« [フィナンシャル ジャパン] 隔離さえすればよいのか? | トップページ | [ゴーログ]日本の司法は大丈夫か? »
2008.07.20
[フィナンシャル ジャパン] 株式100分割
[フィナンシャル ジャパン8月号掲載]
【会社法がわかれば商売がわかる!】 中央大学法科大学院教授 野村 修也氏
最近、JR 東日本やNTTなどで、株式1株を100株に分割する動きが活発化している。株式の100分割といえば、かつてライブドアが、株券の印刷が間に合わない状況を作り出すことで、証券市場の需給バランスを崩し、株価を高騰させる手段として悪用していたことを思い出す人も多いだろう。しかし、今話題となっている株式の100分割は、合理的な理由に基づくものである。
その理由とは、株券の電子化への対応である。2004年に社債等振替法が改正され、株券の電子化が決まった。ただし、システム開発等の準備のために、法改正から5年間の準備期間が設けられた。そのため当初は、株券電子化が始まるのは随分と先のことのように思われたが、それもつかの間いよいよ来年には5年目を迎える。今のところ、来年早々(予定では1月5日)には、株券の電子化がスタートする見通しである。
株券電子化に伴う難題の1つとして、タンス株の問題があることはよく知られている。タンス株とは、証券保管振替機構(ほふり)に預託されずに、株主自身が保管したり保護預かりを頼んだりしている株式をいう。タンス株の場合は、ほふりに預託された株券とは異なり、電子化に際して新しい口座簿への自動移行が行われないため、放っておくと株式の譲渡ができなくなるといった不利益が生ずる。とはいえ、タンス株については、会社が費用を負担して特別口座簿に一時保管する仕組みになっていることから、株券電子化と同時に権利がなくなってしまうというわけではない。ところが、こうしたタンス株とは異なり、株券電子化に伴って口座簿に載せてもらえなくなってしまう権利がある。それは、端株である。端株とは、1981年に会社法を改正した際、出資単位の引き上げに伴って1株に満たない端数の経済的価値が高まったことに配慮して設けられた制度であった。例えば、株の数を1.5倍
にする株式分割が行われた場合、10株持っている人は15株になるが、5株しか持っていなかった人は7.5株になってしまうことから、この0.5株分を端株と称して、その譲渡や買増しを認めてきたわけである。しかし、2005年の新会社法では、単元未満株式制度との関係を整理する観点から、端株という制度は廃止された。すなわち、新会
社法の下では端株が新規に発生することはなくなり、この世の中に残っているのは、改正前に発行された古い端株だけということになったわけである。そのため、株券の電子化に際しては、端株用の口座簿という制度は用意されなかった。
そこで、端株が残っている上場会社の多くは、株券電子化がスタートする前にそれを解消すべくさまざまな対策を講じている。これまでは、会社に対して端株の買取りを請求したり、逆に買増しを請求したりすることで、端株を
解消するよう促してきたが、株主側のアクションが必要であることから、この方法には自ずと限界があった。そこで、ここに来て会社が取り組み始めたのが、株式の大量分割というわけである。
例えば、1株を100株に分割したとすれば、先ほどのケースで7.5株を有していた株主は750株を保有することになり、問題は解決するからである。
いよいよ株券の電子化も秒読み段階に入った。システムの開発も含めて、スムーズな制度移行を期待したいものである。
-------------------------------------

ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:米サブプライム処理のスピードは日本の10倍!?
アメリカの住宅公社のファニーメイとフレディマックが経営の危機に直面していると言うことで
アメリカの金融当局が救済に乗り出している。
これは問題の深刻さを正面から捉えた措置だが、当局の常識から言うと、
信じられないくらいの早さで、信じられないくらいの大きさの対策を打っている。
http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/080716/080716mag_subprime.html
2008 07 20 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15160/41899091
この記事へのトラックバック一覧です: [フィナンシャル ジャパン] 株式100分割:
» 県議から『昔からやっていたことだ』?! [くまさんの自立 から]
大分県教育委員会教職員汚職事件で 副知事らが県議の依頼を受けて 特定の受験者の合否の口利きをしていたことが判ったそうだ。
それにしても 県議もこの口利きについてはよく知っていたようだ。
... 続きを読む
受信 2008/07/20 11:14:02
» バブルの後始末の責任 [ある女子大教授の つぶやき から]
バブルの後始末の責任
日経平均株価が最高値を付けた1989年12月の株価は38915円であったが、この時のNYダウ平均は2500ドルだった。現在の株価は、先週末で日経平均12800円に対して、NYダウ平均はだいぶ落下したとはいえ11500ドルである。20年間足らずで、日経平均は3分の1に下落しているが、NYダウ平均は5倍にもなっている。為替の変動もあるが、それだけではこの差は説明できない
... 続きを読む
受信 2008/07/20 12:12:52
» 第103話 「ベンジャミン・グレアム」 [世界のお金情報-プロの目で見た成功の鍵 から]
本日付の日経ヴェリタス65面に、井出正介先生が、賢者に学ぶ株式投資として、ベンジ 続きを読む
受信 2008/07/20 16:17:48
» 地球の温暖化、寒冷化 [Mutteraway から]
地球が温暖化や寒冷化(氷河期への引き金)についてのメカニズムは、実はよくわかっていない。対象が地球全体なので研究するコストと時間が莫大だ。特に問題なのは、地球表面の七割... 続きを読む
受信 2008/07/21 2:02:30
» 思慮不足 というか目先しか考えられない [くまさんの自立 から]
最近の大人もそうだが、子供たちも思慮不足というか目先のことだけしか考えられない人たちが増えてしまった。
今や、年齢は全く関係ない。精神年齢も関係なさそうだ。
中学生が父親を刺殺した事件やバスジャック事件も秋葉原事件も年齢こそ違うけれど、あまりにも短絡的すぎる。
刺殺事件もバスジャック事件についても親は子供のことを心配して、小言を言っているのだろうが、その気持を察することができないことは確かだ。いまの大人は多かれ少なかれ、親に小言を言われた人間は多いはずだ。
ただ、いまの子供たちはその親からし... 続きを読む
受信 2008/07/21 11:58:10















