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2008.10.05
[フィナンシャル ジャパン] 分散投資の黄金比率
フィナンシャル ジャパン 10月号 窪田真之の株式投資力トレーニング講座
第5回 分散投資の黄金比率
株3・債券7の比率で分散投資をすると、安定的に良好なリターンが得られることが、過去の経験からわかっています。この黄金比率は、将来も有効であると考えます。
株式投資において一番大切なことは、みんなが悲観的になって株が安くなった時に買い、みんなが楽観的になって株が高くなった時に売ることです。これって、言うのは簡単でも、実際にやるのはとても難しいことですね。
みんなが悲観的になった時ってどんな時でしょう? それは、まさに今ですよ、今! 買収価値から見て考えられないほど割安な株がゴロゴロしているのに、誰も株を買いたがらなくなっています。残念ながら、多くの投資家は、市場のムードに影響されやすいのです。ムードが暗いと株を売りたくなり、ムードが明るいと株を買いたくなります。しかし、それでは、結果的に安い時に売り、高い時に買うことになります。
ムードに左右されやすい人は、「いいタイミングで買っていいタイミングで売る」ことは、一切考えないようにしたほうがいいと思います。短期的な相場予測をすることなく、株3・債券7の黄金比率で、淡々と分散投資を続けていくことが、結果的にすぐれた運用成果を獲得することにつながります。
株式の銘柄選択に自信のない人は、無理に個別銘柄を選ぶ必要はありません。日経平均やTOPIX(東証株価指数)に連動するETF(指数連動型投資信託)に投資するだけで、割安な日本株への投資は完了です。
というわけで、今日は、分散投資の価値をしっかり理解しているかどうか、試すクイズです。今日は、2問出題です。正解を、①~③から選んでください。
Q1. 日経平均が3万8915円87銭の史上最高値をつけた1989年12月に、全財産の30%を日本株(日経平均)に、
70%を10年(固定利付)国債に投資してしまった人がいました。その人の財産は10年間放っておいたら、どうなってしまったでしょうか?
〈選択肢〉
①約20%増える
②約20%減る
③約50%減る
Q2.長期金利が0.5%まで低下した2003年5 月に、全財産の30%を日本株(日経平均)に、70%を10年国債に投資してしまった人がいました。その人の財産は、長期金利が2%まで上昇した2006年5月にはどうなってしまったでしょうか?
〈選択肢〉
①約25%増える
②約8%増える
③約8%減る
A. 正解は、両方とも①です。
まず、Q1について解説します。日経平均は1989年12月に史上最高値をつけた後、暴落しました。10年後には、半値以下になってしまいます。ただし、残り7割の長期債で大きなリターンが得られます。当時の10年金利は約5%で、10年間で50%のリターンが得られます。株の下落分を補って十分なリターンです。
次に、Q 2 を考えます。2003年5月に0.5%だった長期金利は、3年後には2%まで上昇します。金利上昇で国債は値下がりします。ただし、2003年5月の日経平均は約8000円でその3年後には約1万7000円に上昇しています。株の値上がりで、債券の下落を補って十分なリターンが得られます。
ところで、株と債券の間に、どうしてこのような見事なヘッジ(一方が下がる時、他方が上がることでリターンを安定させる効果)関係が成り立つのか、おわかりでしょうか。
①景気が拡大、物価が上昇する時→株上昇・金利上昇(債券価格が下落)、②景気が低迷、物価が下落するとき→株下落・金利下落(債券価格が上昇)という関係が、長期的に成立しているからです。日経平均が最高値をつけたのは1989年12月でしたが、90年9月に、長期金利は8・28%と、当時の最高値をつけました。そして、日経平均が直近の最安値(7607円88銭)をつけた2003年4月とほぼ同時期の03年5月に、長期金利は直近の最低水準である0.5%割れまで低下しました。その後、日本の景気回復につれ、株価上昇、金利上昇が続きまし
た。しかし、足元は、景況の悪化で株価が下落、金利も低下してきています。
さて、ここからが大切なところです。これから先、株価は上がるでしょうか、下がるでしょうか? 金利は上昇するでしょうか、下落するでしょうか?
私は、今後3年くらいを考えると、株価が上昇、金利も上昇すると予想しています。しかし、それはあくまでも予想にしかすぎません。将来、株価が上がるか下がるか、金利が上昇するか下落するか、一生懸命考えても、なかなか当たるものではありません。「株価が下がると嫌だから株は買わない」、「金利が上昇する前に長期国債を買ってしまうと損だから長期国債も買わない」と言っていたら、いつまでも何もしないまま銀行預金にお金を眠らせておくことになります。
相場予測はやめましょう。日本株3割、長期固定利付国債7割で、淡々と分散投資を続けましょう。景気拡大、金利上昇シナリオが実現すれば、日本株が大きく上昇するでしょう。景気低迷、物価下落シナリオが実現する場合は、長期国債が宝物になることでしょう。
いいタイミングで買っていいタイミングで売るなんて一切考えないで、株3・債券7の黄金比率で、淡々と分散投資を続けましょう。それが、結果的にすぐれた運用成果につながるはずです。
[くぼた・まさゆき]大和住銀投信投資顧問シニア・ファンド・マネージャー。日本証券アナリスト協会の企業会計研究会委員。企業会計基準委員会のセグメント情報等開示専門委員会専門委員。
2008 10 05 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク
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