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2008.10.10

[ゴーログ]麻生内閣は教訓を活かせない?

 皆さん、こんにちは。木村剛です。「カトラー」さんが、「自民党総裁選は麻生太郎の圧勝という結果で幕をとじ、新内閣が発足した。安倍、福田と続けざまに自民党総理が、政権を投げだすという異常事態から始まったドタバタ劇、そして今回の総裁選レースだったが、そこからは自民党という政党の断末魔が見えてくるようだった」と評しています。

次の総選挙では、地方票の行方が間違いなく勝敗の分かれ目になるだろう。民主党が勝利した先の参議院選挙で、小沢一郎は、地方に鬱屈する不満をうまくすくい上げ、勝利に繋げたが、同じことを二度はさせまじと自民党も地方票の掘り起こしに懸命だ。地方が疲弊したことを小泉改革のせいといって憚らず、小泉政権をスケープゴートにしてまで地方組織の引き締めにかかっている。小泉改革を反古にして、明らかに昔の自民党に先祖還りしようとしているかのようも見える。しかし、自民党の地方の集票組織はかつてのようには機能しない。公共事業の削減によって、地方の建設企業の多くが廃業・倒産に追い込まれており、自民党から離反しつつあるからだ。・・・このままではジリ貧のまま果てるだけという思いが「政権交代」を望む声につながっている。九州で中堅の建設会社を経営する私の知人は、自分も含めた地方ゼネコン業者のことを「ゾンビ」と表現する。公共事業を当てにしている限り、もうとっくに死んでいておかしくないからだ。回ってくる工事受注は、良かった頃の五分の一しかない、社員も半分以下に減らした。

そもそも地方の離反は、自民党のこれまでの場当たり的バラマキ政策のツケが回った結果に他ならない。小渕、森政権の時に、デフレ対策と称して、膨大な公共事業費が投入され、地方の建設業者が急増し、ピーク時には、全国で60万社を超えた。デフレ不況の中で、一般企業が懸命な企業努力を進める中で、地方ではクルマの通らない道路、観客のいない公民館などが際限なく建設され、大きな社会的な批判を浴びた。地方の建設企業はこれによって一時的には潤ったが、こんな芸当がいつまでも続けられるわけがない。小泉改革によって、公共事業のパイプは締まり、地方には仕事が回ってこないゾンビのような建設会社だけが残された。60万社ある地方ゼネコンは、今後、最終的には20万社にまで減じるだろうといわれているが、この整理される40万社の地方建設業の怨念が今、自民党に向かっているのだ。・・・

リチャード・クーが麻生の経済ブレーンだということが、あちこちのメディアで取り上げられている。リチャード・クーは、小渕、森内閣時代に行われた地方公共事業のバラマキを理論的に正当化しているエコノミストである。地方の集票マシンであるゾンビ建設業者に昔の夢よもう一度と幻想を抱かせるために、麻生は、自分にはリチャード・クーのような経済ブレーンがついているというメッセージを確信犯的にばらまいている。リチャード・クーというエコノミストは・・・小渕、森内閣時代のバラマキ公共事業に対して「こうした財政支出があったから金融恐慌が防げた」と手放しで自画自賛しているのには全く呆れ果ててしまう。・・リチャード・クーは、死にそこなったゾンビのようなケインジアンであり、「公共事業によって経済の効率が上がったりすると逆に失業が増えてしまうので、穴を掘って、その掘った穴をまた埋めるような無駄な仕事の方が望ましい」というような悪しきケインジアンの見本のようなご託宣をたれるものだから、無駄な道路を未来永劫作り続けたい自民党の道路族などからは、センセー、センセーといまだに重用されている。

資産価格の下落でバランスシートが傷んでしまい、金利ゼロでも企業が資金の借り入れや投資を行わなくなる「バランスシート不況」を10年前の日本は経験した。そうした時に政府が民間に代わって財政支出を行うことは必要だったかもしれないが、問題はその支出がどのように行われたかであり、そこを考えることがそもそも政治というものだ。小渕、森政権のばらまきは、結局、日本の津々浦々まで無駄な道路、ハコモノとゾンビを増やしただけだということを思い起こさなくてはならない。

 報道を見る限り、麻生政権の経済政策は旧態依然としたバラマキにすぎないように思えます。残念ながら、小渕・森政権の教訓を活かすことができずに、再び同じ過ちを犯してしまうのでしょう。旧ソ連やキューバや北朝鮮における統制経済の失敗という教訓を活かすことができずに、統制経済へとひた走っている日本という国は、教訓を活かせないという性質があるようです。

2008 10 10 [04. 経済政策を語ろう!] | 固定リンク

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