75歳未満の人に義務付けた。今後、保健活動を中心に国民の疾病予防を後押しするという。しかし、従来実施されていた老人保健事業による基本健診の受診率は、全国平均で4
3・8%。中小企業の多い政府管掌健保に至っては、被保険者の受診率は29・3%と低い。2012年度末に、65
~80%の受診率を国は目指しているが、実現は簡単ではなさそうだ。
 1999年に全米でベストセラーとなったシカゴ大学医学部教授マイケル・ロイゼン著『リアルエイジ』によれば、「この20年あまり、多くの医者は、遺伝子の謎が解き明かされれば人類を苦しめる医学上の根本問題にも解決の兆しが見えるのではと信じてきた」という。事実、糖尿病、アルツハイマー、がん、心臓病などの病気も、遺伝子とのかかわりが大きいと久しく考えられてきた。遺伝子情報によって、肥満しやすい人もいれば、血中のコレステロール値が高くなりやすい人もいる。
 確かに、このような傾向を持つ人々は、ある種の病気にかかりやすく、老いるのも早い。だが意外なことに、遺
伝子の研究が進めば進むほど、私たちの健康に重要なのは、生きている環境への対処の仕方だという事実が浮かび上がってきた。
 私たちは、遺伝子の影響をコントロールすることができる。どう老いるかは日々の選択にかかっている。ロイゼン教授によれば「老いは自然の摂理なのでどうしようもないとする考え方が主流であっても、遺伝的体質による老化現象は、実のところ全体の三割にも満たない」という。やはり「予防に勝る良薬なし」ということだろうか。

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1959年富山県生まれ。一橋大学商学部卒業。シカゴ大学経営大学院修士課程修了(MBA)。民間病院などに勤務の後、旧厚生省国立医療・病院管理研究所(現国立保健医療科学院)勤務、日本福祉大学経済学部教授などを経て、現職に。『医療改革』(東洋経済新報社)など著書多数。

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BIZMOとは
「Biz-Magazine OF Venture Company and Entrepreneur」の略です。
日本でビジネスを行うすべてのベンチャー企業と起業家の明日からの仕事に役立つ情報を提供するマガジンです。




2008 05 31 [19. 週刊!スモールビジネス] | 固定リンク | トラックバック

[フィナンシャル ジャパン] 睡眠不足は肥満になりやすい

[フィナンシャル ジャパン6月号] 快眠ビジネス最前線

 春たけなわ、「春眠暁を覚えず」。だが、日本人は世界的にも睡眠不足の国民だという。そんな睡眠不足の人には一考の価値ありの商品・サービスは日々進化を遂げている。〝快眠市場〟の最前線に迫った。

快眠”ブランドで成功
ビジネスホテルに女性が殺到

 「睡眠不足は肥満になりやすい」。そんな研究結果がさきごろ日本大学の兼板佳孝講師によって発表され、話題を呼んだ。〝残業にネットで夜更かし三昧、出勤時は頭がぼんやり〟という人も少なくないだろう。
 枕のオーダーメイドで知られるロフテー社が運営する睡眠文化研究所の「健康と睡眠に関する実態調査」(2006年)によれば、回答者(首都圏在住・20~50代の男女日勤者300人超)の約7割が「睡眠不足」としており、睡眠は必ずしも満たされていない。
 これに加えて「朝目覚めた時の気分」も、「良い」「やや良い」が17%にとどまり「やや悪い」「悪い」の計49・8%を大きく下回った。もっと眠りたい、それも快適に、目覚めがよくなるように――これが現代人の切なる願いだと言ってもいいだろう。
 世界的に見ても睡眠時間が短いとされる日本人。たとえ短くても良質な睡眠を得たい。そんなニーズを掘り起こそうとするビジネスが注目を集めている。
 快眠は厳しい競争下にあるホテル業界でも重要なトピックだ。快眠枕やベッドやグッズを用意し、深いリラクセーションを謳う「快眠プラン」は、都市部のホテルを中心に利用できる。
 だがこれまでのホテルの快眠はあくまで〝プラン〟でしかなかった。ここからさらに踏み込み、全室〝快眠仕様〟としたホテルが昨年11月に東京・日比谷にオープンした「レム」(阪急阪神第一ホテルグループ)だ。
 同グループの岸野順治・レム事業部長は、「客室単価は平均1万2000円で半期の売り上げは3億5000万円。予想を上回る結果が出ている」と話す。通常のビジネスホテルでは女性が1割程度のところ、レムは予想を上
回って女性客が多く、男女比は6:4だという。
 これはレディースフロアを設け、レストランではなく良品計画の「Ca fé&Mea l MUJI」をテナントに迎えるなどして、〝快眠〟をコンセプトとするホテルらしい落ち着いた雰囲気づくりを行った結果だ。
 肝心の客室の方は、日本ベッド製造と共同開発した「シルキーレム」を導入したほか、レムオリジナルの枕、マッサージチェア、リラクセーション効果の高いレインシャワーやバスアメニティを配し、快眠環境を整えている。

進む他企業との連携
 

 快眠というコンセプトでの展開について、前出の岸野氏は、「レムは〝ホテル〟という単語はウェブサイトや印刷物でのパブリシティで極力使わないようにしている」と語る。通常のホテルと同列にされたくない――そんな強力なブランド意識が、独自の地位を獲得することを可能にしたようだ。
 「家よりも熟睡できた」「仮眠しただけだが爽快感がちがう」といった利用者からの声は、レムの戦略の成功を裏付ける。
 従来ビジネスホテルは、トップクラスのホテルの設備・アメニティをランクダウンした形で一通り揃えるというのが一般的だった。このため低価格での価格競争が激化する結果を招いていた。レムはこれを打破した格好だ。
 知名度が上がるにつれ、快眠関連企業との連携体制も整ってきた。医薬部外品の飲料「グッスミン」(ライオン)がフロントで入手可能なのはその一例で、岸野氏によれば、これからも同様の企画は進むとのことだ。
 「眠りに対して〝贅沢〟な人はもっと増える」(岸野氏)ことが予測されるなか、レムは4月17日にレム秋葉原を駅前の商業ビル「アキバトリム」にオープンさせた。さらに2012年をめどに新大阪駅近くに進出することを目指している。
 「レムはビジネスホテルの少し上で、かつ高級ホテルよりは下に位置する」という岸野氏の言葉は、ニッチなニーズを、時代を切り取るコンセプトで掘り起こした証左だとも言える。

人生を変えるほどの快適枕
 
 東京・日本橋のビルの明るい半地下のフロア。明るいイメージで統一されたなかで並ぶのは5段階の高さに細分化された8種類の枕だ。
 07年10月にオープンしたこの「ロフテー枕工房本店」運営するLOFTY(以下、ロフテー)は、枕に特化した商品・サービスを展開、「オーダーメイド枕」(03年から)や枕を預かりメンテナンスする「ロイヤル枕クラブ」(07年から)
などで、30~40代の男女の支持を集めている。
 07年の売上高は28億円、現在は全国のデパートなどで計64店舗を構える。同社の快眠スタジオ所長安達直美氏によると、購入者からは「寝つきが良くなった」「睡眠薬に頼らずに眠れるようになった」というものから、「人生が変わった」といった声が寄せられている。

マーケットは〝啓蒙〟で広がる 

 枕市場自体は、安達氏によると米テンピュール社が強く押し上げ、03年に1000億円近くに達した。
 だがこれ以降、次第に下降線をたどり、07年は719億円と、97年の755億円近くまでのレベルに戻ってしまった。このため〝枕ブーム〟は去ったとの見方もある。
 安達氏はこの点について、「もっと掘り起こせるニーズがある」と悲観していない。
 「日本人の体型が変わり、枕は低めのものが適合するようになるなどアピールすべきポイントは多い。枕はよい睡眠、体の健康にかかわる繊細なもの。重要性を広く消費者に伝えていきたい」(安達氏)
 ややもすると枕はベッド・布団に比べれば寝具の脇役との印象も持たれかねないが、ロフテーにおける売り上げの平均単価は1万2000円と、決して安くはない。
 だが安達氏が、「値段は見ないで、フィッティングの良し悪しで購入されるお客さまが多い」と語るように、枕で快眠が得られるのであれば割安と考える人が増えている証左なのだろう。
 嗜好の多様化が指摘されて久しいが、〝個別の眠り〟を受け止める枕もそんな流れのなかにある。

 眠りの総合プロデュース 

 このロフテーも含め、イワタ(寝具)、エスエス製薬、グンゼ(アパレル)、太陽化学(加工食品な)、パラマウントベッド、松下電工の計7社が参加してつくるのが「快眠コンソーシアム」だ。
 「眠り」関連分野の市場創出を目指してPR活動などを行う同コンソーシアムに参加する松下電工は、06年に「快眠環境システム」を立ち上げている。同システムは、「睡眠に必要なもの=寝具」という従来の考え方から大きく前進したものだ。
 スタート時は、「カイミンソリューション」事業の一環としてベッド一式と映像・音響などを組み合わせたセットを発表し、これまでテスト販売を行ってきた。そしてこの3月に満を持して新商品を発表、今後の実販売に取り組む。
 同社快眠環境システムグループの塀内隆博氏は、「当初、ホテル・施設向けと個人向けという方向づけだったが、個人向けはまだ価格面で厳しい。一方のホテル・施設は手ごたえを感じている」と話す。「発表時は『こんなものがあるのか、すごいね』と言われるだけだった。これが『具体的に導入の検討をしてみよう』となった。関心は
高まっている」(塀内氏)
 08年3月の時点で「快眠環境システム」はロイヤルパーク汐留、グランヴィア大阪、西鉄グランドホテル(福岡)、ニューオータニ大阪などホテルのほか、企業の社員向け宿泊施設で導入されている。また導入済みホテルに宿泊した他ホテルの担当者から導入の検討を相談されることも多い。

独特な日本人の眠りを踏まえ
「快眠環境システム」を更新

 「快眠環境システム」の最新版は、06年以降のテスト販売で得られた結果から、「寝る前には眼鏡を外すので映像は不要」「体位を変えて体をほぐすベッドの動作音が気になる」「コントロールパネルが、ホテルのナイトパネルと別にあって使いこなしにくい」といったユーザーの声を反映させており、快眠の〝環境づくり〟をさらに一
歩進めた形だ。新商品の価格は約55万円。発注者の要望に合わせてオプション対応も可能。
 日本と韓国では、寝室に入ってから寝るまでの時間が欧米に比べて短いとされる。松下電工では、こういった事実を踏まえ、入眠までの短い時間でいかにくつろいだ状態に導けるかに気を遣って開発を行っている。
 ただことホテルとなると、お酒を飲んでからスムーズに寝つく人も多いため、「翌日の目覚めの方が大切。新商品はこの点に配慮している」(塀内氏)というから、念には念を入れている。
〝快眠〟に資する商品と言えば、睡眠改善薬の「ドリエル」(エスエス製薬)や前出の「グッスミン」)といった経口スタイルのものから、アロマやお香のように情緒・精神面に訴求するものまで多々ある。だが松下電工の目指すところは、快眠のための究極の〝環境〟づくりとなる。
 「松下電工は各家電事業で早くから〝睡眠〟を扱ってきた。快眠環境システム事業は、テレビやオーディオなどで進めてきた研究開発を集約して総合的にプロデュースしたものだ。これから“快眠市場”は、入眠無呼吸症候群(SAS:夜の睡眠時、断続的に呼吸停止が繰り返される)患者等に向けた医療分野と、自分の睡眠習慣・環境
を改善したい人向けのものに二極化するだろう。松下電工としては、後者をターゲットとしていく」
 塀内氏が語るように、同社の事業は、広く消費者が発する快眠志向を、その先端でとらえる好例と言えるかもしれない。
 4月から始まった〝メタボ健診(特定健診・特定保健指導)〟など、健康意識の高まりはもはや既定路線だ。3大欲求のひとつである〝眠り〟は健康とも密接につながるため、需要はある意味で底堅い。
 ネット利用など生活の深夜化が進み、睡眠不足が意識されるなか、快眠ビジネスは、道具の範疇を脱
し、広い意味での〝眠りの環境づくり〟へと移行しつつある。

2008 05 31 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.30

[ゴーログ] 世界初となる高齢社会の到来

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「ええじゃないか!」さんが、高齢社会白書を取り上げ、「日本の総人口が減るなかで、65歳以上の高齢者は増加を続ける。総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は現在の21.5%から55年に40.5%まで上昇。国民の2.5人に1人が65歳以上となり『世界のどの国も経験したことのない高齢社会になる』と指摘した」と書いています。

人口構成の推移は簡単には変えれません。今年から出生率が多少上昇しても、55年の現役世代の比率は大きくは変わらないと思う。別に悲観も楽観もしませんが、残念ながら、品格!品格!と叫ぶ先輩方(20年前のチャンピオン)や、道路は必要!と叫ぶ土建屋の方々や、増税は必要!と叫ぶ公務員の方々の顔を立てる余裕は、器の小さい自分にはありません。生物としての最低限の責任を果たすべく、「パパは小さな島は危険だと思ったのに何もしなかったの?」と言われることだけはないように、せめて子供達だけは守りたい(逃がしたい)と思う。

 残念ながら、同感です。私たちにできることは、各自が自分の周りの人々を自力で守っていく(もしくは自力で逃がしていく)しかないのかもしれません。少なくとも、①品格!品格!と叫ぶ先輩方、②道路は必要!と叫ぶ土建屋の方々、③増税は必要!と叫ぶ公務員の方々、に期待しても、世の中は良くならないということだけは、ハッキリとしています。
 「珈琲ブレイク」さんは、「現在では、十分な豊かさが実現された反面で、強い飽和感、閉塞感があり、未来がいまよりもよくなるという確信も期待も希薄となっている。・・・やはり時代の閉塞感、飽和感が関係しているのではないだろうか」と指摘していますが、病の根元はなかなかに深いようです。だからこそ、いま、改革すべきなのですが・・・。
 本当に残念なことですね。

2008 05 30 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.29

[ゴーログ] 会社は誰のモノ?:資本を集めてみたら?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「ある女子大教授のつぶやき」さんが、「関ヶ原の戦いから2年後の1602年に世界最初の株式会社がオランダで設立された。それが東インド会社と言われている」と記し、株式会社のことについて触れています。

海外貿易のための船を建造する費用を広く投資家から集めることを目的として株式を発行した。株式を売った金は船の建造費や航海に要する費用となる。成功すれば莫大な利益が期待されるが、失敗すればすべてゼロとなるから、この大きなリスク(危険と機会)を多くの投資家で分担するという知恵から生まれたのが株式会社の嚆矢(こうし)となった。株主は出資した割合に応じて利益をもらえるが、失敗しても出資した以上の損失は負わないという仕組みで、現在の株式会社と基本的には同じである。これ以来、株主と経営者の分離ということが議論されてきて現代に至っている。

株主という依頼人(プリンシパル)から経営者という代理人(エージェント)が仕事を請け負って、依頼人の目標を遂行するという関係である。この二重構造によって、企業はより大きなリスクを取ることができるようになっている。普通、会社の経営者は株式を保持するから、依頼人でもあるし代理人でもある。高度成長期の日本では、企業は銀行から低利の資金を入れ、株式の持ち合い制などで、株主の地位は低く、この二重構造という関係が薄れていた。

しかしながら平成不況期を経て、ようやく日本にも本来の意味での株式会社が浮き出てきた。その極端な表れが外資の株式保持による企業支配という現象である。空港ビル会社、電源開発などに対する株式の買い増しが、国の安全など国益を損ねるという理由で、政府まで介入してきている。・・・すべて開放しておいて、外資が入ってきたからけしからんという外資攘夷論では、かえって日本の資本主義の健全な発展という国益を損なうことになる。高度成長期の夢が忘れられないのか資本鎖国主義者が台頭してきて、買収防止策を講ずる企業が増加している。そうすると企業価値を損なう可能性が大きくなると判断されて株価は低下する。株価が安くなると買収しやすくなるということになる。ファイナンス原理主義者が主張する「会社は株主のもの」という理屈を再び考え直す時に来ている。

 一度、自分で起業してみれば骨の髄からわかりますが、「会社は株主のモノ」です。それは、「ファイナンス原理主義者か否か」などという高邁な学説とか高度な理論的なことではありません。それは、厳然たる事実です。
 もしも、違うと主張するのであれば、「会社は私のモノですが、私は資本を必要としています。私はあなたということを聞きませんが、私の会社に投資してください」という触れ込みで、是非、資本集めをしてみていただきたいものです(「会社はみんなのモノですが、その会社は資本を必要としています。その会社はあなたということを聞きませんが、その会社に投資してください」という言い方でも結構です)。
 私は、いくつかの事業に関して資本集めに奔走した経験がありますが、そんな自分勝手で鉄面皮のようなことはとても言えません。また、資本を調達する現場で、株主や投資家に対して、そういう失礼なことを言う起業家にもお目にかかったことがありません。そういう非常識なことをいう経営者は、資本調達をする必要がなくなったと思い込んでいる上場会社のサラリーマン社長だけです。

 日本という国は、資本主義経済の本質を理解しない識者が多いために、保身に汲々としているサラリーマン社長たちに同情して、未だに「会社は誰のモノか?⇒会社は株主のモノではない⇒会社は従業員を含むみんなのモノだ⇒会社は実質的に経営者のモノだ」という議論に多くの時間を割いています。全くのナンセンスですね。
 「会社は株主のモノである。ただし、株主が決めることが出来るのは、大きな経営方針と経営者の人事だけである。そのほかは、経営者が決める。結果が悪ければ、株主が経営者の人事を評価する」という株式会社としては当たり前のベーシックなことを前提にして、建設的な議論ができるように、早くなってもらいたいものです。
 
 ちなみに、「世界のお金情報-プロの目で見た成功の鍵」さんは、「マサチューセッツ工科大学(MIT)のコサリ学部長が7月1日付けでバークレーズ・グローバル・インベスターズ(BGI)に入社し、マネージング・ディレクターに就任する」というニュースを引き合いに出して、「米国では、こうしたアカデミックな世界と資産運用業界の人材交流は珍しいことではありません。金融工学という言葉が生まれるぐらい、アカデミックな世界は、実務に耐えうる理論を研究しています。一方、日本でこうした話を聞くでしょうか? 運用業界から大学教授、講師になる人は多々いますが、その逆をほとんど聞いたことがありません」と指摘していますが、「会社は株主のモノである」というレベルですら躓いている、あるいは、そうした主張を公言できない日本のアカデミズム出身の方が、金融の実業において成功できるとは、私には到底思えません。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「大手銀行決算、大幅減益の真相」


大手銀行グループの決算が出そろい、すべてのグループで減益という結果がでた。
これはサブプライム問題の影響という観点で報道されているが
気になるのは「本業の儲け」が伸びていないという点だ。

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2008 05 29 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.28

[ゴーログ]コンプライアンス不況:企業の冬彦化

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「貞子ちゃんの連れ連れ日記」さんが、「日本国内では、比較的規制に守られなかった(規制にがんじがらめにされなかった)産業群と、複雑怪奇な規制にがんじがらめに守られ続けてしまった産業群とがあります」と語っています。

日本の場合は、前者(規制にがんじがらめに守られなかった)が、自動車や鉄鋼などで代表される製造業。後者(規制にがんじがらめに守られてしまった)産業群が、サービス産業やゼネコンなどに代表される産業群。トヨタやホンダの成功は、優秀な人材を沢山囲い込んだが故の成功ではなく・・・、規制にさほど縛られず、霞ヶ関に守ってもらえなかったので、結果として、今の日本の自動車産業は、優秀な人材が育って、グローバル規模で通用するようになったのです。

反対に、国内では、複雑怪奇な規制に縛られながらも、その規制によって守られている産業群は、NTTとテレビ局を筆頭とする通信業界、三菱UFJを筆頭とする金融業界、日通を筆頭とする運輸業界、東電を筆頭とする電力業界、鹿島を筆頭とする建設業界、三井不動産を筆頭とする不動産業界、高島屋を筆頭とする小売業界、朝日新聞を筆頭とする出版業界などなど、です。これらの業界にも大勢の優秀な人材が囲い込まれたのですが、霞ヶ関の過保護行政によって、優秀な人材が育ちにくかったので、グローバル規模で通用する国際競争力が、結果として育たなかったのです。・・・これらの業界では、国内だけの絶望的な過当競争は起きても、グローバル規模でのダイナミックな再編も競争力向上も起きないのです。・・・

製造業だけが、霞ヶ関の過保護行政にがんじがらめに守られなかったからこそ、早くから海外進出して、幾度も失敗を繰り返しながらも乗り越えて、グローバル規模で戦えるまでに成長できたのです。以上を眺めれただけでも、なぜ、今の日本が全体としては不景気なのか、ご理解いただけると思います。ほとんどの業界が、霞ヶ関の過保護行政の中で、もがき苦しんでいるか、あるいは、苦しんでいることさえも忘れようとして、過保護に甘んじている。いや、自分たちが過保護であることさえ自覚していない業界人も決して少なくない。そして、いまだに、霞ヶ関は、これら規制で守られている・・・ドメスティック産業群をさまざまな法律や行政指導でがんじがらめにしていても、これといって良心の呵責を感じない人々がメジャーなのです。・・・霞ヶ関のメジャーな人々って、御用済みの「教育ママゴン」「冬彦ママ」を思い出しますよね。

子供(企業)がすっかり実力を付けて大人になって一人立ちできそうになっても、「冬彦ママ」がいつまで経っても、手取り足取り、箸の上げ下げにまで子供に干渉して、「本当に自立なんかしちゃったら、世間知らずの私を必要としなくなるでしょう?(=小さな政府になっちゃうでしょう?)そしてら、私の心のよりどころがなくなっちゃうのよ(=天下り策がどんどん減ってくるのよ)。あなたの自立はとことん邪魔するわよ。あなたが一人で生きてゆける訳ないじゃない!!!一人で生きていってほしくないのよ!(民間企業は失敗することがあるでしょ!!!)。どんな小さな失敗も失敗は失敗なの!失敗はどんな小さな失敗でも、ママが許さないわ!だって、自立してほしくないんだもん!!!小さな失敗をするくらいなら、おとなしくしていなさい!(大人になろうとしないで、国内でひきこもっていなさい!)・・・」とささやく様な冬彦ママ。日本全国「冬彦ママ」型行政と「冬彦さん」型民間企業が蔓延し始めているのでしょうか? 

 最近、「冬彦ママ」型行政が目に付くようになってきました。しかも、最近の「冬彦ママ」は、言うことを聞かない企業を村八分にし、叩き潰すことすら厭いませんから、日本企業の「冬彦化」が加速度的に進行しているように感じます。
 私の言葉でいうところの「コンプライアンス不況」――貸金業法改正・建築基準法改正・金融商品取引法の3K不況――という認識は、少しずつ世の中に理解し始められてきたようですが、同様の流れは、携帯のフィルタリング、ネット規制、消費者庁構想などなど、枚挙に暇がないようです。
 コンプライアンス不況に端を発した「日本企業の冬彦化現象」は、間違いなく、国際競争力を弱め、長期的に日本経済を蝕んでいくでしょう。世界に類をみない高齢化が進展し、これからの社会コストの増大に耐える経済力を維持しなければならないときに、こうした愚かな失政を断行し放置する国は黄昏ていったとしても致し方ないのかもしれません。
 「兄やん公式ブログ 2」さんが指摘しているように、ただでさえ、「日本では効率よく定時の間に仕事をこなすことよりも、遅くまで残って仕事をすることを評価する傾向にあります。・・・休みの数、質、共に悪いため、日本人全体における労働効率がじわじわと悪くなっていきます。それを裏付けるように、日本の労働生産性はアメリカの71%しかないと言われています」ということのようなのですから。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「大手銀行決算、大幅減益の真相」


大手銀行グループの決算が出そろい、すべてのグループで減益という結果がでた。
これはサブプライム問題の影響という観点で報道されているが
気になるのは「本業の儲け」が伸びていないという点だ。

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2008 05 28 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.27

[ゴーログ]公務員なら国債を買え!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「ヘボ投資家の株式日記-yoshisuke's BLOG-東証一部ドットコム」さんが「江戸時代の公務員であるところの給料は俸禄と言って、バリバリの固定給だったみたいです」というコメントを寄越してくれました。

江戸時代から続くお役所の固定賃金制、そんでもって、仕事をする人、あるいは仕事ができる人には役高という特別給もあったようですが、それはやはり特別なものだったのだろうなと思います。300年以上続くこの日本の賃金感覚をひっくり返すのは容易ではないですよ。現在より上の役に就かない限り何十年務めても、さらに何世代にわたっても同じ禄高。物価は上り米価は下がったので、小禄の武士はますます貧乏になっていった。・・・って、現代とまったく同じぢゃありませんか! この時代の米価っていうのは、要するに貨幣価値のことですから、物価は上がって、インフレが起きるという、まさしくスタグフレーション! 江戸時代から学ぶ、歴史から学ぶことって本当に大事だと改めて感じる今日この頃です。ふと思ったのですが、お役人しゃんや官僚さんなどのお給料やボーナスを国債で支払うというのはどうでしょうか? そうすればもう少し危機感が出てなんとかしようとか思うかも。

 私は、以前から、公務員の賞与と退職金は国債で支払うべきだ(賞与は1年国債、退職員は20年国債)と主張しています(笑)。というのは、国民に対して、「国債を買ってくれ!」と宣伝している割に、国債を買って保有している公務員は少ないと実感しているからです。これって、おかしいですよね。
 それって、じつは、国の財政がどうにもならないことを知っているから、自分で国債を買うことは出来ず、さりとて資金は調達しなければならないので、「国民の皆さん、国債を買いましょう」と言っているように聞こえます。国民に国債を買ってもらいたいのであれば、公務員自ら国債を率先して買うべきなのではないでしょうか。
 その程度のことすらできないのだったら、消費税増税なんて通らないような気がします。『消費税9・5−18%に 基礎年金「税方式」で政府試算』という話に対して、「grounder」さんは、「これってどうなのかね?・・・基礎年金を全額税方式にした場合、『必要となる消費税率は09年度で9・5%、11%、18%』らしい。・・・こういうのって片側だけの意見で『ね、奥さん!しょうがないでしょ!』って説得方法なんだろう、見え見えなんだよね。やっぱ何かを判断するんだったら反対側の意見を聞くのが筋でしょ。・・・こんな政府の試算に対向できる数字を持っているシンクタンクとかないのかね」と指摘しているので、私の対案を提示いたします。

1.基礎年金を全額税方式にする。
2.基礎年金支払いの原資は増税ではなく、年金国債の発行で賄う。
3.年金国債は、公務員や、公務員共済、国家機関に購入していただく(笑)。
―― 詳細は、拙著『僕らの年金脱退宣言』(DMDJAPAN)をお読みください。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

5月14日、日本銀行が発表した国内企業物価指数が14年ぶりの高水準となった。
原材料の高騰による物価高はとどまる様子がない。
高齢化社会における物価高は悪であり、福田政権はそういう話をすべきなのだ。

番組登録はこちらから
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http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/080514/080514mag_boj.html

2008 05 27 [05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.26

[ゴーログ] 携帯問題ごときに国が一々介入するな!

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「くまさんの自立」さんが、「小中学生は携帯所持禁止を提言しようとしている教育再生懇談会」について、コメントしています。

あまり、頭のよろしくない人たちが、揃っているらしく、携帯所持がすべて諸悪の根源だと言いだしてしまったようだ。だから、携帯電話の所持を小中学生は禁止と言うことになってしまう。ああ、悲しい。同じことを考えれば、今自殺の原因として塩素ガス発生によるものが多いとして、塩素ガスを発生する二種類の洗剤をいっその事、販売中止にしてしまえと言うこととまったく同じだ。極端な話、刃物は一切売らないなんて言い出しかねない。馬鹿と鋏は使いよう なんて言葉が昔からあるけれど、携帯電話禁止となれば、今度はパソコンでのメール禁止まで波及しそうだ。

 最近、日本ではびこっている議論で怖いと思うのは、ある一つの正義感を象徴する主張が全体を引っ張り、最終的には、「法律で規制しよう」とか「政府に監督させよう」という結論を強引に導いてしまっていることです。これって、統制国家って言うか、大袈裟に言うと、ファシズム的な匂いを感じてしまうのですが、本当にいいのでしょうか。
 私は、統制国家よりも、自由な市場を好みます。政府に全部決められてしまうよりも、切磋琢磨して民間が決定する方を望みます。
 言うまでもなく、市場や競争に問題がないわけではありませんし、民間に任せれば完全になるなどというつもりもありませんが、「お上が仕切れば大丈夫」という半世紀前のノスタルジアが大手を振ってまかり通っている様子を見ると、「日本という国は、本当に学習能力のない官治国家(=官の官による官のための国家)なんだなぁ」という感慨を深めてしまいます。
 そんなことを対外的に主張していると、すぐに「お前は市場原理主義者だ!」などというレッテルを貼られて、「格差はどうでもいいと思っているのか!」と罵倒されそうです。私は、日本がそういう国に成り果ててしまったことを本当に残念に思っています。
 最後に一言。
 子供に携帯を持たせるか否かぐらい、親と学校と子供に決めさせろ!
 国が一々介入するな!

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

5月14日、日本銀行が発表した国内企業物価指数が14年ぶりの高水準となった。
原材料の高騰による物価高はとどまる様子がない。
高齢化社会における物価高は悪であり、福田政権はそういう話をすべきなのだ。

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2008 05 26 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

[週刊!尾花広報部長] 複合的な原因

 こんにちは、尾花典子です。ほんとに今月は雨が多いですね。でもあっという間に6月で日が経つのが早いです。
 10日前くらいから、なんとなく腰や背中が痛くなってきました。
 

 笑ったりすると、背中に響くのでかなり重症かと思い、原因を考えてみたところ、

① もともと運動不足のうえに、運動はまったくしない。通勤の往復で500mも歩かない。
② 姿勢が悪く、いつも足を組んでいるので、体が歪んでいる。
③ 腰痛はなかったものの、マッサージにいくと、腰もかなり凝っていて、運動をしたりせずに、このままほっておくと、動けなくなると指摘されている。
④ そろそろ、あちこちが痛くなる年齢が近づいている。
⑤ 内蔵などの疾患からくる腰痛かもしれない。
⑥ 最近、何度もフローリングで寝たり、ソファーで座ったまま寝てしまった。
⑦ 季節の変わり目で風邪気味で、ときどき悪寒もしていた。
⑧ 目にみえないストレスが背中や腰にきている。
⑨ 2週間前に中腰で90分作業をし続けた(運動をした翌日には、すぐに筋肉痛になっていたのが、最近は4~5日くらい経ってから体が痛くなる)。

など、いろいろな原因が考えられ、こうなると、病院に行くにも、どこにいったらよいのかと悩むところです。

 また、公言できない理由もいくつかあり、何か一つが原因なのか、いろいろな要因があって起こったのか、とりあえずは、手近なところで蒸気温熱パワーシートで様子見です。

 私の背中痛、腰痛でもこんなに複合的な原因が考えられるので、日本経済なんてどうなっちゃうのでしょうねflair


 中小企業支援機構社長の浜野さんが、「週刊!浜野幸也」ブログをスタートしました。お料理の写真とか、私よりもきれいに撮れているみたいだけど・・・。糖質制限食ってちょっと興味があります。うちの家族にもすすめてみようかな・・・。


 昨日、お友達と日比谷のペニンシュラホテルのヘイフンテラスで飲茶を中心にランチをしました(といっても、休日は昼から飲み会)。
 以前に比べると、感動が少なくなってきたのか、今回はなぜか素晴らしいというほどではありませんでした。ヘイフンテラスのお料理はとてもおいしくて、いろいろな人にすごくおいしいとお薦めしていたのですが・・・・・chick

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2008 05 26 [15. 週刊!尾花広報部長] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.25

[[フィナンシャル ジャパン] どうなる日本の水道!?(2)

フィナンシャル ジャパン 6月号掲載

世界が求める日本の水技術

 外資参入や企業の淘汰、業界再編といった言葉からはネガティブなイメージもつきまとう。だが日本の外を見れば、水ビジネスの沃野が立ち現れる。

 GWJ吉村氏によれば、今後世界の平均的な経済成長率が5%と見込まれ、水関連機器市場(浄水・排水)では6〜12%、特にアジアは10%の伸びが予想されている。
 世界有数の水関連技術を持つ日本企業がビジネスを展開できるフィールドがここにはあり、なかでも水から不純物を取り除く「膜ろ過技術」では群を抜く。
 海水淡水化などに使われるRO(逆浸透)膜で世界3強の一角を占める東レの場合、「海水淡水化では中東と地中海沿岸諸国、下水再利用向けとしては中東、中国、オーストラリアで強い需要がある」(同社広報部)とみる。同社は、全種類独自開発による水処理膜を持つ唯一のメーカーという点で強みを持つ。
 同グループでは、水処理事業全般で、売上高を07年の420億円から2015年には1000億円以上へ伸ばす意気込みだ。
 これも「2025年には世界の上下水道事業では、年間需要が05年の50兆円から100兆円規模になる」(東レ推定)という、世界全体の確実な人口増加と水需要の上昇を見込んでのことと言える。

サミットでPR、注目集まるか?

 さらに日本の水ビジネス企業の海外進出には、国を挙げてのバックアップも期待できる。来る7月に迫ったG8北海道洞爺湖サミット。ここで日本が培った水関連の技術・ノウハウを内外にアピールする動きがある。自民党の「水の安全保障研究会」(会長・中川昭一元農水相)がその中心だ。
 日本は世界平均を下回る降水量にもかかわらず、水を安定供給し、下水処理により少ない資源を有効利用する技術を磨いてきた。翻って世界の水は不安が大きい。
 同研究会の設立趣旨では、「10億〜20億人が深刻な水ストレス」にさらされている世界の現状を指摘、「気候変動に伴い、さらに数億人単位が深刻な水不足に直面する」と述べ、温暖化が焦点となるサミットで、日本の能力を訴える構えだ。
 GWJ吉村氏は「汚水をクリーンにする技術が温暖化防止に役立つ。汚水を処理し、そのCO2排出権を得るべき」と強調する。
 汚水にはCO2、メタンガス、亜酸化窒素が含まれる。温暖化係数はCO2を1とすると、それぞれ21倍、310倍だ。この厄介な問題を解決するために日本のクリーン技術を投入することで、ひいては温暖化防止にも貢献できる。

海外進出に向けた壁は総合的な〝国際経験〟

 日本の個々の技術は売り込める。だが外国企業のように水道事業を丸ごとで請け負うスタイルはこれから先のことになりそうだ。
 「日本企業が単独で上下水道事業を運営した経験が皆無」(GWJ吉村氏)のためで、技術面での強さが、日本の水ビジネスの総合的な強みにつながっていないのだ。
 一方の仏ヴェオリア、仏スエズ、英テムズウォーターといったグローバル企業には経験がある。1980年代から海外での包括的な水道ビジネスに取り組んできた彼らは、トータルで水道事業ができる。上下水道をビジネスと捉え、処理すべき水量から水質維持、供給といった課題や料金回収まで含めた全体のビジネスモデルを持っ
ているのだ。
 これに対して日本はODA(政府開発援助)で水道施設をつくっても「箱物」どまりだ。施設の維持管理はフランス企業など外国勢に委ねられ、日本企業の参加は期待できない。アジア現地では日本がつくった水道でも「フランスがくれた水」といった認識も広まっている。
 GWJ吉村氏はこの点について、「ヒモつき援助として、維持管理も含め、技術者までつけてしまう方が国益にかなう」と持論を語る。「このままでは日本企業は海外で仏企業に買いたたかれている納入業者となりかねない」。
世界的に水資源をめぐる状況が厳しくなる中、水ビジネスに対する期待は高まっている。「電力、証券、ガスといった分野の企業が水ビジネスに関心を寄せている」(GWJ吉村氏)のだ。
 投資の分野を見渡せば、〝水〞は金融商品にもなっており、注目度は高い。三菱UFJ投信が「三菱UFJグローバル・エコ・ウォーター・ファンド(ブルーゴールド)」を、野村アセットマネジメントが「ワールド・ウォーター・ファンド」を、日興アセットマネジメントが「グローバル ウォーター ファンド」を設定・運用している。
 それぞれの組入銘柄の上位を見ると、ヴェオリアやスエズといった世界的な水ビジネス企業のほか、「ブルーゴールド」には東レと栗田工業が入る。世界的な需要の上昇を受け、水に関わる企業は必然的に投資対象として、注目を集めていると言えよう。
 水道施設は自治体の責任で設置し、事業の責任を自治体が負う形態は、今後も変わらない。だが民間企業の事業領域・役割は広がっていく。PPPのあり方を考えればこれは必然だろう。企業にとってこの分野ではビジネスチャンスは拡大することはあっても縮小することはなさそうだ。
 米商務省の調査(2002年)によれば、日本市場は上下水道料金収入6兆円超でアジア最大規模。この市場は内外企業にとって魅力となろう。
 内で始まった民間参入、水ビジネス業界の再編、外には日本企業のチャンスも開けている。いまや水は金融マーケットの対象になる時代だ。長らく続いた水の管理は「お役所」だとする単純な見方は上下水道施設と同じく、
そろそろ更新すべき時期に差しかかっている。

2008 05 25 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.24

[フィナンシャル ジャパン] どうなる日本の水道!?(1)

日本の“水”が民営化の道を突き進んでいる。
財政難の自治体が水道事業を単独で担えない時代に入ったのだ。生活に必須の水。
これを安定させるべく、民活導入が進み、水ビジネス企業が存在感を増している。日本と世界の水ビジネスをめぐる知られざる現状を探った。

フィナンシャル ジャパン 6月号掲載

外資参入も拡大中
日本の水道に異変あり

 家庭で蛇口をひねって出てくる水、トイレから流れていく水、その水を管理するのはすべて「お役所」。そんなイメージが強いのではないだろうか。だが実際は異なってきている。
 三菱商事と日本ヘルス工業が出資して設立したジャパンウォーターは、すでに10を超える自治体から水道事業を委託されている。広島県では、自治体による水道事業(上水道)の民間委託を可能にした水道法改正(2002年)後、初の全面的な水道事業委託の例として注目を集めた。
 日本企業の活動と同様に、一般の認知度は低いが、外資企業も日本市場に参加し始めている。02年に日本に
進出した仏「ヴェリア・ウォーター」は06年広島・埼玉両県で、「下水道の維持管理包括委託」で計34億円に達する事業を受注、「ヴェオリア黒船ショック」として、業界に大きな衝撃をもたらした。07年には千葉県で下水道施設の包括委託契約、福岡県と熊本県で上水道施設の事業運営を受注、実績を積み上げている。
 ビジネス全般で参入障壁が高いと言われる日本。外資の水ビジネス企業にとっての魅力は何か?
 世界の水ビジネスに詳しいグローバルウォータ・ジャパン(GWJ)代表の吉村和就氏は、「日本の年間水道料は現金で3兆円を超え、しかも料金回収率が98%と非常に安定度が高い。未払いの2%も、自治体が立て替えてくれる例もある。最近では米GEや独シーメンスが日本市場を調査中との情報もある。ヴェオリアの成功には、日本を避けていた外資の水ビジネス企業を誘引する効果があった」と分析する。


なぜ「官から民へ」なのか?

 水インフラは現在、上下水道ともに危機にさらされている。水道管は破裂事故が頻発、下水管は年間約5000件の陥没事故が発生している。日本の地下を走る水道管の距離は約60万キロ。このうち約4割が布設から20年を経るなど老朽化が進む。
 この老朽化の問題に加え、上下水道の維持管理にあたる技術者が不足し始めている。「水道統計」(平成17年度)によれば、水道事業者の職員約5万5000人中、50歳以上60歳未満が2万1000人となっている。
 前出のG W J 吉村氏は、「公共事業費は年5 % の割合で減少し、1995( 平成7)年に4兆8000億円あった下水道市場も現在では2兆円以下に縮小した。こういった外部の厳しい状況にあっても業界の再編はまった
く進まなかった」と指摘する。「04年に東レが水道機工を買収、昨年はヴェオリア(仏)が西原環境テクノロジーを傘下に、日本ガイシと富士電機が95億円出資する『メタウォーター』がこの4月にスタートと、再編は始まったばかりだ」
 上下水道事業の主体である自治体は財政難で建設・運営コストの削減は必至。そこで頼るべきは民間活力(民活)であり、業務の委託が求められることになる。ある業界関係者は、「運営上のコスト増を料金に転嫁可能であれば、従来通り自治体による直営もできるだろうが、それはできない」と指摘する。そうである以上、民間の経営システムを活用した事業効率の向上を通じ、事業の安定を図るしかない。
 P P P( 官民連携: PublicPrivate Partnership の略。民間資金活用を行うPFI=PriveteFinance Initiative を含む)は小泉政権が掲げた「小さな政府」にかなう考えであり、手法だ。
 ただ、こと水となると、民活導入に対し、「民間がやると水道料の値上げが簡単にされてしまいそうだ」との不安も出そうだ。だが、同料金は自治体首長の了解のもと、議会の議決が必要なため、委託を受けた一私企業の事情だけで進む話でもない。
 また上下問わず水は生活や環境と密接にかかわるため、安全性というハードルも課されるが、ある自治体から委託を受けた企業関係者によれば、水質管理などで変更点はなく、自治体側からの監督とチェックも行われているという。

官は民活を積極推進

 厚生労働省は2004年、「水道ビジョン」を発表した。これは日本の上水道のあるべき将来像を描くもので、ここで民活導入も水道事業が取り得る選択肢として明示された。他方、下水道を監督する国土交通省でも民活導入に取り組んでいる。04年に、下水道の「維持管理における包括的民間委託の推進」を各自治体に通知、「委託の積極的な推進を要請」している。
 上下ともに水道は民間委託推進が明確に既定路線である以上、外資参入も進む。
 「PFIが広がるなか、外資の持つ価格競争力は強みだ。さらに彼らはファイナンスに力があり、国内で水ビジネスを行う企業が借りられない額を動かせる」(GWJ吉村氏)ため、外圧を云々するうちにも、日本の上下水道市場は開かれていくことになろう。
(続)

2008 05 24 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.23

[ゴーログ] 経営者:年収14億円は行き過ぎだけれど

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「世界のお金情報―プロの目で見た成功の鍵」さんが、「人事コンサルティング会社のマーサー社が、米国における2007年のCEOの年収に関する調査結果を発表しました」と教えてくれました。

2007年のCEOの年収は、前年比18.9%減少したとのことです。しかし、減少したとはいえ、超大企業のCEOの平均的な年収は約14億円、大企業で約9億円、中企業で5億円になっています。マーサーの定義では、超大企業とは、売り上げ4兆円以上ですが、日本のトップ企業は、その程度の売り上げを超えていますが、その社長にとっては、14億円なんて夢のまた夢の年収水準です。米国の株主は、企業の実績に応じて、報酬が支払われるなら、この金額は問題ないと考えているようです。実際、年収の3分の2は、現金ではなく、株式等による長期インセンティブプランで占められています。すなわち、CEOの儲けと株主の儲けがリンクしているわけですから、株主にとっても問題ないということなのでしょう。日本では、現金での報酬が主流ですから、ここまで多額の報酬につながらないわけで、日本のトップ企業でも米国流のインセンティブプランの割合をより多くすべきなのだと思います。そうすれば、CEO(社長)職の専門性が向上することになります。日本の一流のプロ野球選手が大リーグに行ってしまうように、報酬に上限が見えてしまうと成長は自然と止まってしまいます。

 個人的には、年収14億円というのは行き過ぎなのではないか、と思いますが、日本企業の場合、経営者の年収を数千万円の年収にとどめる代わりに、保守的でサラリーマン的になっています。これは、改めねばならないと思います。
 米国企業のトップは、高報酬の代わりに、リスクも引き受けているので、いざという場合の反応が極めて早い。今回のサブプライムローン問題でも、あっという間に多くの経営者の首が飛びました。要するに、ぬるま湯ではないということです。
 年収14億円は行き過ぎですが、日本企業のぬるま湯状態も行き過ぎだと思います。どちらの国も課題を抱えているわけです。資本主義のあり方について一家言お持ちの「貞子ちゃんの連れ連れ日記」さんは、スルドクこう指摘しています。

日本国内での「尊王攘夷」「資本鎖国」の動きこそが、最もナンセンスそのものである。しかも、このナンセンスな動きは日本人全体を貧乏にするから、タチガ悪い。困ったものなのである。「資本鎖国」の中には、対立軸も何もない。あるのは、ただの自己保身と臆病と空虚である。「尊王攘夷」「資本鎖国」の中には、対立軸さえも無いのだ。愚かな日本の一部の男たちの「ただの臆病心」「虚ろさ」なのだ。「資本鎖国」「資本の純血主義」は、天皇という空虚な中心に再び先祖返りして、日本人だけは優秀だとする純血・品格主義に戻ろうとする虚ろな動きだ。しかも、この「資本鎖国」の虚ろな動きが日に日に強くなっている。

外資を「拝金主義」と軽蔑して、21世紀では、日本人だけこそは「品格」を重んじて純血主義を守ろうとしている流れ。この「資本鎖国」を進めようとする「愚かな」流れが、日本国内企業の経営では再び主流になりつつあるのだ。とても嘆かわしい。・・・負けるかも知れない「巨大資本との戦い」(命までとられるわけではないのに!)を最初から放棄して、日本国内の経営者の中では、株式を買い進めて、再び10年前の「株式の持ち合い制度」に戻って、日本全体を貧乏に落とし込もうとする動きが活発になっている。

最近の日本国内の企業同士での株式の持ち合い比率の上昇は、「古い時代へ逆戻りする」全くナンセンスな動きになのだ。大変困ったものである。大企業の経営者たちが戦わずして周期的に不眠に悩まないで済むのは、世界広しと言えども、日本国内だけかも知れない。

2008 05 23 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.22

[ゴーログ] 地球温暖化は欧米の陰謀なのか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「Mutteraway」さんが、「数年前から地球温暖化が突然にメディアや政治家の間で騒がれだし、学者の間でも意見が割れているのに人為的な二酸化炭素排出が原因と決め付けられたのはきな臭いなと思っていた」とコメントし、養老孟司さんの講演の内容を紹介しています。

講演の内容は取り留めの無い世間話しのような内容だったが、気になる話題が一点あった。地球温暖化のキャンペーンを、欧米先進国がインドと中国に石油や食料資源を節約してほしい(自分たちが消費する分が足りなくなるから)のだが、それを正面から言えないので、回りくどい方法だが、地球温暖化という話しを持ち出して、それをネタにして中国とインドの資源消費を少なくさせようという魂胆じゃないか、というような話しであった・・・更に養老氏は続けて、たとえば世界的に石油の流通・石油をしているのは欧米であるから、その為のキャンペーンに日本が乗っかって、何の得にもならない踊りを踊るのは如何なものだろうか、私だったらわきから静観している方が利口だと思うのだが、というような事を言ってこの話題を結んだ。これはまさに、地球温暖化を英米石油メジャーとそのグループ国による陰謀説と言っているわけですな。・・・

百歩譲って、これが陰謀説だとした場合の事を考えてみる。確かに、インドと中国の経済発展は目を見張るものがあり、両国で急速に増加している中産階級が、石油や食料をどんどん消費している。最近の報告では、中国沿岸部で中産階級が1億人を超えたとの事である。このまま二国が発展を続けると5年以内に、二国を合わせて数億人規模の大量消費傾向を持つ集団が生まれ、先進国が購入している高品質の食料を世界市場で奪い合う事態が発生する事が考えられる。そういう事態になれば、日本にも皺寄せは当然来るだろう。食料や石油を大量消費する生活に依存したライフスタイルは続かない事になる。だから、いまからそういう時代にそなえる事は必要なのだが、資源の何も無い日本が、石油(産油または流通販売)を持つ欧米と、同じ土俵の(しかも先頭)で踊っている事は戦略的にどうなのだろう。ここは従うフリをしながら、世界の状況を英米と中印の後ろから眺めて、日本に適した道を決めても遅くは無いような気がするのである。

 私は、地球温暖化の真偽や学術的な論点については、全くの門外漢なので、あまりコメントしないようにしています。「Mutteraway」さんは、「これは何の物証もないトンデモ話の類なので、とりあえず眉にツバつけながら読んで下さい」と釘を指していますが、ただ、陰謀であろうと結果論であろうと、ある種の規制が資源の再配分過程に大きな影響を及ぼすことだけは事実であり、二酸化炭素排出規制がエネルギーの消費に対して抑制的に働くことは否定できません。
 そうであれば、この規制が陰謀であろうが作戦であろうが外交戦略であろうが、先を読んだ着手と布石が必要であることは間違いのないところです。ちなみに、「ある女子大教授のつぶやき」さんは、こう指摘しています。

いまや27カ国で人口5億人という巨大市場になったEUは政治的経済的に日米に匹敵する規模となってきている。特に環境保護に関してはEU独自の規制を事実上の世界標準にまでする動きを強めている。日本での環境サミットでも、規制では産業界で足並みが乱れる日本に代わってリーダーシップを発揮する勢いである。ところでこの10年間で日本企業のEUでの製造拠点は200か所から1000か所へと5倍に増加している。EUへの参入は環境面で厳しいハードルが設けられているが、省エネや環境技術を得意としている日本企業にはこれが有利に作用している。しかしながら国ごとに異なる流通網や商慣習の違いから日本企業のシェアは、いまのところそれほどは高まってはいない。

 私は、地球温暖化が陰謀なのか否かについては熟知していませんし、正直申し上げて、規制の流れが既往路線として定まってしまっている今、その真偽を究めることが最優先課題であるとも思っていません(その手の話は、世の中に氾濫しております。金融界では、BIS規制と呼称される自己資本比率規制が、その典型例です)。
地球温暖化を真実として鵜呑みにするのではなく、また、地球温暖化を陰謀として無視するのでもなく、現実のグローバルな規制動向にしたたかに対応する外交戦略こそが求められているのではないでしょうか。

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今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

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2008 05 22 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.21

[ゴーログ] テレビ:お笑い芸人とクイズの理由

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「論理的な独り言」さんが、「昨今、映画然り、テレビ然り、音楽然り、娯楽系のマスメディアにおいて、過去に高い評価を得た作品の『焼き直し』や『使い回し』が散見されます」と語っています。

これらの事象は、制作側の経済的苦境が露呈しているものと思われます。“冒険”をした結果が“ハズレ”となることを恐れるあまり、より堅実な手法を選ぶようになってしまったのでしょう。しかし、費用を節約しすぎた挙句、作品の完成度が著しく低く、「過去の栄華」を台無しにしてしまう事例も、稀に見掛けます。諸悪の根源が、経済の滞塞であることは、想像に難くありません。・・・このような窮状においては、保身は賢明ではありません。数学的に表現すれば、ゼロからマイナスの間を行き来しながら、無為に消耗しているだけです。これをプラスに転じるためには、発想を転換し、独創性を発揮しなければなりません。

 最近のテレビ番組は、「ハズレ」という感じよりも、極めて劣化が激しくなっているような気がします。どのチャンネルを見ていても、若手のお笑い芸人と常識的なクイズの組み合わせが圧倒的なカバレッジ。その理由を突き詰めていけば、若手のお笑い芸人は安いギャラで出てくれるし、常識的なクイズであれば、本屋に行けば、いくらでもタネ本が手に入る、という事実に気付きます。
 要するに、コマーシャルが入らなくなってきているということなのでしょう。予算が削られているのです。実際、去年と比較して、番組宣伝の頻度が多くなってきているような気がしますし、これで、パチンコの「冬のソナタ」がなくなったら、もっと制作費が削られるような気がします。
 テレビ業界は、コマーシャルが入らない→制作費が削られる→ますますお笑い芸人とクイズに走る→視聴者に飽きられて視聴率が取れなくなる→コマーシャルがますます入らなくなる→制作費が削られる、という悪循環から逃れることは出来るのでしょうか。

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今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

5月14日、日本銀行が発表した国内企業物価指数が14年ぶりの高水準となった。
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2008 05 21 [08. メディア/広告の将来を占う] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.20

[ゴーログ] 日本経済は22位:未来は???

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「ある女子大教授のつぶやき」さんが、「スイスのビジネススクールである国際経営開発協会IMDが毎年発表していることだが、2008年版の国際競争力報告書によれば、日本は前年の24位から22位に順位を少し上げた」と指摘しています。

日本よりも上位にある国は、21位の英国からさかのぼって、イスラエル、マレーシア、ニュージーランド、中国、ドイツ、フィンランド、オーストリア、台湾、アイルランド、ノルウェー、オランダ、スエーデン、カナダ、オーストラリア、デンマーク、ルクセンブルク、スイス、香港、シンガポール、米国となっている。・・・日本の得点は主として製造業を中心とした企業からのもので、政府部門での効率性が債務残高などで低い評価である。全体を眺めて、この評価点には大部分の人は違和感を覚えることであろう。なぜなら日本よりも遥かに経済規模の小さい国が日本の上位にランクされているからである。・・・IMDでは過去のデータに重点を置いているように見える。過去を重視するか未来に重点を置くかでかなり様相が変わってくるはずだ。未来を見れば日本はもっと低いランクと推定されるかもしれない。

 まあ、IMDの点数などに一喜一憂する必要はないとも言えますが、日本経済の未来というものは、私たちの生活にダイレクトに効いてきますから、それがだんだん黄昏れてくるということになれば、ほおっておくわけにはいきません。
 ご参考までに、「1970年代前半までは、経済も技術も、わが国はまだまだ米国や欧州などの先進国に対して、追いつけ追い越せの時代であった。しかし1970年代後半から、わが国は世界トップレベルの経済大国となり、かつ技術大国となった」と語っている「珈琲ブレイク」さんの主張をご紹介しましょう。

技術で世界トップレベルになる、ということを少し考えてみよう。技術のレベルを押し上げる主要な要素は、研究開発である。・・・研究開発を、それに投入するリソース、つまり資金、人員、時間と、その成果との相関をみると、・・・一種の習熟曲線となる。すなわち、リソースを投入し始めたころの成果の伸びは大きく、やがて成果はリソースの投入に対して伸びが鈍化し飽和していく。一方で、世界レベルの技術競争は、最後の飽和しつつあるところでのわずかな差をめぐる戦いとなる。競争に勝つためには、投入リソースからみるときわめて効率のわるい部分での熾烈な競争に挑むことが必要となる。わが国の技術開発が世界でトップレベルになることができた、ということは、そういう飽和に近い部分での、リソース投入効率のわるい局面での努力が盛んに行われていたということが深く関与している。これらの世界最先端水準の研究開発努力に対して、投入リソースと成果で回収した経済的リターンとを冷静に比較すると、多くの場合リターンが投入リソースに追いつかない、つまり純粋な経済的評価としては不合理な研究開発が多いのである。・・・

さらにわが国の場合、明治維新以来技術開発において、相当の比率で「自前主義」と「全員参加」が徹底していた、という傾向がある。明治維新以来、わが国の産業界は多くの技術を海外先進国から導入してきたが、それでも基本的かつ徹底した方針として、導入した技術をそのまま使用するよりは、自分のものとしてできるだけ完全に消化したうえで、独自の工夫を追加して応用・利用してきた。・・・この自前主義のために、いわゆる研究者だけでなく、現場の第一線の作業担当者までを含む、広範囲の頭脳が動員され、それなりに活用され、成果を出してきた・・・この傾向は、わが国の技術を担う広範囲の人材の質的向上に大きく貢献したが、純粋な経済的効率という観点からは、必ずしも効率が高いものではなかった。

 これは、なかなかに興味深い視点です。日本企業は効率的でなかったにもかかわらず、経済大国になっていったと指摘しているのですから・・・。そこで、「珈琲ブレイク」さんは、「なぜこれまで経済的に採算が合わない研究開発をも敢えて推し進め、また広範囲の産業従事者を含む自前主義への活動を継続して実行できたのだろうか」と自問自答し、結論を提示しています。

私は、これには(1)戦後復興以来の右肩上がりの持続的経済成長、(2)終身雇用・年功序列制度の定着、(3)それにともなう「会社は従業員のもの」という共通認識、がおおいに関係していた、と考える。1980年代後半に至るまで、わが国の経済は継続して右肩上がりに成長してきた。・・・そういう環境では、研究開発に対して「研究開発の投入とリターン」という狭い範囲のみでの採算性を真剣に考えなくとも、積極的に投資できた。・・・わが国では、とくに戦後は終身雇用と年功序列的な処遇が、大企業中心に普及した。これは多くの問題を含みながらも、少なくとも従業員に「将来を見通せる」あるいは「将来を保証される」状況を提供した。・・・そういう環境下で、研究者は短期的な成果にこだわることなく、安心して将来を見つめてひたすら研究開発に没頭できた。長期雇用の結果、「会社は従業員のもの」という認識が普及し、従業員は長期的な視点から企業に貢献することの意義を感じ、また企業からも期待された。・・・

わが国の産業が強かった理由、研究開発が強かった理由は、以上のようにわが国の経済環境、雇用慣行、会社に対する認識、などわが国の企業文化と企業をとりまく文化に大きく関係していたと思う。・・・わが国も、右肩上がりの経済成長の時代が終わり、グローバル化のために雇用慣行が変化し、また企業が株主のものという時代になるにともない、研究開発水準に陰りが見えてきた。・・・今後は、経済成長は成熟にともなって低成長にならざるを得ない。グローバル化はますます進展するだろうから、それにともなって終身雇用は減少し、処遇も成果報酬が主流になってゆかざるをえないだろう。さらに「会社は株主のもの」という認識も普及していくだろう。これまでわが国の「強み」を支えた諸条件の多くが、今後は期待できない・・・企業としては、自らの既存能力と資金力を十分に勘案して、成功確率のより高い対象を厳選して、集中的な研究開発投資をすることが一層重要となる・・・。これを支援する国家側では、・・・従来のような研究開発補助金というようなものよりは、有効な規制緩和、あるいは標準化への支援など、これまでと違うアプローチを探り、実行していくことが必須であろう。企業も政府も、いよいよこれからが智恵の絞りどころである、と思う。

 大きな経済の流れを捉える視点としては、私も「珈琲ブレイク」と同じ実感を持っています。従来通用したやり方は、これからは通用しない――それにもかかわらず、過去のノスタルジーに浸り、「品格ゴッコ」に時間を浪費していれば、間違いなく、この国は斜陽国になっていくと思います。
 最後に、「両国の洒落たがり」さんの一言をご紹介して終わりにしましょう。

あんな風になりたいというカッコいい大人もあまり見当たらない。
大人になって一生懸命働いても、ほとんど税金で持っていかれそう。 世界中で自然がどんどん壊されて、食べ物も奪い合いになりそうだ。 夢を持って力強く生きろといってもなかなか大変な時代になってしまいました。 私たち大人が強い覚悟を持って、小さな力を出し合って少しでも世の中を良くしようと取り組まないと、いよいよまずいことになりそうです。


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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

5月14日、日本銀行が発表した国内企業物価指数が14年ぶりの高水準となった。
原材料の高騰による物価高はとどまる様子がない。
高齢化社会における物価高は悪であり、福田政権はそういう話をすべきなのだ。

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2008 05 20 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.19

[ゴーログ] 中小企業の倒産が止まらない

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「利究の“中小企業経営研究所”」さんが、「4月の倒産件数が発表されました。前年同月比24%増加、建築業、小売業の倒産が上位を占めています」と懸念しています。

小売に関しては、このブログで書いたようにこれだけ食料品、原材料、原油が値上がりしている状況で、ある統計では90%の家庭で節約をしていると回答しています。 日本ばかりでなく、アジアもインフレに苦しんでいます。ベトナムなどは20%以上の値上がりに苦しんでいます。当初は小麦・大麦・とうもろこしなどの穀物が値上がりしていたものが、コメの価格も急上昇しているようです。当分、値上がり(インフレ)は日本でも治まりそうにありません。小売業が低調ならば、卸売業への波及も懸念されます。

今思えば、改正貸金業法の影響も否定できません。この法律のために結果的に貸し渋り的な現象が起きています。確かに多重債務者を減らすことや借入に関係する自殺者などを減少させる主旨は、正論に聞こえるでしょう。でも金利だけの問題でしょうか、年収での貸出制限だけで解決する問題でしょうか? 他にも保証人の問題など手をつけることは沢山あります。部分的な対処で解決する程単純な質問ではありません。まず法律が性急過ぎます。もう少しモラトリアムも必要でしょうし、利息制限法に一元化するとしても、いきなり利息制限法と同じ水準まで下げる必要があったのでしょうか?

銀行や信用金庫にお願いです。環境の激変に対処できる体力のない小規模な先も少なくありません。今貸し渋りをされると、かつてのようにノンバンクや消費者金融などへの次善策が閉ざされています。特に地域密着を標榜する地方銀行、信用金庫、信用組合などにすでにシャッター通りとなった商店街の火を消すようなことはしないで下さい。確か金融庁からも地元企業の事業再生という宿題もあったはずです。ここが存在感の見せどころです。頑張ってほしいです。 

 残念ながら、「利究の“中小企業経営研究所”」さんが指摘されているように、日本では貸し渋りが蔓延してしまいました。中小企業や零細企業や個人事業主におカネを貸す銀行・信金・信組は完全な少数派になってしまっています。貸出でいま伸びているのは、地方公共団体向けの貸出くらいでしょう。
 長らく、ノンバンクや消費者金融は、中小企業貸出のセーフティネットとなってきましたが、改正貸金業法はそのセーフティネットを虐殺してしまいました。消費者金融はなんとか大手のみ生き残るでしょうが、事業者向け貸出をしていたノンバンクは、大手すら撤退する状況になっています。
 この人災による金詰り、そして倒産の増加と経済の停滞に対して、永田町と霞が関は大いなる責任を感じるべきです。


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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

5月14日、日本銀行が発表した国内企業物価指数が14年ぶりの高水準となった。
原材料の高騰による物価高はとどまる様子がない。
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2008 05 19 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.18

[週刊!尾花広報部長] スーパーで異変!

 こんにちは、尾花典子です。最近お天気がすごーくいいかと思えば、雨が降ったり、気がぬけないですね。今年の5月は降雨量がかなり多いようです。

 週末はスーパーへ1週間の食糧の買出しにいっていますが、例の冷凍餃子事件以来、冷凍食品は敬遠気味で、冷凍食品のコーナーにわざわざ立ち寄ることはありませんでした。
 今週はお出かけが多いので、冷凍食品でもたまには買ってみようかと、フラッと冷凍食品の棚を見ていると、見かけない表示が・・・・。

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Image283






 生産国という表示があらたに追加されていました。ほとんどの商品には生産国という表示があり、ほとんどが日本で、一部アメリカやタイなどもありました。
 生産国の定義の説明がなかったので、いまいちわかりませんけど・・・、なんとなく安全性をPRしている感じ。 
 表示のない商品をみてみると、チリとかベトナムで、中国製品はないようでした。

 消費者の中国製品離れなのか、あえてお店側がそうしているのか、中国製品の冷凍食品が店頭に並ぶのはまだ遠そうですね。

 物価が上がっているという報道はよく耳にします。 3月の消費者物価指数の品目でみると、にんじんが前月比+30.1%、前年同月比+52.8%、はくさいが前月比+64.5%、前年同月比+50.8%という数字が出ていますが、実際のスーパーの価格は、以前と比べてそんなに変わっていない、というかほとんど変わっていないですね・・・sign02


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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

5月14日、日本銀行が発表した国内企業物価指数が14年ぶりの高水準となった。
原材料の高騰による物価高はとどまる様子がない。
高齢化社会における物価高は悪であり、福田政権はそういう話をすべきなのだ。

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2008 05 18 [15. 週刊!尾花広報部長] | 固定リンク | トラックバック

[フィナンシャル ジャパン] ベビーブームに沸く米国と人口減少続く日本の選択

「フィナンシャル ジャパン」 6月号掲載
連載コラム―次の一手 (マーケティングコンサルタント 西川りゅうじん氏)

 アメリカで45年ぶりにベビーブームが再来している。第二次大戦後の人口増加期の最後とされる1961年と同じ、年間約430万人(2006年の米保健当局統計を元にしたAP通信調べ)の子どもが生まれているのだ。
 合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む平均的な子どもの数)は、76年に1.7人まで下がったが、85年から
上昇、89年以降2人を超え、ついに2.1人と先進国中トップとなった。2.1人はマジックナンバー(奇跡の数字)と呼ばれる。というのは、これを超えると国民の再生産が行われ、人口が減少しないため、将来の労働力不足や税収
不足、高齢者への社会保障費の負担増といった懸念が減るためだ。
 出生率が1人をほんの少し上回る程度に低迷している日本、韓国、台湾、シンガポールなどの東アジア、さまざまな行政施策も成果が出ずに1.3人強にとどまっているドイツやイタリアと比較すれば、いかに高い水準かがわかる。
 アメリカの出生率が高いのは、宗教的に避妊や人工中絶を避けるカトリック教徒の多いヒスパニック系の出生率が高いことが最大の要因とされる。ヒスパニック系の新生児は全体の4分の1を占め、出生率も3.2人と群を抜いている。子どもに生まれながらの米国籍を取得させようと越境する不法移民も多く、その率はメキシコの2.4を大きく上回る。
 しかし、出生率が増加しているのはヒスパニック系だけではない。非ヒスパニック系の白人の出生率も、21世紀に入って1・85人と高い水準にあり、さらに若干の増加傾向を示している。しかも、欧州各国や日本のように、国や州政府が直接的に支援する出産・育児制度はほとんどなく、民間の託児所を経営する企業やNPOなどがサポートしているだけだ。
 この背景には、妊娠中絶の件数が減っていることが大きい。ニューヨーク州の非営利団体によれば、05年の中絶件数は120万件で、47年以来、最も低かった。中絶については、その是非をめぐって国論を二分する問題になっている。中絶反対の立場を採るキリスト教右派など保守的傾向の強い一部地域では中絶手術が受けにくくなっているとも言われる。
 地域差もはっきりと表れており、平均より中絶件数が多く出生率が低いのは、リベラル色が強いとされるニューヨーク州などの北東部地域だ。保守的傾向が強い中西部や南部や山間部では、中絶件数は少なく出生率は高い。
 もう一つの理由は、ティーンエイジャーの出生率が、06年、15年ぶりに上昇に転じたこともある。これについて専門家らは、避妊薬使用の減少、中絶施設の利用の難しさ、性教育の不十分さ、貧困などを理由に挙げている。人口の増加も決して手放しでは喜べない。
 日本は、第一次オイルショック後の75年に出生率が2人を下回って以来、人口再生の水準を回復していない。先進国の中で最も早く高齢化、少子化が進みつつある。しかし、マイナス面ばかり考えていても仕方がない。新たな変化をアドバンテージとすべきである。最初に経験するということは、最も早くそれに応じた、商品やサービス、施設や街の作り方、社会制度のモデルを構築できるわけで、それ自体も一つの競争力となり得るはずだ。


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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

5月14日、日本銀行が発表した国内企業物価指数が14年ぶりの高水準となった。
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2008 05 18 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.17

[週刊!スモールビジネス] 予防に勝る良薬なし

 ≪BIZMO 5月号≫ いい病院の見分け方

 これから本コラムでは「よい病院」探しの旅に出ることにする。「不思議な国にようこそ」と言いたいところだが、ホテルやレストランと違って病院はできれば行きたくない所だ。英語で病院はホスピタル。語源はホスピタリティ(もてなし)だが、日本の病院には、サービス業のかけらもない。

 それでは、どうすればよいのだろうか。簡単だ。病気にならないことである。それには予防が必要。「人は必ず死ぬのであり、どんな名医でも治せない病気はある」と医師は言う。「喫煙、暴飲暴食をし、睡眠時間を削って仕事をするなどもってのほか。個々が、病気にならない努力をすることが大事」── これは、日常的に人の生死に立ち会っている看護師の口グセだ。
 高度医療の分野では日本の先を行く米国でも、予防医学が盛んだ。ついつい、不摂生しがちな現代人にとっては、病気にならないように努力することが不可欠。確かに、毎月、給料から天引きされる社会保険料は頭にくるが、誰も、払った保険料の元を取るほど病気や入院をしたくはないはずだ。近年、金融の世界では、リスクのある金融商品に投資するとき、「自己責任」ということがよく言われるが、医療についても然り。健康保険制度の限界が見え始めた今、健康の維持、病気になってからの療法、病院・医師の選択まで、自己責任の時代が始まろうとしている。
 その証拠にわが国では、健康ブームが起きている。健康志向の高まりを背景に、サプリメント(栄養補助食品)や青汁などの「健康保持用摂取品」の購入が増えているのだ。総務省の家計調査によると、一世帯当たり年間の健康保持用摂取品に対する支出額は、1995年を100とすると、2004年は227に達した。医薬品や保健医療器具などを含む「保健医療」全体でも、04年は123に増えている。
 こうした健康ブームに便乗してか、厚生労働省もこの4月から特定健康診査を40歳から75歳未満の人に義務付けた。今後、保健活動を中心に国民の疾病予防を後押しするという。しかし、従来実施されていた老人保健事業
による基本健診の受診率は、全国平均で43・8%。中小企業の多い政府管掌健保に至っては、被保険者の受診率は29・3%と低い。2012年度末に、65~80%の受診率を国は目指しているが、実現は簡単ではなさそうだ。
 1999年に全米でベストセラーとなったシカゴ大学医学部教授マイケル・ロイゼン著『リアルエイジ』によれば、
「この20年あまり、多くの医者は、遺伝子の謎が解き明かされれば人類を苦しめる医学上の根本問題にも解決の兆しが見えるのではと信じてきた」という。事実、糖尿病、アルツハイマー、がん、心臓病などの病気も、遺伝子とのかかわりが大きいと久しく考えられてきた。遺伝子情報によって、肥満しやすい人もいれば、血中のコレステロール値が高くなりやすい人もいる。
 確かに、このような傾向を持つ人々は、ある種の病気にかかりやすく、老いるのも早い。だが意外なことに、遺
伝子の研究が進めば進むほど、私たちの健康に重要なのは、生きている環境への対処の仕方だという事実が浮かび上がってきた。
 私たちは、遺伝子の影響をコントロールすることができる。どう老いるかは日々の選択にかかっている。ロイゼン教授によれば「老いは自然の摂理なのでどうしようもないとする考え方が主流であっても、遺伝的体質による老化現象は、実のところ全体の三割にも満たない」という。やはり「予防に勝る良薬なし」ということだろうか。

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川渕孝一 
東京医科歯科大学大学院教授
1959年富山県生まれ。一橋大学商学部卒業。シカゴ大学経営大学院修士課程修了(MBA)。民間病院などに勤務の後、旧厚生省国立医療・病院管理研究所(現国立保健医療科学院)勤務、日本福祉大学経済学部教授などを経て、現職に。『医療改革』(東洋経済新報社)など著書多数。

2008 05 17 [19. 週刊!スモールビジネス] | 固定リンク | トラックバック

[フィナンシャル ジャパン] 寡占化した市場に挑む日本企業

「フィナンシャル ジャパン」 6月号掲載
連載コラム―ミクロを変える経済  財部誠一氏(経済ジャーナリスト)

 3月27日午前、全日本空輸は三菱重工業の小型ジェット機「MRJ」を25機導入することを役員会で正式決定。それを受けて、翌28日、三菱重工が「MRJ」を事業化することを正式発表した。「MRJ」とは「三菱リージョナル・ジェット」の略だが、これにより40年ぶりに日の丸ジェットが誕生する。
 このコラムでも以前、三菱重工の西岡喬会長が日の丸ジェットによせる熱い思いを紹介したことがある。技術は十分だが、資金調達と販売という大きなハードルをいかに乗り越えていかれるかが最大の課題だという話であった。それから1年余、ついに全日空がMRJ25機の購入を決めた。三菱重工の技術がどれほどのものであったとしても、第一号顧客が決まらなければ、事業化はままならない。全日空はこれまで国内線小型機としてボーイング社の小型ジェットを採用してきたが、「MRJ」に切り替えるとじつに40%もの燃費の改善が見込める。1年間で5
0億円もの収支改善につながるという。
 戦争を知っている世代にとって「日の丸ジェット」は悲願であ。かつて世界に冠たる航空機技術を誇った日本だが、太平洋戦争の敗戦によって、その技術を封印された歴史がある。その後、プロペラ機だが戦後初となる国産航空機「YS―11」を生み出し、世界から名機の評判を勝ち得たものの、短期間で収支を黒字化することが見込めないと判断した国は「YS― 11」の生産停止をあっさり決めてしまった。以後、日本の航空機技術は米国ボーイング社の下請けとしてその命脈を保ってきた。
 まだボーイング社の本社工場がシアトルにあった頃、ボーイング社の航空機製造の現場を取材したことがある。巨大なジェット製がパーツ、パーツに分けられて、組み立てられていく光景は、自動車や家電メーカーの工場とは規模があまりにも違いすぎた。私はただただそのスケール感に圧倒され、日本企業がジェット機製造を事業化することなどまったく思いもよらずに帰国した。だがボーイングの工場で組み立てられていたパーツは多くは紛れもなくメード・イン・ジャパンであり、その時すでに、日本企業なしにボーイングなしというのが現実だった。
 つまり日の丸ジェットを飛ばす技術の集積は十分だということだ。問題は下請け根性からの脱却だった。世界屈指のハイテク技術と正確無比な部品の数々。その気になればいつでも日の丸ジェットを世に送り出す技術は十二分にあったが、「航空機を自ら作る」という強い意思を日本は欠いていた。商売は技術だけで決まるものではな
い。魅力的な製品と果敢なマーケティング戦略とあくなきコストダウンの継続なし、寡占化した世界のジェット機市場に殴りこむことなど不可能だからだ。
 三菱重工の「MRJ」の事業化が正式決定した背景には「YS―11」の開発や販売に携わった世代の執念がある。いまやらなかったら、日本は永遠に国産ジェットを作ることができなくなるという強烈な危機感だ。三菱重工の西岡会長はそんな世代の象徴でもある。
 日の丸ジェットビジネスを採算に乗せていくのは至難の業で、三菱重工にとってもこれからが正念場だが、とにもかくにもスタートしなければ何も始まらない。今後に期待したい。

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今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

5月14日、日本銀行が発表した国内企業物価指数が14年ぶりの高水準となった。
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2008 05 17 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.16

[ゴーログ] 厚生官僚:公的詐欺は罰せられないのか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「摂津っ子の日記」さんが、後期高齢者医療制度について、「高齢者いじめとは、ボケるのもええ加減にして欲しい」と呆れています。

医療制度は、大幅に負担を増やすか、受診制限をせん限りは破綻します。現役世代の医療保険財政はまともですが、高齢者保険は大幅な債務超過。後期高齢者医療制度は、高齢者と非高齢者を分離し、非高齢者医療保険は自力で存続される一方、高齢者保険を、税金と全国民の保険料で債務超過を穴埋めするのが目的。某シンクタンクの医師は「少子高齢化によって持続不可能となったにも関わらず、賦課方式の医療保険を放置し続けた」と述べています。私と全く同じ意見です。真の被害者は、逃切世代である高齢者ではなく、穴埋めをさせられる現役世代です。問題なのは、現行制度が続く限り、年金も医療も、現在は被害者でも、将来は加害者になること。

 ここで述べられている「少子高齢化によって持続不可能となったにも関わらず、賦課方式・・・を放置し続けた」という解説は極めて重要です。というのは、公的年金も、健康保険も、介護保険も、同様に日本の人口構成があたかも自分たちの都合の良いように増えていくという幻想の下に組み上げられたがために、ここに来て破綻しているからです。
 これは、予測の誤りではなく、確信犯たちによる「公的詐欺」だと私は思っています。「公的年金は100年安心だ」とか「介護保険は絶対に大丈夫」と言い張り続けた厚生省の官僚や御用学者たちの名前を張り出して、国民全員の目に晒すべきです。彼らは、本当の意味での「国賊」だとさえ思えます。
 国民に対する詐欺である、公的年金や、健康保険や、介護保険を設計し、あたかも瑕疵がないかのごときに偽って運営した厚生官僚たちを、まずは罰するべきではないでしょうか。彼らの罪をなぜ断罪できないのでしょうか。

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今週のテーマ:「パンダより物価高を考えよ」

5月14日、日本銀行が発表した国内企業物価指数が14年ぶりの高水準となった。
原材料の高騰による物価高はとどまる様子がない。
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2008 05 16 [04. 経済政策を語ろう!, 05. 年金問題を斬る] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.15

[ゴーログ] 「経済大国である」という驕りを棄てよう

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「ある女子大教授のつぶやき」さんが、「1945年の敗戦以来、資源はないが鉄や車に代表されるモノ作りでは世界一の技術力を築き上げてきたとの自負があったし、誰もがそう信じて疑わなかった。そして鉄鋼生産では1990年時点では質量ともに世界一の地位になったし、自動車生産についても現在、世界一の地位に達している」と述べています。

しかし、鉄鋼については、すでに量では中国に譲ったし、企業としても規模ではインドの会社がトップになっている。やがて、自動車についても10年後には、日本の地位は下がっているものと予想される。鉄や車に先立って、半導体産業では1990年にはすでに日本はトップの位置を譲っていた。自前のモノ作り立国で経済大国の地位を築いてきたのであるが、モノ作りはやがて新興産業国へその位置を明け渡していくことは、日本が欧米に追い付け追い越せで頑張ってきたことでも歴史的に証明されている。  21世紀に入って世界が急速にグローバル化してきている現在では、自前でのモノ作りに拘っていたのでは世界の潮流に後れを取ってしまうことが明らかだ。世界には様々なニーズが存在しているし、これに合わせて日本では考えることのできないシーズも存在している。ネットによる情報流通で、海外の科学技術情報も瞬時にして手に入れることが可能だ。日本の製造業はいまだに技術では世界のトップにあるが、世界のグローバル企業500社での比較では、この10年の連結売上高では平均を上回っている企業は少ない。もはや自前主義や自国主義から脱皮して、世界中からニーズやシーズをかき集めて、開発のシステム化を進め、新しいモノを生み出していく時が来ている。 

 残念ながら、「ある女子大教授のつぶやき」さんの指摘を受け入れることが出来なければ、少子高齢化の下でコスト高になっていく日本社会を支えていくことは難しくなっていくように感じます。いまのように内向きで、鎖国的な対応をしていくことでは、閉塞感を強めるだけです。いずれ、すべての産業において、中国や韓国に遅れをとっていくようになるのではないでしょうか。
 「日本は経済大国である」という驕りを棄てて、いかにこの国の経済水準を守っていくか、という課題を真剣に考えねばなりません。そのための一つの宿題は「移民問題」ですこの宿題をタブー視している限り、この国が世界有数の経済大国の地位から転げ落ちることは時間の問題であるように思います。

2008 05 15 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.14

[ゴーログ]クレジット・デフォルト・スワップ問題

皆さん、こんにちは。木村剛です。「世界のお金情報-プロの目で見た成功の鍵」さんが、「サブプライム問題が峠を越えたと思ったら、今度は、クレジット・デフォルト・スワップが出てきました」とコメントしています。

クレジット・デフォルト・スワップとは、いわゆる企業等の信用リスクをヘッジするための保険です。A社の発行する債券を買う一方で、手数料を払ってクレジット・デフォルト・スワップを組めば、仮にA社が将来返済不能になっても、保証されるわけです。この保険商品は、基本的に相対取引ですから、例えば、B社が相手方になって、クレジット・デフォルト・スワップを売れば、手数料収入がB社に入りますが、デフォルト率が上昇すれば、損を被ることとなります。このマーケット45兆ドル以上あると言われていますが、実際には更に拡大しているようです。  昨年から問題となっているレバレッジの典型的な商品で、あれだけサブプライムでレバレッジが問題視されていたのに、クレジット・デフォルト・スワップだけはレバレッジを伴って拡大してきたと言われています。・・・現在問題となっているのは、保険商品であるクレジット・デフォルト・スワップの破綻です。保険を買ってつもりが払われない、まさしく日本で経験した千代田生命や東京生命のようなことが起きるかもしれないのです。一難去ってまた一難。クレジット・デフォルト・スワップは、サブプライム問題を大幅に上回る爆弾かもしれません。

 クレジット・デフォルト・スワップについては、少なからぬ金融専門家が、その危険性を指摘してきました。レバレッジが高い商品でありながら、オフバランスであるため、リスクが見えにくいからです。無論、デフォルトが想定以上に増えない限り、儲かる商品であるわけですが、許容できるキャパシティの中で取引されてきたか否かという点で申し上げれば、サブプライムローン問題と同様に、レバレッジの掛け過ぎという問題を内包している可能性が高いといわざるを得ません。
 一難去っても、また一難。
 金融市場の動向については、しばらくの間、目が離せませんね。


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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「胡錦濤主席来日と福田内閣」

5月6日、中国の胡錦濤国家主席が来日した。
農薬混入の冷凍ギョーザや東シナ海の天然ガス田の共同開発問題、
チベット問題など日中間には解決しなければならない様々な問題がある。
それに対して福田内閣は斬り込むことが出来るのか。注目のポイントを語る。


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2008 05 14 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.13

[ゴーログ] 「格差ゼロ」は可能なのか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「摂津っ子の日記」さんが、「ブルーカラーのオフショアは昭和の頃から始まっておりますが、とうとうホワイトカラーのオフショアが現実味を帯びてきました」と語っています。

近鉄百貨店・上本町店の伝票の処理ですが、大連にデータを送信していました。紙ベースからPCへの入力業務。伝票に書かれた番号と氏名をパソコンへ入力していました。チェックのため2人で同じことをするという単純作業。月給が1万代がザラな大連にオフショアし、人件費を50%以上も削減できたとのこと。伝票入力といった誰でもできる仕事はアルバイトかパートにさせていましたが、言葉の壁さえなければ、日本から仕事は出て行きます。・・・ホワイトカラーエグゼンプションや地方格差がどうのこうのということが、低次元の議論かのように感じつつあります。現実の世界では、伝票処理やコールセンター等、誰がやっても同じような仕事を、日本でやらなアカンという決まりはありません。コストメリットを重視するのは当然のこと。・・・もし日本の公用語が英語やったら、多くのホワイトカラーの仕事が外国へもって行かれていたことでしょう。

 極めてスルドイ指摘です。日本では、未だに「格差論」が幅を利かせているようですが、世の中に「格差」は付き物。「格差」を是認した上で、全体の平均値をどう押し上げていくかが、現実的な経済政策です。
 というのは、国内の「格差」をゼロにしたところで、国際的な「格差」はゼロにできないからです。国際的な「格差」をゼロに出来ない以上、現実的には、国内の「格差」はゼロにできません。国際的な「格差」を自社にとって有利に活かそうと、企業や個人が知恵を働かすからです。
 「格差ゼロ」を目指す社会とは、そうした企業や個人の知恵を制限するように機能する社会になっていきます。そうした社会に「自由」が保障されるわけもなく、歴史的には、ファシズムや共産主義として結実し、結果的には、全員を平等に貧しくしていきました(高級官僚や政治家を除いて)。
 日本は、そういう社会を本当に望んでいるのでしょうか?
 政治家には、真剣に考えてもらいたいものです。


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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「胡錦濤主席来日と福田内閣」

5月6日、中国の胡錦濤国家主席が来日した。
農薬混入の冷凍ギョーザや東シナ海の天然ガス田の共同開発問題、
チベット問題など日中間には解決しなければならない様々な問題がある。
それに対して福田内閣は斬り込むことが出来るのか。注目のポイントを語る。


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2008 05 13 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.12

[ゴーログ] 若者の自殺とホリエモンの関係

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「ある女子大教授の つぶやき」さんが、「年間の自殺者数は年々増加して、昨年は36000人を越えている。1日に平均約100名が自ら命を絶っていることになる」とコメントしています。

若者を中心に増加している。将来に対して希望や夢を持てないということなのであろう。経済も文化もグローバル化していく中で、政治だけがますます内向きな姿勢を強調するのもその一つの原因と思う。日本国内でなら通用する肩書やブランドは海外に出れば、何の役にもたたない。大学の医学部で博士号を取得するのに、授与する方で学生から金品を強要していたことが報道されている。医者としては、いくら博士の肩書きが付いていても、臨床や手術で実力を出さないと海外では認められない。グローバル化に備えて、小学校での英語教育が開始されるようだが、問題の本質は英語の能力ではなくて、話す内容にあるはずだ。

 若者たちが将来に対して希望や夢を持てなくなったという傾向は、2006年以降に顕著になってきたように思います。良くも悪くも、彼が好きでも嫌いでも、ホリエモンの存在が、若者たちに希望を与えたことは事実だと私は思うのです。
 ホリエモン正式な学歴は高卒。高卒で後ろ楯がない新興企業でも、天下のフジテレビとタイマンが張れるほどになることができる、というジャパニーズ・ドリームを知らしめたのが、ホリエモンでした。若造でも、生意気でも、エスタブリッシュメントのジイサンたちに言いたいことが言える、ということを示したのが、ホリエモンでした。
当時、教育ママたちが豹変し、息子たちに対して「ホリエモンのようになりなさい」と諭していたのを、私は驚愕して眺めていました。アントレプレナー(=起業者)としての成功がそれほど簡単ではないことを肌身で感じていたからです。
 しかし、それでも、そういう熱狂がなければ、日本の将来を支える若者たちが、新しい多様なチャレンジを果敢に行うことはないでしょう。そして、そういう若者たちによる多彩なチャレンジがなければ、日本経済の将来が極めて難しい局面に差し掛かることも明らかでした。だから私は、危うさを感じつつも、ホリエモンブームが起業ブームを呼び起こしたことを歓迎していたのです。多くの人は失敗に終わるでしょうが、難関にチャレンジして、新しいビジネスを興すことに対する評価が高まることを期待していたのです。
 結果は、皆さんご存知の通り。
 2006年初に起こったライブドアショックで、ホリエモンが崇拝されるアイドルから、唾棄される虚像に貶められた瞬間から、ホリエモンに傾倒していた教育ママたちは「東大を卒業して大企業に勤めなさい」という保守的な定跡へ回帰してしまいました。日本という国が「出る杭は打たれる」「長いものには巻かれろ」という世間知が幅を利かす、「将来に対して夢や希望を持てない」社会であることが暴露されてしまったのです。
 ホリエモンは罪を犯していない、とか、ホリエモンを逮捕してしまった検察は間違っている、などと主張するつもりはありません。しかし、「ホリエモン」というジャパニーズ・ドリームを完膚なきまでに叩きのめした日本という国家が為すべきことは、日本の将来を支える若者たちに対して、「ホリエモン」に代わり得るジャパニーズ・ドリームを分かりやすく提示するということだと思います。
 若者たちの自殺を防ぐために、いま必要なことは、平成時代の松下幸之助であり、本田総一郎であり、盛田昭夫を産み出すことなのです。新興企業の若手経営者たちを次々と血祭りにあげることではありません。
日本という国は、ますます内向きになっています。このままでは、若者の夢は、お笑い芸人になってテレビに出ることしかなくなってしまうでしょう。お笑い芸人になることを私は卑下しません――私は漫才やコント(特に昔のアンタッチャブルやインパルス)が大好きです――が、お笑い芸人になることだけが若者の夢であるとしたら、この国の将来は見えたも同然であると思います。
 ホリエモンを社会的に抹殺した人々、あるいは、ホリエモンを抹殺して当然だと考える人々は、若者たちに対して「ホリエモン」以外の現実的な夢を与える義務があるように思われてなりません。ホリエモンを抹殺することによって、数多くの若者たちの無邪気な夢を打ち砕いてしまったのですから・・・。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「胡錦濤主席来日と福田内閣」

5月6日、中国の胡錦濤国家主席が来日した。
農薬混入の冷凍ギョーザや東シナ海の天然ガス田の共同開発問題、
チベット問題など日中間には解決しなければならない様々な問題がある。
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2008 05 12 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

[週刊!尾花広報部長] 最近の疑問

 こんにちは、尾花典子です。週末は冷え込んでかなり寒かったですね。温度差があると体調をくずしがちになりますから、みなさんもお気をつけてくださいね。
 最近のニュースの中で、一番衝撃が走ったのは「船場吉兆のお料理使い回し」報道です。

 高級すぎて、一生に一度も行くことがきっとできないと思っていた船場吉兆に関する度重なる報道でかなり驚きました。
 報道によると、お料理の使い回しはすべて前社長の指示だったということですが、いくらワンマンだったとはいえ、料理長をはじめ他の従業員がどのように思って数年間もそういうことを行っていたのかと思うとかなり複雑な暗い気分になってしまいました・・・・。

 ここ半年以上も疑問に思っていることがあります。それは午後の各民放のテレビ番組についてです。以前は芸能記者が登場して、芸能ニュースを延々と流し続ける番組が多かったと思うのですが、最近はもっぱらドラマの再放送です。
 ネットなどが発達したこともあり、芸能人の方々は自分からがHPやブログなどで自らの言葉でコメントを発表することが多くなっているので、芸能記者が減ってきているという話を聞きました。視聴率もあまりよくなかったのでしょうか。
 2時間ドラマなどの再放送をフジテレビやテレビ朝日などでもかなりあるので、ドラマ好きの私はビデオを回しっぱなしです。
 自宅に夜帰ったあとに見るのを楽しみにしているのですが、最近は以前に見たドラマも多く、かなりはずれ気味です・・・。
 時々、現在放映中のクールの連続ドラマの前回を放映したりもしているようですが、少し前まではあまりなかったような気がします。
 私の気のせいかもしれませんが、今テレビ業界にはひそかに何かが起こっているのでしょうか。とっても知りたいのですが、ドラマ好きの私には、とりあえずうれしいです・・・chick
 

2008 05 12 [15. 週刊!尾花広報部長] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.11

[フィナンシャル ジャパン] ベビーブームに沸く米国と人口減少続く日本の選択

「フィナンシャル ジャパン」 6月号掲載
連載コラム―次の一手 (マーケティングコンサルタント 西川りゅうじん氏)

 アメリカで45年ぶりにベビーブームが再来している。第二次大戦後の人口増加期の最後とされる1961年と同じ、年間約430万人(2006年の米保健当局統計を元にしたAP通信調べ)の子どもが生まれているのだ。
 合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む平均的な子どもの数)は、76年に1.7人まで下がったが、85年から上昇、89年以降2人を超え、ついに2.1人と先進国中トップとなった。2.1人はマジックナンバー(奇跡の数字)と呼ばれる。というのは、これを超えると国民の再生産が行われ、人口が減少しないため、将来の労働力不足や税収
不足、高齢者への社会保障費の負担増といった懸念が減るためだ。
 出生率が1人をほんの少し上回る程度に低迷している日本、韓国、台湾、シンガポールなどの東アジア、さまざまな行政施策も成果が出ずに1.3人強にとどまっているドイツやイタリアと比較すれば、いかに高い水準かがわかる。
 アメリカの出生率が高いのは、宗教的に避妊や人工中絶を避けるカトリック教徒の多いヒスパニック系の出生率が高いことが最大の要因とされる。ヒスパニック系の新生児は全体の4分の1を占め、出生率も3.2人と群を抜いている。子どもに生まれながらの米国籍を取得させようと越境する不法移民も多く、その率はメキシコの2.4を大きく上回る。
 しかし、出生率が増加しているのはヒスパニック系だけではない。非ヒスパニック系の白人の出生率も、21世紀に入って1・85人と高い水準にあり、さらに若干の増加傾向を示している。しかも、欧州各国や日本のように、国や州政府が直接的に支援する出産・育児制度はほとんどなく、民間の託児所を経営する企業やNPOなどがサポートしているだけだ。
 この背景には、妊娠中絶の件数が減っていることが大きい。ニューヨーク州の非営利団体によれば、05年の中絶件数は120万件で、47年以来、最も低かった。中絶については、その是非をめぐって国論を二分する問題になっている。中絶反対の立場を採るキリスト教右派など保守的傾向の強い一部地域では中絶手術が受けにくく
なっているとも言われる。
 地域差もはっきりと表れており、平均より中絶件数が多く出生率が低いのは、リベラル色が強いとされるニューヨーク州などの北東部地域だ。保守的傾向が強い中西部や南部や山間部では、中絶件数は少なく出生率は高い。
 もう一つの理由は、ティーンエイジャーの出生率が、06年、15年ぶりに上昇に転じたこともある。これについて専門家らは、避妊薬使用の減少、中絶施設の利用の難しさ、性教育の不十分さ、貧困などを理由に挙げている。人口の増加も決して手放しでは喜べない。
 日本は、第一次オイルショック後の75年に出生率が2人を下回って以来、人口再生の水準を回復していない。先進国の中で最も早く高齢化、少子化が進みつつある。しかし、マイナス面ばかり考えていても仕方がない。新たな変化をアドバンテージとすべきである。最初に経験するということは、最も早くそれに応じた、商品やサービス、施設や街の作り方、社会制度のモデルを構築できるわけで、それ自体も一つの競争力となり得るはずだ。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「胡錦濤主席来日と福田内閣」

5月6日、中国の胡錦濤国家主席が来日した。
農薬混入の冷凍ギョーザや東シナ海の天然ガス田の共同開発問題、
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2008 05 11 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.10

[週刊!スモールビジネス] ペット保険の事業化に成功 

 2007年12月、アニコム損害保険は、金融庁より損害保険業免許を取得し、日本で初めてペット保険専門の保険会社が誕生した。
 大手保険会社はじめ、これまで参入しては撤退が続いたペット保険において、唯一といっていい成功事例となった。先人が失敗を続けるなか、なぜアニコムだけが成功したのか。そのヒミツを探った。

 そもそも人間の健康保険の実験

 アニコムインターナショナルの代表取締役を務める小森伸昭は東京海上出身。同僚から頭一つ抜ける優秀な人材だった。経済企画庁に出向し、白書の編纂に携わり、健康保険制度の分析
を行ったという経験を持つ。
 その時、病院同士でカルテを共有化し、過剰な診療や検査を減らすことができれば、健康保険制度をより改善できるのではないかと考えた。しかし、実証分析をしないと現実的な論理展開はできない。それなら人間同様に家族の一員となりつつあるペットで実験できるのではないかと考え、退社の道を選びペット保険を作った。
 「保険の制度設計自体は動物でも人間でもモノでも大きな差はありません」。小森は過去の失敗事例を参考にこだわり抜き、「お客さまに満足して継続いただける保険ができた」という。実際、創業から8年たった現在も、保険の制度設計自体に大幅な変更はないという。

 動物を家族として扱う

 完璧だと自負した保険の加入頭数が増えない苦しい日々もあったが、加入者が増えた要因は「動物をペットとしてではなく家族として扱ってきた」ことにあるという。「たとえば、契約書やコールセンターで『オスですか? メスですか?』と聞くのと『男の子ですか? 女の子ですか?』と聞くのでは温かみが違います」
 アニコムでは、動物はペットではなく家族という考えのもと、契約者とのコミュニケーションに改善を重ねてきた。
オフィスをネットで生中継する掲示板を開設しお客さまの質問や意見に一つひとつ答えるのもそのためだ。結果、信用が必須と言われる保険の販売において、地道に契約者の信頼を得てきた。それが、口コミとなり、加入頭数の増加につながった。
 「文言や伝え方の工夫は私よりよほど現場の社員が勉強して気をつかっています」。実際、ロールプレイングなど、社員同士が切磋琢磨する場を設けているという。

ロールプレイングが社員の力を高める

 創業8年、売り上げは連結でおよそ60億円。保険会社の免許も得て、アニコムは次のステージに入っている。信頼が不可欠な保険会社において、カリスマ性のある社長だけでは立ち回れなくなりつつある。
 「人材育成については、まだまだ勉強を始めたばかり。でも、これからは社員の力がますます大切になってくる」。そう言う小森社長のこだわりはロールプレイング。
 「ロールプレイングは発表会みたいなもの」。各チームで、業務についての寸劇を演じる。そのなかで、リスクの高いところや、お客さまに高い価値を提供できるところを明確化する。「業務フローを書くよりも的確に業務が見えます」。 信頼を高めていくため、組織としての成熟化も合わせて目指す。

 共済から保険へ

 とはいえ、アニコムは大きな課題の最中にある。これまでアニコムクラブの会員に向けて共済として提供していた「アニコムどうぶつ健康保障共済制度」(同社のグループ会社が運営を受託)が改正保険業法の影響で終了。2008年4月からアニコム損害保険として新たに補償を提供する。アニコムクラブとアニコム損保に連続性はなく、改めて加入者を募らなければならない。どれだけのお客さまが、改めて契約をしてくれるのか、アニコムの新たなステージに向けた信用力が試される。(文中敬称略)


中小企業を芯から元気にするマガジン 『BIZMO』 
 特集ーヒット商品の舞台裏より

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2008 05 10 [19. 週刊!スモールビジネス] | 固定リンク | トラックバック

[フィナンシャル ジャパン] 消費者庁を設立する前に

フィナンシャル ジャパン6月号 伯楽諫言 木村 剛

 やること為すこと停滞気味の福田政権において、着実に進んでいる案件が一つだけある。

 それは、消費者庁構想だ。「消費者重視」は、福田内閣における数少ない目玉政策だといえる。
 3月27日に、首相の諮問機関である国民生活審議会が報告書を公表したのだが、熟読すると、なかなか興味深いことが書いてある。
 「消費者関連法における直罰規定の拡大や、法人に対する罰金の増額等を検討すべき」「現在課徴金制度が導入されていない消費者関連法について、新たに何らかの行政上の金銭的不利益処分制度の導入を図る」「既に課徴金制度が導入されている法律についても、その範囲の拡大等を検討することが適当」「親会社や支配株主に対する責任追及を可能とする方策について検討すべき」「積極的に解散命令を活用することや、再犯歴がある個人は会社設立に関与する資格を剥奪する制度を構築することも考えられる」。
 どうだろう。かなり強烈な文言の連続に驚かれるのではないか。
 その中でも、「経済法規としての是正措置ないし救済措置という法目的の実現を優先させる刑事手続きとは別個の法体系の下で、違法・不正行為を幅広く対象として被害者の救済の拡充を図ることが考えられる」という文章は極めて味わい深いものがある。
 わかりやすく言い換えれば、悪質商法で得た業者の違法収益を政府が没収して、被害者の救済に充てるということだ。悪徳商人の蔵から金銭を盗み出し、庶民に分け与えた鼠小僧の現代版である。
 そのこと自体は悪いことではない。悪質業者が存在していることは事実であり、それによる被害者が後を絶たないことも確かであるから、こうした法制度を構築することに意義はあるだろう。
 しかし、現実に運用するとなれば、解決すべき重要な点が一つある。それは、「悪質商法=違法行為」として認定される以上、対象となる消費者関連法の条文が、世の中の現実と商売の実際に適合している必要があるということだ。
 残念ながら、わが国の場合、現場を知らない素人が、机上の空論で立法し、きれいごとの解釈論で法を運用する結果として、消費者保護ではなく、消費者を排斥してしまったり、不必要なコスト高を招いてしまう例が無数にある。
 そういう実態を改善せずに、罰則や罰金の強化だけが先行すれば、現在の「コンプライアンス不況」をさらに深刻化させるだろう。
 じつは、足元を見ても、改正貸金業法、改正建築基準法、金融商品販売法に加えて、改正割賦販売法が実態無視の方向に流れつつある。「包括支払可能見込額」という文言が盛り込まれ、「調査義務」が課される方向だからだ。
 最悪の場合、改正貸金業法における総量規制のような悪影響を信販会社やクレジットカード会社に及ぼすことになる。消費者に対する与信はさらに絞り込まれることになるだろう。
 これに加えて、消費者庁の鉄槌が下されれば、経済活動は、窒息状態になる。中長期的に縮小する日本市場を見捨てて、海外に軸足を移す企業が続出しよう。
 経済評論家の三原淳雄氏は、「地獄への道は正義の小石で敷き詰められている」と説いていた。正に至言だ。福田政権は、懲りずに愚かな政策を繰り返すのか、それとも正気に戻ることができるのだろうか。ここは正念場である。

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今週のテーマ:「胡錦濤主席来日と福田内閣」

5月6日、中国の胡錦濤国家主席が来日した。
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2008 05 10 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.09

[ゴーログ] 経済危機、みんなで貧しくなれば悪くない

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「珈琲ブレイク」さんが、「小泉構造改革の結果、格差が広がりつつあるので、このような『市場原理主義的』な政策は見直しが必要だ」という最近の論調を踏まえた上で、「格差社会」について語っています。

「格差社会」を問題にする議論は・・・「上層」と「下層」の格差が時間の経過とともに拡大しつつあることが問題である、としている。果たしてそうだろうか。「下層」を押し下げる要因は、現実に存在する。典型的には、中国の「貧困の輸出」である。中国は、自国内の膨大な貧困層の労働力を使った、ローコスト製造能力を主たる競争力として、積極的に輸出攻勢をかけている。さらに、低コストの労働力を提供することで、外国の資本参加を促し、日本を含む先進国の中国内での製造活動の比率は増加している。この結果、中国の「貧困階層」がなし得る生産活動と競合するわが国の「下層」の処遇は、いっそう厳しくなるのは事実である。 

これを防ぐ方法はあるだろうか。中国との貿易を抑制する、中国への工場進出を抑制する、などが考えられるが、いずれも有効な対策ではないだろう。経済のグローバル化は、いかに避けようとしても、確実に進展するだろう。世界経済の発展の方向として、コストの平準化に向かう圧力は、やはり避け得ないだろう。有効な対策は、わが国の経済構造を改革して、より付加価値の高い、高いコストに耐えうる新たな生産活動を創出することしかないだろう。そして、一方では、どうしても落ちこぼれる人々に対する、セイフティネットを整備することである。

産業構造の変革は、中国などの低コスト圧力、貧困の輸出圧力の有無に関わらず、いずれ必要なことでもある。経済活動が高度化すると、ニーズの多様化、高度化が進むので、必然的に知的生産と非知的生産との乖離が進み、相互の格差も拡大することは避けられない。わが国の経済成長を持続させるためには、より知的な生産へのシフトを、なんとしても推進しなければならない。このためには「上層」のより上層へのシフトが必要となる。新しい経済活動の創出を促進・育成するために、規制緩和などの環境整備を軸とする自由主義的な政策と、教育の改革・充実など政府の指導的政策とが必要となる。

「上層」と「下層」との格差を問題にするとき、「下層」が現状を維持し、「上層」のみが上昇するような格差拡大は、むしろ望ましい。「下層」が改善できない状況下で「上層」がより一層下降するような「格差の縮小」は、わが国にとって最悪である。いかにして「下層」の押し下げを抑制し、「上層」の押し上げを促進するか、という方向が、格差問題の望ましい課題設定である。こういう視点から、現実の政治の問題を抽出し、政策を提言し、実行することが、わが国の政治家の役割である。 

 冷静に考えれば、「珈琲ブレイク」さんの言うとおりなのですが、この国は、そういう冷静な議論が苦手なようです。嫉妬心が強すぎて、①「下層」が現状を維持し、「上層」のみが上昇するような格差拡大、を拒絶し、②「下層」が改善できない状況下で「上層」がより一層下降するような「格差の縮小」、を望むほど愚かなのではないか、と感じます。
 ビートたけしの名言に「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というのがありましたが、「経済危機、みんなで貧しくなれば悪くない」というのが、少なからぬ日本人が持っている心情なのではないか、と結構本気で心配しています。

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2008 05 09 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.08

[ゴーログ] 医療:若者はかわいそうじゃないのか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「時事を考える」さんが、後期高齢者医療制度について、熱く語っています

政治家たちの後期高齢者医療に関する議論をきくと、今でも若者の2倍はいるときく、お年寄りに媚びる政治家たちと言う印象を拭えない。政治家たちを動かすものは何か...それは自分たちが選ばれるための票なんですね。今日も与野党双方とも日本の金融資産の大部分を、お年寄りが持っていることを誰も言わなかった。イヤ言えなかった。頭が悪くて^^ちゃんと喋れないので、お年寄りの票を失うのを恐れているからだ。・・・選挙に行かないと言われる若者の票を失っても、彼らの倍いる投票率の高いお年寄りの票を取れれば問題はない(苦笑)。・・・

25歳以下の若い世代はマイノリティで力がありません。期待は数が多い団塊ジュニア世代のハズですが、彼らは残念ながら基本貧乏で立ち上がる元気を失っています。逃げ切り世代の後期高齢者はわからない。わかりたくない、つうか放って置いた方がトクだとわかっているから、意識の高い人以外は動くハズがありません。自分たちがいずれ対象となる団塊世代が動くべきです。息子娘は払えないどころかニート引き篭もりで大荷物という人もいます。で我々の息子娘である今の若い世代は、現状を先送りにすれば近々健康保険も払わなくなるでしょう。自分たちの中でせめて医療だけは、富める者から貧しい者の所得移転をしないと、今後絶対立ち行かないと知るべきです。

 後期高齢者医療制度に関するマスコミ報道は、「お年寄りはかわいそう」という議論一色ですが、「知らない間に負担させられてしまう若者はかわいそう」という視点が完全に欠けているように思えます。若者たちに敬老の精神を強制するのであれば、高齢者たちがこれまで営々と積み上げてきた借金の負担について、どう落とし前をつけるのか、若者に対して説明すべきです。
 なかなか反論しにくい「敬老の精神」だけで、子孫代々に引き継がれていく制度設計の是非を語ることは極めて危険で、アンフェアだと思う今日この頃です。

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2008 05 08 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.07

[ゴーログ] パンダ死去以外にニュースはないのか?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「くまさんの自立」さんが、石原慎太郎東京都知事がパンダのリンリンが死んだ東京・上野動物園への新たなパンダ導入について、「(入場者増の)費用対効果を換算して考えればいい」とした上で、「何もパンダさまさまで、ご神体じゃあねえんだから、いてもいなくてもいいんじゃないか」と消極的な考えを示したことを紹介しています。

パンダが死んだからと記帳の準備をする方も記帳する人もぼくにはまったく理解を超えている。パンダに1億円支払い借り受けることも一体どうだろうか、費用対効果を考えたら、効果なんかあるように思えない。初めてパンダが来たときに比べたら、そんな効果が出ているとはまったく思えない。それこそ北海道のパンダのいない動物園の営業成績はいかがだろうか。客寄せパンダという言葉があるけれど、客寄せパンダを置けばいいというものではないということだ。要するに、動物園も企業努力をしなければどうにもならない状況ということだ。だからこそ、パンダはいらないとうことだし、頂戴と言っても貸してあげるではなんてことはない。貸してもらえるということでは、やはり福田さんの外交能力はまったくなしだ。もしかして、パンダを貰って、自分の支持率を上げようなんてバカな考え方を持っているかも知れない。そうに違いない。下らない総理の考えそうなことだ。

 それにしても、パンダのリンリンが死んだことに対する報道は過熱気味でしたね。確かにニュースなのかもしれませんし、連休で取材記者の数が足りないという実情も分からないではないのですが、視聴者を小馬鹿にしているようにも思えます。
 ものすごく大勢の来園者にインタビューして都合の良いヤツだけピックアップしたのか、もしくは、サクラに頼んだのか分かりませんが、わざとらしいコメントで構成する「リンリンかわいそうドキュメント」には、ちょっぴり不快さを感じてしまいました。
 それにしても、リンリンのほかに報じるべきニュースはなかったのでしょうかねぇ。「ある女子大教授のつぶやき」さんのコメントを読んでいると、パンダネタに振り回される愚かさに溜息ばかりが出てきます。あ~ぁ。

支持率低下の首相にとって、中国主席を迎えて政権浮揚への機会を掴みたいところである。東シナ海資源開発、台湾との関係、チベット人権、大陸からの黄砂、靖国神社、社会の教科書、歴史認識、食品安全など日中間に介在するさまざまな課題がある中での訪日となる。・・・親中派の首相への同情論もある中国側としては、何とか支持率回復への助け船を考えた結果が、パンダとピンポンということになったようだ。早稲田大学での主席の記念講演に続いて、主席と中国女子選手に対して、首相と早大生福原愛ちゃんとの混合ダブルスのゲームが行われる。・・・これとパンダ2頭を上野動物園に貸与することの交換条件として、日本側にはチベット人権問題や食品安全問題について、話し合いのネタにはしないとの合意ができているようだ。・・・その結果、日本は完全に中国の配下に下ったと宣伝として利用されることになる。外交下手の日本には敵う相手ではない。
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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「日銀はしっかり日本の現状を見よ」

日銀は4月30日午後、白川総裁になってから初の展望リポートを公表し、
2008年度の実質国内総生産(GDP成長率)の中央値を1.5%と予想、昨年10月の2.1%から下方修正した。
景気の現状については「減速している」と指摘し、その一番の要因は海外要因(サブプライムローン問題)によるもの
であるという。しかし、実際は日本の景気の悪さは海外の問題によるものではない。
国内の消費が良くないという現状をもっとしっかり捉えるべきだ。


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2008 05 07 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック

[週刊!尾花広報部長] にぎやかな休日の霞が関

 こんにちは、尾花典子です。GWはいかがお過ごしでしたか。あまり遠出しない人が多かったようですね。私ももっぱら日頃の寝不足を解消するために自宅で爆睡でした。

 今日は、フィナンシャル ジャパンの校了前なので、霞が関にある会社に出勤すると、抗議行動やデモカーで騒音がすごかったです。霞が関のあたりは、特に日比谷公園も近いので、休日出勤すると、17Fなのに仕事にならないくらいの騒音の時がしばしばあるんです。

 今日は、中国の胡錦濤国家主席が来日し、日比谷公園内の松本楼で福田首相主催の非公式の食事会が開催されるとかで、会社の前の愛宕下通りは警察の車が出動していて、警察が交通規制をしていましたよ。

 せっかくの連休だったので、マッサージ三昧・・・と思っていましたが、つい先週月曜日の朝、会社に早く行こうと急ぐあまり、銀座で銀座線に乗ろうと走ったところ、10センチヒールで足がもつれて一歩手前で思いっきり転んで強くひざをうってしまいました。
 転んでしまったものの、タイミング的に乗れたので、何事もなかったかのように銀座線に乗っていましたが、本当はひざが痛くて泣きそーでした。会社について足をみると両足ともにかなりの打撲で特に左が・・・。
 私はあざになりやすい体質のようですが、1週間以上たってもまだ痛いので骨がかけていないか病院にいってみることにします・・・。走ったりできるんですけど、大人になって転ぶなんてたち悪いですよね・・・。

 Bluetoothって知ってましたか。というか最近やっと使い方がわかりました。Ericsson社、IBM社、Intel社、Nokia社、東芝の5社が中心となって提唱して無線通信技術の一つで、ノートパソコンやPDA、携帯電話などをケーブルを使わずに接続し、音声やデータをやりとりすることができるそうです。
 私の携帯やPCにも入っているのでデータの送受信が手軽にできます。かなり簡単で便利ですよ。
 
 GW中に六本木ミッドタウンの韓国料理「テナム」にいきました。もっぱら今は赤坂サカスが人気なのでしょうか。ミッドタウンはそんなに人が多くありませんでした。
 この写真も携帯電話でとってBluetoothでPCに送ってブログにアップしてますflair


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 6月3日から5日間、ベトナム・シンガポールの海外経済投資視察ツアーは催行ですshine
 追加募集もしていますので、ご興味のある方やちょっと迷っている方など、私、尾花まで直接ご連絡ください~♪

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2008 05 07 [15. 週刊!尾花広報部長] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.06

[フィナンシャル ジャパン] 空港の外資規制

「フィナンシャル ジャパン」5月号掲載
【会社法がわかれば商売がわかる!】 中央大学法科大学院教授 野村 修也氏

 国土交通省が今国会に提出する予定だった「空港整備法」の改正案は、ひとまず見送りとなった。そこに盛り込もうとしていた外資規制に対し、一部の閣僚が反対を表明するなど、政府・与党の足並みが揃わなかったから
である。
 この法案が検討された背景には、主として2つの問題がある。ひとつは、成田国際空港会社が2009年度に上場を予定していることが挙げられる。特段の手当てもなく上場すれば、外資による乗っ取りの脅威にさらされるからだ。もうひとつは、すでに羽田空港の旅客ターミナル等を運営する日本空港ビルデング社の株式を、オーストラリアの投資ファンドであるマッコーリーが、約20%保有するに至っているという問題がある。危機が現実のものになっているというわけだ。海外の事例ではあるが、ロンドンのヒースロー空港が特段の手当てをすることなく上場したところ、スペインの企業によって買収され、上場廃止になったというケースも、外資規制論者の背中を押していた。
 そこで、国土交通省は、まず成田国際空港、関西国際空港、中部国際空港といった3つの空港会社と、日本空港ビルデング社のような旅客ターミナル運営会社を対象に、外国人の株式保有割合を議決権ベースで3分の1未満とする法案を準備した。
 こうした外資規制は、すでにわが国でも、いくつかの法律によって導入されている。まず一般的な規制を施しているのが外為法であり、昨年9月の改正で外資規制を強化している。これによれば、防衛関連商品を製造する日本企業の株式を10%以上保有しようとする外国企業は、主務大臣に事前に届け出ることが要求される。これを
受けて主務大臣が必要と判断した場合には、計画の変更や中止が勧告される仕組みだ。そのほか、NTT、放送局、航空会社、証券取引所などについては、それぞれを規律する個別の業法(NTT法、放送法、電波法、航空法、金融商品取引法など)によって、外資規制が行われている。
 国土交通省は、武力行使事態法に基づいて空港会社に対し滑走路等の利用について協力を求めても、その会社が外資に支配されていたのでは、十分な協力が期待できないなど、安全保障上の理由を持ち出して、個別の業法に基づく外資規制の仲間入りを目指していたわけである。確かに、タイやオーストラリアなどでは、個別の法律を定めて、空港会社の外資規制を行っている。また、フランス、ドイツ、オランダなどでは、空港会社について、上場後も国が一定以上の株式を保有し続ける仕組みになっている。
 しかし、今回の国土交通省の提案は、やはりどこか胡散臭い。成田空港とは異なり、羽田空港の滑走路は国有のままである。つまり、日本空港ビルデング社が仮に外資に乗っ取られたとしても、有事の際に国が滑走路を使用することに何の障害もないわけだ。成田国際空港についても、有事の際の行為規制をしっかり整備すれば、安全保障上問題はないという意見も聞かれる。
 いずれにせよ、今回の拙速な法案提出騒動は、外資ファンドの動きに対する「後出しジャンケン」との謗りを免れることはできないだろう。福田首相がダボス会議で「対日投資拡大」を語った前日に、外資ファンドを「経営者を脅す悪い株主」と決め付けた官僚トップがいる国を、いったい誰が信頼するだろうか。


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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「日銀はしっかり日本の現状を見よ」

日銀は4月30日午後、白川総裁になってから初の展望リポートを公表し、
2008年度の実質国内総生産(GDP成長率)の中央値を1.5%と予想、昨年10月の2.1%から下方修正した。
景気の現状については「減速している」と指摘し、その一番の要因は海外要因(サブプライムローン問題)によるもの
であるという。しかし、実際は日本の景気の悪さは海外の問題によるものではない。
国内の消費が良くないという現状をもっとしっかり捉えるべきだ。


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2008 05 06 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.05

[フィナンシャル ジャパン] 科学力が切り開く ロシアの未来

[フィナンシャル ジャパン5月号] 特集 ロシア経済丸かじり
 ロシアを読み解くキーワード EPOCH

旧ソ連時代、世界に先駆けて人類を宇宙に飛ばした底力。テクノロジー(технология)なかでもハイテク(H)が近未来のロシアを見通す不可欠の要素になる。

ロシアは〝中国〟にはならない

 グーグル、スカイプの共通点は何か?
 それは「旧ソ連」である。グーグル創業者のひとり、セルゲイ・ブリンはユダヤ系ロシア人であり、スカイプ開発の地はエストニアだ。
 旧ソ連時代から世界に存在感を示してきた頭脳は、現今のロシアでも変わらない。その頭脳こそが、「ロシアは中国にならない」ことを証明するだろう。
 旧ソ連崩壊後も世界的に高く評価される〝ハイテク〟(H)はロシアを他の新興国と差別化する要素のひとつになるのだ。
 この「H」のなかには、航空宇宙分野のほかにも核エネルギー開発、バイオテクノロジーなどが含まれる。
 ロシアの科学力を示す端的な数字をここに引こう。BRICs のなかで、物理学・化学・医学の分野におけるノーベル賞受賞者の数は、ロシア・旧ソ連が14人(06年末時点)と突出し、ブラジル、インド、中国の3国で同分野を足し合わせた8人を上回るのだ。文字を読み書きできない層が人口の3割を占めるとされるインドと異なり、ロシアは識字率100%の国だ。教育面から見ても〝BRICs〟のひと言では片付けられない魅力がある。
 旧ソ連時代から大学が無償であったように、その教育レベルは極めて高い。
 こういった旧ソ連時代からの蓄積を背景に、政府も育成に乗り出している。また、今後は対内直接投資を通じて先進国の技術・ノウハウ・仕事の要諦が導入されることが予想される。
 基礎研究は優れているが、商品化するメソッドを欠く――このロシアのハイテクに向けられる一般的な評価も近いうちに覆されるかもしれない。
 現時点でもBRICs のなかで抜きんでた研究開発への注力。そこに外国資本が流入すれば、ハイテク産業として興隆するきっかけになるだろう。
 ハイテク分野で有望なのは、①航空宇宙、②医療、③IT、④ナノテクで、すでにこれらを育てるため経済特区も整備され始めている。

投資家も注視 ロシア・ハイテクの動向

 ファンド投資を通じ、ロシアのハイテク・マーケットを知る前出の大坪氏は、「ITを例にとると、『中国:低格で下請け』、『インド:設計仕様に対し、自らアイデアを出して開発』、『ロシア:次の次に来る世代のアーキテクチャ(枠組み)の研究・開発』となる」とロシアの実力を高く評価している。「インテルやボーイングはすでにロシアに進出しているが、彼らが求めるものは高い」(大坪氏)
 欧米企業はすでにロシアを囲い込もうとしている。では日本企業の動きはどうなっているのか?
 ロシアの頭脳を取り込んだ日本企業の成功例として味の素がある。
 「同社は90年代末にロシアで『ジェネチカ』という旧ソ連時代から存在する研究所を買収、ここに相当額の投資を行い、今では日本の自社ではできない研究開発を行っている。日本では明日売れるものを研究開発する必要があるが、ロシアは5年、10年先のものを見据えたことができるというメリットもある」(大坪氏)
 「ウイルス検知率世界1」を謳い、日本でもソフト販売を開始したロシア発のアンチウイルスソフト企業「カスペルスキー」の日本法人社長の川合林太郎氏は、ロシアITの特徴を次のように語る。
 「ロシア人技術者は総じて、シンプルだが高機能なものを作ることに長けており、その能力は非常に高い。マイクロソフトやインテルの技術者のほとんどがロシア系であることからもそれがわかる」
 カスペルスキーの技術はヨーロッパで高評価を受け、すでにドイツではトップシェアを確立している。
 だが無論、こういったテクノロジーの可能性が〝産業〟として花開くまでは、時間を要する。
 DWSのカリン氏は、「ファンドの運用面から見ると、銘柄にバラエティがない。まだハイテク銘柄はマイナーポジションにある」と述べ、現時点でロシアのハイテク株を積極的に買うのは難しいとする。規模が小さく企業数も少ないからだ。
 だが、「状況が2、3年後には変わるだろう。この分野で改革が進めば、ファンドの銘柄にもっと組み込みたい」(カリン氏)とのコメントからは、ロシアのテクノロジーに対する期待は高まっていることが伝わってくる。
 「ロシアの人口は1億4000万人。そのすべてをテクノロジーだけで養えるほど、〝テクノロジー大国化〟する公算は低い。ただし、今後も外貨は資源エネルギーで稼ぎ、テクノロジー産業が全体の1~2割を占めるくらいにまで広がる可能性はある。30年後のロシアは、今のアメリカの姿に近づくのではないか」(大坪氏)との観測もある。
「E」で始まり、「H」に至るロシア。エネルギーが稼ぐカネがハイテクへと流れ、国の姿を変えていく。
 EPOCHが語るロシアは、未来のロシアも示している。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「日銀はしっかり日本の現状を見よ」

日銀は4月30日午後、白川総裁になってから初の展望リポートを公表し、
2008年度の実質国内総生産(GDP成長率)の中央値を1.5%と予想、昨年10月の2.1%から下方修正した。
景気の現状については「減速している」と指摘し、その一番の要因は海外要因(サブプライムローン問題)によるもの
であるという。しかし、実際は日本の景気の悪さは海外の問題によるものではない。
国内の消費が良くないという現状をもっとしっかり捉えるべきだ。


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2008 05 05 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.04

[フィナンシャル ジャパン] 外資が注目 ロシアの“上海”

 [フィナンシャル ジャパン5月号] 特集 ロシア経済丸かじり
 ロシアを読み解くキーワード EPOCH

ロシア語が使うキリル文字では「C」が英語の「S」。この「C」から物語られるのがサンクトペテルブルク(Санкт-Петербург )だ。
このヨーロッパに開かれた都市が持つ、現代ロシアにおける重層的な重要性とは何なのか——。

ヨーロッパに開かれた〝ロシアの上海〟

 旧ソ連時代に革命の英雄レーニンにちなんでレニングラードと名付けられたサンクトペテルブルクは、バルト海に面し、ヨーロッパ周辺国に海路でアクセスできる唯一のルートなのだ。
 長くヨーロッパ世界への玄関口として機能し、開明的な雰囲気が連綿と受け継がれ、「ロシアの上海」とのイメージも持たれている。同時に、世界遺産にも登録された古都としての一面もある。
 このサンクトペテルブルクにトヨタが05年春に進出した。これ以降、日本企業の視察団による同市視察が急増した。
 だが、従来ロシアの自動車産業が集積していたのは、内陸部のボルガ地方だった。
 同地域に旧ソ連時代、自動車産業が形成されたのは、付近が鉄鋼、石炭、石油の主要産地だったことと、ドイツによる侵攻の脅威を考慮し、「内陸」を理由に選ばれたことが背景にある。
 だが同地域の自動車産業は、外国メーカーの求める品質に達していない。そこで工業水準の高いサンクトペテルブルクに熱い視線が注がれるようになった。
 いまでは日産、スズキと日本メーカーが相次いで進出し、フォード(隣のレニングラード州)やGMも工場を持つことから、同地が「ロシアのデトロイト」になると見る向きもある。

〝利益誘導〟を超える要因

 では、なぜ企業はサンクトペテルブルクを選ぶのか?
「(サンクトペテルブルクは)プーチン大統領の出身地。利益誘導の感も否めない」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング・堀江正人氏)との見方がある一方で、前述の開明性から欧米流のビジネスを理解する人がロシアでもっとも多いことも、投資誘致に成功する理由に挙げられる。
 同市の「安全性」がカギと見るのは、丸紅経済研究所のシニア・エコノミスト榎本裕洋氏だ。同氏は、「サンクトペテルブルクは、現地紙の〝連邦構成主体別投資安全度順位〟で1位になっている」と指摘する。
 長期化するチェチェン問題から、首都モスクワでテロが発生したのは遠い過去のことでもない。「劇場占拠事件」(02年10月)、「地下鉄爆破事件」(04年2月)といったテロは、ビジネスの基本たる安全を脅かす因子となる。
 他方、サンクトペテルブルクにはそれがない。一定額以上の固定資産投資を行う案件には、税制面で優遇措置が受けられるなど、投資対象としての魅力もある。
 自動車メーカーに限らず、ここに日本勢ではNEC、日本たばこ産業(JT)、アメリカ勢ではコカ・コーラ、ペプシコなどが進出しており、ロシア北西部地域の中心地の役割を果たしている。
 事業開始に至るまでの煩雑な事務手続きから、強権的な政府という政治レベルに至るまで、ロシアに対するマイナス・イメージは根強い。そんな状況がある中で、サンクトペテルブルクは投資対象として、安定度がひときわ高いということだろう。

ロシアの前途を決める?モスクワに集まる「C」人脈

 政治的に見れば、同市の「安定度」は納得がいく。前出のように、この都市はプーチン大統領の出身地である。まさかここを騒乱とテロの街にすることは、大統領の面子にかけて許されない。
 また、プーチン政権は、同市出身者の重用を特色としてきたことも見逃せない。いわゆる「サンクトペテルブルク
人脈」の存在だ(同地生まれでなくとも、そこにある大学・専門学校出身者であれば、その範疇に入るとされている)。
 彼らはプーチン政権で、政策決定に重要な役割を担ってきた。プーチンに近いセルゲイ・イワノフ第一副首相、イーゴリ・セーチン大統領府副長官(石油会社「ロスネフチ」会長)などがそうだ。
 ロシアにはさらにもうひとつの「C」が存在することを忘れてはいけないだろう。それが「シロビキ(силовики )」だ。「シロビキ」とは、軍、内務省のような軍・治安機関を職場としたか、現在もそうである人々が形成するグループだ。
 彼らは「武闘派」との別称が冠せられることもあり、強面の印象がある。彼らは、「強いロシア」を目指しており、プーチン大統領はリベラル派とこのシロビキとの間に立ち、うまくバランスを取りながら国を率いてきた。
 世界的に注目を集めているロシアに対し、「強いロシア」の紋切り型が溢れるなか、その原動力として、2つの「C」は押さえておくべき要素だ。さらに言えば、そしてメドベージェフ次期大統領もまた、サンクトペテルブルク生まれ、レニングラード大学卒業であることは、広く知られた事実である。
 「C」の厳然たる存在感は、ロシアの未来を決め得るものだと言っても過言ではない。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「日銀はしっかり日本の現状を見よ」

日銀は4月30日午後、白川総裁になってから初の展望リポートを公表し、
2008年度の実質国内総生産(GDP成長率)の中央値を1.5%と予想、昨年10月の2.1%から下方修正した。
景気の現状については「減速している」と指摘し、その一番の要因は海外要因(サブプライムローン問題)によるもの
であるという。しかし、実際は日本の景気の悪さは海外の問題によるものではない。
国内の消費が良くないという現状をもっとしっかり捉えるべきだ。


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2008 05 04 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

[週刊!スモールビジネス] 広告宣伝費ゼロ 口コミが生んだ 新しく懐かしい味

 2005年9月、社内での期待も少なく、小売りや問屋の反応も上々とは言えないなか、「ふんわり名人 きなこ餅」は発売された。
 「だれもヒットするとは予想してなかったと思います」。越後製菓で開発に携わった小林正義取締役(49歳)は率直に言う。

「外国人は米菓を食わんぞ」

 代表取締役社長に就く星野一郎ら経営陣が、1990年代初頭、主要な製品開発担当者を集めてこう言った。「外国人は米菓を食べないのはなぜだ。いや、そもそも口どけの悪い米菓は、日本人の若者だって食べないぞ」。それ以後、星野からは事あるごとに、「外国人でも食べる米菓を作れ」と檄が飛ぶようになった。
 小林は当時を振り返り、「社長は米菓が嫌いなんじゃないかと思ました」と打ち明ける。それほど、星野の既存の米菓概念から脱却する意志は強かった。「外国人でも」とは「若者でも」食べるものをという意。実際に米菓
は年配のほうが消費者層として厚いだけに、若者が食べずに年を経れば、米菓の需要も落ち込むという危機感があった。
 「〝口どけ〞にヒントがあるのに気がつきました。米菓独特の口に残る食感が嫌われているんだと」。それ以降、口どけのよさを目標に数多の製品が生み出されては消えていった。

米菓として販売していいのか

 2005年、ついに現在のふんわり名人の口どけを実現する。しかし、これを「売れる!」と考えた社内の人間はごく少数だった。「これは米菓じゃない」ベテランの開発者や営業、そして取引先からも、同様の声が多数でた。実際、星野のトップセールスでトップ同士で話がついても、現場担当者のあいだでは「売れそうにない」と白紙に戻ったこともあった。
 しかし、好評価する者もいた。社長の星野、そして、工場の女性たちである。それを見た小林も経験的に実績
ある秘策に出る。「家族の団らんの場に、何も言わずにふんわり名人を置いておくんです。するとおいしい商品は自然に減っていくばかりか、子どもからは『もっと持ってきてよ!』と催促される」。米菓の専門家であるゆえに、製品への迷いを女性たちが払拭していった。

売れない商品のブレークスルー

 それでも小売りの棚に並ぶことは難しかった。しかも、過去の失敗の経験もあり、宣伝には予算はかけられない。しかし、ここでも活躍したのは女性たち。イベントや小売店に出かけては試食品を配布した。なかでも札幌営業所では、ふんわり名人ファンが多く、積極的に試供品を配布した。すると、試供品を配布した店舗での売り上げ
が突出するようになる。
 「試供品の配布でわかったのは、一度食べていただければ、ファンになってくださるお客さまがたくさんいること」。営業本部の山谷浩隆(45歳)は振り返る。
 地道な試供品配布を繰り返すなか、大きな変化が訪れる。テレビ東京の人気番組『TVチャンピオン』の菓子通選手権高橋千宏チャンピオンが、2005年のスナック菓子MVPとしてふんわり名人を選んだ。知る人ぞ知る高橋の評価に、ブログでの取り上げられ方が膨れ上がった。結果、著名人のブログやTVでの扱いが増加。売り上げが伸び始める。
 そして、圧倒的に若い女性からの支持が多い事実を改めて知る。「若い女性から支持をいただきながら、彼女たちがもっとも商品を目にするコンビニでの扱いが少なかった」(山谷)。そこで、コンビニ向けに小袋に入ったラインナップを整備。すると出荷数はわずか2カ月で3倍になった。ふんわり名人のヒットの瞬間だった。

なぜ他社は真似できないのか?

 発売後2年半以上がたち、ライバル企業の類似商品が隣に並ぶことも多くなった。しかし、ふんわり名人のこだわった、とろけるような口どけを再現できる商品はない。
 歴史ある米菓の製造において、「プロセスはどこも大体同じような形」。現場に長年身を置く小林は言う。では、なぜ越後製菓だけがふんわり名人を生み出せたのか?
 そこには、餅メーカーとしての強みが隠されていた。ふんわり名人のヒット以前は、売り上げの大半を、鏡餅をはじめとする餅が生み出していた。越後製菓は米菓メーカーである以前に餅メーカーとしてコアコンピタンスを備えていたのだ。
 通常、米菓をつくる場合、まず餅を作る。米を洗い、蒸し、つく。「ここまでは他のメーカーさんと違いはない」と小林は言う。ついた餅を切るためには、一度冷やさなくてはならない。餅は冷やして固めずには切れないのだ。
 しかし、固めてしまった餅を米菓として焼いてもふんわりはしない。デンプンの性質がここでは関係している。いかに冷やさずに餅を切るか- -ここに餅メーカーとしての強みがあった。
 「ふんわりさせる理屈は他社もなんとなくわかっているはず。それをなぜ越後製菓が実現できたかは、技術と人材、そして10年以上も地道に試行錯誤が続けられるカルチャー」。商品化への成功要因を小林はこう振り返る。

ヒットの舞台裏

 餅メーカーとしての技術力があったにせよ、米菓は嗜好品。好き嫌いが分かれるうえ、リピーターとして購入を続けてもらえるかがロングセラーのカギ。「愛される商品になりたい」。山谷もそう言う。
 おそらく口どけのふんわり感だけでは、これほどのヒット商品にはならなかっただろう。やはり、繰り返し食べたくなるには「味」への探求もある。「味付けにだれも知らないような特別な調味料なんて使ってません。ただ、きな粉、砂糖、油の種類の組み合わせでも何万通りもある。そのなかで『コレだ』という味を模索しました」(小林)。
ふんわり名人は少ししょっぱい気がするのは記者だけだろうか。もう一つ食べたい。そう思わせるヒミツは明かしてはくれなかった。(文中敬称略)

中小企業を芯から元気にするマガジン 『BIZMO』 
 特集ーヒット商品の舞台裏より

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2008 05 04 [19. 週刊!スモールビジネス] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.03

[フィナンシャル ジャパン] 洗練されつつある巨大財閥たち

 [フィナンシャル ジャパン5月号] 特集 ロシア経済丸かじり
 ロシアを読み解くキーワード EPOCH

ロシアの「O」にはいささか不気味な影が差す。オリガルヒ(Олигархи)がそれだ。
彼らは一時期政治にも口を出す勢いだった。08年版米「フォーブス」誌の長者番付ではロシアの富豪がランクイン、力の程を見せつけたがーー。

エネルギー強者たちの興亡

 「オリガルヒ」とは、一般的に〝新興企業家〟を指すとされ、莫大な富を持つ。彼らは90年代、エリツィン大統領による国有資産民営化の過程で富を築き、石油会社、銀行、マスコミを独占的に支配した。「フォーブス」誌が3月5日に発表した2008年版長者番付の25位まで見ると、ロシアから6人が入っている。そのうちのトップ(全体では9位)はオレグ・デリパスカ(「ロシア・アルミニウム」社長)で資産は280億ドルに達する。また同2位(全体15位)はロマン・アブラモビッチ(石油会社「シブネフチ」など経営)は資産が235億ドルとなっている。このほかの富豪も資産は200億ドル前後だ。
 資源エネルギー産業を牛耳るオリガルヒのなかにはプーチン大統領ら政府とも近い者もいる。その全貌を知る機会が少ないだけに、彼らの政治関与すらあるとなれば、怪しい印象も免れない。だが前出の大坪氏は、オリガルヒをめぐる現状を冷静に見る。「ロシアは資本主義が根付き始めて間もない国。日本でも、明治維新以後、政商・財閥が誕生した歴史がある。オリガルヒにしても問題を与したことはひとつの事実だ」
 独占資本家たるオリガルヒが割拠する現実があろうとも、資本主義の歴史の浅い国に、今の段階では高い透明性は期待しない方がいいのかもしれない。

プーチンvsオリガルヒの構図

 オリガルヒは誕生以来、外国資本との結びつきを強化し、政治にまで影響力を及ぼすようになった。これが政府の一部オリガルヒに対する強硬姿勢の引き金になった。
 この動きをつくったのが、まさにプーチン大統領だった。彼は就任直後、オリガルヒに対して「政治には口を出すな。納税さえ行えば、過去の罪(国有資産の分捕り)は
問わない」と言って一種の〝手打ち〟を行ったとされる。
 そして03年に石油会社「ユコス」の社長ミハイル・ホドルコフスキーが逮捕された(ユコス事件)。容疑は70億ドル以上の脱税。ホドルコフスキーはイラク攻撃の是非に関し、対米追従的な主張を行った。加えて「ユコス」と「シ
ブネフチ」の石油大手が2社合併後は、その株式の25%を米石油企業「エクソンモービル」などへの売却を目論んでいたとされる。これが彼の〝罪状〟となった。
 以下、プーチン大統領が倒したオリガルヒと、彼に近いオリガルヒを紹介しよう。

ボリス・ベレゾフスキー
1946年生まれ。応用数学者から実業界入り。石油会社「シブネフチ」や航空会社「アエロフロート・ロシア航空」、テレビ・新聞をも保有する大財閥を築いた。故エリツィンと親しく政界にも関与。99年に下院議員に当選したものの、プーチンの政策に反対して00年辞職。以後はロンドンに在住。

ミハイル・ホドルコフスキー
1963年生まれ。石油会社「ユコス」の社長の地位にあって、自分の意のままに動く議員グループの設立を画策したとされる。03年逮捕され、現在はシベリアの刑務所で服役中。

ロマン・アブラモビッチ
1966年生まれ。事実上の創設者がベレゾフスキーである石油会社「シブネフチ」の民営化に参加、資産の基礎を作った。プーチン大統領と近い関係にあることで知られている。


 三人目のアブラモビッチは、政治介入を拒むプーチン体制にうまく適合したオリガルヒの一例と言える。アブラモビッチは41歳。前出のオレグ・デリパスカも42歳だ。
 この二人以外で「フォーブス」誌長者番付20位に入った他のロシア人富豪もみな40代前半と、メドベージェフ次期大統領の42歳も併せて考えると、その若さが際立つ。“成長”イメージにふさわしいとも言えよう。

* * *

 “手打ち”後、生き残ったオリガルヒたちはいずれも〝政治不介入〟の立場にあると見てよい。
「プーチン大統領は、90年代に跳梁した彼らを骨抜きにした。エリツィン時代とは、すなわち彼らとマフィアの時代であり、無法ですらあった。オリガルヒは、私利のためなら国益も損なうほどの存在だった。ロンドンに亡命中のベレゾフスキーなどが典型だ。現在オリガルヒの政治関与はない。その勢力は国家のコントロール下に入っている」(前出のフェシュン氏)
 資本主義勃興期に現れた彼らオリガルヒは、経済成長とともに、国家の求める国益実現に向け、より洗練された存在へと変貌を遂げつつあるのかもしれない。〝国賊〟を取り除かれた「O」は、世界企業に冠たる大企業として、存在感をさらに増していくに違いない。今後、富を積み上げ、いかにロシアという大国家を押し上げていくの
かが注目される。

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今週のテーマ:「日銀はしっかり日本の現状を見よ」

日銀は4月30日午後、白川総裁になってから初の展望リポートを公表し、
2008年度の実質国内総生産(GDP成長率)の中央値を1.5%と予想、昨年10月の2.1%から下方修正した。
景気の現状については「減速している」と指摘し、その一番の要因は海外要因(サブプライムローン問題)によるもの
であるという。しかし、実際は日本の景気の悪さは海外の問題によるものではない。
国内の消費が良くないという現状をもっとしっかり捉えるべきだ。


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2008 05 03 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.02

[ゴーログ] 国家は官僚の所有物なのです

皆さん、こんにちは。木村剛です。「ええじゃないか!」さんが、「会社が株主のものだとイヤな方々」という優れたコラムを書いています。

A.国家は国民のものだ! 
B.国家は国民を代表する政治家のものだ!
C.国家は委託されて運営する官僚(と公務員)のものだ!

a.会社は株主のものだ!
b.会社は株主を代表する取締役のものだ!
c.会社は委託されて経営する経営陣(と社員)のものだ!

主権(所有権)がどこにあるかは、
トーゼン判った上で言い張ってんだろう。
Aの人はaだし、Cの人はcだと思う。
ええじゃないか!ええじゃないか! 

 なるほど~~~。これは、わかりやすい。「会社は委託されて経営する経営陣(と社員)のものだ!」と主張する人びとは、「国家は委託されて運営する官僚(と公務員)のものだ!」と思っているわけですね。やっぱり、北畑経済産業省次官は正しい~ぃ!?


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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「日銀はしっかり日本の現状を見よ」

日銀は4月30日午後、白川総裁になってから初の展望リポートを公表し、
2008年度の実質国内総生産(GDP成長率)の中央値を1.5%と予想、昨年10月の2.1%から下方修正した。
景気の現状については「減速している」と指摘し、その一番の要因は海外要因(サブプライムローン問題)によるもの
であるという。しかし、実際は日本の景気の悪さは海外の問題によるものではない。
国内の消費が良くないという現状をもっとしっかり捉えるべきだ。


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2008 05 02 [11. 週刊!永田町] | 固定リンク | トラックバック

2008.05.01

[ゴーログ] 不平等だ!不公平だ!国が悪い???

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記)」さんが、曽野綾子氏の「不平等に耐え、魂の教育を」という記事を紹介してくれました。

政治や社会が、平等と公平を目指すのは当然だが、現実には必ず不平等で不公平なのである。それなのに、完全な公平と平等が簡単に入ると思わせるあまい教育をして、その状態が実現しないと、それは政治の貧困や格差社会のゆえに救いようがないほど不幸なのだ、と教えるほうがずっと残酷なのだ、と私は思って生きてきた。

 なかなか味わい深い文章ですね。私も、自分の不幸を社会の責任に転嫁してしまうことは、(それが何がしか社会の構造に起因するものであっても、)「何らかの工夫や知恵や努力によって、その惨状を自ら変えようとせず、他者の幸福や結果を呪い蔑み、社会の現状を唾棄することは、自らの未来を好転させるチャンスを放棄することであり、結果的に、心身ともに残酷なことになる」と考えています。
この曽野綾子氏の文章を受けて、「ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記)」さんは、こう述べています。

現実は必ず「不平等」で「不公平」なのである。これを無理に「完全な公平・平等」にしてしまうと、共産経済のようにうまくいかない。・・・結局、無理に「競争はいけない」、「不平等や不公平はいけない」と教えることは、もっと金銭や生まれた環境による「不平等」や「不公平」を生み出す。・・・国と国の格差は国内の格差よりひどい・・・。豊かな日本にも格差はある。しかし、それが乗り越えられないものだろうか。「不平等だ!不公平だ!国が悪い!」。確かにそうかもしれない。しかし、結局、世の中は「不平等で不公平だ」。自分でその世界でもがいて進んでいくしかない。 実をいうと「不平等だ!不公平だ!国が悪い!」は途上国で良く聞く言葉だ。「全てをあきらめてしまっている」、もしくは「全てをあきらめなくてはいけない状況まで追い込まれていている」--貧困スパイラル。日本が「貧困スパイラル」に落ち込むことはないと信じているが、「完全な公平・平等」がどこからか降ってくると教える教育は危ない。泥臭いが「努力は報われる」とか「もがいて進んでいく」のは意味があると教えたほうが数倍いい。

 本当にそうですね。「不平等だ!不公平だ!国が悪い!」と叫び続けても、現状は何も良くなりません。かといって、本当に共産主義にしてしまえば、みんなが平等に貧しくなるだけです。
 「非正規と正規の格差が悪い!」と叫び続けている人たちがいますが、じつは、非正規と正規の格差をなくす現実的な方法があります。それは、自ら起業して、その会社において、非正規と正規の格差をなくせばよいのです。同一の仕事に同一の給料を払うようにすればいいのです。私は、ささやかだけれども、そういう現実的なところから始めることが大事だと思っています。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「日銀はしっかり日本の現状を見よ」

日銀は4月30日午後、白川総裁になってから初の展望リポートを公表し、
2008年度の実質国内総生産(GDP成長率)の中央値を1.5%と予想、昨年10月の2.1%から下方修正した。
景気の現状については「減速している」と指摘し、その一番の要因は海外要因(サブプライムローン問題)によるもの
であるという。しかし、実際は日本の景気の悪さは海外の問題によるものではない。
国内の消費が良くないという現状をもっとしっかり捉えるべきだ。


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2008 05 01 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク | トラックバック