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2008.09.03

[ゴーログ]日本はすでに韓国に負けている!?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「カトラー」さんが、オリンピックの野球において、星野ジャパンが惨敗した一方で、韓国チームが見事に金メダルを奪取したことを例にとり、日本と韓国の違いについて、見事に切り込んでいます。

韓国と日本の、此彼の実力差は、いつ、どのように生まれてきたのか? 実は、このことを考えることは、オリンピックの野球だけに止まらず、日本の経済、社会の本質を考えることにもつながる。結論からいえば、優勝した韓国に対して星野ジャパンがオリンピックで惨敗した理由は、グローバリゼーションへの対応の差にある。野球日本代表の惨敗を伝える、どのスポーツマスコミも、韓国野球に、精神面、技術面、戦略面のどれをとっても完敗したという現実を直視しようとしていない。星野監督も帰国後のインタビューで「日本の野球は弱くない、力を出し切れなかったのが敗因」という見解を繰り返した。しかし、仮に日本代表チームにもっと「実力」があったとしても、その「実力」を国際的な大舞台で出せないということ自体が、そもそも致命的な弱さではないのか。自分を打ち負かした相手の強さがどこにあるのか正視せず、「本当はもっと強いんだ」と言って憚らない精神構造こそが、実は敗北の根本原因ではないのか。韓国も日本同様、金メダルを狙いにきていたが、若手の選手に国際試合を早い段階から経験させたり、ペナントレースもオリンピックへの主力選手の参加を前提にスケジュールを組むなど、オリンピックで金メダルをとるための体制と戦略を構築していた。世界と渡り合う覚悟と準備ができていたのだ。・・・
スポーツの世界だけではない。経済の面においても、韓国のグローバル化は、日本に大きく先行している。日本のマスコミでは、牛肉の輸入解禁問題で大規模なデモが連日して行われ李明博政権が窮地に立たされている映像ばかりが報道されているが、そもそも、この問題の発端が、米国とのFTAの交渉過程で出てきた問題であり、李明博大統領が、国民に反発が生まれることを承知で・・・貿易自由化交渉に踏み切ったために生まれてきた軋轢であることは、ほとんど日本では報道されていない。韓国は、1998年のアジア通貨危機以降、グローバル化にアジア諸国の中で率先して取り組んだ。その結果、2000年代に入り、世界で最もブロードバンドが普及したIT先進国となり、空港や港湾の整備においても、日本のように地方へのばらまきを行わず、最初から国際競争を念頭において仁川国際空港等に集中投資を行った。仁川国際空港は世界中で最も先進的かつ経営的にも優れた空港として数々の賞を受賞している。経済面では、サムスンがグローバル化の象徴である。韓国GNPの2割を占めるまでになったコングロマリッド企業は、2000年代の世界で最も成功した企業となった。半導体、FPDの分野に対して大規模かつ大胆な設備投資を行い、この分野で先行していた日本企業を、あっという間に追い抜いた。また、ブランディングの面でも、携帯電話、一般家電の分野などでサムスンは世界ブランドとして認知されるようになり、北米では、SONYブランドを凌駕したといわれる。・・・

 海外の免税店に行くと、NOKIAに次いで、必ずサムスンの携帯電話や同様に韓国のメーカーであるLGがショーウィンドーに並んでいます。日本メーカーは見当たらず、あったとしても、合弁会社のソニー・エリクソンぐらいというのが実態です。「日本=経済大国」というイメージは、すでになくなっているというのが現実なのです。ちなみに、「ある女子大教授のつぶやき」さんも、こう述べています。

スポーツにとどまらず、政治、経済、外交でも韓国の方が日本よりも元気があるように思う。1980年代に韓国は乗用車を米国に輸出し始めた。そのころの韓国車は走行中にハンドルが取れたとか、ギヤシフトのバーが抜けたなどと笑い話にされていたが、今ではトヨタ車を品質で凌駕するデータまで出されている。日本が先進的な道を切り開いてきたと思っていたが、いつの間にか半導体や液晶では韓国企業がトップを走っている。BSE問題では米国に一歩も譲らず、竹島へもすぐに首相が出かけるし、国連事務総長まで手中にしている。五輪終了後、中国の国家主席は早速韓国に出かけている。日本が後れをとったとは言いたくはないが、この勢いでいくと、やがてはあらゆる指標で韓国は日本の上に行くことになる。韓国からは歴史的には多くの技術や文化などを学んできたのであるから、これからも謙虚に学ぶ姿勢が大切ではないだろうか。

 それでもって、その原因について、「カトラー」さんは、以下のように鋭く分析してみせています。私の見解もほとんど同じです。

国を開き、アジア諸国の中で率先してグローバル化に舵を切った韓国経済は・・・2000年以降、平均5%を超える成長を達成してきた。しかし、他方で数多くの不安定要素も抱え込んだのも確かである。製造拠点として急成長を遂げ経済大国化しつつある中国と、未だ様々な技術領域では優位に立っている日本との間に挟まって、成長戦略を描くことは容易ではない。高い経済成長を遂げてきたものの、一方で経済格差が拡大し、若者を中心に社会的な不満も高まっている。しかし国を開き、世界で戦い、世界と渡り合うという韓国の覚悟や意志には、いささかも変わるところはないだろう。その覚悟と意志がまさにぶつかり合う場としてのオリンピックで、日本は韓国に敗れたのだ。・・・
東京大学の植田教授を座長とした経済財政諮問会議が、いわゆる「平成版前川レポート」を答申した。この中で、失われた10年から今日に至るまで日本経済が自閉し、グローバル化に対応できず世界経済の成長エネルギーを引き込めていないことが、今日の閉塞と停滞を生み出している大きな原因と指摘されている。政府側でこのレポートのとりまとめの中心となった大田弘子経済担当大臣は、2008年1月の国会演説で「残念ながら、もはや日本は『経済は一流』と呼ばれる状況ではなくなった」という有名な言葉を残したが、現実はその言葉を裏打ちするように進行している。・・・平成版前川レポートの指摘などは、聞く耳を持たぬという調子で、最近の日本経済の動きは、ほとんど鎖国状態といえるような目を覆いたくなる状況で、電源開発に対する外資排除、羽田の滑走路ひとつ増設できない政治の不在など、グローバル化とはほど遠い道を歩んでいる。どうしてこんな体たらくとなるのか? 暗澹とした疑問にかられるのだが、グローバル化を拒む鎖国論者は、結局のところ、世界の中における日本がおかれた現実、すなわち「敗北」を正視したくないのではないか。・・・


 まったくもっておっしゃる通りで、このところの日本の内向き志向は、国を滅ぼす元となるものであると、私は確信しています。幕末ですら、「鎖国攘夷で国を守れるわけではない」という現実を理解した知識人が、開国攘夷に変わっていったというのに、この国には、そういう気配がないように感じられます。

歴史的にいえば、この国ほど国を開くことに臆病で、不器用な国はなかったといえるだろう。過去の2回の開国とは、幕末と太平洋戦争の敗戦後ということになるが、そこに共通していたのは、いずれも自ら進んでおこなった開国ではなかったということだ。そして、この国が開国を余儀なくされたということの背景には、開国と不可分な形で実は敗北が存在した。われわれは、下田沖に現れた黒船やチュウインガムを噛んでジープを乗り回すヤンキーに完膚無きまでに負けたからこそ、開国したのだ。こうした歴史観に立つなら、第三の開国とは、第三の敗北とともにしか実現できないのかもしれない。だとしたら、この国は、もっと敗北感を持たねばならないのだろう。自分の力が出せなかったから日本野球は負けたのではない。知力、体力、気力、全ての面で、グローバルを意識して戦っていた韓国に劣っていたから負けたのだ。そのことを率直に認めなければ、次の一歩は踏み出せないだろう。

 極めて残念なことですが、私は、この国が「第三の敗北」を迎えることを半ば確信しています。その意味では、「カトラー」さんよりも悲観的だと言ってよいでしょう。愚かなマスコミと愚かな政府と愚かな自称識者たちと確信犯の官僚たちが形作る国家のたどる道は決まっているからです。
 本来であれば、この未曽有の危機を克服するために傑出したリーダーが出てこなければならないのですが、そうでないとすれば、個々の国民としては、自身と家族と同僚の自己防衛に走るしかないように思われます。嗚呼・・・。

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ポッドキャスティング-木村 剛が斬る!
今週のテーマ:中小企業支援4千億円はまやかしだ

政府が今月中にまとめる総合経済対策に、中小企業支援対策費として4千億円が
盛り込まれる事が決まった。
4千億円を信用保証協会に出資することで8兆円規模の融資が出るのではないかと
いうことだが、はっきり申し上げて絵空事だ。


続きはポッドキャスティングで・・・・。
http://www.financialjapan.co.jp/podwmv/080828/080828mag_mayakashi.html

2008 09 03 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク

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