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2008.05.04
[フィナンシャル ジャパン] 外資が注目 ロシアの“上海”
[フィナンシャル ジャパン5月号] 特集 ロシア経済丸かじり
ロシアを読み解くキーワード EPOCH
ロシア語が使うキリル文字では「C」が英語の「S」。この「C」から物語られるのがサンクトペテルブルク(Санкт-Петербург )だ。
このヨーロッパに開かれた都市が持つ、現代ロシアにおける重層的な重要性とは何なのか——。
ヨーロッパに開かれた〝ロシアの上海〟
旧ソ連時代に革命の英雄レーニンにちなんでレニングラードと名付けられたサンクトペテルブルクは、バルト海に面し、ヨーロッパ周辺国に海路でアクセスできる唯一のルートなのだ。
長くヨーロッパ世界への玄関口として機能し、開明的な雰囲気が連綿と受け継がれ、「ロシアの上海」とのイメージも持たれている。同時に、世界遺産にも登録された古都としての一面もある。
このサンクトペテルブルクにトヨタが05年春に進出した。これ以降、日本企業の視察団による同市視察が急増した。
だが、従来ロシアの自動車産業が集積していたのは、内陸部のボルガ地方だった。
同地域に旧ソ連時代、自動車産業が形成されたのは、付近が鉄鋼、石炭、石油の主要産地だったことと、ドイツによる侵攻の脅威を考慮し、「内陸」を理由に選ばれたことが背景にある。
だが同地域の自動車産業は、外国メーカーの求める品質に達していない。そこで工業水準の高いサンクトペテルブルクに熱い視線が注がれるようになった。
いまでは日産、スズキと日本メーカーが相次いで進出し、フォード(隣のレニングラード州)やGMも工場を持つことから、同地が「ロシアのデトロイト」になると見る向きもある。
〝利益誘導〟を超える要因
では、なぜ企業はサンクトペテルブルクを選ぶのか?
「(サンクトペテルブルクは)プーチン大統領の出身地。利益誘導の感も否めない」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング・堀江正人氏)との見方がある一方で、前述の開明性から欧米流のビジネスを理解する人がロシアでもっとも多いことも、投資誘致に成功する理由に挙げられる。
同市の「安全性」がカギと見るのは、丸紅経済研究所のシニア・エコノミスト榎本裕洋氏だ。同氏は、「サンクトペテルブルクは、現地紙の〝連邦構成主体別投資安全度順位〟で1位になっている」と指摘する。
長期化するチェチェン問題から、首都モスクワでテロが発生したのは遠い過去のことでもない。「劇場占拠事件」(02年10月)、「地下鉄爆破事件」(04年2月)といったテロは、ビジネスの基本たる安全を脅かす因子となる。
他方、サンクトペテルブルクにはそれがない。一定額以上の固定資産投資を行う案件には、税制面で優遇措置が受けられるなど、投資対象としての魅力もある。
自動車メーカーに限らず、ここに日本勢ではNEC、日本たばこ産業(JT)、アメリカ勢ではコカ・コーラ、ペプシコなどが進出しており、ロシア北西部地域の中心地の役割を果たしている。
事業開始に至るまでの煩雑な事務手続きから、強権的な政府という政治レベルに至るまで、ロシアに対するマイナス・イメージは根強い。そんな状況がある中で、サンクトペテルブルクは投資対象として、安定度がひときわ高いということだろう。
ロシアの前途を決める?モスクワに集まる「C」人脈
政治的に見れば、同市の「安定度」は納得がいく。前出のように、この都市はプーチン大統領の出身地である。まさかここを騒乱とテロの街にすることは、大統領の面子にかけて許されない。
また、プーチン政権は、同市出身者の重用を特色としてきたことも見逃せない。いわゆる「サンクトペテルブルク
人脈」の存在だ(同地生まれでなくとも、そこにある大学・専門学校出身者であれば、その範疇に入るとされている)。
彼らはプーチン政権で、政策決定に重要な役割を担ってきた。プーチンに近いセルゲイ・イワノフ第一副首相、イーゴリ・セーチン大統領府副長官(石油会社「ロスネフチ」会長)などがそうだ。
ロシアにはさらにもうひとつの「C」が存在することを忘れてはいけないだろう。それが「シロビキ(силовики )」だ。「シロビキ」とは、軍、内務省のような軍・治安機関を職場としたか、現在もそうである人々が形成するグループだ。
彼らは「武闘派」との別称が冠せられることもあり、強面の印象がある。彼らは、「強いロシア」を目指しており、プーチン大統領はリベラル派とこのシロビキとの間に立ち、うまくバランスを取りながら国を率いてきた。
世界的に注目を集めているロシアに対し、「強いロシア」の紋切り型が溢れるなか、その原動力として、2つの「C」は押さえておくべき要素だ。さらに言えば、そしてメドベージェフ次期大統領もまた、サンクトペテルブルク生まれ、レニングラード大学卒業であることは、広く知られた事実である。
「C」の厳然たる存在感は、ロシアの未来を決め得るものだと言っても過言ではない。
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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:「日銀はしっかり日本の現状を見よ」
日銀は4月30日午後、白川総裁になってから初の展望リポートを公表し、
2008年度の実質国内総生産(GDP成長率)の中央値を1.5%と予想、昨年10月の2.1%から下方修正した。
景気の現状については「減速している」と指摘し、その一番の要因は海外要因(サブプライムローン問題)によるもの
であるという。しかし、実際は日本の景気の悪さは海外の問題によるものではない。
国内の消費が良くないという現状をもっとしっかり捉えるべきだ。
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