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2008.06.21

[フィナンシャル ジャパン] 年収1 億円とR O E 1 割

フィナンシャル ジャパン7月号掲載 「伯楽諫言」 木村 剛

 4月16日、経済産業省は、英投資ファンド「ザ・チルドレンズ・インベストメント・マスター・ファンド」(TCI)による電源開発株の買い増しを中止することを決定した。資本に関する外資規制自体は他の先進国にもある。だから、判断自体を間違いだと言うつもりはない。
 ところが、反対する論理の中身が薄っぺらすぎる。ある関係者は、「TCI は3~5年の投資期間を考えているからダメ」と語ったが、国内のファンドに対しては、同様の規制を課すつもりがない。そこで、「国内では短期で逃げる人はいない」と語ったからビックリ。いつから日本人投資家は、長期投資家に変身したのだろう。
 そもそも、TCI が短期間で高い投資効率を求めると、電源開発の経営が不安定になり、電力料金が上がったり、安定的に供給されなかったり等の影響が出る、という筋書き自体に無理がある。
 中でも、「TCI ファンドに対する勧告について」という公式文書には、「電源開発に対してROE を少なくとも10%、
ROA を少なくとも4%といった経営指標の目標値を設定し、その達成に経営陣が説明責任を負うことを要求している。他方、これら要求内容の具体的な実現方法は必ずしも明確ではない」と記されているのだが、これは笑止千万。
 株主がわがままなことを言うのは彼らの権利。命の次に大事なおカネを投じているのだから、経営を委託した経営者に対して、高い目標を要求するのは当たり前だ。
 その手の要求に対して、「それは、こういう方法で成し遂げます」と応えるのか、それとも、「大変申し訳ありませんが、その要求は非現実的と考えます。ただし、この程度の目標であれば達成してみせます」と回答した上で、結果を示して戦うのが、経営者の手腕と力量というものである。 
 なお、TCI が求めているROE10%という水準は、厚生年金を運用している企業年金連合会が要求しているレベルと同じ。法外に高いものではない。
 だから今回の顛末をみていると、「年金を運用する主体が必要としている利益水準を、日本企業に求めるなんて強欲だ」と開き直っている感じすら受ける。
 わが国の株式会社を率いる経済産業省がそういう考え方に染まっている限り、私たちの年金の運用利回りが改善することはない。そういう体たらくだから、公的年金はうまく運営されないのだ。
 冷静に考えてみてほしい。「具体的な実現方法を株主に問う」というのは、「現経営陣はバカなので、その要求にお答えする方法がわかりません。だから、株主であるあなたが示す義務があります」と主張しているに等しい。だったら、トットと現経営者をクビにすべきということになる。
 要するに経済産業省は、「俺たちの会社である電源開発に文句を言うやつは要らない」と言って、駄々をこねているだけなのだ。電源開発は2004年10月に上場して以来、営業利益を減らし続けているが、天下りを含めた役員全体の報酬は増額され、一人当たり7000万円ももらっている。トップは1億円を軽々と超えているに違いない。
 それだけの高給を食んでいる経営者であれば、ROE1割というハードルごとき軽々と超えてみせてほしい。それが、経営者としての心意気なのではあるまいか。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ: 社会保険庁をぶっ潰せ

福田首相が消費税の引き上げを示唆するような発言をした。
今の財政状況を考えれば、何らかの増税は必要ということは理解できる。
しかし、我々の保険料を無駄使いしている社会保険庁を残したままの増税には反対だ。

http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/080618/080618mag_shaho.html

2008 06 21 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク

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